ねころんで探せる小動物医療のジャーナルクラブ

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カテゴリ: 内分泌

Shea, Emily K., and Rebecka S. Hess.
"Assessment of postprandial hyperglycemia and circadian fluctuation of glucose concentrations in diabetic dogs using a flash glucose monitoring system." 
Journal of Veterinary Internal Medicine 35.2 (2021): 843-852.


PubMedリンク PMID:33522022
本文:無料公開あり(全文)

タイトル:フラッシュグルコースモニタリングシステムを用いた糖尿病の犬の食後高血糖とグルコース濃度の概日変動の評価

==アブストラクト===
背景:自然発生の糖尿病の犬における家庭環境で記録された食後高血糖と概日グルコース濃度の変動はこれまで報告されていない。

目的:フラッシュグルコースモニタリングシステム(FGMS:Free Style Libre)が、可変的に管理された糖尿病の犬の食後高血糖とグルコース濃度の概日変動を検出できるかどうかを調べること。

動物:糖尿病のある家庭医飼育犬14頭。

方法:前向き観察研究。13日の研究期間、FGMSによって測定した間質のグルコース濃度を分析した。

結果
:合計で17,446の間質グルコース濃度が分析された。すべの犬で、食後30分(288mg/dl)、60分(286mg/dl)、90分(285mg/dl)、120分(285mg/dl)の間質グルコース濃度の中央値が、その他のすべての時間の中央値(260mg/dl、259mg/dl、258mg/dl、257mg/dl;範囲40-500;それぞれP<0.001)よりも有意に高かった。すべの犬で1:00-6:00の夜間に測定された3,547サンプルの間質グルコース濃度の中央値(268mg/dl;範囲40-500mg/dl)は、すべての時点で測定された13,899サンプルの間質グルコース濃度(259mg/dl;範囲40-500)よりも有意に高かった(p<0.001)。

結論と臨床的意義
:FGMSは、家庭環境にいる糖尿病の犬における食後高血糖とグルコース濃度の概日変動を調べる更なる研究に利用できる。

Fenn, Joe, et al.
"Efficacy of hypophysectomy for the treatment of hypersomatotropism‐induced diabetes mellitus in 68 cats."
 
Journal of Veterinary Internal Medicine (2021).


PubMedリンク PMID:33624865
本文:無料公開あり(全文

タイトル:高ソマトトロピン症誘発性糖尿病の猫68頭の治療における下垂体切除術の有効性

==アブストラクト===
背景:高ソマトトロピン症は猫の認識が増加傾向の内分泌疾患であり、ほとんどが糖尿病と関連して記述される。

目的:猫の高ソマトトロピン症と糖尿病の治療における経蝶形骨下垂体切除術の有効性と安全性を評価すること。

動物
:経蝶形骨下垂体切除によって治療された高ソマトトロピン症と糖尿病の家庭飼育猫68頭。

方法:後ろ向きコホート研究。医療記録をレビューし、血糖コントロールと血清インスリン様成長因子-1(IGF-1)濃度を調べた。術後合併症、4週間以内の死亡、糖尿病の寛解の達成割合を記録した。生存期間と糖尿病がない期間を算出した。

結果:58頭の猫(85.3%)が術後4週間生存し、10頭(15%)が術後に死亡した。合併症には低血糖(n=9)、電解質の乱れ(n=9)、および一過性のうっ血性心不全(n=5)があった。55頭の猫(生存した猫58頭のうちの95%[手術を行った猫全体の81%])で糖尿病のコントロールが改善した。糖尿病の寛解は41頭(生存した猫58頭のうち71%[全体の60%])で得られ、中央値として9日(範囲2-120日)で糖尿病の投与が中止された。術後4週間でのIGF-1濃度の最下点は、糖尿病が寛解しなかった猫(中央値 324ng/ml [15-1955])よりも、寛解を達成した猫(20ng/ml[15-708])のほうが有意に低かった(p=0.03)。すべての猫で長期のレボチロキシンとヒドロコルチゾンの経口投与、デスモプレシンの結膜投与が行われた。糖尿病の再発は、中央値248日(範囲 84-1232日)で発生した。すべての猫の生存期間の中央値は853日(範囲 1-1740)であった。

結論と臨床的意義
:経蝶形骨下垂体切除は、高ソマトトロピン症と糖尿病の猫にとって有効な治療法であり、既存の選択肢とよりも長期転帰が比較的良い。

Ryan, D., et al.
"Clinical findings, neurological manifestations and survival of dogs with insulinoma: 116 cases (2009‐2020)." 
Journal of Small Animal Practice (2021).


PubMedリンク PMID:33724496
本文:無料公開なし

タイトル:インスリノーマのある犬の臨床所見、神経学的徴候、および生存;116症例(2009-2020)

==アブストラクト===
目的:インスリノーマと診断された犬の臨床所見と転帰をレビューし、全生存を予測する因子を評価すること。さらに、この集団における神経学的徴候と、それらと生存との関連についてを記述すること。

方法:犬のインスリノーマの症例の回顧的多施設研究(2009-2020年)。シグナルメント、臨床病歴、神経学的検査、診断所見、治療、および転帰について、医療記録から収集した。単変量および多変量解析を行い、全体生存を比較した。

結果
:116症例が組み入れられた。来院前の臨床徴候の中央期間は1.5ヶ月であった。最も多い臨床徴候は虚弱(59.5%)、てんかん発作(33.6%)、および意識または行動の変化(27.6%)であった。3頭の犬で発作性ジスキネジアがみられた。32頭の犬で神経学的検査での異常があり、最も多かったのは鈍麻(28.1%)、引っ込反射の低下(21.9%)、威嚇反応の欠如(18.8%)であった。手術を行った犬の全体の生存期間は20ヶ月であり、内科的に治療した犬の8ヶ月よりも有意に長かった(調整ハザード比 0.33、95%信頼区間 0.18-0.59)。転移の存在は、予後と関連する唯一のその他の変数であった(調整ハザード比 1.72、95%信頼区間1.02-2.91)。

臨床的意義
:犬のインスリノーマの臨床徴候はあいまいで非特異的っである。虚弱、てんかん発作、意識または行動の変化が最も多く報告された。意識状態の鈍麻と前脳の神経局在化が主な神経学的徴候であった。手術を行った犬は、内科治療を行った犬と比べて生存期間が長く、転移のある犬では治療法に関わらず生存期間が短かった。神経学的検査での異常は予後とは相関しなかった。

Summers, April M., et al.
"Retrospective evaluation of the use of hydrocortisone for treatment of suspected critical illness–related corticosteroid insufficiency (CIRCI) in dogs with septic shock (2010–2017): 47 cases." 
Journal of Veterinary Emergency and Critical Care (2021).


