O'neill, D. G., et al.
"Chronic kidney disease in dogs in UK veterinary practices: prevalence, risk factors, and survival." 
Journal of Veterinary Internal Medicine 27.4 (2013): 814-821.

PubMedリンク PMID:23647231
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タイトル:英国の獣医開業における慢性腎臓病;有病率、危険因子、および生存

==アブストラクト===
背景:犬の慢性腎臓病(CKD)の有病率は幅広い(0.05-3.74%)。同定されている危険因子には年齢の増加、特定の犬種、小さい体格、歯周病が含まれる。

仮説/目的:犬におけるCKDの有病率を推定し、CKDの診断と生存に関連する危険因子を同定すること。純血種は交雑種よりもCKDのリスクが高く、不良な生存の特徴をもつであろうと仮説した。

動物:2年間(2010年1月ー2011年12月)に英国の89の獣医開業に来院した107,214頭の犬を統合した臨床データベース。

方法:縦断研究計画はみかけの有病率を推定し、真の有病率はベイズ分析を用いて推定した。入れ子にした症例対照研究により危険因子を評価した。生存解析にはカプランメイヤー生存曲線法と多変量Cox比例ハザード回帰モデルを用いた。

結果:CKDのみかけの有病率は0.21%(95%信頼区間:0.19-0.24%)であり、真の有病率は0.37%(95%事後信用区間:0.02-1.44%)であった。有意な危険因子には年齢の増加、被保険、特定の犬種(コッカースパニエル、キャバリアキングチャールズスパニエル)が含まれた。心疾患は有意な併存疾患であった。有意な臨床徴候は口臭、体重減少、多飲/多尿、尿失禁、嘔吐、食欲低下、不活発、下痢が含まれた。診断からの中央生存期間は226日(95%信頼区間 112-326日)であった。診断時の国際腎臓学会(IRIS)ステージと血中尿窒素濃度はCKDによる死亡の危険性と有意に相関した。

結論と臨床的重要性
:慢性腎臓病は犬の福祉を損なう。CKDの危険因子への意識の高まりと生存期間と血液化学検査との関連は、診断を容易にし、動物の生存期間と福祉を改善するために症例の管理を最適化すべきである。