London, Cheryl A., et al.
"Impact of toceranib/piroxicam/cyclophosphamide maintenance therapy on outcome of dogs with appendicular osteosarcoma following amputation and carboplatin chemotherapy: a multi-institutional study." 
PLoS One 10.4 (2015): e0124889.

PubMedリンク PMID:25923466
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タイトル: 断脚とカルボプラチン化学療法後の四肢の骨肉腫の犬で、トセラニブ/ピロキシカム/シクロフォスファミドの維持療法が転帰に及ぼす影響:多施設研究

==アブストラクト===
背景
: シクロフォスファミド/ピロキシカムのメトロノーム療法にトセラニブを加えることは、 断脚とカルボプラチン化学療法後の四肢の骨肉腫の犬における無病期間と全生存期間を有意に改善するだろうという仮説を立てた。

方法と結果
:これは無作為化前向き臨床試験であり、断脚後にカルボプラチン化学療法(4回投与)をうけた肉眼的な転移病変のない骨肉腫の犬(n=126)で行われた。試験開始時に、化学療法を終了したのちに、ピロキシカム/シクロフォスファミドに加えトセラニブを用いる群と用いない群(いずれもn=63)に、無作為に分けられた。患者の集団統計では両群に有意な差はなかった。カルボプラチン化学療法中もしくは直後に、32頭(トセラニブ群n=13、対照群n=19)で転移病変が発症し、13頭が他の疾患もしくは飼い主の以降により研究から外れた。カルボプラチン化学療法ののち、81頭(トセラニブ群n=46、対照群n=35)がメトロノーム療法をうけ、35頭(トセラニブ群n=20、対照群n=15)が維持治療中に転移病変を発症し、26頭が他の疾患もしくは飼い主の意向により研究から外れた。トセラニブで治療された犬9頭と対照犬11頭が、断脚後1年間転移病変の証拠なしに試験を完了した。トセラニブで治療された犬は、対照犬よりも、下痢、好中球減少、および体重減少のエピソードをより多く経験したが、それらの毒性はグレードが低く、典型的に支持療法で解決した。治療に関連する有害事象について研究から外れた犬は、対照犬(n=1)に比べてトセラニブ治療をうけた犬(n=8)でより多かった。無病期間の中央値は、対照で215日、トセラニブ治療で233日であり(p=0.274)、全体生存期間は対象で242日、トセラニブ治療で318日であった(p=0.08)。1年生存率は、対象犬で35%、トセラニブ治療をうけた犬で38%であった。

結論
:断脚とカルボプラチン化学療法後の、ピロキシカム/シクロフォスファミドのメトロノーム療法へのトセラニブの追加は、骨肉腫の犬の無病期間、全生存期間、または1年生存率を改善させなかった。


==本文から===
資金提供:この研究の資金とトセラニブはzoetisによって提供された。