PubMedリンク PMID:33599090
本文:無料公開なし

タイトル:敗血症性ショックのある犬における重症疾患関連コルチコステロイド不全の治療としてのヒドロコルチゾンの使用に関する回顧的評価

==アブストラクト===
目的:重症疾患関連コルチコステロイド不全(CIRCI)の疑いのためにヒドロコルチゾンで治療された敗血症性ショックの患者の特徴を、CRICIの疑いがない敗血症性ショックの患者と比較して評価すること。

デザイン:2010年2月から2017年10月の間の回顧的研究。

施設:大学の教育病院ICU。

動物:敗血症性ショックの犬47頭のデータを収集した。21頭はCIRCIのためにヒドロコルチゾンで治療された(ヒドロコルチゾン治療群)。26頭はヒドロコルチゾンの投与を受けていないかった(非ヒドロコルチゾン治療群)。

方法と主な結果:ヒドロコルチゾン治療群は非ヒドロコルチゾン治療群に比べて、ベースラインでのAPPLE fullスコアが高く、予測死亡率が高かった(0.87 vs 0.44;p=0.039)。ヒドロコルチゾン治療群の犬は、非ヒドロコルチゾン治療群の犬よりも多くの昇圧剤と強心薬が用いられた(2.5 vs 1.5;p<0.001)。すべての患者が昇圧剤投与に最初は反応し、低血圧が解消するまでの平均時間は、ヒドロコルチゾン治療群の犬で90分、非ヒドロコルチゾン治療群の犬で60分であった(p=0.640)。しかし、ヒドロコルチゾン治療群の犬は、ヒドロコルチゾン治療群の犬は、非ヒドロコルチゾン治療群の犬よりも、昇圧剤開始後から持続的な低血圧の解消(収縮期血圧>90mmHgまたは平均血圧>65mmHgが最低4時間)にいたるまでの時間が、有意に長かった。(8.5 vs 4.5 時間;p=0.001)。ヒドロコルチゾン治療群の犬の3頭(14.3%)と非ヒドロコルチゾン治療群の犬の9頭(34.6%)が生存退院し、この差は統計的に有意ではなかった。

結論
:ヒドロコルチゾン治療群の犬は非ヒドロコルチゾン治療群の犬よりも、ベースラインでの死亡リスクが高かった。敗血症性ショックをヒドロコルチゾンありおよびヒドロコルチゾンなしで治療した場合の生存に有意さはなかった、CIRCIを疑う犬におけるヒドロコルチゾンの使用については更なる研究による評価が必要である。

Schofield, I., et al.
"Hypoadrenocorticism in dogs under UK primary veterinary care: frequency, clinical approaches and risk factors." 
Journal of Small Animal Practice (2021).


PubMedリンク PMID:33555046
本文:googlescholarから入手可能(全文

タイトル:イギリスの一次獣医診療下の犬における副腎皮質機能低下症;頻度、臨床的アプローチ、およびリスク因子

==アブストラクト===
目的:イギリスの一次獣医診療下の犬における副腎皮質機能低下症の頻度、臨床的アプローチ、およびリスク因子について推定すること。

方法:副腎皮質機能低下症と診断された犬を、匿名の電子患者記録を検索することでイギリスのVetCompassから同定した。2016年に既存の、または新たに診断された疾患の症例が組み入れられた。症例は電子患者記録の情報をもとにして、検査で確定された副腎皮質機能低下症と、副腎皮質機能低下症の疑いにさらに分類された。記述データはマニュアルで抽出した。多変量ロジスティック回帰法を用いて人口的なリスク因子を同定した。

結果・2016年の905,543頭の犬から177頭の副腎皮質機能低下症の症例が同定された。72頭は検査で確定されており、105頭は疑いであった。すべての犬の1年間の副腎皮質機能低下症の有病率は0.06%(95%信頼区間 0.05-0.07)であった。検査で診断を確定した犬において最も多い臨床徴候は元気消失(51/66;77.3%)、食欲低下(48/66;66.7%)、および嘔吐(48.66;66.7%)であった。高カリウム血症は47/53頭(88.7%)、低ナトリウム血症は46/53頭(86.8%)でみられた。ナトリウム/カリウム比の中央値は19.00(四分位 範囲 16.20-20.60)であった。犬種、年齢、中性化の状態、および保険の状態は、副腎皮質機能低下症の検査による確定診断と関連した。性別と副腎皮質機能低下症との関連は、多変量解析においてみられなかった。スタンダード・プードルは、雑種犬に比べて副腎皮質機能低下症のオッズが51.38倍(95%信頼区間 14.49-182.18)であった。

臨床的意義
:これは、イギリスの一次獣医診療の犬における副腎皮質機能低下症について報告する最初の疫学的研究である。これらの結果は、一次診療における副腎皮質機能低下症に関連した現在の獣医活動における基準となるデータを提供する。

García San José, Paula, et al.
"Changes in systolic blood pressure in dogs with pituitary dependent hyperadrenocorticism during the first year of trilostane treatment." 
Journal of Veterinary Internal Medicine (2020).

PubMedリンク PMID:33274787
本文:無料公開あり(全文

タイトル:下垂体依存性副腎皮質機能亢進症の犬におけるトリロスタン治療の最初の1年間で全身血圧の変化

==アブストラクト===
背景:全身性高血圧症は、副腎皮質機能亢進症の犬とヒトで一般的であり、治療後も持続する可能性があるl。

目的:下垂体性副腎皮質機能亢進症(PDH)がある犬でトリロスタン治療を開始して最初の1年間の、全身性高血圧症の有病率と全身収縮期血圧の変化を評価し、疾患コントロールと検査項目との関連、および降圧療法に対するそれらの反応を調べること。

動物:トリロスタン12時間毎で治療したPDHの犬51頭。

方法:前向き症例シリーズ研究。診断時(T0)から1,3,6,12ヶ月(T12)で犬を評価した。犬は非高血圧(収縮期血圧<160mmHg)または高血圧(≧160mmHg)に分類され、さらに標的臓器障害によってサブクラスに分類された。高血圧の犬はベナザプリルで治療し、全身性高血圧のコントロールが達成できなかった場合には、アムロジピンが追加された。

結果
:全身性高血圧症の有病率は、T0(36/51)からT12(17/37)にかけて減少した(p=0.01)。研究中の収縮機血圧の変化は、T0での標的臓器リスクにより影響をうけた。重度な高血圧(≧180mmHg)の犬では収縮期血圧の低下がより顕著であったが、一方で正常血圧(≦140mmHg)の犬ではわずかに増加した(P=0.00)。血圧は疾患のコントロールと関連しなかった。降圧療法は31/51頭で必要となり、13/37頭でアムロジピンによる追加の高血圧治療が必要であった。T0で正常血圧であった犬の1/3が、フォローアップ中に全身性高血圧症によりべナゼプリルによる治療が必要となった。

結論と臨床的意義
:PDHの犬では、診断時の収縮期血圧または疾患コントロールにかかわらず、収縮期血圧を来院毎に測定すべきである。罹患した犬では全身性高血圧症を管理するためには複数の薬が必要になる可能性がある。

Skinner, Owen T., Carlos H. de M. Souza, and Dae Young Kim.
"Metastasis to ipsilateral medial retropharyngeal and deep cervical lymph nodes in 22 dogs with thyroid carcinoma." 
Veterinary Surgery (2020).


PubMedリンク PMID:33284496
本文:無料公開なし

タイトル:甲状腺癌の犬22頭における同側の内側咽頭後リンパ節および深頸リンパ節への転移

==アブストラクト===
目的:甲状腺癌を外科的に治療した犬における内側咽頭後リンパ節と深頸リンパ節への転移の割合を調べること。

研究デザイン:回顧的研究。

動物:家庭飼育犬22頭。

方法:ミズーリ大学とフロリダ大学で2015年7月から2019年10月までの医療記録をレビューした。甲状腺切除と選択的な内側咽頭後リンパ節切除±深頸リンパ節切除を同時に行った犬が組み入れられた。腫瘍の部位、術前ステージング、および病理組織学的所見について記録した。

結果:22頭の犬で、合計で26の甲状腺癌が含まれた。原発腫瘍は19頭で片側性であり、2頭が両側性、1頭が両側性と正中の異所性であった。すべての犬で同側の内側咽頭後リンパ節切除を行い、両側性の腫瘍では両側のリンパ節切除を行った。片側性腫瘍の犬のうち、3頭で対側の内側咽頭後リンパ節の切除が行われた。4つの深頸リンパ節と、1つの浅頚リンパ節が切除された。22頭中10頭(45%)の犬の14のリンパ節で転移がみられた。4つの切除された深頸リンパ節と、対側の内側咽頭後リンパ節の1つで、転移が確認された。沈着のサイズは転移性リンパ節14のうち13で分類された。肉眼的転移が7つのリンパ節で検出され、顕微鏡的転移が1つのリンパ節で検出、5つのリンパ節では孤立した腫瘍細胞が検出された。

結論:甲状腺癌の犬のこの集団のリンパ節サンプルでは、領域転移は一般的であった。

結論
:この結果は、領域リンパ節転移の割合を検証し、リンパ節転移が予後に与える影響を調べるために、より大きな集団でのさらなる調査を正当化するための根拠となる。

Pey, Pascaline, et al.
"Safety of percutaneous ultrasound‐guided fine‐needle aspiration of adrenal lesions in dogs: Perception of the procedure by radiologists and presentation of 50 cases." 
Journal of veterinary internal medicine 34.2 (2020): 626-635.


