Thomas, Emily K., and Rebecca S. Syring.
"Pneumomediastinum in cats: 45 cases (2000–2010)." 
Journal of Veterinary Emergency and Critical Care  23.4 (2013): 429-435.

PubMedリンク PMID:23855521
本文:無料公開あり(全文

タイトル:猫の縦隔気腫;45症例(2000-2010)

==アブストラクト===
目的;縦隔気腫の猫の有病率、病因、来院理由、臨床経過、および転帰について特徴付けることである。

デザイン:2000年1月1日から2010年12月31日までの回顧的研究。

施設:大学の教育病院

動物
:X線検査で縦隔気腫と診断された猫45頭。

介入
:なし

方法と主な結果
:医療記録とX線検査記録を再調査し、X線検査で縦隔気腫と診断された猫を同定した。臨床情報を収集し、シグナルメント、病歴、臨床徴候、診断検査の結果、治療、合併症、および退院までの生存を調べた。45頭中31頭(69%)の猫で縦隔気腫は明らかな誘因のある二次的なものであった。気管挿管と陽圧換気を伴う全身麻酔は最も多い原因で、45頭中17頭(38%)でみられた。次いで、外傷が12/45頭(27%)、気管内異物が2/45頭(4%)であった。自然発生性の縦隔気腫(根底の原因不明)は、45頭中14頭(31%)で診断された。 自然発生縦隔気腫の臨床徴候の発症と診断では、14頭中6頭で嘔吐が先行していた。一般的な臨床徴候として、頻呼吸が27/45頭(60%)、呼吸努力の増加が26/45頭(58%)、皮下気腫が30/45頭(66%)でみられた。気胸の併発は21/45頭(47%)で同定され、胸水は10/45頭(22%)、後腹膜気腫が21/45頭(47%)でみられた。治療の主流は支持療法と根底の疾患の治療であった。回復の予後は良好で、87%が生存退院した。

結論
:猫の縦隔気腫はまれに診断される状態である。気管挿管と陽圧換気を伴う全身麻酔のようなイベントによって二次的にしばしば生じるが、頻度は高くないが自然発生性にも生じる。適切な支持療法により予後は良好である。