Willems A., et al. 
"Results of screening of apparently healthy senior and geriatric dogs." 
Journal of veterinary internal medicine 31.1 (2017): 81-92.

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==アブストラクト===
背景:高齢犬のヘルスケアへの関心が高まっている。しかし高齢犬における身体検査や臨床検査の所見に関する科学的な情報は限られている。

目的:飼い主が健康と判断している高齢犬において、収縮期血圧(SBP)と身体検査と臨床検査の結果について記述すること。

動物:家庭犬100頭

方法:前向きに犬を集めた。飼い主はアンケートを完了した。収縮期血圧の測定、身体検査、整形学的検査、神経学的検査、直接眼底検査、シルマーティア試験を行なった。CBC、血清生化学検査、尿検査を評価した。

結果:41頭の高齢(senior)犬と59頭の高齢(geriatric)犬が含まれた。収縮期血圧の平均は170±38mmHgであり、53頭で>160mmHgであった。31頭の犬が過体重であった。心雑音は22頭で検出され、重度の歯石が21頭、一個以上の皮膚(皮下)腫瘤が56頭で認められた。32頭の犬で血清クレアチニンの上昇、29頭で低リン血症、27頭でALPの上昇、25頭でALTの上昇、23頭で白血球の減少がみられた。結晶尿、主に非定型結晶が多く検出された(62/92)。明らかな蛋白尿とボーダーラインの蛋白尿が、それぞれ13/97、18/97で検出された。4頭の犬で尿の細菌培養が陽性だった。 senior犬に比較して、geriatric犬では整形外科的問題の頻度、皮膚(皮下)腫瘤の頻度、血小板数が有意に高かった。
senior犬に比較して、geriatric犬では、体温、ヘマトクリット値、血清アルブミン、血清総チロキシン濃度が有意に低かった。

結論と臨床的重要性:身体検査と臨床検査の以上は健康に見える高齢犬で一般的なものであった。獣医師は高齢ペットの健康診断の実施やヘルスケアの改善に重要な役割を果たす。
 

==本文から===
注)senior犬とgeriatric犬は、体重毎に年齢で分けているようです。(詳細は本文のfigure1)
(9kg以下では9歳からがseniorですが、54kg以上では4歳からがseniorのようです!)
(この定義が一般的なのかどうかは調べる必要がありそうですが)


==訳者補足===
  • 高齢になれば健康そうに見えても、いろいろと問題は出てくるよというところでしょうか。経験的にも一致する部分が多いように思います。
  • こうしたデータから、まあ高齢だしねと多少の問題は受け流すか、高齢になるといろいろ問題が出るから検査受けなきゃダメですよというかは、いろいろ意見はあるかもしれません。
  • 少なくともこうした異常の検出は、それ自体が目的ではありません。異常を見つけることが目的になると病気を作ることが目的になってしまいかねないと思います。それがアクションの変更や予後の改善につながるのかどうかという点が大事ではないかと思います。