PubMedリンク PMID:32159260
本文:無料公開あり(全文

タイトル:犬の副腎病変の経皮的超音波ガイド下FNAの安全性;放射線科医による手技の認識と50症例の提示

==アブストラクト===
背景
:副腎病変の経皮的超音波ガイド下FNAは、獣医領域において物議がある。

目的:手技に関するリスクの頻度と放射線科医の認識を評価し、合併症の発生率を調べること。

方法:回顧的研究。最初の調査は、アメリカ大学獣医放射線学(ACVR)とヨーロッパ大学獣医画像診断(ECVDI)の放射線科認定医すべてにEメールで提出した。2番目の調査は、キャリアの中で少なくとも1回はその手技を実施したことのある放射線科医に送った(横断的症例観察研究)。

結果
:最初の調査は977人の認定医に送られ、138人が回答した。138人の認定医の中で40人が現在その手技を行っており、98人は行っていなかった。その98人中44人が理由として褐色細胞腫による高血圧クリーゼのリスクをあげた。2番目の調査では、65人中12人が肯定的に回答をした。50頭の犬の58病変(23の褐色細胞腫を含む)が登録された。合併症は50頭中4頭で報告され、出血が3頭、急性呼吸促迫症候群(喉頭麻痺に関連していた可能性)による死亡が1頭であった。高血圧クリーゼの報告はなかった。FNAの方法/使われた針のタイプと合併症の発生との間に関連性はなかった。およそ200の副腎病変のFNAを行ったこれら65人の放射線科医の回想に基づき、死亡率はおよそ1%と推定された。

結論と臨床的意義
:副腎病変の経皮的超音波ガイド下FNAは、放射線科医にとって消極的な認識ではあるものの、最小限のリスクとなる手技と考えることができる。

Cavalcanti, Jacqueline VJ, et al.
"Outcome in dogs undergoing adrenalectomy for small adrenal gland tumours without vascular invasion." 
Veterinary and Comparative Oncology (2020).


PubMedリンク PMID:32141158
本文:無料公開なし

タイトル
:血管浸潤のない小さな副腎腫瘍の副腎摘出術を行なった犬の転帰

==アブストラクト===
犬の副腎摘出術の転帰について報告した獣医学研究はあるが、これらの研究は副腎腫瘍のサイズが幅広く、血管浸潤があるものもないものも含んでいるのが典型的である。この研究の目的は、副腎摘出を行い血管浸潤のない小さな副腎腫瘍が組織的に確認された犬の集団における転帰を報告することである。

この回顧的研究は2010年から2017年の間にフロリダ大学とカルフォルニア-デイビス大学のデータベースのデータを用いて行われた。CTによる評価で
いかなる部位でも血管浸潤の所見がなく最大径3cm以下の副腎腫瘍の切除を行なった犬を組み入れた。51頭の犬が組み入れ基準をみたした。副腎摘出術を行なった犬の短期生存率は92.2%であり、1年疾患特異的生存率は83.3%であった。51頭中28頭(54.9%)の犬が悪性腫瘍と診断された。軽度な合併症が術中と術後に多く観察された。重篤な合併症は6頭で観察され、急死、呼吸停止、急性腎障害、出血、低血圧、誤嚥性肺炎が含まれた。急死と出血は死亡を招く最も多い合併症であった。

副腎摘出術は高い周術期死亡率が過去に報告されているため、その実施は物議を醸すことがあるが、この研究の結果は血管浸潤のない小さな腫瘍に対する副腎摘出術は、低リスクで実施できることを示している。

Sheppard‐Olivares, Sabina, et al.
"Toceranib phosphate in the treatment of canine thyroid carcinoma: 42 cases (2009‐2018)." 
Veterinary and Comparative Oncology (2020).


PubMedリンク PMID:32012432
本文:無料公開なし

タイトル
:犬の甲状腺癌に治療におけるリン酸トセラニブ;42症例(2009-2018)

==アブストラクト===
甲状腺癌は犬で最もよくみられる内分泌悪性腫瘍である。甲状腺切除と放射線治療により局所病変の制御を行うが、常に実行可能とは限らず、有効な内科治療の特定が必要である。リン酸トセラニブは甲状腺癌のある犬に臨床的利益を与えるという報告があるが、治療歴のない甲状腺腫瘍におけるその役割は十分に述べられてはいない。この研究の目的は、未治療な病態またはすでに治療されている状態の両方における犬の甲状腺癌の治療としてトセラニブの使用についてを記述することである。

医療記録を検索し、甲状腺癌と診断してトセラニブで治療した犬42頭
(26頭が未治療の状態、16頭が以前の治療あり)が同定された。未治療の犬の23頭(88.4%)と以前の治療ありの犬12頭(75%)が臨床的利益を得た。無進行期間(PFI)の中央値[95%信頼区間]は、未治療の犬で206日[106-740]、以前の治療ありの犬で1015日[92-1015]であった。全体生存期間(OS)の中央値は、未治療の犬で563日[246-916]、以前の治療がある犬で1082日[289-1894]であった。全体で、過去の治療状態の違いによるPFIに差はなかった(p>0.20)。しかし、診断時に無症候性であった場合に、以前の治療ありの犬に比べて未治療犬では生存予後が不良であった(推定ハザード比 17.2[1.8-163])。

この研究では、未治療および治療介入済みの両方の場合におけるトセラニブで治療された甲状腺癌の犬のPFI、全生存期間、臨床的有用性についての特徴を述べている。

García San José, Paula, et al.
"Prevalence and risk factors associated with systemic hypertension in dogs with spontaneous hyperadrenocorticism." 
Journal of Veterinary Internal Medicine (2020).


PubMedリンク PMID:32614466
本文:無料公開あり(全文

タイトル:自然発生性副腎皮質機能亢進症の犬における全身性高血圧の有病率とそれに関連したリスク因子

==アブストラクト===
背景:全身性高血圧(SH)は、副腎皮質機能亢進症(HAC)の犬で多いが、その有病率とリスク因子について評価した研究は多くない。

目的:副腎皮質機能亢進症の犬における全身性高血圧の有病率と重症度を調べ、潜在的なリスク因子を同定するための関連した臨床所見と検査所見を調べること。

動物:自然発生副腎皮質機能亢進症がある家庭飼育犬66頭。

方法:回顧的横断研究。副腎皮質機能亢進症がある犬の医療記録を再調査した。ドップラー超音波検査を用いて収縮期血圧(SBP)を測定した。臨床徴候、身体検査所見、および臨床検査データ(CBC、血清生化学、血清電解質、尿検査、尿培養、副腎機能検査)を解析のためにレビューした。

結果:全身性高血圧(≧150mmHg)の有病率は82%(54/66)であり、重度の全身性高血圧(≧180mmHg)は46%(30/66)であった。血小板増多症のある犬のすべてで全身性高血圧があり(p=0.002)、全身性高血圧の予測において血小板数≧438×1000/μlは、特異度100%、感度61.1%であった(AUC=0.802、p=0.001)。カリウム値の中央値は、正常血圧の犬(4.5mEq/L、範囲4.0-5.0)よりも、高血圧の犬(4.1mEq/L、範囲3.1-5.4)の方が低かった(p=0.007)。UPC≧0.5の犬は、タンパク尿がない犬に比べて収縮期血圧の中央値が高かった。糖尿病を併発している犬では、全身性高血圧のリスクが減少するようだ(OR=0.118、95%信頼区間0.022-0.626、p=0.02)。

結論と臨床的意義
:全身性高血圧は、副腎皮質機能亢進症の犬で多く、重度であることも多い。これらの犬では、特に血小板増多症、タンパク尿、カリウム濃度の低値がある場合には、血圧はルーティンに測定すべきである。

Arenas Bermejo, Carolina, et al.
"Laboratory assessment of trilostane treatment in dogs with pituitary‐dependent hyperadrenocorticism."
 
