Fitzgerald, Kevin T.
"Lily toxicity in the cat." 
Topics in companion animal medicine 25.4 (2010): 213-217.

PubMedリンク PMID:21147474
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タイトル:猫におけるユリの毒性

==アブストラクト=== 
ユリは一般的に、休日の祝賀会、結婚式、葬儀、そして様々な生け花 に使われる開花の長い観賞用植物である。ユリ属とヘメロカリス属は猫における腎毒性を引き起こすことが示されている。非常に多くの異なる植物がユリと呼ばれるので、混乱が生じている。Convallaria(スズラン)属の仲間は、腎臓を節約する一方で、ジキタリスに似た強力な強心配糖体をもつため、毒性作用をもつ。どんなユリが有毒であるかについてさらに混乱させることは、多くの交雑種が存在するという事実である。一般の大半は、ユリが猫にとって危険である可能性について知らず、事実、飼い主の家にある植物を正確に同定することができない。猫はユリの毒性効果に非常に敏感であることが示されている。わずか2枚の葉もしくは1枚の葉の一部でも死に至ったことがある。植物全体、つまり花びら、おしべ、葉、花粉すべてが有毒であるということを指摘しておくべきである。正確な毒性用量と腎臓障害の原因となる正確な毒素については現在は知られていない。臨床徴候の迅速な発現は、毒素の吸収率速度が早いことを示唆している。腎尿細管上皮は毒素の標的のようである。研究によってユリの水溶性画分に腎毒性があると示されている。猫におけるユリ中毒の臨床徴候には流涎、嘔吐、食欲不振、沈鬱がある。多尿性の腎不全は脱水、無尿性の腎不全に至り、死亡の原因となる。ユリ摂取の分析的な検証は、現在利用できるものはない。治療の成功には無尿性の腎不全に至る前に輸液利尿を開始することが含まれる。一度無尿性の腎不全が発症すると、腹膜透析もしくは血液透析が唯一可能性のある治療となる。ユリ中毒の鑑別診断には、猫における急性腎不全の可能性となるいずれの原因も含まれる。無尿性の腎不全が発現する前に輸液利尿を始めた場合の予後は良好である。一般の人は、家の観賞用植物に毒性がある可能性についてしっていなければならない。