Dias, Claúdia, and L. Miguel Carreira.
"Serum ionised calcium as a prognostic risk factor in the clinical course of pancreatitis in cats."
 
Journal of feline medicine and surgery 17.12 (2015): 984-990.

PubMedリンク PMID:25537945
本文:googlescholar経由で入手可能(全文) 

タイトル:猫の膵炎の臨床過程における予後因子としての血清イオン化カルシウム

==アブストラクト===
目的:この研究の目的は、膵炎の進展における性別、年齢、品種が影響する可能性について評価し、 血清イオン化カルシウムの低値を疾患の臨床過程と決定する予後のリスク因子とみなせるかどうかを調べることである。

方法:膵炎のある24頭の猫を用い、疾患の進行により2つのグループに分けた;(1)非致死的で回復した(2)致死的で死亡した。それぞれの患者に対して2つの異なる時点(T1;診断日、T2;回復もしくは死亡日)でイオン化カルシウムと猫膵酵素(fPL)の定量を行った。統計的な分析を行い、p値<0.05を有意とみなした。

結果:T1の時点で、58.3%の患者が低カルシウム血症を有し、33.3%が正常カルシウム値、8.3%が高カルシウム血症であった。イオン化カルシウムの平均値は、回復群よりも死亡群で高かった。T2の時点で、75.0%の患者が正常カルシウム値で、25.0%が低カルシウムであった。T2の時点でのイオン化カルシウムの平均値は、死亡群で0.88±0.23mmol/lであり、一方回復群では1.10±0.11mmol/lであった。 病気の発症に対する性別もしくは年齢の傾向はなかったが、しかし品種の影響はみられた(短毛の家庭猫は膵炎を発症しやすかった)。

結論と関連
:この結果は低カルシウム血症は垂涎の患者で一般的であり、イオン化カルシウムは≦1mmol/lを負の予後と相関するとして、この疾患の臨床過程に対する予後の危険因子として使用できる可能性がある。