Journal of veterinary internal medicine 34.4 (2020): 1413-1422.


PubMedリンク PMID:32533623
本文:無料公開あり(全文

タイトル:下垂体依存性副腎皮質機能亢進症の犬におけるトリロスタン療法の検査的評価

==アブストラクト===
背景:ACTH刺激試験の結果、トリロスタン治療前後の血清コルチゾール濃度、尿濃度(尿比重[USG)]、および尿コルチゾール/クレアチニン比(UCCR)が、下垂体依存性副腎皮質機能亢進症(PDH)の犬のトリロスタン治療のモニターによく使われる項目である。しかし、適切な投与量、過剰投与、過少投与を受けている犬を一貫して区別するものはない。

目的:トリロスタンで治療している下垂体依存性の犬の集団において、連続的な血清コルチゾール濃度を含めて、推奨されるモニタリング項目を評価して比較すること。

動物:PDHのある家庭飼育犬(n=22)と健康な犬(対照 n=3)。

方法:前向き、多施設間、2日研究。a日(ランダム)にACTH刺激試験を実施。b日(3−6日後)にトリロスタン投与の0.5時間前、直後、1、2、2.5、3、3.5、4、6、8、12時間後に血清コルチゾール濃度を評価した。最初の調査日に、自宅で尿を採取し、USGとUCCRを評価し、PDHに関する飼い主の見解を以下のように分類した;適切量(臨床徴候の消失)、過少投与(徴候が残存)、病的(過剰投与の可能性)。

結果:27組みの評価で、適切量が7、過少投与が19、過剰投与の可能性が1(研究から除外)と分類された。どの時点でも、適切量と過少投与の犬から得られた血清コルチゾール濃度は重複していた。USG、UCCR、およびACTH刺激試験の結果は、適切量と過少投与の犬を区別できなかった。トリロスタンは投与後1時間以内に血清コルチゾール濃度を抑制し、その作用時間は多くの犬で8時間未満であった。

結論と臨床的意義
:PDHに対してトリロスタン治療を行っている間に、適切量の犬と過少投与の犬を確実に区別する単一の項目または項目の組み合わせはない。

Hauck, Christina, et al.
"Prevalence and characterization of hypoadrenocorticism in dogs with signs of chronic gastrointestinal disease: A multicenter study." 
Journal of Veterinary Internal Medicine 34.4 (2020): 1399-1405.


PubMedリンク PMID:32573832
本文:無料公開あり(全文

タイトル:慢性胃腸疾患の徴候のある犬における副腎皮質機能低下症の有病率と特徴;多施設研究

==アブストラクト===
背景
:副腎皮質機能低下症のある犬は胃腸疾患の徴候を示すことが多い。副腎皮質機能低下症を伴い慢性胃腸疾患徴候を示す犬の有病率は不明である。

目的:この研究の目的は慢性胃腸疾患徴候をもつ犬における副腎皮質機能低下症の有病率を調べ、この集団における副腎皮質機能低下症の臨床項目と検査項目について調べること。

動物:慢性胃腸疾患徴候のある犬151頭。

方法:この多施設有病率調査では、前向きに登録された胃腸疾患徴候が3週間以上ある犬に標準化された検査を行った。基礎血中コルチゾール濃度をすべての犬で測定し、それが<3μg/dlであった場合にACTH刺激試験を行った。

結果
:151頭中80頭(53%)の犬で基礎血清コルチゾール濃度は<3μg/dl であり、42頭(18%)で2<μg/dl、9頭(6%)で<1μg/dlであった。151頭中6頭の犬で、ACTH刺激試験によって副腎皮質機能低下症が診断され(刺激後コルチゾール濃度 <2μg/dl)、 有病率は4%であった。副腎皮質機能低下症のある犬、慢性の胃腸疾患徴候のほかの原因がある犬との間で、病歴、身体検査、および検査の項目に差はなかった。副腎皮質機能低下症のある犬6頭中4頭で、消化管失血を示唆するメレナまたは血便がみられた。高カリウム血症、低ナトリウム血症、またはその両方はいずれの犬にもみられなかった。

結論と臨床的意義
:慢性の胃腸疾患徴候がある犬の中での副腎皮質機能低下症の有病率は、全体的な集団におけるものよりも高い。これらの結果に基づき、慢性の胃腸疾患徴候をもつ犬においては、副腎皮質機能低下症と慢性腸症との鑑別のために、副腎皮質機能の検査を行うべきである。

Cleland, Nicholas Trevor, John Morton, and Peter James Delisser.
"Outcome after surgical management of canine insulinoma in 49 cases." 
Veterinary and Comparative Oncology(2020).

PubMedリンク PMID:32558184
本文:無料公開なし

タイトル
:犬のインスリノーマの外科治療後の転帰;49症例

==アブストラクト=== 
 犬のインスリノーマはこれまで予後不良と関連してきたが、生存期間の延長が最近は報告されている。術前に利用できる予後因子は予測精度に限界があり、術後治療の推奨に関するコンセンサスが欠如している。この目的は、外科的に治療されたインスリノーマの犬の転帰について記述し、選択した潜在的なリスク因子が術後の転帰と強く関連しているかどうかを評価することである。

 2施設の医療記録を検索し、外科的に治療されたインスリノーマの犬について調べた。49頭の犬が組み入れられた。39頭(80%)の犬は手術直後に低血糖が解消し、10頭(20%)の犬は術後も低血糖が持続した。全体の中央生存期間は561日だった。低血糖が解消した犬の中央生存期間は746日だった。すべての犬における正常血糖値期間(手術から、手術後に最初に低血糖が検出された時点ま)の中央値は424日であった。低血糖が解消した犬の44%が、術後2年までに低血糖の再発を経験した。病理学的ステージは術後の低血糖の持続の予測因子であり、同様にそれは生存の予測因子であった。

 これらの結果はインスリノーマの犬が生存期間を延長させることができることを示し、病理学的ステージは転帰を予測する。

Scharf, V. F., et al.
"Clinical features and outcome of functional thyroid tumours in 70 dogs."
 
Journal of Small Animal Practice.

PubMedリンク PMID:32692404
本文:無料公開なし

タイトル:機能性甲状腺腫瘍の臨床的特徴と転帰;犬70頭

==アブストラクト=== 
目的:犬の機能性甲状腺腫瘍の臨床的特徴と転帰について記述すること。

方法:甲状腺腫瘤と甲状腺機能亢進症の併発と診断された犬70頭についての多施設回顧的研究。徴候、治療、転帰および機能的な甲状腺の状態に関する臨床データを収集した。

結果:機能性甲状腺腫瘍のある犬の全体の中央生存期間は35.1ヶ月であり、1年および3年生存率はそれぞれ83%と49%であった。外科的切除で治療された犬の中央生存期間は72.6ヶ月で、外科治療を受けなかった犬では15.7ヶ月であった。手術で治療され、治療後の甲状腺の状態がわかっている犬50頭のうち、64%が手術後に甲状腺機能低下症を発症した。病理組織学的に確認された転移が、3%の犬で同定された。

臨床的意義
:機能性甲状腺腫瘍のある犬は外科的切除後に長期生存する可能性があり、術後の甲状腺機能低下症は一般的である。

Ware, Wendy A., et al.
"Vitamin D status in cats with cardiomyopathy." 
Journal of Veterinary Internal Medicine.2020.

