Stepnik, Matthew W., et al.
"Outcome of permanent tracheostomy for treatment of upper airway obstruction in cats: 21 cases (1990–2007)." 
Journal of the American Veterinary Medical Association 234.5 (2009): 638-643.

PubMedリンク PMID:19250043
本文:無料公開なし

タイトル:上気道閉塞の治療として永久気管切開術を行なった猫の転帰;21症例(1990-2007年)

==アブストラクト===
目的:上気道閉塞で永久気管切開術を行なった猫の臨床的転帰を調べること。

デザイン:回顧的症例シリーズ

動物:猫21頭

方法:医療記録を再調査し、病歴、シグナルメント、臨床徴候、術前の臨床病理学的検査の結果、上気道閉塞の原因、手術手技、術後合併症、および転帰について調べた。

結果:上気道閉塞の原因は、腫瘍(扁平上皮癌[n=6]または悪性リンパ腫[2])、炎症性喉頭疾患(5)、口頭麻痺(4)、外傷(3)、および原因不明の喉頭腫瘤(1)が含まれた。14頭の猫が手術直後に呼吸困難を呈し、呼吸困難は、ほとんどの場合で瘻孔部もしくは気道の他の部位における粘液栓によって起こった。11頭の猫が死亡し、6頭は術後の入院中に死亡、5頭は退院後に死亡した。7頭は安楽死され、その理由として腫瘍の進行が最も多かった。2頭はこの研究時点で生存していた。残りの猫は退院後に追跡不能となった。情報が入手可能な20頭の猫の全体での中央生存気管は20.5日(範囲 1日-5年)であった。炎症性の喉頭疾患で永久気管切開術を行なった猫は、他の理由で永久気管切開を行なった猫と比較して、死亡率が6.61倍高かった。

結論と臨床的関連
:この結果は、永久気管切開は上気道閉塞の猫における稀な手技であり、高い合併症率と死亡率に関連していることを示した。