Laver, T., et al.
"Prospective evaluation of toceranib phosphate in metastatic canine osteosarcoma." 
Veterinary and comparative oncology (2017).

PubMedリンク PMID:28621057
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タイトル: 犬の骨肉腫におけるリン酸トセラニブの前向き評価

==アブストラクト===
測定可能な転移のある犬の骨肉腫に対して効果のある治療は一般的に欠如している。予備的な回顧的研究では、測定可能な転移のある骨肉腫の犬の約50%が、トセラニブ治療により臨床的な利益(客観的な反応または臨床的に意義の高い病変の安定)を経験していることが示唆されいてる。この臨床試験の目的は、測定可能な肺転移のある骨肉腫の犬におけるトセラニブ治療に続く臨床的転帰を、前向きに評価することである。第二の目標は、血漿の血管内皮成長因子(VEGF)および循環制御性T細胞(Treg)のパーセンテージを測定することで、臨床的に有用な可能性のあるバイオマーカーを同定することである。

過去に断脚手術を受けた四肢の骨肉腫からの肺転移のある22頭の犬が、トセラニブによって前向きに治療された。有害事象は一般的であったが、大部分は低いグレードのものだった。9頭の犬が、病変の進行、生活の質の低下、もしくは飼い主が許容できないと感じた有害事象によって、反応を評価する8週間目よりも前に研究から脱落した。8週間目の疾患の進行の評価が可能であった患者では、3/17(17.6%)が維持病変であり、残りが進行病変であった。すべての患者の無病生存期間の中央値は57日(範囲 7-176日)であり、全生存期間の中央値は89日(範囲 7-574日)であった。血漿のVEGF濃度はトセラニブ治療後4週間で有意に上昇していたが、末梢血液中のTregのパーセンテージに変化はみられなかった。

全体として、この臨床試験の結果は、犬の転移性骨肉腫の単独療法としてトセラニブの使用を支持しない。


※企業関与・利益相反に関しては不明(本文読めないので)