Pereira, Giorgio Q., et al.
"Fecal microbiota transplantation in puppies with canine parvovirus infection." 
Journal of veterinary internal medicine 32.2 (2018): 707-711.

PubMedリンク PMID:29460302
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タイトル
:イヌパルボウイルス感染した子犬における便微生物移植

==アブストラクト===
 背景
:パルボウイルス感染に伴う下痢は、犬で一般的である。支持療法が治療の主体であるが、回復まで時間がかかる可能性があり、死亡率も高くなり得る。腸内細菌微生物叢の修正は、様々な腸疾患の補助治療として、ヒトと獣医学において期待されている。

目的
:急性出血性下痢症候群の子犬の臨床的な回復に対する、便微生物移植の安全性と有効性を調べること。

動物
:パルボウイルスに感染し、2つの獣医病院で評価された子犬66頭。

方法
:無作為化臨床試験。子犬は無作為に標準治療と標準治療+便微生物移植 の2つのグループに分けられた。標準治療の子犬(n=33)には静脈輸液と抗菌薬の治療のみ行い、標準治療+便微生物移植の子犬(n=33)には標準治療に加えて便微生物移植を行った。便微生物移植のために、健康な犬から得られた便10gを10mlの生理食塩水で希釈し、入院後16-12時間で直腸投与した。

結果
:生存症例の中では、便微生物移植は、標準治療群と比べて、標準治療+便微生物群では下痢の改善が早く(p<0.001)、入院期間の短縮(p=0.001;標準治療+便微生物移植群で中央値3日、標準治療群で中央値6日)と関連した。標準治療群の死亡率は36.4%(12/33)であり、標準治療+便微生物群の21.2%(7/33)であったが、両群に当家定期な差はなかった(p=0.174)。ポリメラーゼ連鎖反応により、すべての動物がイヌパルボウイルス、CPV-2b株を保有していたことが示された。

結論
:パルボウイルスに感染した子犬における便微生物移植は、下痢の早期改善に関連してた。