Bray, J. P., et al.
"Does thalidomide prolong survival in dogs with splenic haemangiosarcoma?." 
Journal of Small Animal Practice59.2 (2018): 85-91.

PubMedリンク PMID:29210452
本文:無料公開なし

タイトル
:脾臓の血管肉腫の犬においてサリドマイドは生存を延長するか?
 
==アブストラクト===
 
目的:犬の血管肉腫の補助療法としてのサリドマイドを調べること。

方法
:最初に脾臓摘出術で治療した脾臓血管肉腫の犬15頭を組み入れた。手術からの回復に引き続き、すべての犬にサリドマイドの投与をするまで続けた。腫瘍のステージは、サリドマイド治療を開始する直前に胸部および腹部のCTスキャンを用いて行い、3ヶ月後にも再び行なった。死因は死後検査によって確認した。

結果:サリドマイドの投与をうけた犬の中央生存期間は172日(95%信頼区間:93-250日)であった。5頭(33%)は術後1年以上生存(範囲:458-660日)した。ステージ2でサリドマイドの投与を受けた犬は、ステージ3の犬に比べて生存期間が長かった(中央生存期間 303日vs.40日)。15頭中、13頭が血管肉腫の転移によって死亡した。

臨床的重要性
:サリドマイドによる治療はは、脾臓血管肉腫の犬の生存を改善する可能性があり、可能な補助療法として考慮すべきである。 


==訳者コメント=== 
たしかに脾臓血管肉腫の術後の一般的な自然予後よりは、長めの生存期間になっている感じがあります。
ただし、対照群もなくn数も多くないため、効果ありと判断できるほどの結果ではないかもしれません。手術した全ての犬に投与ができたわけでもないと思いますし、腫瘍のステージの偏りもあるかもしれません。