ねころんで探せる小動物医療のジャーナルクラブ

小動物臨床の獣医師が、臨床に役立ちそうな論文情報をちょっとづつアップします。ねころんでいても論文検索ができればいいなと。

カテゴリ: 検査

Lu, Ta‐Li, et al.
"Point‐of‐care N‐terminal pro B‐type natriuretic peptide assay to screen apparently healthy cats for cardiac disease in general practice."
 
Journal of Veterinary Internal Medicine (2021).


PubMedリンク PMID:
33993546
本文:無料公開(あり

タイトル:一般診療のおける見た目に健康な猫の心疾患のスクリーニングのための院内即時検査NT-proBNP

==アブストラクト===
背景
院内即時検査NT-proBNP ELISAは二次動物病院の施設で猫の心疾患のスクリーニングのために評価されてきたが、一般診療における使用についてのは知られていない。

目的
:一般診療の猫のスクリーニングにおける院内即時検査NT-proBNP ELISAの診断の有用性を調べること。

動物:一般診療所21ヶ所の見ために健康な猫217頭。

方法
:これは前向き横断研究である。心臓の聴診と院内即時検査NT-proBNP ELISAを一般診療の獣医師が行った。一般診療で登録後、猫は心臓二次病院へ送られ、心臓の聴診と心エコー検査での診断が行われた。猫が心エコー検査で正常か異常かに基づいて結果を解釈した。

結果
:正常な猫のグループから異常な猫を鑑別するための院内即時検査NT-proBNP ELISAの感度は43%、特異度は96%であった。一般診療で心雑音のある猫においては、正常な猫のグループから異常な猫を鑑別するための院内即時検査NT-proBNP ELISAの感度は71%、特異度は92%であった。

結論と臨床的意義
:一般診療で見た目の健康な猫では、院内即時検査NT-proBNPの陽性結果は心疾患と関連し、心エコー検査を必要としたが、陰性結果は心疾患を除外するのに信頼のおけるものではなかった。これらの結果は、院内即時検査NT-proBNPが一般診療の健康な猫におけるスクリーニング検査として有用ではないが、心雑音のある猫だけに用いる場合にはその性能が向上することを示唆した。

Blutinger, Alex Louis, et al.
"Prospective evaluation of plasma lactate parameters for prognosticating dogs with shock." 
Journal of Veterinary Emergency and Critical Care (2021).


PubMedリンク PMID:
33709568
本文:無料公開なし

タイトル:ショックのある犬を予測するための血漿乳酸値の前向き評価

==アブストラクト===
目的:入院時の静脈血漿乳酸濃度、連続的に計算された乳酸変数、または急性患者生理学・検査評価(APPLE)スコアが、ショックの臨床徴候を示して救急かに来院した犬の生存と非生存を区別するかどうかを判断すること。

デザイン:24ヵ月にわたる前向き症例シリーズ。

施設:大都市の私立教育病院。

動物:初期の末梢静脈血漿乳酸濃度が2.5mmol/Lを超え、ショックと一致する臨床的および血行力学的パラメータを示してICUに入院した犬71頭。

介入:なし。

方法と主な結果
:心拍数、収縮期血圧、体温、初期静脈血漿乳酸値、APPLE(FAST)スコアを入院時に記録した。乳酸濃度は、事前に設定した時点で連続的に測定され、乳酸time(乳酸が>2.5mmol/Lの時間)、乳酸クリアランス([初期乳酸ー後期乳酸/初期乳酸×100)乳酸エリア(乳酸濃度vs時間曲線下の面積)を含む計算乳酸変数を使用した。主要アウトカムは生存退院とした。全体の生存は61%であった。入院時の血漿乳酸は、グループ間で差がなかった(p=0.28)。乳酸timeは非生存群よりも生存群で短かった(p=0.003)。時間あたりの乳酸クリアランスは、1、4、10、16時間で、非生存群よりも生存群で大きかった(p<0.05)。最終的な血漿乳酸クリアランスはグループ間で異なった(p<0.005)。1-4時間、4-10時間、10-16時間、16-24時間の乳酸エリアは、生存群よりも非生存群のほうが大きかった(p<0.005)。全体の乳酸エリアはグループ間で差はなかった(p=0.51)。入院時のAPPLE(FAST)スコアは、グループ間で差はなかった(p=0.16)。

結論
:APPLE(FAST)スコアも入院時の血漿乳酸濃度も、入院中の生存と非生存を区別できなかったが、乳酸クリアランスはショックのある犬の生存を予測することができた。

Stiller, Jenny, et al.
"Diagnostic evaluation of urea nitrogen/creatinine ratio in dogs with gastrointestinal bleeding." 
Journal of Veterinary Internal Medicine (2021).


