Kopke, M. A., et al.
"Variability of Symmetric Dimethylarginine in Apparently Healthy Dogs." 
Journal of veterinary internal medicine 32.2 (2018): 736-742.

PubMedリンク PMID:29469955
本文:無料公開あり(全文

タイトル:明らかに健康な犬における対称性ジメチルアルギニンの変動性

==アブストラクト===
背景
:対称性ジメチルアルギニン(SDMA)は、慢性腎臓病(CKD)の症例において、早期腎機能障害と治療のモニタリングのためのスクリーニングツールである。公表された母集団ベースの参照範囲による使用における、この検査の適合性について述べた最新の研究はない 。

仮説/目的
:明らかに健康な犬におけるSDMAと血清クレアチニンの両方について、生物学的変動、個体性指数、連続測定の間の臨界差、および恒常性セットポイントを評価するための必要測定回数、 の構成成分を決定すること。

動物
:獣医教育病院の患者もしくはスタッフが飼育している見た目に健康な成犬20頭。

方法
:前向き、観察研究。血液を各犬から9回採取し、SDMAと血清クレアチニンを市販で利用できるアッセイを用いて二重に測定した。

結果
:SDMAと血清クレアチニンは、個体性指数がそれぞれ0.87と0.28で、中程度および低い値であった。 連続測定の間の臨界差については、SDMAと血清クレアチンでそれぞれ、1.34μg/dlと0.89μg/dlであった。恒常性セットポイントを評価するための必要測定回数(90%および95%信頼区間)については、SDMAと血清クレアチニンでそれぞれ、8回と45回、2回と12回であった。

結論と臨床的重要性
:我々の所見に基づけば、血清クレアチニンと比較して、SDMAは母集団ベースの参照範囲の使用に対してよりよく適していた。個々の単回の検査結果をそれらの範囲と比較する場合に、偽陰性の検査結果が起こる可能性がある。理想的には、連続測定とともに臨界差を使用すべきである。


==本文から===
利益相反:著者の利益相反なし


==訳者コメント=== 
用語補足)
 ”個体性指数(index of individuality)は基準範囲を決める総変動のうち、個体内変動がどの程度を占めるかを示す相対的指標であり、次のように定義される。 
個体性指数=(個体内変動)/(個体間変動)”
三宅一徳. "2. 基準値 (基準範囲) とカットオフ値の考え方." 日本内科学会雑誌 94.12 (2005): 2467-2472.から引用

臨界差(critical difference)についてはイントロを読んでも、調べてみてもよくわかりませんでした。。。


いずれにしろ、この研究の結果で、結論部にあるように”SDMAがCreよりもよく適していた”と考えるべきなのかがよくわかりませんでした。