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カテゴリ: 診断

Bennaim, Michael, Robert E. Shiel, and Carmel T. Mooney.
"Diagnosis of spontaneous hyperadrenocorticism in dogs. Part 1: Pathophysiology, aetiology, clinical and clinicopathological features."
 
The Veterinary Journal 252 (2019): 105342.

PubMedリンク PMID:31554593
本文:googlescholar経由で入手可能(全文

タイトル
:犬の自然発生性副腎皮質機能亢進症の診断 Part 1;病態生理、病因、臨床、および病理組織学的な特徴


Bennaim, Michael, Robert E. Shiel, and Carmel T. Mooney.
"Diagnosis of spontaneous hyperadrenocorticism in dogs. Part 2: adrenal function testing and differentiating tests." 
The Veterinary Journal 252 (2019): 105343.

PubMedリンク PMID:31554584
本文:googlescholar経由で入手可能(全文

タイトル
犬の自然発生性副腎皮質機能亢進症の診断 Part 2;副腎機能検査と鑑別検査

==アブストラクト=== 
副腎皮質機能亢進症は、犬において比較的一般的な内分泌疾患である。それは機能的な下垂体または副腎の腫瘍によって起こり、他の原因は滅多に報告されていない。犬の副腎皮質機能亢進症は広く説明されているが、この疾患の診断は困難なままである。副腎皮質機能亢進症の犬と、疾患が疑われるが最終的には除外ざれる犬との区別に役立つような臨床的および臨床病理学的な特徴についての研究はほとんどない。最終的に診断は、シグナルメント、病歴、臨床所見、および様々な診断検査から得られる複数の情報の組み合わせによって行われる。
このレビューの最初のパートの目的は、自然発生性の犬の副腎皮質機能亢進症の疫学、臨床的特徴、臨床病理学的特徴について、批判的に評価することである。
このレビューの2番目のパートの目的は、自然発生性の犬の副腎皮質機能亢進症の副腎機能検査の診断性能に関する利用可能なデータを評価することである。 

Bahr, Katherine L., et al.
"Accuracy of US-guided FNA of focal liver lesions in dogs: 140 cases (2005–2008)."
 
Journal of the American Animal Hospital Association 49.3 (2013): 190-196.

PubMedリンク PMID:23535753
本文:無料公開なし

タイトル
:犬の限局性肝臓病変の超音波ガイドFNAの精度(2005-2008年)

==アブストラクト=== 
2005年3月から2008年10月の間に腹部超音波検査をうけた犬の医療記録を再調査し、細胞診と組織診断の両方のサンプルを採取した限局性肝臓病変について検出した。サンプルは主要な疾患プロセスの有無のいずれかによって分類され、それには悪性腫瘍、炎症、過形成/良性腫瘍、空胞性変化、髄外造血、肝硬変、壊死、を含め、顕微鏡学的異常は含めたなかった。選択バイアスの評価は、組織学的結果が得られなかったために比較解析から除外した症例と比較して、組織診断のある症例の細胞学的診断の相対分布のレビューによって行われた。

細胞診は空胞性変化(57.9%)に対して最も感度が高く、次いで腫瘍(52.0%)であった。細胞診は腫瘍(86.7%)に対する陽性的中率が最も高く、次いで空胞性変化(51.6%)であった。細胞診は炎症、壊死、および過形成に対して感度と陽性的中率がが低かった。犬の限局性肝臓疾患のおける疾患の特徴を特定するための細胞診の能力は、疾患過程によって様々である。

臨床医は、細胞診で腫瘍の診断が得られた場合には、高い確証をもつことができる。しかし、細胞診は腫瘍の可能性を除外するための信頼性は低い。細胞診は炎症に対して感度と陽性的中率が低く、空胞性変性の診断に対しても限定的な診断能力である。

Wang, Kelly Y., et al.
"Accuracy of ultrasound-guided fine-needle aspiration of the liver and cytologic findings in dogs and cats: 97 cases (1990–2000)."
 
Journal of the American Veterinary Medical Association 224.1 (2004): 75-78.

PubMedリンク PMID:14710880
本文:無料公開なし

タイトル:犬と猫の肝臓の超音波ガイドFNAの精度と細胞学的所見;97症例(1990-2000)

==アブストラクト=== 
目的
:犬と猫の肝臓の超音波ガイドFNAの精度と細胞学的所見を評価すること。

デザイン:回顧的研究。

動物:犬56頭、猫41頭。

方法
:1990-2000年の間に肝臓の細胞学的および病理組織学的検査によって評価された犬と猫の医療記録を再調査した。組織学的および細胞学的な診断は、空胞性肝障害、炎症、腫瘍、肝硬変、原発性胆汁鬱滞、シャント、正常、その他、に分類された。

結果:病理組織学的診断と細胞学的診断の間の全体の一致は、犬56頭中17頭(30.3%)、猫41頭中21頭(51.2%)でそれぞれみられた。空胞性肝障害は一致の割合が最も高いカテゴリだった。空胞性肝障害は、病理組織学的検査によってそれが主要な疾患過程であることがあきらかになったものうち、犬の11頭中7頭、猫の18頭中15頭で細胞学的に同定された。 しかし、細胞診で最も誤診されたのもこのカテゴリであった。炎症性疾患は犬20頭中5頭、猫11頭中3頭でそれぞれ正しく同定された。

結論と臨床的意義:犬と猫の細胞診の限界と、細胞学的所見と病理組織学的所見の不一致の程度についての認識は、肝疾患の診断における臨床医のよりよい決断に役立つだろう。
 

Radlinsky, Maryann G., et al.
"Comparison of three clinical techniques for the diagnosis of laryngeal paralysis in dogs." 
Veterinary surgery 38.4 (2009): 434-438.

