Payne, Jessie Rose, David Charles Brodbelt, and Virginia Luis Fuentes.
"Cardiomyopathy prevalence in 780 apparently healthy cats in rehoming centres (the CatScan study)."
 
Journal of Veterinary Cardiology 17 (2015): S244-S257.

PubMedリンク PMID:26776583
本文:無料公開なし

タイトル: リホームセンターの見た目に健康な猫780頭における心筋症の有病率(CatScan study)

==アブストラクト===
目的:肥大型心筋症(HCM)は猫では一般的であると思われ、先行データに基づけば15%の猫の罹患を仮定される。目的は見ために健康な成猫の大集団における心疾患のスクリーニングであり、HCMの診断と関連する要因を特定することである。 

動物:6ヶ月齢以上で見た目に健康な猫1007頭。

方法:この前向きの横断研究における組み入れ基準は、見た目に健康な猫、6ヶ月齢以上、2つのリホームセンターから17ヶ月間にリホームされた、ことを含めた。高血圧または甲状腺機能亢進症の猫は除外した。体重、ボディーコンディションスコア(BCS)、聴診、収縮期血圧、および二次元(2-D)心エコー検査を評価した。2-D心エコー検査で心室拡張末期壁厚が6mm以上の猫をHCMありと判断した。

結果: 780頭の猫で完全なデータが得られた。心雑音の有病率は40.8%(95%信頼区間(CI) 37.3-44.3%)であり、そのうち70.4%は機能性と考えらた。HCMの有病率は14.7%(95%CI 12.3-17.4%)であり、先天性疾患は0.5%(95%CI 0.1-1.3%)、その他の心筋症は 0.1%(95%CI 0.0-0.7%)であった。心筋症の有病率は年齢とともに増加した。心筋症の検出における心雑音の陽性的中率は17.9-42.6%(高齢猫でより高い)であり、陰性的中率は90.2-100%(若い猫でより高い)であった。2値ロジスティック回帰モデルによるHCMの診断に関連する要因は、雄、年齢の上昇、BCSの増加、心雑音(特にグレードⅢ/Ⅵ以上)であった。

結論
:肥大型心筋症は、他の心筋症とは対照的に、健康にみえる猫において一般的である。心雑音は一般的であり、それはしばしば機能性である。



訳注)rehoming centre は里親を探して譲渡する場所ののようですが(あっているでしょうか?)、そのままリホームセンターと訳しました。 


==訳者コメント===
心筋症の診断が拡張末期の壁厚6mm以上でほぼ確定されてしまっていますが、それでよいのでしょうか?有病率が多めに見積もられてしまっているような気がします。