Donaldson, D., et al.
"Canine limbal melanoma: 30 cases (1992–2004). Part 1. Signalment, clinical and histological features and pedigree analysis."
 
Veterinary ophthalmology 9.2 (2006): 115-119.
 
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タイトル:犬の輪部黒色腫;30症例(1992-2004年)パート1.シグナルメント、臨床的および組織学的特徴、家系分析

==アブストラクト===
目的
:(1)犬の輪部黒色腫のシグナルメント、臨床および組織学的な特徴を再評価すること(2)共通の祖先が存在するかどうかを確認するために、輪部黒色腫の好発犬種の家系分析を行うこと(3)犬の輪部黒色腫と前ぶどう膜黒色腫との間に祖先関係が存在するかどうかを調べること

デザイン:回顧的研究

研究動物:輪部黒色腫の犬30頭

方法:患者の医療情報を再調査した。追跡情報は患者の再調査か紹介元の外科医か飼い主への通信アクセスによって得た。罹患した犬の中での共通した祖先について血統を分析した。

結果
:診断時の平均年齢(±SD)は6.2歳齢(±2.75)であり、範囲は1 - 11歳齢であった。3-4歳のピークと7-10歳のピークの二峰性の年齢分布があった。毛色や性別に対する眼の好発や素因はなかった。輪部黒色腫の25頭(83%)が背側正中から腹側側方の輪部にかけての背側弓でみられた。ゴールデンレトリバーは、動物健康トラストの集団と比較して黒色腫の群では4倍多い頻度でみられた(p<0.0001)。ラブラドールレトリバーは黒色腫の群で3倍多い頻度でみられた(p=0.01)。8頭のゴールデンレトリバー(輪部黒色腫(n=5)、前ぶどう膜黒色腫(n=2)、びまん性眼黒色症(n=1))の家系分析により、発生状態と一致する血縁間のパターン、少なくとも部分的には遺伝的変異によるということが明らかになった。同様の血縁間水準が6頭のラブラドールレトリバー(輪部黒色腫(n=2)、前ぶどう膜黒色腫(n=4)でも認められた。5/22(23%)の症例で 悪性が示唆される組織学的特徴が存在し、腫瘍内壊死が4/22(18%)でみられ、細胞異型が1/22(5%)でみられた。

結論:輪部黒色腫、前ぶどう膜黒色腫、眼黒色症のあるゴールデンレトリバーとラブラドールレトリバーは、少なくとも部分的には遺伝性であり、同じ遺伝的変異 が異なる眼球部位でのメラノサイト疾患に結果として関連してる可能性がある。これら2犬種には同じ遺伝的変異が存在している可能性がある。悪性度が高い可能性についてを同定するために全ての症例で組織検査を行うべきである。


==訳者コメント===
・アブストを読んでもどんな研究をしたのか全然わかりません...輪部黒色腫の動物を調べたと言っているのに結果では前ぶどう膜黒色腫なども出てきて...せめてもう少し研究の概要が分かるアブストラクトを書いてもらいたいです...