PubMedリンク PMID:19538662
本文:無料公開あり(全文) 

タイトル:犬の喉頭麻痺の診断のための3つの臨床テクニックの比較

==アブストラクト===
目的:3つの診断手技(喉頭エコー検査、経鼻喉頭鏡、経口喉頭鏡)を用いて喉頭機能を評価すること。

研究デザイン:前向き臨床研究。

動物:喉頭麻痺のある犬(n=5)と対照犬(n=10;5頭は年齢と犬種を対応させた犬、5頭は若くて犬種を対応させた犬)。

方法:喉頭機能について、覚醒下の犬で喉頭エコー検査を用いて評価した。 すべての検査を記録し、研究の完了時に別々のブラインドされた観察者によって評価された。感度、特異度、陽性的中率、陰性的中率を用いて、症例のすべての臨調知識を組み込んだ標準評価と方法を比較した。

結果
:手術を必要とする両側性の喉頭麻痺のある犬3頭では、喉頭エコー検査では片側性の病変または正常と診断された。3頭の犬では、経鼻喉頭鏡検査と経口喉頭鏡検査で奇異性運動が観察され、そのうち2頭は喉頭エコー検査では正常とみなされ、1頭は動きがみられなかった。1頭の年齢調整対照犬と3頭の若齢対照犬で、喉頭エコー検査で麻痺と診断された。経鼻喉頭鏡検査と経口喉頭鏡検査では、2頭の年齢調整対照犬と1頭の若齢対照犬で、披裂軟骨の動きの欠如と誤って診断した。経鼻喉頭鏡検査と経口喉頭鏡検査により、2頭の年齢調整対照犬と1頭の若齢対照犬で麻痺が誤って診断された。

ディスカッション:喉頭の直接的な観察は、喉頭エコー検査に比べて喉頭機能の評価をよりよいものにする。経口喉頭鏡検査は麻酔導入を必要としないが、経口喉頭鏡検査と比較して喉頭機能の評価能を改善することはなかった。

結論:喉頭エコー検査は喉頭の直接的な観察よりも効果的ではなかった。経鼻喉頭鏡検査は、経口喉頭鏡検査と比較して喉頭機能の評価を改善させなかった。 

臨床的関連
:われわれは、喉頭エコー検査および経鼻喉頭鏡検査よりも、臨床病歴と身体検査を経口喉頭鏡検査を組み合わせて喉頭麻痺の診断を行う。
 

Nivy, Ran, et al.
"The interpretive contribution of the baseline serum cortisol concentration of the ACTH stimulation test in the diagnosis of pituitary dependent hyperadrenocorticism in dogs." 
Journal of veterinary internal medicine (2018).

PubMedリンク PMID:30334283
本文:無料公開あり(全文

タイトル:犬の下垂体性副腎皮質機能亢進症の診断におけるACTH刺激試験のベースライン血清コルチゾール濃度の解釈への貢献

==アブストラクト===
背景: 副腎皮質機能亢進症の診断のためのACTH刺激試験の実施についての現在の推奨では、ベースラインの血清コルチゾール濃度の測定を推奨しているが、その結果を解釈するための参照は存在しない。

目的:副腎皮質機能亢進症の診断に対するACTH刺激試験のベースライン血清コルチゾール値の寄与を評価すること。

動物:54頭の犬が副腎皮質機能亢進症の疑いで紹介病院で評価された。

方法:副腎皮質機能亢進症の疑いでACTH刺激試験により評価された犬の記録を再調査した。受信者操作特性(ROC)解析を用いて、それぞれの検査のの刺激後血清コルチコール濃度のROC曲線下面積(AUC)を比較することで、ベースライン血清コルチゾール濃度、刺激後の血清コルチコール濃度、刺激後/ベースラインコルチゾール濃度差および濃度比の性能を評価した。

結果
:刺激後血清コルチゾール濃度のAUC(0.92; 95%信頼区間(CI)0.81-0.98)は、ベースライン血清コルチコール濃度のAUC(0.70;95%CI 0.56-0.82)および刺激後/ベースラインコルチゾール濃度比のAUC(0.55;95%CI 0.41-0.69)よりも有意に高かった(それぞれp=0.01、p<0.001)が、刺激後/ベースラインコルチゾール濃度差のAUC(0.86;95%CI 0.74-0.94)とは有意な差はなかった(p=0.09)。下垂体性副腎皮質機能亢進症の診断における、刺激後血清コルチゾール濃度の最適なカットオフ値は683nmol/L(24.8μg/dl)であり、感度は86%、特異度は94%となり、カットオフ値718nmol/L(26.0μg/dl)では特異度100%、感度81%となった。

結論と診療的重要性
:刺激後の血清コルチコール濃度は、副腎皮質機能亢進症の診断において良い識別能力を持っていた。これは刺激後/ベースラインコルチゾール濃度差でも同等であったが、ベースライン血清コルチゾール濃度と刺激後/ベースラインコルチゾール濃度比では有効ではなかった。ベースライン血清コルチコール濃度ためのサンプルの採取を勧める現在の推奨は不必要であるように思える。
 

Cagle, L. A., et al.
"Diagnostic yield of cytologic analysis of pericardial effusion in dogs."
 
Journal of veterinary internal medicine 28.1 (2014): 66-71.