PubMedリンク PMID:32557856
本文:無料公開あり(全文

タイトル:心筋症のある猫におけるビタミンD状態

==アブストラクト=== 
背景:低ビタミンD濃度は、人や犬で進行した心疾患と予後不良と関連している。ビタミンD状態は通常、血清25(OH)D濃度によって評価される。しかし、猫は25(OH)D(3-epi)のC-3エピマーも顕著に生成する。

仮説/目的:25(OH)D3単独または3-epiとの組み合わせ(総ビタミンD)によって推定されるビタミンD状態が、臨床的に健康な猫に比べて心筋症の猫で低いかどうか、および疾患重症度の指標がビタミンD状態と関連しているかどうか、について調べること。

動物:家庭飼育猫、心筋症あり44頭、健康56頭。

方法:臨床所見、心エコー所見、食事歴、および25(OH)D3および3-epiの測定をもちいた横断的観察研究 。

結果:猫の年齢はビタミンD状態と負に関連していた。血清ビタミンDは、健康な猫(中央値 58.65ng/ml)と比較して、年齢集計の前(p=0.03)と後(p=0.04)の両方で、心筋症の猫(中央値 47.1ng/ml)で低かった。しかし、25(Oh)D3は年齢を含めると、心筋症と健康な猫で有意な差はなかった。総ビタミンDは、年齢集計の前と後の両方で、生存期間とFSと正の相関を示し、左心房拡大の重症度と負の相関を示した 。25(OH)D3単独では、年齢を含めた後に生存期間とFSとが有意であった。

結論と臨床的意義
:心筋症の猫と健康な猫における25(OH)D3および3-epi濃度について報告した。年齢はビタミンD状態と重要(負)な関連があった。年齢を集計すると、総ビタミンDは心筋症の猫で低かった。ビタミンD状態は生存およびFSと正の関連を示すが、左心房拡大の重症度と負の関連を示す。

Jorge, Kelsey M., et al.
"Radiographic characteristics of alveolar microlithiasis and pulmonary ossification following chronic corticosteroid therapy in a dog." 
Veterinary Radiology & Ultrasound (2019).

PubMedリンク PMID:31317591
本文:無料公開なし

タイトル
:犬の慢性的な副腎皮質ステロイド療法後の肺胞微石症と肺骨化症のX線検査の特徴

==アブストラクト=== 
10歳齢、中性化済み、オーストラリアン・シェバードが急性の呼吸困難と慢性的な外因性ステロイドの投与で紹介来院した。胸部X線検査では、全体的な非構造性の間質肺胞パターン、びまん性の皮膚石灰沈着症、および中程度の肝腫大を特徴とする、重度のミネラル不透過性がみられた。肺性心が心エコー検査で確認された。患者はサンプリング後に気胸を起こし、心停止した。死後の肺の病理組織検査で、肺の間質の石灰化と肺胞微石症が明らかとなった。この報告は、これらの臨床所見と画像所見のある犬における鑑別診断として、慢性的な外因性のステロイド投与による全体的な肺石灰化を含めることを支持している。

Bennaim, Michael, Robert E. Shiel, and Carmel T. Mooney.
"Diagnosis of spontaneous hyperadrenocorticism in dogs. Part 1: Pathophysiology, aetiology, clinical and clinicopathological features."
 
The Veterinary Journal 252 (2019): 105342.

PubMedリンク PMID:31554593
本文:googlescholar経由で入手可能(全文

タイトル
:犬の自然発生性副腎皮質機能亢進症の診断 Part 1;病態生理、病因、臨床、および病理組織学的な特徴


Bennaim, Michael, Robert E. Shiel, and Carmel T. Mooney.
"Diagnosis of spontaneous hyperadrenocorticism in dogs. Part 2: adrenal function testing and differentiating tests." 
The Veterinary Journal 252 (2019): 105343.

PubMedリンク PMID:31554584
本文:googlescholar経由で入手可能(全文

タイトル
犬の自然発生性副腎皮質機能亢進症の診断 Part 2;副腎機能検査と鑑別検査

==アブストラクト=== 
副腎皮質機能亢進症は、犬において比較的一般的な内分泌疾患である。それは機能的な下垂体または副腎の腫瘍によって起こり、他の原因は滅多に報告されていない。犬の副腎皮質機能亢進症は広く説明されているが、この疾患の診断は困難なままである。副腎皮質機能亢進症の犬と、疾患が疑われるが最終的には除外ざれる犬との区別に役立つような臨床的および臨床病理学的な特徴についての研究はほとんどない。最終的に診断は、シグナルメント、病歴、臨床所見、および様々な診断検査から得られる複数の情報の組み合わせによって行われる。
このレビューの最初のパートの目的は、自然発生性の犬の副腎皮質機能亢進症の疫学、臨床的特徴、臨床病理学的特徴について、批判的に評価することである。
このレビューの2番目のパートの目的は、自然発生性の犬の副腎皮質機能亢進症の副腎機能検査の診断性能に関する利用可能なデータを評価することである。 

Hoffman, J. M., et al.
"Canine hyperadrenocorticism associations with signalment, selected comorbidities and mortality within North American veterinary teaching hospitals."
 
Journal of Small Animal Practice 59.11 (2018): 681-690.

PubMedリンク PMID:30039567
本文:無料公開あり(全文

タイトル:北アメリカの獣医教育病院における犬の副腎皮質機能亢進症とシグナルメント、選択された並存疾患、および死亡率との関連。

==アブストラクト=== 
目的:北アメリカの獣医教育病院で死亡時に副腎皮質機能亢進症と診断された犬の大集団について記述し、副腎皮質機能亢進症に関連した並存病態について同定すること。

方法:獣医医療データベースに報告された70,574頭の犬の集団の中で副腎皮質機能亢進症のある犬1519頭の回顧的なコホート研究。副腎皮質機能亢進症のある犬とない犬で、シグナルメント、副腎皮質機能亢進症の有無、副腎皮質機能亢進症の病因(記述があれば)、選択された並存疾患の頻度、および死因についてを評価した。

結果:副腎皮質機能亢進症は雌でより頻繁であった。中性化は副腎皮質機能亢進症のオッズの上昇に、わずかだが有意に関連した。副腎皮質機能亢進症は、罹患した犬のうち393頭(25.9%)で推定的な死因であった。病因が特定されている場合(527頭、症例の34.7%に相当)、機能性副腎腫瘍[527頭中136頭(25.8%)]よりも下垂体依存性副腎皮質機能亢進症[527頭中387頭(73.4%)]の方がより多かった。副腎皮質機能亢進症は、特定の予想された犬種(ミニチュア・プードル、ダックスフント)と予想しなかった犬種(アイリッシュ・セッター、バセット・ハウンド)で、全体のと比較して過剰に多かった。調査した選択した並存疾患では、副腎皮質機能亢進症の犬では、副腎皮質機能亢進症がない犬に比べて、糖尿病、尿路感染症、尿路結石、高血圧、胆嚢粘液嚢腫、および血栓性疾患の併発のリスクが高かった。

臨床的意義
:副腎皮質機能亢進症は特定の併発疾患と有意に関連したが、罹患した犬の主な死因ではなかった。ここでの記述は前向き臨床研究のためのターゲットを提供する。
 

Bojanić, Krunoslav, Els Acke, and Boyd R. Jones.
"Congenital hypothyroidism of dogs and cats: a review."
 
