Heikkilä, Helka M., et al.
"Assessing adverse effects of intra-articular botulinum toxin A in healthy Beagle dogs: A placebo-controlled, blinded, randomized trial."
 
PloS one 13.1 (2018): e0191043.

PubMedリンク PMID:29320549
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タイトル:健康なビーグル犬における関節内ボツリヌストキシンAの副作用の評価:プラセボ対照、盲検無作為化試験。

==アブストラクト===
目的:犬におけるボツリヌストキシンAの関節内注射の臨床的、細胞学的、および組織学的な副作用を調べ、注射後にトキシンが関節から広がるかどうかを調べること。

方法
:縦断型、プレセボ対照、無作為化臨床試験を、6頭の健康な実験ビーグル犬で行なった。膝関節に、30IUのオナボツリヌストキシンAもしくはプラセボを、1:1の比率で無作為化して投与した。注射後12週間の間に検査ごとに異なる時点で、注射された肢の動的および静的な体重負荷の評価、関節の痛みのない可動域と触診による痛みの評価、 および滑液分析、神経学的検査、電気生理学的記録、によって副作用とトキシンの広がりを調べた。犬は安楽死され、剖検され、関節構造と隣接する筋肉および神経の病理組織学的検査が行われた。

結果:関節内ボツリヌストキシンAは、局所の虚弱もしくは注射部位の痛みのいずれも引き起こさなかった。代わりに、膝関節の静止時体重負荷と痛みのない可動範囲は、プラセボ群の肢で減少した。関節内ボツリヌストキシンAに関連した臨床的に重要な異常は、神経学的検査で検出されなかった。電気生理学的記録では、ボツリヌストキシンAの注射した肢において2頭の犬で複合的な筋活動の低さが示された。滑液においては、有意な変化は検出されなかった。剖検および関節と隣接する筋肉および神経の病理組織学的検査では、トキシンによる病理組織学的な副作用は明らかなにはされなかった。

結論
:関節内ボツリヌストキシンAは、健康な犬では臨床的、細胞学的、病理組織学的に有意な副作用を起こさない。電気生理学的記録に基づくと、トキシンは関節から広がる可能性があるが、 臨床的な影響は低いようである。