PubMedリンク PMID:24236526
本文:無料公開あり(全文) 

タイトル:犬の心膜液の細胞学的解析による診断率

==アブストラクト=== 
背景
:心膜液の細胞学は多くの人にとって限られた価値しかないと考えられているが、その診断有用性を評価した研究はほとんどない。

目的
:犬の心膜液の細胞学的解析による診断有用性を決定し、追加データの検討が診断率を改善するかどうかを調べること。

動物
:1990年4月から2012年6月までの間に、心膜液の細胞学的診断を行なった犬259頭。

方法
:大学の教育病院の電子医療記録を回顧的に再調査し、シグナルメント、完全血球計算、血清生化学、心膜液の細胞学的解析、および心臓エコー検査のデータについて記録した。細胞学的に、診断的(感染性または腫瘍性)か、非診断的(出血性またはその他)かに分類し、群は多重スチューデントt検定によって比較された。

結果
:細胞学的に、非診断的(92.3%)または診断的(7.7%)に分類され、出血性(90%)、腫瘍性(4.6%)、感染性(3.1%)、その他(2.3%)に分けられた。全体の心膜液の細胞学的な解析の診断有用性は7.7%であり、心膜液のヘマトクリット値が<10%の場合には20.3%に上昇した。 心臓エコー検査での腫瘤の所見は、診断有用性を有意に上昇させることはなかった。

結論と臨床的重要性
:犬の心膜液の細胞学的会解析の診断有用性は、根底の疾患によって変動する。この研究の集団では、心膜液のヘマトクリット値が10%未満の場合に、細胞学的解析の診断率が上昇した。
 

Cummings, Kelly R., et al.
"Objective measurements of the atlantoaxial joint on radiographs performed without flexion can increase the confidence of diagnosis of atlantoaxial instability in toy breed dogs." 
Veterinary Radiology & Ultrasound (2018).

PubMedリンク PMID:30014570
本文:無料公開なし

タイトル
:屈曲させずに撮影したレントゲンにおける環軸関節の客観的な測定は、トイ犬種における環軸関節の不安定性の診断の信頼度を増加させる

==アブストラクト===
トイ犬種は環軸不安定症を多くみとめる。レントゲンは標準的な診断検査である。しかし、トイ犬種に特異的なレントゲンの測定に関する公表は欠如しており、診断は主に主観的なままである。この回顧的な診断性能研究の目的は、正常な値を調べ、トイ犬種に特異的な環軸不安定症の診断を強く支持する定量的なレントゲン基準があるかどうかを調べることである。

102頭のトイ犬種(対照92頭、罹患10頭)のニュートラルで撮られた側方像および腹背像のレントゲンを再評価した。C1-2の重なりの中央値(C2の棘突起とC1背側弓の重なりの距離)は、対照犬で+4.65mm、環軸不安定症の患者で-5.00mmであった。C1-C2の重なりが+1.55mm以下であることは、環軸不安定症の診断において、もっとも感度(100%)と特異度(94.5%)の良いレントゲンの測定値であった。以下の3つの相対的な測定が行われた;腹側環椎歯突起間距離/背側
環椎歯突起間距離比、歯突起/C2比、C1-C2角度。こららの3つの測定は、高い特異度(それぞれ94.5%、86.9%、98.9%)と、低い感度(80.0%、66.7%、60.0%)であり、体重の影響はうけなかった(p>0.05)。絶対値の測定(絶対歯突起長、絶対環軸距離を含む)は、体重と有意に相関し、環軸不安定症の診断としての有用性はなかった。

C1-C2の重なりの減少は、環軸不安定症を強く支持する。
腹側環椎歯突起間距離/背側環椎歯突起間距離比、歯突起/C2比、C1-C2角度はさらなる支持を与えるが、個々の症例において正常でも見られる可能性がある。
 

Maeda, S., et al.
"Endoscopic cytology for the diagnosis of chronic enteritis and intestinal lymphoma in dogs." 
Veterinary pathology 54.4 (2017): 595-604.

Maeda, S., et al.
"Endoscopic cytology for the diagnosis of chronic enteritis and intestinal lymphoma in dogs." 
Veterinary pathology 54.4 (2017): 595-604.

PubMedリンク
 PMID:28494704
本文:無料公開あり(全文) 

タイトル:犬の慢性腸炎と腸管リンパ腫の診断のための内視鏡的細胞診

==アブストラクト===
犬において細胞診は迅速な診断手法ではあるが、慢性腸炎および腸管リンパ腫に対する内視鏡生検の細胞診の基準はあまり定義されていない。細胞診を用いた即時的な診断は、治療の導入を試みることができるため、患者の利益となるだろう。この研究の目的は、内視鏡による細胞診と病理組織診断の結果の相関を調査することである。

この研究には、慢性の胃腸疾患の臨床徴候をもつ167頭の犬が含まれた。病理組織学に基づき、以下の診断が決定された;リンパ球形質細胞性腸炎(93頭)、好酸球性腸炎(5頭)、小細胞性腸管リンパ腫(45頭)、大細胞性腸管リンパ腫(24頭)。2人の臨床病理医が、内視鏡細胞診の押しつぶし塗抹の標本を回顧的に評価した。炎症、小細胞性リンパ腫、および大細胞性リンパ腫は、リンパ球の浸潤度合い、浸潤しているリンパ球の大きさ、およに好酸球/肥満細胞の浸潤に基づき、炎症、小細胞性リンパ腫、大細胞性リンパ腫が細胞学的に診断された。臨床的な重症度スコアは、細胞診で評価されたリンパ球の浸潤度合いとともに有意に増加した。細胞学的診断は、167頭中137頭(81.4%)で病理組織診断と完全に一致した。腸炎とリンパ腫の鑑別については、内視鏡細胞診は感度98.6%、特異度73.5%、陽性的中率72.3%、陰性的中率98.6%であった。ログランク検定とCox回帰分析により、細胞診の結果が予後を予測することが示された。

これらの結果は、内視鏡的細胞診は犬における腸管の炎症とリンパ腫の診断の補助となる有用な手法でありことが示唆された。
 

Shaw, T., S. T. Kudnig, and S. M. Firestone.
"Diagnostic accuracy of pre‐treatment biopsy for grading cutaneous mast cell tumours in dogs." 
Veterinary and comparative oncology 16.2 (2018): 214-219.