New Zealand veterinary journal 59.3 (2011): 115-122.

PubMedリンク PMID:21541884
本文:googlescholar経由で入手可能(全文

タイトル
:犬と猫の先天性甲状腺機能低下症;レビュー

==アブストラクト=== 
犬と猫における先天性甲状腺機能低下症はまれで、 過小診断されている先天性内分泌疾患であり、真の発生率は不明である。この疾患は、甲状腺ホルモンの産生に影響を与える原発性に欠陥に応じて、様々な臨床徴候を引き起こす可能性があり、成熟してから来院する症例もいる。先天性甲状腺機能低下症の特徴的な臨床徴候は、精神障害と骨格の発育異常であり、結果として不均衡な小人症を起こす。甲状腺腫はある場合とない場合がある。犬の甲状腺機能低下症の原因として述べられているものには、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)または甲状腺刺激ホルモン(TSH)の欠乏または無反応、甲状腺形成不全、ホルモン産生障害およびヨウ素欠乏がある。猫では、TSH無反応、甲状腺形成不全、ホルモン産生障害、およびヨウ素欠乏が確認されている。適切な補充療法は、多くの場合で良い転帰の結果となり、それは特に早い時期に開始された場合であり、永久的な発育障害を防ぐことができる。このレビューでは、犬と猫における症例の報告、診断調査、および治療に関する推奨について記述した。

Sepesy, Lisa M., et al.
"Vacuolar hepatopathy in dogs: 336 cases (1993–2005)." 
Journal of the American Veterinary Medical Association 229.2 (2006): 246-252.

PubMedリンク PMID:16842046
本文:無料公開なし

タイトル:犬の空胞性肝障害:336症例(1993-2005)

==アブストラクト=== 
目的:犬における空胞性肝障害に関連した疾患を特定し、形態的な肝臓の異常と臨床病理学的な異常、および ステロイド産生ホルモン過剰の関与について調べること。

デザイン
:回顧的症例シリーズ。

動物:組織学的に中程度から重度の空胞性肝障害と確定した犬336頭。

方法:シグナルメント、診断検査の結果、確定診断、およびグルココルチコイドへの暴露(つまり、外因性グルココルチコイドの投与、またはステロイド産生性ホルモンの内因性濃度の高値)についての情報を、医療記録から収集した。基礎疾患、グルココルチコイド暴露、病変の房状帯状の分布、および組織学的重症度、によって犬を分類した。

結果
:12の疾患グループ(腫瘍性、後天性肝胆道系、神経系、免疫介在性、消化管、腎臓、感染性、心疾患、糖尿病、門脈体循環血管異常、副腎機能不全、その他の疾患)が特定された。186頭(55%)の犬でグルココルチコイドの暴露があり、150頭(45%)では無かった。 肝臓の空胞の房状帯状分布と臨床病理学的項目は、グルココルチコイドの暴露のある犬と無い犬の間で差はなかった。しかし、ステロイド産生ホルモン暴露に関連して、重度の空胞性肝障害の可能性が3倍増加した。ALP活性が高い犬226頭中、102頭(45%)はグルココルチコイド暴露の証拠がなかった。

結論と臨床的意義
:この結果は、腫瘍性および先天性または後天性の肝胆道系疾患は空胞性肝障害の犬で一般的であることを示唆しており、 空胞性肝障害、高ALP活性、および疾患誘発性の心理的ストレスが関連している可能性についての示唆を指示する。空胞性肝障害の組織学的確定は、グルココルチコイド療法および副腎皮質機能亢進症が除外されれば、原発性疾患の診断的検査のために開始されるべきだ。
 

Nestor, Derek D., et al.
"Serum alkaline phosphatase activity in Scottish Terriers versus dogs of other breeds." 
Journal of the American Veterinary Medical Association 228.2 (2006): 222-224.

PubMedリンク PMID:20632791
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タイトル:健康そうなスコティッシュ・テリアにおける高フォスファターゼ血症と副腎機能障害の併発

==アブストラクト=== 
目的:健康そうなスコティッシュ・テリアにおける高フォスファターゼ血症(高血清アルカリフォスファターゼ[ALP]血症)の原因を調べること。

デザイン:前向き症例-対照研究。

動物:健康そうなスコティッシュ・テリア34頭(高フォスファターゼ血症あり17頭・なし17頭)。

方法:ALPの3つのアイソフォーム(骨、肝臓、コルチコステロイド)の血清活性を測定した。コルチゾール、プロゲステロン、17-ヒドロプロゲステロン、アンドロステンジオン、エストラジオール、およびアルドステロンの濃度を、コシントロピン(すなわちACTH 5μg/kg, im)の投与前後で測定した。肝生検を16頭(高フォスファターゼ血症あり11頭、なし5頭)で行い組織学的に評価した。

結果:高フォフファターゼ血症にある犬では、ない犬と比べて、全体のALP活性の中でコルチコステロイドALPアイソフォームが占める割合が有意に高かった(平均±標準偏差;それぞれ69±5.0%、17±3.8%)。高フォスファターゼ血症のある犬6頭で、ACTH刺激後の血清コルチゾール濃度が参照範囲を超えたが、高フォスファターゼ血症のない犬でこえたものはいなかった。高フォスファターゼ血症のある犬の6頭とない犬の15頭で、ASCH刺激後に測定された非コルチゾールステロイドホルモンのうちの1つ以上が上昇した。血清ALP活性は、ACTH刺激後のコルチゾールとアンドロステンジオン濃度と相関した(それぞれ r=0.337、0.496)。高フォスファターゼ血症のある犬のすべと、ない犬のほとんどで、空胞性肝障害に典型的な異常な肝細胞の細網化だみられた。主観的に、肝細胞の細網化は、高フォスファターゼ血症のない犬に比べて、ある犬でより重度で広範囲であった。

結論と臨床的意義
:健康にみえるスコティッシュ・テリアにおける高フォスファターゼ血症は、ACT投与への血清生化学的な過剰反応に基づくと、副腎皮質機能亢進症に起因している可能性が最も高いようだが、副腎皮質機能亢進症の臨床徴候を示す犬はいなかった。
 

Djajadiningrat-Laanen, Sylvia C., Sara Galac, and Hans Kooistra.
"Primary hyperaldosteronism: expanding the diagnostic net." 
Journal of feline medicine and surgery 13.9 (2011): 641-650.

PubMedリンク PMID:21872791
本文:googlescholar経由で入手可能(全文

タイトル:原発性高アルドステロン症;診断ネットの拡大

==アブストラクト=== 
臨床的関連:原発性高アルドステロン症は、おそらく猫の最も一般的な副腎皮質障害である。ヒトと同じように、しばしば認識されず、潜在的に多くの猫が適切な治療から外れてしまう。

患者集団:罹患した猫は、来院時の年齢の中央値が13歳齢(範囲5-20)であった。品種または性別の傾向はみられなかった。ミネラルコルチコイドの過剰分泌は通常、低カリウム血症および/または全身性動脈高血圧症を招く。多くの罹患猫は、筋虚弱および/または動脈高血圧による眼徴候で来院する。

診断:低カリウム血症および/または動脈高血圧症で来院したいずれの猫においても、他の可能性のある原因について除外する必要がある。血清アルドステロン濃度と血清レニン活性の比(アルドステロン/レニン比)は、猫の原発性高アルドステロン血症のスクリーニング検査として現在もっとも優れている。画像診断は副腎皮質腫瘍と両側性過形成の鑑別と、遠隔転移の検出のために必要である。

臨床課題:副腎皮質腫瘍と両側性過形成との鑑別が、最適な治療をするために不可欠であるが、画像診断の感度が限定的であるために時に問題を引き起こす。確認された片側性の原発性高アルドステロン血症では、片側の副腎摘出術が治療の選択となり、しばしば予後は非常に良いが、術中および術後の出血の可能性は合併症として報告されており、リスク因子はこれまで同定されていない。

エビデンスベース
: ネコ原発性高アルドステロン症の理想的な診断と治療アプローチの基礎については、少数の症例報告しか利用できない。この記事はアルドステロンの産生の生理と原発性高アルドステロン症の病態生理についてのレビューであり、猫のこの疾患について現在利用できる文献を要約している。原発性アルドステロン症を疑う猫の診断調査について臨床的な提案をしている。
 

Crawford, Jason T., and William M. Adams.
"Influence of vestibulovaginal stenosis, pelvic bladder, and recessed vulva on response to treatment for clinical signs of lower urinary tract disease in dogs: 38 cases (1990-1999)."
 
