Bennett, Alice J., and Erica L. Reineke.
"Outcome following gastrointestinal tract decontamination and intravenous fluid diuresis in cats with known lily ingestion: 25 cases (2001–2010)." 
Journal of the American Veterinary Medical Association 242.8 (2013): 1110-1116.

PubMedリンク PMID:23547675
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タイトル:ユリ摂取が判明した猫における胃腸管除染と静脈輸液利尿の結果:25例(2001-2010)

==アブストラクト===
目的: ユリ属およびヘメロカリス属のユリの植物成分を摂取した後に、胃腸管除染と静脈輸液利尿もしくはその両方で治療された猫の転帰を説明すること。デザイン;回顧的症例シリーズ。

動物:ユリ植物の摂取後に評価された25頭の猫

手順:2001年7月から2010年4月の間に、ペンシルバニア大学のMathew J. Ryan獣医病院で、ユリ摂取が判明した 猫の医療記録を再調査した。この研究への組み入れには、48時間以内のユリ植物の摂取の証拠を必要とした。摂取したユリのタイプ、摂取時間、行われた胃腸管除染の方法、静脈輸液利尿について記録した。急性腎障害の有無は、BUN濃度、クレアチニン濃度、尿比重を評価することで判定した。転帰は生存退院、死亡、安楽死として定義した。

結果
: 摂取からペンシルバニア大学のMathew J. Ryan獣医病院での評価までの時間の範囲は30分以内から48時間であった。19頭の猫が胃腸管除染をうけた(18頭は我々の病院、1頭は紹介元の病院で)。23頭の猫は静脈輸液利尿、支持療法、モニタリングのために入院した。それらの23頭中17頭(74%)の猫は入院期間中、BUNとクレアチニン濃度は正常だった。退院時点で、入院した23頭中2頭(9%)がBUN濃度、クレアチニン濃度もしくはその両方が上昇していた。25頭すべて(100%)の猫は生存して退院した。

結論と臨床的関連
:この症例シリーズでは、ユリの摂取から48時間以内に治療された猫で予後は良好であり、急性腎障害の発生率も低かった。最も効果的な胃腸管除染の手技と静脈輸液の最適な持続時間を決定するためにはさらなる研究が必要である。