PubMedリンク PMID:28857446
本文:無料公開なし 

==アブストラクト===
肥満細胞腫は犬の皮膚の一般的な腫瘍であり、犬のすべての皮膚腫瘍の20%を占めると推定されている。腫瘍のグレードは局所再発の発生や転移の可能性に大きな影響を与える。さらに手術計画を立てる臨床医を助けるために、腫瘍のグレードの知識は適切な予後予測と飼い主への説明に役立つ。治療前の生検が有用であるためには、治療前の生検で得られた病理組織学的グレードと、切除生検で得られた実際の病理組織学的グレードとの間に、高いレベルでの相関がなくてはならないこの研究の目的は、 様々な生検手法(ウェッジ、パンチ、ニードルコア)と、”ゴールドスタンダード”の切除生検との間の腫瘍グレードの一致率を決定することである。 

Patnaik グレーディングシステムでは全体で96%の一致率となり、Kiupelグレーディングシステムでは全体で92%の一致率となった。切除生検と比較したときの様々な生検方法(ウェッジ、パンチ、ニードルコア)の精度は、
Patnaik グレーディングシステムでそれぞれ92%、100%、100%であり、Kiupelグレーディングシステムでそれぞれ90%、95%、100%であった。不一致の結果となった症例では、治療前の生検で腫瘍のグレードを過小評価する傾向があった。

この結果から、治療前の生検は、
生検の方法や腫瘍の位置に関わらず、低グレードと高グレードの肥満細胞腫を鑑別するのに十分正確であると、我々は結論づける。

Pijnacker, Tera, et al.
"Use of basal and TRH‐stimulated plasma growth hormone concentrations to differentiate between primary hypothyroidism and nonthyroidal illness in dogs." 
Journal of veterinary internal medicine (2018).

PubMedリンク PMID:29736988
本文:無料公開あり(全文) 

タイトル:犬の一次性甲状腺機能低下症と非甲状腺疾患とを区別するための基礎およびTRH刺激の血漿成長ホルモン濃度の使用

==アブストラクト===
背景:血漿総チロキシン(TT4)濃度の低値と、基準範囲内の血漿TSH濃度の組み合わせは、犬において甲状腺機能低下症と非甲状腺疾患を鑑別しない。甲状腺機能低下症は、TSH放出ホルモン(TRH)によって誘導される成長ホルモン(GH)の上昇と関連する。

仮説:基礎およびTRH誘導の血漿GH濃度は、甲状腺機能低下症の犬を、非甲状腺疾患の犬から鑑別する。

動物:甲状腺機能低下症の持続的な徴候があり、血漿TT4濃度が低く、血漿TSH濃度が参照範囲内の犬21頭。

方法:症例対照研究。甲状腺シンチグラフィーを行い、甲状腺機能低下症がある犬もしくは非甲状腺疾患の犬とに分類した。すべての犬にTRH刺激試験を行い、 TRH投与前と投与後30分、40分で血漿のGHおよびTSH濃度を測定した。

結果
:11頭の犬が甲状腺機能低下症に分類され、10頭が非甲状腺疾患に分類された。血漿GHの基礎濃度は、甲状腺機能低下症の犬(3.2 μg/l;範囲2.0-12.5μg/l)では、非甲状腺疾患の犬(0.73 μg/l;範囲0.45-2.3μg/l)よりも有意に高く(p<0.001)、重なりは最小限であり、また甲状腺機能低下症の犬ではTRH投与後にGHが上昇した(p=0.009)が、非甲状腺疾患の犬では変化しなかった。投与後45分で、甲状腺機能低下症と非甲状腺疾患の犬で血漿GH濃度の重なりはなかった。血漿TSH濃度は、甲状腺機能低下症の犬でTRH投与後にも有意な変化はなく、非甲状腺疾患の犬では上昇した(p<0.001)。投与後45分で、甲状腺機能低下症の犬の間で基礎値からの上昇の割合で重なりはなかった。

結論と臨床的重要性
:基礎血漿GHと、TRH刺激試験後のGHおよびTSH濃度の測定は、犬における甲状腺機能低下症と非甲状腺疾患を鑑別することができる。
 

McAloney, Camille A., et al.
"Evaluation of the diagnostic utility of cytologic examination of renal fine-needle aspirates from dogs and the use of ultrasonographic features to inform cytologic diagnosis." 
Journal of the American Veterinary Medical Association 252.10 (2018): 1247-1256.

PubMedリンク PMID:29701529
本文:無料公開なし

タイトル:犬の腎臓細針吸引の細胞学的検査の診断的有用性、および細胞診断に情報を提供するための超音波検査の特徴の評価

==アブストラクト===
目的:犬の腎臓の細針吸引(FNA)標本の細胞学的特徴を記述し、十分に評価可能(診断率)とみなされる細胞学的標本の割合を評価し、腫瘍性疾患と日腫瘍性疾患に対する細胞学的検査の診断有用性を評価し、腎臓評価の超音波検査の特徴を明らかにして画像の特徴が細胞診の解釈に情報を提供できるかどうかを決定することである。

デザイン
: 回顧的、観察研究

対象
:100頭の犬から得られた102の細胞学的標本と97の超音波検査

方法
:医療記録を再調査し、超音波ガイド下の腎臓FNAを行った犬を同定した。スライドは解釈に適切か 不適切かに分類され、適切スライドは回顧的な細胞診に用いられた。腫瘍性および非腫瘍性疾患の検出に対する細胞診の感度、特異度、および適中率を、組織学的もしくはリンパ球クローナリティ活性の結果と比較することで算出した。腫瘍および非腫瘍性の腎臓病編の超音波検査の特徴を記述した。