Journal of the American Veterinary Medical Association 221.7 (2002): 995-999.

PubMedリンク PMID:12369703
本文:無料公開なし

タイトル:犬の下部尿路疾患の臨床徴候の治療への反応における膣前庭膣狭窄、骨盤膀胱、および陥凹外陰部の影響;38症例(1990-1999年)

==アブストラクト=== 
目的
:犬の下部尿路疾患の臨床徴候の反応において膣前庭膣狭窄、骨盤膀胱、および陥凹外陰部が与える影響を決定すること。

デザイン:回顧的研究。

動物:38頭の避妊済み雌犬。

方法:下部尿路疾患の臨床徴候のために排泄性尿路造影を行ない評価した犬の医療記録と飼い主への追跡調査を再調査した。臨床徴候、レントゲン検査の結果、および外科または内科治療に対する反応を分析した。

結果
:臨床徴候には、尿路感染(n=24)、尿失禁(20)、膣炎(11)、頻尿または有痛性排尿障害(10)、外陰部周囲皮膚炎(4)がふくまれた。膣膀胱尿道造影検査の所見として、膣前庭膣狭窄(n=28)、骨盤膀胱(17)、尿管炎または腎盂腎炎(4)がみられた。膣前庭-膣比は10頭の犬で<0.20(重度の狭窄)であり、9頭で020-0.25(中程度の狭窄)、 9頭で0.26-0.35(軽度な狭窄)、10頭で>0.35(解剖学的に正常)であった。下部尿路感染、尿失禁、および骨盤膀胱は、陥凹外陰部の治療への反応に負の関連があった。比が<0.20の膣前庭膣狭窄は、治療への反応と有意な負の関連があった。重度の膣前庭膣狭窄が無く、陥凹外陰部に対して外陰部形成術を行なった犬は、治療によく反応した。

結論と臨床的意義
:膣前庭膣狭窄は、比が<0.20の犬では重要な因子となりそうであり、重度の膣前庭膣狭窄と下部尿路疾患の徴候をもつ犬では膣の切開、切除、および吻合が考慮されるべきであろう。
 

Salgado, D., C. Reusch, and B. Spiess.
"Diabetic cataracts: different incidence between dogs and cats." 
Schweizer Archiv fur Tierheilkunde 142.6 (2000): 349-353.

PubMedリンク PMID:10892302
本文:無料公開なし

タイトル
:糖尿病性白内障;犬と猫の間の有病率の違い

==アブストラクト=== 
 糖尿病は犬と猫における最も一般的な内分泌疾患である。糖尿病性白内障は主に犬が罹患し、猫でみられることは稀である。糖尿病の犬においては、その多くがインスリン療法の有無に関わらずかなりの高血糖であるため、白内障の有病率が高いことが提唱されている。糖尿病のある犬23頭と猫22頭で、年齢、性別、血清グルコースのレベル(インスリン療法前および療法中)、および白内障の形成をそれぞれ評価した。犬の集団では、来院頻度が最も高い集団は雌で未避妊の動物だった。対照的に、猫の糖尿病の集団では中性化された雄に割合が多かった。糖尿病の猫と犬の80%以上が7歳以上だった。我々の結果から、糖尿病の猫では白内障がほとんどないことを示しており、一方で犬の半分以上でみられた。犬と猫における高血糖のレベルと白内障の有病率の関係は確立できなかった。糖尿病の犬における白内障の発症に相対リスクの推定では、一部の集団グループがこの眼の変化に罹患する可能性が高いことを示した。様々なグループにおける高血糖に対応するレベルと相対リスクの関連は見つからなかった。この事実は、犬と猫における糖尿病性白内障の不均衡な発現は、他の因子が関与しいてることを示している。
 

Strage, Emma M., et al.
"Effect of insulin treatment on circulating insulin‐like growth factor I and IGF‐binding proteins in cats with diabetes mellitus." 
Journal of veterinary internal medicine 32.5 (2018): 1579-1590.

PubMedリンク PMID:30112786
本文:無料公開あり(全文

タイトル:糖尿病の猫においてインスリン治療が循環中のインスリン様成長因子1とIGF結合タンパクに与える影響

==アブストラクト===
背景:インスリン様成長因子1(IGF-1)は糖尿病の猫に対する先端巨大症のスクリーニングに用いられている。ヒトでは、ほとんどの循環IGF-1は、IGF-1結合タンパク(IGFBP-3)と酸に不安定なサブユニットともに三重複合体(TC)を形成している。IGF-1濃度は、インスリン治療中に増加することが報告されており、寛解を達成した猫ではより急速である。

目的: (ⅰ)IGFBPプロファイルを含めたIGF-1濃度に関連する因子を調べる。(ⅱ)インスリン治療がIGF-1濃度に与える影響をを調べる。(ⅲ)糖尿病寛解の予後マーカーとしてのIGF-1を調べる。

動物:31頭の家庭飼育の糖尿病猫(そのうち24頭は1年間追跡)、13頭の健康な猫 

方法:前向き研究。血清インスリン、IGF-1、およびフルクトサミン濃度を測定した。IGF結合形式は、14頭の糖尿病猫と13頭の健康猫でクロマトグラフィを用いて決定された。IGF-1、IGF-2、IGFBP-3、およびIGFBP-5について、寛解した3頭の猫で質量分析を用いて調べられた。

結果:インスリン治療を始める前のIGF-1の中央値(四分範囲)は300ng/ml(160-556)であった。IGF-1は、三重複合体(p<0.0001)および内因性インスリン(p=0.005)と正の関連があり、フルクトサミン(p<0.0001)と負の相関があった。IGF-1の中央値はベースラインと比較して、インスリン治療開始後2-4週間で高く(300 vs 670 ng/ml、p=0.0001)、将来の寛解を予測そた(p=0.046)。寛解した猫では、三重複合体とIGFBP-3の量が増加しており、IGF-1の増加が三重複合体の形成に依存していることが示唆された。
 
結論
:糖尿病猫におけるIGF-1を解釈する際にはインスリン治療を考慮すべきだ。インスリン治療開始後2-4週のIGF-1は、糖尿病猫の寛解の予後マーカーとして見込みを示している。
 

Lamb, Christopher R., et al.
"Computed tomographic signs of acromegaly in 68 diabetic cats with hypersomatotropism."
 
Journal of feline medicine and surgery 16.2 (2014): 99-108.

