McAloney, Camille A., et al.
"Evaluation of the diagnostic utility of cytologic examination of renal fine-needle aspirates from dogs and the use of ultrasonographic features to inform cytologic diagnosis." 
Journal of the American Veterinary Medical Association 252.10 (2018): 1247-1256.

PubMedリンク PMID:29701529
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タイトル:犬の腎臓細針吸引の細胞学的検査の診断的有用性、および細胞診断に情報を提供するための超音波検査の特徴の評価

==アブストラクト===
目的:犬の腎臓の細針吸引(FNA)標本の細胞学的特徴を記述し、十分に評価可能(診断率)とみなされる細胞学的標本の割合を評価し、腫瘍性疾患と日腫瘍性疾患に対する細胞学的検査の診断有用性を評価し、腎臓評価の超音波検査の特徴を明らかにして画像の特徴が細胞診の解釈に情報を提供できるかどうかを決定することである。

デザイン
: 回顧的、観察研究

対象
:100頭の犬から得られた102の細胞学的標本と97の超音波検査

方法
:医療記録を再調査し、超音波ガイド下の腎臓FNAを行った犬を同定した。スライドは解釈に適切か 不適切かに分類され、適切スライドは回顧的な細胞診に用いられた。腫瘍性および非腫瘍性疾患の検出に対する細胞診の感度、特異度、および適中率を、組織学的もしくはリンパ球クローナリティ活性の結果と比較することで算出した。腫瘍および非腫瘍性の腎臓病編の超音波検査の特徴を記述した。

結果
:102頭中74頭(72%)の標本が解釈に十分なスライドを有しており、26が診断精度分析に組み入れられた。腫瘍性疾患および非腫瘍性疾患の検出のための細胞学的検査の感度は78%と50%であり、 特異度は50%と77%であった。リンパ腫の検出のための感度は100%であった。腫瘍を特定するための腎臓の超音波検査の所見は様々であり、腎臓の腫瘤形成が最も一般的に、癌腫(5/5)、リンパ腫(5/7)、他の腫瘍(3/4)でみられ、非腫瘍性疾患では腫瘤形成はみられなかった(n=5)。

結論と臨床的関連
:腎臓FNA標本は、他の臓器で報告されている割合と比較しても、解釈できる割合は十分であり、腫瘍の診断において臨床的的に有用であると考えられる。画像の特徴は腫瘍性と非腫瘍性病変の鑑別を助ける可能性があるが、しかしさらなる調査が必要とされる。