結果
:102頭中74頭(72%)の標本が解釈に十分なスライドを有しており、26が診断精度分析に組み入れられた。腫瘍性疾患および非腫瘍性疾患の検出のための細胞学的検査の感度は78%と50%であり、 特異度は50%と77%であった。リンパ腫の検出のための感度は100%であった。腫瘍を特定するための腎臓の超音波検査の所見は様々であり、腎臓の腫瘤形成が最も一般的に、癌腫(5/5)、リンパ腫(5/7)、他の腫瘍(3/4)でみられ、非腫瘍性疾患では腫瘤形成はみられなかった(n=5)。

結論と臨床的関連
:腎臓FNA標本は、他の臓器で報告されている割合と比較しても、解釈できる割合は十分であり、腫瘍の診断において臨床的的に有用であると考えられる。画像の特徴は腫瘍性と非腫瘍性病変の鑑別を助ける可能性があるが、しかしさらなる調査が必要とされる。 

Cridge, H., et al.
"Evaluation of SNAP cPL, Spec cPL, VetScan cPL Rapid Test, and Precision PSL Assays for the Diagnosis of Clinical Pancreatitis in Dogs."
 
Journal of Veterinary Internal Medicine (2018).

PubMedリンク PMID:29424454
本文:無料公開あり(全文

タイトル:犬の臨床的な膵炎の診断に対するSNAP cPL、Spec cPL、VetScan cPL迅速検査、および精確PSLの検査の評価

==アブストラクト===
背景
:犬の膵炎に対する4つの診断検査(SNAP犬膵リパーゼ(cPL)、特異的cPL(Spec cPL)、VetScan cPL迅速検査、および精確PSL)の感度、特異度、一致性についてはこれまで直接比較されていない。

仮説/目的
:臨床的に関係性のある集団で、4つの検査と臨床的疑いスコア、検査間の一致性のレベル、および各検査の感度と特異度を決定すること。

動物
:胃腸徴候のある家庭飼育犬50頭

方法
:前向き研究。病歴、身体検査、CBC、血清化学、腹部超音波検査、および膵炎に対する4つの診断検査を行った。クラス内相関係数(ICC)を用いて、各検査と、5人の認定獣医内科医により決定した臨床的疑いスコアの間の一致性レベルとの間の一致性を決定した。

結果
:臨床的疑いスコアと4つの検査の間のクラス内相関係数は、SNAP cPLが0.61、Spec cPLが0.68、VetScan cPL迅速検査が0.68、精確PSLが0.60であった。検査の感度の範囲は73.9-100.0%であったが、特異度はSNAP cPLが71.1-77.8%、Spec cPLが74.1-81.1%、VetScan cPL人迅速検査が76.9-83.8%、精確PSLが64.0-74.3%であった。

結論と臨床的関連
:4つの検査間の一致は良好から素晴らしいレベルだった。4つの検査のいずれの単独の結果も、支持する臨床所見がない場合には、犬の臨床的な膵炎の診断を確立するには不十分である。

 

Mueller, RS1, S. V. Bettenay, and M. Shipstone.
"Value of the pinnal-pedal reflex in the diagnosis of canine scabies." 
Veterinary Record 148.20 (2001): 621-623.

PubMedリンク PMID:11394797
本文:googlescholarからresearchgate経由で入手可能(全文) 

タイトル
:犬の疥癬の診断における耳介ペダル反射の有用性

==アブストラクト=== 
犬の疥癬を診断するための補助として耳介ペダルひっかき反射の潜在的な価値を、皮膚疾患のある588頭の犬で評価した。反射は、耳介の先端を基部に向かって5秒間しっかりこすることで評価し、同側の後肢が引っかき運動をした場合に陽性とみなした。犬の病歴、身体検査、および皮膚掻爬検査陽性もしくはイベルメクチンまたはミルベマイシンの治療後に痒みと皮膚炎が完全に消失し、その後最低12ヶ月再発がないことのいずれか、をもとに疥癬の診断を行なった。 

疥癬は55頭の犬で診断され、463頭がアレルギー性皮膚疾患、70頭がその他の皮膚疾患と診断された。55頭の疥癬の犬のうち、45頭(82%)が耳介ペダルひっかき反射に陽性であった。疥癬の犬のうち40頭(73%)に耳介皮膚炎があり、それらのうち36頭(90%)が耳介ペダルひっかき反射に陽性であった。 その他の533頭のうち33頭(6.2%)が耳介ペダル引っかき反射に陽性であった。

この結果に基づけば、耳介ペダル引っかき反射による疥癬の検査の特異度は93.8%であり、感度は81.8%であった。検査の陽性的中率は0.57、陰性的中率は0.98であった。 

Dyggve, H., et al.
"Antihistone Autoantibodies in Dobermans With Hepatitis." 
Journal of Veterinary Internal Medicine 31.6 (2017): 1717-1723.

