Harper, Aaron, and Laura Blackwood.
"Toxicity and response in cats with neoplasia treated with toceranib phosphate." 
Journal of feline medicine and surgery 19.6 (2017): 619-623.

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==アブストラクト===
目的
:リン酸トセラニブはチロシンキナーゼ阻害薬であり、犬の切除不適応なPatnailグレードⅡ/Ⅲの再発性皮膚肥満細胞腫の治療に認可されている。猫においてはこの薬剤の許容薬用量や毒性、腫瘍の反応性などの情報がない。この研究の目的は進行した腫瘍を持ちトセラニブで治療した猫の集団を回顧的に解析し、毒性と反応性を調べることである。

方法
:小動物教育病院の医療記録を再調査した。組織学的もしくは細胞学的に腫瘍疾患と確定され、治療として2週間以上のトセラニブの投与を受けている猫で、ベースラインの検査の後に少なくとも1回はモニタリングのための血液検査(血球計算、血液化学)を受けている猫を組み入れた。毒性はVeterinary Comparative Oncology Groupの有害事象共通用語基準(VCOG-CTCAE)に則って、グレード評価し、反応性は固形がんの治療効果判定の基準(RECIST)に則って評価した。

結果
:14頭の猫が組み入れ基準を満たし、その多く(13/14)が過去に治療(手術、放射線治療、化学療法)を受けていた。最も多かった腫瘍のタイプは肥満細胞腫と悪性上皮性腫瘍であった。毒性は10/14頭でみられ、10頭で軽度の骨髄抑制もしくは消化器への影響がみられた。2頭では重度な肝毒性がみられた。1頭が心不全で死亡したが、治療と関連しているかどうかは不明であった。反応性に関しては、1頭が完全寛解を得て、2頭は部分寛解を得て、5頭は維持病変であった。全体の生物学的反応率は57.1%であった。肥満細胞腫の治療をした猫では全てで完全寛解もしくは部分寛解となった。全体での反応期間の中央値は90日(14-570日)であった。扁平上皮癌で反応が得られた猫はいなかった。

結論と関連性
:猫はリン酸トセラニブの投与を一般によく許容し、多くのケース(10/14)で毒性は軽度な骨髄抑制か消化器障害に限定されていた。しかしながら肝毒性には注意が必要である。この小集団での治療の反応性は、犬での報告に類似していた。


==訳者コメント===
・治療の反応については肥満細胞腫とその他の腫瘍とで分けて考える必要があると思います。