Keir, Iain, et al.
"Retrospective evaluation of the effect of high flow oxygen therapy delivered by nasal cannula on PaO2 in dogs with moderate‐to‐severe hypoxemia." 
Journal of Veterinary Emergency and Critical Care 26.4 (2016): 598-602.

PubMedリンク PMID:27333466
本文:無料公開なし 

==アブストラクト===
目的:従来の酸素療法が奏功しなかった犬の患者における高流量酸素療法の効果について述べること。

デザイン:回顧的研究

施設:民間の紹介病院

動物:原発性の肺低酸素症の家庭犬6頭

介入:なし

方法と主な結果:従来の酸素療法に失敗したと臨床的に評価された犬に対して、鼻カニューレにより高流量酸素を送気した。高流量酸素療法は、重度の低酸素血症の犬において、従来の酸素療法に比べて有意にPaO2を有意に改善することができた(中央値 61.85mmHg 範囲 52.3-71.8 vs 中央値 133.75mmHg 範囲 109.2-304.8 ;xsP=0.0412)。流速は従来の酸素療法に比べて高流量酸素療法で有意に高かった(中央値 122ml/kg/min 範囲 80-208 vs 中央値 688ml/kg/min 範囲523-1667;p=0.0412)。合併症として、1/6頭で軽度の鎮静を必要するような不快感があり、1頭で気胸がみられた。4/6頭で低酸素血症が改善した。

結論
:これらのデータは高流量酸素療法は、従来の酸素療法の失敗と判断された中程度から重度の低酸素血症のある犬に対して、実行可能な臨床的介入であることを示唆している。資源の限られた状況で、高流量酸素療法が機械的なベンチレーションの代替とし利用できるかどうかを決定し、この治療に関連する合併症を特徴づけるために、さらなる研究が必要である。