PubMedリンク
本文:無料公開(PDF

タイトル
:肝炎のドーベルマンにおける抗ヒストン自己抗体

==アブストラクト=== 
背景
:ドーベルマン肝炎において、雌の好発、リンパ球浸潤、肝細胞における主要組織適合複合体クラスⅡ抗原の発現、犬白血球抗原DRB1*00601のホモ接合、に基づき免疫系の関与は根本原因として示唆されている。

目的:肝炎のあるドーベルマンで血清抗核抗体(ANA)と血清抗ヒストン抗体を測定する。ドーベルマン肝炎の診断の補助として抗核抗体の上昇と抗ヒストン抗体の上昇が利用できるかどうかを判断する。

動物
:無症候性のドーベルマン肝炎25頭と症候性のドーベルマン肝炎13頭と、健康な対照ドーベルマン17頭(いずれも家庭飼育のドーベルマン)

方法
:症例-対照研究。間接免疫蛍光顕微鏡検査とラインブロット試験が抗核抗体の予備研究として用いられ、IgG抗核抗体の検出のために酵素結合免疫吸着活性(ELISA)に用いられた。

結果
: 間接免疫蛍光顕微鏡検査によって抗核抗体陽性の症例が明らかとなり、ラインブロットにより抗核抗体の活性が示された。ELISAでは抗ヒストン抗体の上昇が、対照犬(0/17)と比べて、ドーベルマン肝炎の無症候性ステージの犬の92%(23/25)、症候性ステージの犬の84.6%(11/13)で顕著であった(p<0.0005)。血液検体の抗ヒストン抗体の吸光度値の平均は、17の対照犬(0.51±0.18 平均±標準偏差)と比べて、ドーベルマン肝炎の無症候性の犬(1.36±0.60)と症候性の犬(1.46±0.49)で有意に高かった(p<0.0001)。

結論と臨床的重要性
:抗ヒストン抗体の存在が自己免疫活性を示すため、我々の結果はドーベルマン肝炎の原因の一つとして自己免疫の背景を支持する。抗ヒストン抗体は血清アラニントランスアミラーゼが上昇し、ドーベルマン肝炎の疑いのあるドーベルマンでのスクリーニングとしての新たな手段となり得る。

Yap, F. W., et al.
"Intra‐and inter‐observer agreement in histological assessment of canine soft tissue sarcoma." 
Veterinary and Comparative Oncology (2017).

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タイトル
:犬の軟部組織肉腫の組織学的評価における観察者内および観察者間の一致

==アブストラクト===
背景
:犬の南部組織肉腫の診断は組織学的評価に基づいて行われる。分裂度、壊死スコア、有糸分裂スコアなどの基準に夜評価は、最終的な腫瘍のグレードを生み、それは患者の予後と治療の推奨において重要である。

材料と方法
:過去に南部組織肉腫と診断された症例を、3人の認定獣医病理学者が独立して評価した。参加した病理学者は元の結果を知らされなかった。観察者内研究では、6ヶ月間隔で単一の病理学者が評価し、スライドを読み取りの間でランダム化した。観察者間の研究では、全ての症例シリーズを単一の病理学者が評価した後に、次の病理学者に渡された。観察者内(単一の観察者)と観察者間の一致のために、クラス内相関係数とFleissのκ係数が用いられた。

結果
:壊死スコア、有糸分裂スコア、総スコア、腫瘍グレーディングに置いては観察者内評価に強い一致が認めらた(クラス内相関係数 0.78 - 0.91)。分化スコアにおける観察者内の一致は完全であった(クラス内相関係数 1.00)。犬の軟部組織肉腫の診断およびグレーディングにおける病理学者間の一致は中程度であった(それぞれκ=0.60, 0.43) 。

結論
:犬の軟部組織肉腫の組織学的評価は個々の病理学者によって高い再現性を有していた。犬の軟部組織肉腫の診断とグレーディングの一致は病理組織学者間では中程度であった。犬の軟部組織肉腫の診断の特異性とグレーで寝具の正確性を改善する耐えmの改善するための基準のさらなる評価のために、さらなる研究が必要である。 

Ku, C‐K., P. H. Kass, and M. M. Christopher.
"Cytologic–histologic concordance in the diagnosis of neoplasia in canine and feline lymph nodes: a retrospective study of 367 cases." 
Veterinary and comparative oncology 15.4 (2017): 1206-1217.

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タイトル
:犬と猫のリンパ節の腫瘍診断における細胞学的ー組織学的一致率:367例の回顧的研究

==アブストラクト===
 犬と猫において原発性もしくは転移性の腫瘍の診断でリンパ節はよく採材される。我々は組織学をゴールドスタンダードとして用い、リンパ節の細胞学的診断の正確性を決定した。リンパ節の報告(2001-2011)を回顧的に評価し、診断を腫瘍性と非腫瘍性に分類した。296頭の犬と71頭の猫のリンパ節で、非腫瘍性病変157頭(42.7%)、リンパ腫62頭(16.9%)、転移性腫瘍148頭(40.3%)が含まれた。細胞診は感度66.6%(95%信頼区間60.0-72.8%)、特異度91.5%(95%信頼区間86.3-95.2%)であり、腫瘍に対する精度は77.2%(95%信頼区間72.6-81.3%)であった。悪性疾患に対する陽性の細胞診断の尤度比は93.0%であった。偽陰性の結果は、腸間膜のT細胞性リンパ腫(22/35, 63%, 主に猫)、転移性肉腫(8/14, 57%)、転移性肥満細胞種(15/48, 31%, 主に犬)で高い割合だった。不一致に関与する要因は、分化したリンパ球形態、転移の焦点的な分布、転移性肥満細胞種に基準が十分に定義されていないことを含む。

Milovancev, Milan, et al.
"Shaved margin histopathology and imprint cytology for assessment of excision in canine mast cell tumors and soft tissue sarcomas." 
Veterinary Surgery (2017).

