Paterson, S.
"Brainstem auditory evoked responses in 37 dogs with otitis media before and after topical therapy."
 
Journal of Small Animal Practice (2017).

PubMedリンク PMID:28718886
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タイトル:中耳炎の犬37頭における局所治療前後での脳幹聴覚誘発反応 

==アブストラクト===
目的
:この研究の目的は、マルボフロキサシン、ゲンタマイシン、トブラマイシン、チカルシリンの水溶液の耳内投与(オフライセンス使用)が聴覚の変化と関連していたかを脳幹聴覚誘発反応による測定によって決定することである。

方法: 中耳炎と診断した犬(n=37)に脳幹聴覚誘発反応試験を行い、ついで耳の疾患の治療を行なった。まず外耳道と中耳を滅菌生理食塩水で洗浄し、そのあとに0.15%クロルヘキシジンを含むEDTAトリスで洗浄した。そしてEDTAトリスの水溶液に混じた水溶性の抗菌薬の組み合わせを中耳に注入した。それぞれの犬にフォローアップの検査を行い、感染性生物もしくは炎症浸潤がなくなるまで治療を続けた。感染がなくなり治療を中止した後に、脳幹聴覚誘発反応試験を繰り返した。

結果:マルボフロキサシンまたはゲンタマイシンの水溶液で治療した犬の脳幹聴覚誘発反応は変化なしか改善したが、チカルシリンまたはトブラマイシンで治療した犬では障害をうけた。

臨床的重要性
: 中耳炎の症例で、局所抗菌薬のオフライセンス使用が必要と考えられる場合、マルボフロキサシンおよびゲンタマイシンの水溶液は、チカルシリンまたはトブラマイシンの水溶液よりも聴覚毒性が低いようである。


==本文から==
利益相反:著者はVetruusの獣医学顧問であり、過去2年間に
Dechra Animal HealthとElancoからコンサルタント料を受け取っている。