PubMedリンク PMID:33728701
本文:無料公開あり(全文

タイトル:消化管出血のある犬における尿素窒素/クレアチニン比の診断的評価

==アブストラクト===
背景:尿素窒素/クレアチン比(UCR)は、ヒトの上部消化管出血のマーカーである。

目的:犬における不顕性の消化管出血の予測と、上部消化管出血と下部消化管出血の鑑別のためのUCRの有用性を評価すること。

動物:消化管出血のある犬89頭と臨床的に健康な犬65頭。犬は顕性の消化管出血がある65頭と不顕性の消化管出血がある24頭に分類され、病変部位(上部37頭、下部13頭、両方8頭)によっても分類された。

方法:74頭が回顧的に組み入れられ、15頭は前向きに組み入れられた。血清尿素窒素とクレアチニン濃度、UCR、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値、平均赤血球容積、平均赤血球ヘモグロビン濃度、をグループ間で比較した。変数が不顕性消化管出血がと健康な犬、および上部消化管と下部消化管の消化管出血を区別できるかどうかを評価するための、ロジスティック回帰モデルはを適応した。

結果:UCRは、対照犬(p=0.02)および不顕性消化管出血の犬(p=0.05)と比較して、顕性消化管出血の犬で有意に高かった。UCRは、不顕性消化管出血の犬と健康な犬、または上部消化管出血と下部消化管出血の犬とで、有意に関連しなかった(それぞれp>0.05)。ヘモグロビン濃度とヘマトクリット値が高い犬は、健康であることよりも、不顕性消化管出血があるオッズは有意に低かった(p<0.0001)。

結論と臨床的重要性
:UCRは、不顕性消化管出血の臨床的に有用なマーカーではなく、上部と下部の消化管出血の識別能力は低いようである。顕性の消化管出血のない犬におけるUCRの上昇は、特にヘマトクリット値が参照範囲の中〜高い範囲にある場合には、胃腸保護薬の迅速な処方は正当化されないようである。

Lyberg, Maria, et al.
"Impact of equipment and handling on systolic blood pressure measurements in conscious dogs in an animal hospital environment." 
Journal of Veterinary Internal Medicine (2021).


PubMedリンク PMID:
33586197
本文:無料公開あり(全文)

タイトル:動物病院の環境下の意識のある犬において装置とハンドリングが収縮期血圧の測定に与える影響

==アブストラクト===
背景
:状況的高血圧と、デバイス間の差は、犬の収縮期血圧の解釈を複雑にする。

仮説/目的
:病院内の収縮機血圧の測定において、意識のある犬でオシロメトリックデバイスと測定者が収縮機血圧の測定に影響をあたえるかどうかを調べること。

動物
:慢性腎臓病がある、またはない家庭医飼育犬67頭を、2つの研究サンプルに分けた(AとB)。

方法
:横断的診断検査。Aパートでは、来院中の規定された3時点で慣らされたのちに、2種類の異なるデバイス(HDO、petMap)で犬の収縮期血圧測定を行った。パートBでは、同じ機会に、訓練をうけた最終学年の獣医学生と、飼い主だけで収縮期血圧の測定を行った。

結果:すべての犬で、HDO(p=0.12)とpetMap(p=0.67)の3時点での測定間で平均収縮期血圧に有意な差はなかった。しかし、測定時点間の個人内の平均収縮期血圧では、最大で60mmHgの差があった。petMapで得られた平均収縮期血圧は、HDOで得られたものよりも平均で14mmHg(95%信頼区間 8-20)高かく、この差は収縮期血圧が上昇するにしたがって増加した。平均収縮期血圧は、飼い主だけで得られたものよりも、訓練された学生が測定したもののほうが7mmHg(95%信頼区間 2-11)高かった。

結論と臨床的意義
:この研究の結果にゆおり、病院内のどの時点で犬の収縮期血圧を測定したかはさほど重要ではなく、説明をうけた飼い主が実施することで状況的高血圧の疑いを減らすことができるかもしれない。HDOとpetMapで測定された平均収縮期血圧の差は、臨床的に使用される血圧測定デバイスの検証の必要性を強調している。

Mandese, W. W., et al.
"Stress in client‐owned dogs related to clinical exam location: a randomised crossover trial."
 
Journal of Small Animal Practice (2020).

