Ghisleni, G., et al.
"Correlation between fine‐needle aspiration cytology and histopathology in the evaluation of cutaneous and subcutaneous masses from dogs and cats." 
Veterinary Clinical Pathology 35.1 (2006): 24-30.

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==アブストラクト===
背景:微細針吸引細胞診(FNAC)は動物の表層および深層の腫瘤の評価に用いられる一般的な診断手技である。しかし臨床現場における皮膚および皮下の評価におけるFNACの正確性について述べた研究はない。

目的:この研究の目的は犬と猫の皮膚および皮下の腫瘤の診断に置いて、病理組織学と比較してFNACの正確性を評価することである。

方法:1999年から2003年の間に242頭の犬と50頭の猫から得られた、292の触知可能な皮膚および皮下腫瘤の細胞学的および病理組織学的検体について回顧的に再評価した。細胞学的検体は
FNAによって得られ、病理組織学的検体は外科的生検もしくは剖検によって得られた。病理組織学をゴールドスタンダードとして、一致率を決定し、腫瘍の診断のためのFNACの正確性を決定した。

結果:292検体のうち、49(犬44、猫5)は細胞学的検体の細胞の状態が不良であったため除外された(回収率83.2%、n=243)。細胞学的な腫瘍の診断は176例(病理組織学と比較して真の陽性175例、偽陽性1例)であった。67例は非腫瘍性疾患と診断(病理組織学と比較性して真の陰性45例、偽陰性21例)であった。全体として、細胞学的診断の病理組織学的診断との一致率は90.9%(221/243)であった。腫瘍の診断において、細胞診の感度は89.3%、特異度は97.9%であった。陽性的中率は99.4%、陰性的中率は68.7%であった。

結論:この研究によって、小動物臨床における触知可能な皮膚および皮下病変の評価においてFNCAは信頼できる有用な診断手技であると言えた。