Swann JW, et al. 
"Prevalence and risk factors for development of hemorrhagic gastro-intestinal disease in veterinary intensive care units in the United Kingdom" 
Journal of Veterinary Emergency and Critical Care (2016).

PubMed リンク
本文:無料公開なし

==アブストラクト===
目的:消化器疾患以外の管理を目的に獣医集中治療室(ICUs)に来院した犬と猫において起こる、出血性の消化器(GI)疾患の有病率を決定する。

デザイン:2012年10月から2013年7月に来院した動物の回顧的な調査

施設:イギリス(UK)にある3つの獣医教育病院のICUs

動物:3つのICUsのいずれかに少なくとも24時間以上入院した犬(n=272)と猫(n=94)を連続して登録した。来院前48時間以内または入院後24時間に出血性消化器疾患を起こした症例は除外した。症例は消化器もしくは上気道の手術を受けた場合、消化器疾患の管理のために入院した場合、頭蓋骨の骨折、鼻出血、喀血に罹患した場合も除外した。

測定と主な結果:犬の出血性消化器疾患は3つのICUsすべてで観察されたが、その割合は異なっていた(施設1:10.3%、施設2:4.8%、施設3:2.2%)。猫の 出血性消化器疾患はいずれの施設でも観察されなかった。多変量ロジスティック回帰モデルにより、血清アルブミン濃度、予防的胃保護薬の投与、および施設が、犬の出血性消化器疾患の発生と有意に相関していた。出血性消化器疾患の発症と栄養チューブの設置は、犬の入院期間中の死亡率と有意に関連していた。入院中に犬37頭(13.6%)と猫12頭(12.8%)が死亡もしくは安楽死され、出血性消化器疾患の犬では死亡率が高かった(42.1%)。

結論:非消化器疾患の治療で入院中の犬に出血性消化器疾患は起こるが、この現象は猫では観察されなかった。獣医ICUsにおいて出血性消化器疾患の発症は生存に有意な影響を与えるようだ。 


==訳者コメント===
・出血性消化器疾患の発症と死亡率の増加が関連付けられていますが、これが単なる相関関係なのか、因果関係があるのかは注意が必要です。重篤な基礎疾患などが交絡因子になっている場合、その影響で出血性消化器疾患も起こるし、死亡もするということも考えられます。多変量解析の項目について本文の確認が必要そうです。
・ただし、何れにしても消化管出血を起こすような場合には予後が悪い可能性が高いと認識しておいた方が良さそうです。
・基礎疾患や出血に対してどういった治療がなされたかなども本文を確認したいところです。