Züger, L., et al.
"Differences in Epidural Pathology between Cervical and Thoracolumbar Intervertebral Disk Extrusions in Dogs." 
Journal of veterinary internal medicine 32.1 (2018): 305-313.

PubMedリンク PMID:29194770
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タイトル: 犬の頚部および胸腰部の椎間板脱出の硬膜外病変の相違

==アブストラクト===
背景:基本的な病態生理学は頚部および胸腰部の椎間板脱出の両方で同じであるが、部分的にしか説明されていないかなりの臨床的な差異がある。

仮説/目的:硬膜外の炎症反応は頚部と胸腰部の椎間板脱出において異なる。

動物::頚部椎間板脱出の犬55頭、胸腰部椎間板脱出の犬80頭

方法:臨床データと病理組織学的変数を調べた。硬膜外の炎症の重症度と臨床および病理学的変数との関連、軟骨異栄養性の表現型、部位(頚部 vs. 胸腰部)を統計学的に評価した。

結果
:頚部の椎間板脱出の犬は、胸腰部の椎間板脱出の犬に比べて有意に高齢であり(p<0.001)、神経徴候が軽度であり(p<0.001)、神経徴候の期間が長く (p<0.001)、痛みが強く(p=0.038)、そして予後がよかった(p=0.005)。病理組織学的に、頚部の硬膜外物質は石灰化が少なく(p=0.002)、炎症が少なかった(p<0.001)。軟骨異栄養性の表現系に有意差はみられなかった。

結論と臨床的重要性:頚部の硬膜外腔では炎症反応が有意に少なかった。この観察は、頚部の脱出において髄核の石灰化が少ないことと正の相関があり、それは2部位間の生化学的、代謝的、生体力学的な差異を示唆しており、さらなる研究で特徴付けられることになる。