Tress, Barbara, et al.
"Bacterial microbiome of the nose of healthy dogs and dogs with nasal disease." 
PloS one 12.5 (2017): e0176736.

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==アブストラクト===
 犬の鼻疾患における細菌群の役割は、これまでのところ次世代配列決定法を用いた研究はされていない。細菌の16S rRNA遺伝子の配列決定により、犬の上気道には多様な微生物群は存在することになった。しかし鼻疾患の犬における鼻の細菌叢の組成の変化について、これまで記載されていない。この研究の目的は健康な犬の細菌叢の特徴を明らかにし、それを鼻腔腫瘍もしくは慢性鼻炎が組織学的に確定した犬と比較することである。
  鼻のぬぐい液を健康な犬(n=23)、鼻腔内の悪性腫瘍をもつ犬(n=16)、慢性鼻炎の犬(n=8)から採取した。細菌のDNAと抽出し、細菌16S rRNA遺伝子の配列決定を行った。データは微生物生態学への定量的分析(QIIME)を用いて分析した。26の細菌門から376の操作分類単位の細菌が検出された。健康な犬では、モラクセラ属(Moraxella spp.)が最も一般的な種であり、次いでフィロバクテリウム属(Phyllobadterium spp.)、カーディオバクテリア科(Cardiobacteriaceae)、ブドウ球菌属(Staphylococcus spp.)が多かった。一方で、疾患のある犬では健康な犬に比べてモラクセラ属が有意に減少しており(P=0.005)、パスツレラ科は有意に増加していた(P=0.001)。健康な犬の鼻の微生物群と疾患を持つ犬の鼻の微生物群を比較した場合、
unweighted UniFrac distance metric(p=0.027)に用いられた類似点の分析は有意に異なっていた。
 この研究では、犬の鼻腔には多くの種の豊富な細菌叢が生育していることが示され、健康な犬の鼻腔の細菌叢と鼻疾患を持つ犬の鼻腔の細菌叢には有意な差があることが示唆された。