PubMedリンク PMID:33107050
本文:無料公なし

タイトル:臨床検査の場所のに関連した家庭飼育犬のストレス;ランダム化クロスオーバー試験

==アブストラクト===
目的:家庭飼育犬において共通の治療エリアで行われた健康診断が恐怖、不安、およびストレスの指標に与える影響を定量化すること。

方法:この研究は前向き、非盲検、ランダム化、2期間2治療クロスオーバー試験である。単一の病院で、健康診断または歯科の評価で来院した家庭飼育の健康な成犬に、連続した3回の検査を迅速に行った。ベースラインの検査(飼い主がいる)を行い、続いて2つの同一な身体検査をランダムな順序で異なる場所(飼い主がいる隔離された検査室と飼い主がいない共通の治療エリア)で行った。主要な評価項目は、それぞれの検査における5つの規定された行動に対する累積の恐怖、不安、およびストレス、そして心拍数(bpm)の測定とした。

結果
:44頭の犬が登録された。ベースラインの恐怖、不安、ストレス様式のスコアは5のうち1であり、ストレスは無い〜軽度と示された。共通の治療エリアでは、検査室で行った場合と比較して、恐怖、不安、ストレスと心拍数の両方が臨床的に増加した。ベースラインに比べて、共通の治療エリアで検査された動物は、恐怖、不安、ストレス(+2.6単位、SE 0.5、p<0.0001)と心拍数 回/分(20bpm、95%信頼区間13-28、p<0.0001)が増加した。共通治療エリアでは28頭(64%)の犬が≧3/5の恐怖、不安、ストレススコア(中程度〜重度)を示し、それに比べて検査室の犬は19頭(43%)であった。

臨床的意義
:この研究におけるストレスの評価は、場所の評価を盲検化することができないことによるバイアスを受けている化膿性がある。しかし、ストレスの測定基準は、犬が共通治療エリアで検査された時の、臨床的に意味のある一貫性ののある対称的な増加を示している。身体検査の場所が刺激的である場合、犬はストレスと不安の増加を経験する可能性があり、臨床評価と健康診断に悪影響を及ぼす。可能な限り、身体検査は飼い主が立ち会うストレスの少ない環境で行う必要がある。

Turner, R. B. S., et al.
"Assessment of the clinical usefulness of ultrasound‐guided cytological specimens obtained from gastrointestinal lesions in dogs and cats."
 
Journal of Small Animal Practice.


PubMedリンク PMID:33403667
本文:無料公開なし

タイトル:犬の胃腸病変から得られた超音波ガイド細胞診標本の臨床的有用性の評価

==アブストラクト===
目的
:細胞学的バイオプシーは、腹部超音波検査で病変部位が特定されている場合に不可欠な追加検査であるが、超音波ガイド細針細胞学的バイオプシーにより得られた胃腸病変を臨床的に有益なサンプルにすることに影響を与える因子について公表されたものはほとんどない。この回顧的記述的研究の目的は、超音波ガイド経皮的細針細胞学的バイオプシーにより胃腸病変から得られた細胞診サンプルの臨床的有用性に影響を与える可能性のある因子を評価することである。

方法:2.5年間の間に犬25頭、猫19頭からえら得た胃腸の細胞学的サンプルをレビューし、細胞診レポートにしたがって臨床的に有用、または臨床的に役に立たないかを決定した。この解析に用いた超音波検査に基づく項目として、病変の部位、病変の厚み、胃腸の層構造の欠如、および提出されたスライドの数、をふくめた。

結果:提出された44の細胞学的サンプルのうち30が臨床的に有用とみなされた。臨床的に有用となったサンプルに関連した因子として、単変量モデルにより、提出されたスライド数と病変の厚みが含まれた。しかし、2つの項目は相互に関連しているようであり、2つの変数の間には弱い相関関係が存在する。組織学的バイオプシーのが得られた場合、臨床的に有用なサンプルは12症例中3頭で部分的に一致し、12症例中8頭で完全に一致した。

臨床的意義
:胃腸腫瘤の超音波ガイド細針細胞学的バイオプシーは、特に多くにスライドが提出され、厚みのある病変からのサンプルで場合に、症例の2/3で臨床的に有用なサンプルを提供した。

Chow, Betty, et al.
"Comprehensive comparison of upper and lower endoscopic small intestinal biopsy in cats with chronic enteropathy."
 
Journal of Veterinary Internal Medicine (2020).