PubMedリンク PMID:23847300
本文:googlescholar経由で入手可能(全文

タイトル
:高ソマトトロピン分泌症を伴う糖尿病の猫68頭における先端巨大症のCT徴候

==アブストラクト=== 
猫の先端巨大症について記述するために、
高ソマトトロピン分泌症のある猫68頭と健康な猫36頭の頭部CTスキャンをもとにして症例対照研究を行った。高ソマトトロピン分泌症と診断された猫はすべてに糖尿病があり、インスリン様成長因子1(IGF-1)が>1000ng/mlで下垂体腫瘤があった。骨と軟部組織の測定は、診断情報を持たない2人の独立した観測者によって行われた。高ソマトトロピン分泌症のある猫のうち64頭(94%)で、下垂体の腫瘤がCT画像上で特定された。分散分析のより、性別が骨のサイズに与える中程度の影響と、高ソマトトロピン分泌症が骨のサイズと軟部組織の厚みに与える大きな影響が明らかとなった。高ソマトトロピン分泌症の猫では対照猫と比べて、前頭骨と頭頂骨が平均0.8mm厚く(p<0.001)、頬骨弓間の距離が平均で5.4mm大きく(p<0.001)、下顎枝は平均で1.1mm厚かった(p<0.001)。高ソマトトロピン分泌症の猫では対照猫と比べて、前頭骨の背側の皮膚と皮下組織は平均で0.4mm厚く(p=0.001)、頬骨弓の側方の皮膚と皮下組織は平均で0.7mm厚く(p<0.001)、下顎枝の腹側の皮膚は平均で1.1mm厚かった(p=0.002)。高ソマトトロピン分泌症の猫では対照猫と比べて、鼻咽頭の断面積が平均で11.1m2小さかった(p=0.02)。下顎前突症と顎関節の奇形徴候は、対照猫と比べて高ソマトトロピン分泌症の猫でより頻繁に観察された(p=0.03)。全体で、罹患猫と非罹患猫の差は小さかった。顔の特徴をもとに先端巨大症の猫を識別するのは困難だ。

Fischetti, Anthony J., Kelly Gisselman, and Mark E. Peterson.
"CT and MRI evaluation of skull bones and soft tissues in six cats with presumed acromegaly versus 12 unaffected cats."
 
Veterinary Radiology & Ultrasound 53.5 (2012): 535-539.

PubMedリンク
PMID:22703122
本文:無料公開なし

タイトル
:先端巨大症と推定される猫6頭と非罹患猫12頭の頭蓋骨と軟部組織のCT・MRIの評価

==アブストラクト===
猫の先端巨大症は、主に下垂体の腺腫によって引き起こされ、過剰な成長ホルモンとインスリン様成長因子(IGF-1)の分泌を起こす。進行した猫では、骨と軟部組織の増殖によって起こる目立つ顔の特徴と上気道の詰まりを示すだろう。この研究の目的は先端巨大症と推定される猫6頭の軟部組織と頭蓋骨のCTおよびMRIの特徴を、罹患していない猫12頭の所見と比較することだ。CTまたはMRIで下垂体腫瘍の所見がある先端巨大症の猫5頭において、前頭骨の厚みは、年齢調整をした
上気道疾患の病歴のない対照猫よりも厚かった。これらの猫5頭では、鼻腔内、副鼻腔、および咽頭に軟部組織が蓄積している所見もあった。インスリン抵抗性糖尿病の猫1頭では、IGF-1が上昇し、正常な下垂体サイズで前頭骨の肥厚もしくは上気道の詰まりがなかった。

Lourenço, Bianca N., et al.
"Abdominal ultrasonographic findings in acromegalic cats." 
Journal of feline medicine and surgery 17.8 (2015): 698-703.

PubMedリンク PMID:
本文:無料公開なし

タイトル:先端巨大症の猫における腹部超音波検査所見

==アブストラクト===
目的:先端巨大症は、糖尿病の猫のインスリン抵抗性の原因として徐々に認識されるようになってきている。 この研究の目的は、先端巨大症の猫における特定の臓器の超音波検査の変化が、この病態の疑いの指標を高めるかどうかを決定することだ。

方法:この回顧的な症例対照では、2002年1月から2012年10月の間にノースカロライナ州立大学またはコロラド州立大学に来院した猫の医療記録を再調査した。血清インスリン様成長因子-1(IGF-1)濃度が上昇しいて腹部超音波検査が行われて記録されているインスリン抵抗性の猫を先端巨大症群に含めた。対照群には、腎臓、副腎、膵臓、または肝臓の疾患が関与する可能性の低い疾患の調査として腹部超音波検査を行なった、年齢が調整された猫を含めた。

結果:それぞれの群に24頭の猫を含めた。先端巨大症群のIGF-1濃度の範囲は>148-638nmol/lであった。年齢調整を行なった対照群と比較すると、先端巨大症の猫では、左右の腎臓の長さの中央値の有意な増加、左右の副腎の厚みの中央値の有意な増加、および膵臓の厚みの中央値の有意な増加が示された。先端巨大症の猫では肝腫大と両側性副腎腫大がそれぞれ63%と53%でみられ、対照群の猫ではみられなかった。膵臓の異常は先端巨大症の猫の88%、対照群の猫の8%でみられた。

結論と関連性
:これらの所見は、年齢調整をした先端巨大症ではない猫と比較したときに、 先端巨大症の猫では腎臓、副腎、膵臓がかなり大きいことが示された。腹部超音波検査で臓器腫大を示すコントロール不良の糖尿の猫では、先端巨大症の診断検査を考慮すべきだろう。
 

Myers, J. A., K. F. Lunn, and J. M. Bright.
"Echocardiographic findings in 11 cats with acromegaly."
 
Journal of veterinary internal medicine 28.4 (2014): 1235-1238.

PubMedリンク PMID:24962737
本文:無料公開あり(全文

タイトル:先端巨大症の猫11頭における心臓エコー所見

==アブストラクト===
背景:先端巨大症のある家庭猫における心臓の変化に関する情報は限られている。

仮説/目的:この研究の目的は先端巨大症のある猫における心臓エコー検査の所見について記すことである。

動物:2008年から2012年の間にコロラド州立大学で先端巨大症と診断された猫18頭。18頭中11頭で心臓エコー検査が行われた。

方法:回顧的な医療記録の再調査を行い、先端巨大症があり心臓エコー検査を行なった猫を同定した。

結果:同定された猫11頭のうち、7頭で同心性心臓肥大、6頭で左心房拡大、7頭で拡張能の異常がみられた。11頭すべてで機能的または構造的な心臓病の所見がみられた。

結論と臨床的意義
:先端巨大症の猫には心血管系の異常が頻繁にみられ、これらの患者では完全な心臓の評価を検討する必要がある。


 

Posch, Barbara, Jane Dobson, and Mike Herrtage.
"Magnetic resonance imaging findings in 15 acromegalic cats." 
Veterinary Radiology & Ultrasound 52.4 (2011): 422-427.

PubMedリンク PMID:21447042
本文:無料公開なし

タイトル:先端巨大症の猫15頭におけるMRI所見

==アブストラクト===
猫の先端巨大症は、慢性の過剰な成長ホルモンの分泌を特徴とし、ほとんどが機能性の下垂体腺腫によって引き起こされる。この研究では、15頭の猫で一致した臨床徴候、検査所見、およびMRI所見をもとに先端巨大症を診断した。MRI所見は回顧的に再調査した。
トルコ鞍上部の拡張を伴う下垂体の腫大がすべての猫で存在した。T1強調像とT2強調像において特徴的な信号パターンは特定されなかった。造影増強はすべての猫で不均一であり、隣接する視床下部への関与が疑われた。海綿静脈洞と第三脳室へのマスエフェクトが13頭の猫でみられた。軽度の腫瘍周囲の浮腫が4頭の猫でみられ、1頭では中等度の浮腫がみられた。テント切痕ヘルニアが1頭でみられた。2頭で下垂体腺腫が病理組織学的に確定された。先端巨大症の診断の確立にMRIは有用な検査だ。 

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