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タイトル:犬の肥満細胞腫と軟部組織肉腫の切除評価における剃刀マージン病理組織検査と擦過細胞診

==アブストラクト===
目的:犬の皮膚肥満細胞腫と軟部組織肉腫において、擦過細胞診、剃刀マージン病理組織検査、放射断面病理組織検査によるマージンの評価の実施可能性と一致性について決定すること。 

 研究デザイン:前向き臨床研究

サンプル集団:54頭の家庭犬から切除された72の腫瘍(肥満細胞腫52、軟部組織肉腫20)から得られた340のマージン。

方法
:擦過細胞診のサンプルは切除された新鮮な外科検体の手術マージン部にスライドグラスを押し付けて得た。剃刀マージンサンプルは、患者の創傷床から術創閉鎖の直前にメスを用いて得た。放射断面病理組織検査はルーチンの病死組織検査の過程の一部として行われた。全てのマージンは、外科マージン部の腫瘍細胞の有無によって陽性または陰性と評価された。各方法間での一致性はFleiss Kappa係数を用いて計算し、方法、マージンの方向、腫瘍のタイプと、マージンが陽性であることの関連について一般線形混合モデルを用いて評価した。

結果
:マージンの陽性検出率は肥満細胞腫では異なっていた(擦過細胞診21%、放射断面病理組織検査9%、剃刀マージン病理組織検査3%、p<0.0001)が、軟部組織肉腫では異なっていなかった。方法間での一致率はよくなかった( 肥満細胞腫でFleiss Kappa=0.051、軟部組織肉腫でFleiss Kappa=1.76)。マージンの方向はいずれの腫瘍でもマージンの状態に影響しなかった。

結論
: 擦過細胞診と剃刀マージン病理組織検査は実施可能ではあるが、その結果はルーチンに行われる放射断面病理組織検査の結果としばしば異なる。各方法と局所再発との関連を評価するためのさらなる研究が必要となる。


==訳者コメント===
・擦過細胞診でのマージン腫瘍細胞陽性の検出割合が高く出ています。通常の病理組織検査をゴールドスタンダードとして比べると、検出精度が良いようにも見えますが、過剰診断が多い(偽陽性が多い)可能もあるので、注意して考える必要があリます。 

Ghisleni, G., et al.
"Correlation between fine‐needle aspiration cytology and histopathology in the evaluation of cutaneous and subcutaneous masses from dogs and cats." 
Veterinary Clinical Pathology 35.1 (2006): 24-30.

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==アブストラクト===
背景:微細針吸引細胞診(FNAC)は動物の表層および深層の腫瘤の評価に用いられる一般的な診断手技である。しかし臨床現場における皮膚および皮下の評価におけるFNACの正確性について述べた研究はない。

目的:この研究の目的は犬と猫の皮膚および皮下の腫瘤の診断に置いて、病理組織学と比較してFNACの正確性を評価することである。

方法:1999年から2003年の間に242頭の犬と50頭の猫から得られた、292の触知可能な皮膚および皮下腫瘤の細胞学的および病理組織学的検体について回顧的に再評価した。細胞学的検体は
FNAによって得られ、病理組織学的検体は外科的生検もしくは剖検によって得られた。病理組織学をゴールドスタンダードとして、一致率を決定し、腫瘍の診断のためのFNACの正確性を決定した。

結果:292検体のうち、49(犬44、猫5)は細胞学的検体の細胞の状態が不良であったため除外された(回収率83.2%、n=243)。細胞学的な腫瘍の診断は176例(病理組織学と比較して真の陽性175例、偽陽性1例)であった。67例は非腫瘍性疾患と診断(病理組織学と比較性して真の陰性45例、偽陰性21例)であった。全体として、細胞学的診断の病理組織学的診断との一致率は90.9%(221/243)であった。腫瘍の診断において、細胞診の感度は89.3%、特異度は97.9%であった。陽性的中率は99.4%、陰性的中率は68.7%であった。

結論:この研究によって、小動物臨床における触知可能な皮膚および皮下病変の評価においてFNCAは信頼できる有用な診断手技であると言えた。
 

Dahlem, D. P., et al. "Plasma Symmetric Dimethylarginine Concentration in Dogs with Acute Kidney Injury and Chronic Kidney Disease." Journal of Veterinary Internal Medicine 31.3 (2017): 799-804.

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==アブストラクト===
背景
:対称性ジメチルアルギニン(SDMA)は急性腎障害(AKI)のヒトの患者において腎機能障害を早期に検出するバイオマーカーと考えられている。現在、AKIの犬でのSDMAの関連について分析した研究はない。

仮説/目的
:SDMAは犬の腎疾患を正確に同定できるが、急性腎障害(AKI)と慢性腎臓病(CKD)を鑑別するすることはできないだろう。

動物
:健康な対照犬18頭、AKIの犬48頭、CKDの犬18頭

方法
:前向き研究。腎疾患の犬をヒストリー、臨床徴候、検査所見、画像検査の結果などをもとにAKIとCKDに分類した。IDEXXラボラトリーズで血漿SDMAの測定を行なった。AKIとCKDの犬でSDMA/Cre比を計算した。 

結果
:健康犬、AKI犬、CKD犬のSDMAの中央値はそれぞれ8.5μg/dl (6-12μg/dl )、39.5μg/dl (8- >100μg/dl )、35μg/dl (12- >100μg/dl )であった。SDMAは健康犬に比べてAKIの犬(p<0.001)、CKDの犬(p<0.001)で有意に高かった。SDMA/Cre比の中央値はAKIの犬で6.5(1.7-2.9 )、CKDの犬で10(2.4-33.9)であった(p=0.004)。AKIとCKDの犬のSDMA/Cre比は重なる部分はあるものの、AKIの犬に比べてCKDの犬の方が有意に高かった(p=0.004)。

結論と臨床的重要性
:今回の集団において、SDMAはAKIもしくはCKDの同定には適していたが、両者を鑑別することはできなかった。 

==本文から引用===
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(商業目的でなければコンテンツを利用していいよ、と書いてあるのでグラフや表も引用します)

