Ovbey, Dianna H., et al.
"Prevalence and risk factors for canine post‐anesthetic aspiration pneumonia (1999–2009): a multicenter study." 
Veterinary anaesthesia and analgesia 41.2 (2014): 127-136.

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タイトル
:犬の麻酔後の吸引性肺炎の罹患率と危険因子:多施設研究(1999-2009)

==アブストラクト===
 目的
:犬の麻酔後の吸引性肺炎(AP)の発生率を決定し、吸引性肺炎の発症に関連する麻酔の薬剤、手順、管理に関する因子同定すること。

研究デザイン
:他施設、ランダム化、症例対照回顧的研究。

動物
:吸引性肺炎に罹患した240頭の犬と罹患していない488頭の犬。

方法
1999年1月から2009年12月までの6つの獣医大学の電子カルテデータベースを、麻酔もしくは鎮静と肺炎にコード化された犬について検索した。用手の検索によって、2158の記録が組み入れ基準の適合と判定した。吸引性肺炎の診断はレントゲンによって行なった。各罹患犬ごとに、同じ時期に鎮静または麻酔が行われ吸引性肺炎を起こしていない犬のリストから、2頭の罹患していない対照犬をランダムに選出した。次に、吸引性肺炎との関連について57の因子を評価した。単変量のカイ二乗検定またはスチューデントt検定、ついで多変量ロジスティック回帰を行いデータ分析を行なった。

結果
:10年間に鎮静もしくは麻酔をかけた140,711症例における術後の吸引性肺炎の発生率は0.17%であった。吸引性肺炎の発症と有意に関連した麻酔関連の事象が2つあり、導入時の逆流とモルヒネの投与であった。抗コリン作動薬の投与は吸引性肺炎に関連してなかった。吸引性肺炎のオッズの上昇に関連していた手技は、開腹手術、上気道手術、神経外科、開胸術、内視鏡検査が含まれた。整形外科手術、眼科手術、歯科処置、MRI、CT、気管支鏡検査、膀胱鏡検査、気管鏡検査、中性化手術は吸引性肺炎と関連していなかった。吸引性肺炎と関連していた患者要因は3つあり、巨大食道症と事前の呼吸器疾患または神経疾患の存在であった。上記の独立した予測変数を2つ以上もつ犬の69%が吸引性肺炎を発症した。 

結論と臨床的関連
:多くの麻酔薬や麻酔処置は吸引性はい年の発症と関連していなかった。我々はリスクのある患者を守るための方法を考案して評価する必要がある。