Schott, Courtney R., et al.
"Histologic Grade Does Not Predict Outcome in Dogs with Appendicular Osteosarcoma Receiving the Standard of Care." 
Veterinary pathology (2017): 0300985817747329.

PubMedリンク PMID:29284372 
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タイトル
:標準的な治療をうけた四肢の骨肉腫の犬において、組織学的グレードは予後を予測しない

==アブストラクト===
犬の四肢の骨肉腫は攻撃的な骨の主要であり、短い生存期間をもたらす。犬の骨肉腫に関する組織学的なグレーディングシステムはいくつか公表されているが、広く受け入れられたシステムはない。骨格内の位置と、受けた治療が、生存期間と相関しているが、これらの因子は、公表されたグレードシステムの予後の価値が決定された場合、常には考慮されてはいなかった。われわれの目的は、治療目的で標準的な治療をうけた四肢の骨肉腫の犬の集団において、公表されている2つの組織学的グレードシステムを比較することである。

3人の評価者が、2つの組織学的グレードシステムを用いて85の腫瘍をグレード分けした。カプランマイヤー生存関数と単変量Cox比例ハザードモデルを用いて、組織学的グレートおよび個々の組織学的特徴と転帰(生存期間と無病期間)との関連を評価した。

いずれの評価者によって割り当てられた組織学的グレードは、転帰と相関しなかった。1人の評価者によって評価された無作為に選択された3つの400倍顕微鏡視野あたりの有糸分裂像の増加は、生存期間と無病期間の療法と相関した;これは、いずれの評価による転帰と有意に相関する個々の組織学的特徴で唯一のものであった。

これらの所見は、断脚と補助化学療法をうけた四肢の骨肉腫の犬におけるルーチンの組織学的グレードによる予後指標に疑問を投げかけ、犬の四肢骨肉腫の予後の予測におけるより優れたツールの必要性を強調する。 


==補足==
四肢の骨肉腫のその他の予後因子についてはこちらも(“動物医療ジェネラリストのぼっちジャーナルクラブ”さんから参照)