Moore, Antony S., et al.
"Streptozocin for treatment of pancreatic islet cell tumors in dogs: 17 cases (1989–1999)." 
Journal of the American Veterinary Medical Association 221.6 (2002): 811-818.

PubMedリンク PMID:12322919
本文:無料公開なし

タイトル:犬における膵島細胞腫瘍の治療としてのストレプトゾシン;17症例(1989-1999)

==アブストラクト===
目的:犬おける利尿プロトコルを組み合わせたストレプトゾシンの毒性効果を判定し、犬の膵島細胞腫用の治療としてストレプトゾシンが有効かどうかを確認すること。

デザイン:回顧的研究。

動物:17頭の犬。

方法: 医療記録を再調査し、シグナルメント、腫瘍のステージと行われたステージング検査、ストレプトゾシンの治療回数、副作用、ストレプトゾシン治療中の生化学および血液学的のモニター結果、腫瘍の大きさ、正常血糖の持続時間、死亡日、について入手可能な場合の情報を収集した。

結果:17頭の犬に対して58の治療投与が行われた。1頭が高窒素血症を発症した。血清ALT活性の増加が何頭かでみられたが、治療を中止した場合に減少した。血液学的毒性はまれであった。投与中の嘔吐は一般的ではなかったが、時に重篤であった。2頭で、5回の投与をうけたあとに糖尿病が発症した。stageⅡまたはⅢのインスリノーマでストレプトゾシンの治療をうけた犬14頭における、正常血糖値の持続期間の中央値は163日(95%信頼区間 16-309日)であり、対象犬(90日;95%信頼区間 0-426日)と比べて有意な差はなかった。2頭では腫瘍随伴性の抹消神経ニューロパチーが速やかに改善し、他の2頭では腫瘍サイズが測定可な減少を示した。

結論と臨床的意義
:この結果は、利尿プロトコルと組み合わせたストレプトゾシンの500mg/m2、IV、3週間ごとの犬への投与が安全であり、転移性の膵島細胞腫瘍のある犬の治療において有効な可能性があることを示唆している。


==訳者コメント===
結論で有効性について述べていますが、少なくともアブストの結果の内容だけだと、有効かどうかちょっとよくわからないですね。

ストレプトゾトシン(Streptozotocin)とストレプトゾシン(Streptozocin)は、同義のようです。