Leib, M. S., et al.
"Diagnostic utility of abdominal ultrasonography in dogs with chronic vomiting." 
Journal of veterinary internal medicine 24.4 (2010): 803-808.

PubMedリンク PMID:20561189
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タイトル:慢性嘔吐のある犬における腹部超音波検査の診断有用性

==アブストラクト===
背景:慢性嘔吐は犬において一般的な問題であり、多くの原因がある。多くの胃腸疾患の超音波検査の記述が発表されている。しかし、慢性嘔吐のある犬における超音波検査の診断有用性については調べられていない。

仮説:腹部超音波検査の診断有用性は、消化管腫瘍の犬で高く、炎症性疾患の犬で低いだろう。

動物:慢性嘔吐のある89頭の犬。

方法
:医療記録を再調査し、臨床診断のための腹部超音波検査の寄与を主観的に評価した。 

結果:68.5%の犬で、超音波検査を行わずに同じ診断が得られただろうと調査者は考えた。22.5%の犬では、超音波検査は診断にとって重要である、もしくは有益であると考えられた。単変量解析では、診断有用性の上昇は、年齢の増加、1週間あたりの嘔吐の回数の多さ、体重減少の存在、体重減少の割合の多さ、最終診断がリンパ腫または胃腺癌であることと関連していることが特定された。しかし、多変量解析では年齢の上昇と
最終診断がリンパ腫または胃腺癌であることのみが診断有用性の上昇と関連していることが特定された。12.4%の犬で、嘔吐の問題にへの貢献を除いた症例の管理に、超音波検査のさらなる利益が確認された。

結論と臨床的重要性
:腹部超音波検査の診断有用性は27%の犬で高かった。慢性嘔吐のある犬において、診断有用性の高さと関連する要因が存在することは、 腹部超音波検査を行うことの指標となる。