・組み入れ基準:Cre ≧1.4mg/dl、BUN ≧54mg/dlで腎性尿窒素血症犬で、最低24時間の腎前性の要因の是正を実施、尿比重<1.025
・除外基準:CKDの急性増悪、腎前性高窒素血症、腎後性高窒素血症
・AKIの組み入れ基準:もともと健康な犬が急性発症の高窒素血症の徴候、尿検査で急性尿細管障害の所見(尿糖、尿円柱など)、AKIに矛盾しない画像所見(腎周囲の液体貯留、腎腫大など)、退院30日以内に高窒素血症の顕著な改善があり慢性変化がない
・CKDの組み入れ基準: CKDのヒストリーがあり急性増悪ではない、検査所見がCKDに矛盾しない(非再生性貧血など)、CKDに矛盾しない画像所見(嚢胞や腎臓の不整など)、退院後30日以内継続する高窒素血症
・SDMA/Cre=SDMA(μg/dl) / Cre(mg/dl) 

・年齢の中央値:5.3歳(1-16歳)
・SDMA:AKIとCKDで有意差なし
・Cre:AKI(中央値6.6mg/dl 1.8-21.0)CKD(中央値3.6mg/dl 1.0-13.2)有意差あり
・BUN: AKI(中央値143.0mg/dl 31.4-306.9)CKD(中央値244.5mg/dl 54.1-701.9)有意差あり
※BUNの参照値:19.8-58.9mg/dl
・リン:
AKI(中央値11.9mg/dl 1.8-30.3)CKD(中央値5.2mg/dl 1.9-27.4)有意差あり 
SDMA/Cre比:AKIの犬で(中央値6.5 1.7-2.9 )、CKDの犬で(中央値10 2.4-33.9)有意差なし 
01
50
33
10





==訳者コメント===
・この研究はIDEXXラボラトリーズが関係しているようです。

・SDMAはAKIとCKDで差が出ていないのに、SDMA/Cre比で差が出ているのは、Cre自体に有意な差があるためではないかと思います。 

Reese, Sven, et al. "Thyroid sonography as an effective tool to discriminate between euthyroid sick and hypothyroid dogs." Journal of veterinary internal medicine 19.4 (2005): 491-498.

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==アブストラクト===
 犬の甲状腺機能低下症の診断と、それを
euthyroid sick syndromeと鑑別することは今もなお重要な診断の課題である。この研究では、甲状腺疾患の探索に超音波検査が有用なツールとなることを示している。
健康な対象犬(n=87)、
 euthyroid sick syndrome(n=26)、サイログロブリン自己抗体(TgAA)陽性の甲状腺機能低下の犬(n=30)、TgAA陰性の甲状腺機能低下の犬(n=23)について、甲状腺の超音波検査を行った。最大断面積、甲状腺の体積、エコー輝度を測定した。統計学的な分析では、euthyroid(甲状腺機能正常)と甲状腺機能低下の間で、甲状腺体積と最大断面積で有意な差がみられた(P<0.001)が、健康犬 euthyroid sick syndromeの犬との間に甲状腺のサイズに関する有意な差はみられなかった。 euthyroidと euthyroid sick syndromeの犬では甲状腺実質のエコー像は均一で高エコーであり、甲状腺機能低下(TgAA陽性とTgAA陰性)の犬では甲状腺の相対的なエコー輝度は有意に低かった(P<0.001)。 
相対的な甲状腺体積、最大断面積、エコー輝度について、任意に選択したカットオフ値を使用した時に、特に甲状腺体積が犬の甲状腺機能低下症と特異的に予測する指標となる。要約すると、このデータによって甲状腺の超音波検査は犬の甲状腺機能低下症と
euthyroid sick syndromeを鑑別するために、有用な補助診断ツールであることがが明らかとなった。

Dirksen, K., et al. "Sensitivity and Specificity of Plasma ALT, ALP, and Bile Acids for Hepatitis in Labrador Retrievers." Journal of Veterinary Internal Medicine(2017).

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==アブストラクト===
背景:肝疾患の診断のための生化学的指標には、血漿ののALT、ALP、胆汁酸濃度などが用いられている。

目的:臨床的に健康なラブラドールレトリバーの集団から原発性肝炎の犬を検出するための検査として、ALT、ALP、胆汁酸の感度と特異度を決定し、ALTとALPは原発性肝炎と非特異的な反応性肝炎とを 鑑別し得るかを調査すること。

動物:いずれも肝臓の病理組織学的所見のある、191頭の臨床的に健康なラブラドールレトリバーと 、臨床的に病的なラブラドールレトリバー51頭。

方法:回顧的研究。診療記録のALT、ALP、食前の胆汁酸、肝臓の病理組織所見、肝臓の銅濃度を再調査した。

結果:臨床的にラブラドールレトリバー の
64%(122/191)で肝臓の組織的に炎症の浸潤がみられた。この頻度は、これらの犬のうちの一部が銅関連性肝炎の犬の一親等にあたるということが、バイアスになっている可能性がある。この集団における急性肝炎の検出に対する感度は、ALT、ALP、胆汁酸でそれぞれ45%、15%、15%であった。 慢性肝炎に対しての感度は71%、35%、13%であった。急性肝炎、慢性肝炎、反応性肝炎に対する特異度は、ALT、ALP、胆汁酸のいずれも>90%であった。肝酵素の上昇がある場合に、ALTの中央値は反応性肝炎の症例(91 U/L, 範囲 39-139)に比べて、原発性肝炎の症例(312 U/L, 範囲 38-1,369)で有意に高かった(P<0.001)。ALPでは反応性肝炎と原発性肝炎の間で有意な差はみられなかった(P=0.361)。

結論/臨床的関連:臨床的に健康なラブラドールレトリバーの多くで、肝臓の病理組織学的な異常が存在していた。しかしこの集団において、急性肝炎および慢性肝炎の検出にALT、ALP、胆汁酸の感度は低いことがわかった。臨床的に健康な犬の肝炎を早期に検出するためには、もっと感度の高いバイオマーカーが必要である。
 

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