PubMedリンク PMID:33345405
本文:無料公開あり(全文

タイトル:慢性腸症の猫における上部および下部の小腸生検の包括的な比較

==アブストラクト===
背景:免疫組織化学とクローナリティ検査を病理組織検査に組み合わせることで、猫の炎症性腸疾患(IBD)と消化管小細胞性リンパ腫の識別能を改善できる可能性がある。

仮説/目的:IBDとリンパ腫の鑑別のための病理組織検査、免疫組織化学、クローナリティ検査の有用性を評価し、上部小腸と下部小腸から得られた内視鏡生検サンプルの診断結果の一致を評価すること。

動物:IBDまたはリンパ腫のある猫57頭。

方法:全ての症例を病理組織学のみをもとに、IBD確定、リンパ腫の可能性、おそらくリンパ腫、リンパ腫確定、のいずれかに分類した。免疫組織化学とクローナリティ検査の結果を統合した。

結果
:病理組織学単独では、24/57頭(42.1%)がIBD確定、15/57頭(26.3%)がリンパ腫の可能性/おそらくリンンパ腫、18/57頭(31.6%)がリンパ腫確定、と診断された。免疫組織化学とクローナリティ検査を統合すると、IBD確定の11/24頭(45.8%)とリンパ腫の可能性/おそらくリンンパ腫の15/15頭(100%)が、リンパ腫に再分類された。最終診断はIBDが13/57頭(22.8%)、リンパ腫が44/57頭(77.2%)であった。上部小腸と下部小腸のサンプルの一致性は、病理組織学単独(κ=0.66)と免疫組織化学とクローナリティ検査の統合(κ=0.70)でいずれも中程度であった。しかし、1/44頭(2.3%)だけが下部小腸のみをもとにリンパ腫と診断された。

結論と臨床的意義
:免疫組織化学とクローナリティ検査を統合することで、リンパ腫と診断する症例の数が増えたが、患者の転帰への影響は不明である。上部小腸と下部小腸のサンプル間の一致性は中程度であった。下部小腸のサンプルによって診断が変わることはまれであった。

Trub, Sarah A., et al.
"Use of C‐reactive protein concentration in evaluation of diskospondylitis in dogs." 
Journal of Veterinary Internal Medicine.


PubMedリンク PMID:33319417
本文:無料公開あり(全文

タイトル:犬の椎間板脊椎炎の評価におけるC反応性タンパクの利用

==アブストラクト===
背景:C反応性タンパク(CRP)は正の急性相タンパクであり犬の多くの炎症性病態で上昇する。血清CRP濃度は、人の化膿性脊椎炎の診断と予後における有用性で重要である。

仮説と目的:椎間板脊椎炎の犬の血清CRP濃度と臨床およびMRI所見との間に相関があるかどうか、およびCRPが予後を予測するかどうかについて調べること。

動物:MRIで椎間板脊椎炎と診断された家庭飼育犬18頭。

方法:回顧的研究により椎間板脊椎炎の犬のシグナルメント、臨床徴候、神経学的検査所見、白血球数、好中球数、血清グロブリン濃度、血清CRP濃度、レントゲン所見、MRI所見、細菌培養結果、および転帰について調べた。

結果:椎間板脊椎炎の検出において、血清CRP濃度は、発熱や白血球増加症よりも有意に高い感度を示した。血清CRP濃度は好中球数や高グロブリン血症よりも、より感度が高かった。単一病変と複数病変のある犬の間で、血清CRP濃度には有意な差はなく、蓄膿の有無、筋肉浸潤の有無、または脊髄圧迫の有無の間でも差はなかった。血清CRP濃度と細菌培養陽性との間にも関連はみられなかった。

結論と臨床的意義
:CRPは椎間板脊椎炎に対して感度が高いが、非特異的なバイオマーカーであり、疑わしい臨床徴候のある患者で補助的な診断検査として有用であり、予後の予測に役立つ可能性がある。

Werner, Melanie, et al.
"Diagnostic value of fecal cultures in dogs with chronic diarrhea." 
Journal of Veterinary Internal Medicine (2020).


PubMedリンク PMID:33277779
本文:無料公開あり(全文)

タイトル:慢性下痢のある犬における糞便培養の診断的価値

==アブストラクト===
背景:糞便の培養プロファイルを用いた培養をもとにした糞便最近叢の評価は、慢性下痢の犬で頻繁に行われるが、このアプローチ法の診断的価値は決定していない。

目的:慢性下痢のある犬と健康な犬とのあいだで糞便培養プロファイルの結果とPCRベースの腸内毒素症指数を比較すること。3つの獣医診断検査所(L1、L2、L3)間での細菌および真菌培養の検査所間での変動性を評価すること。培養結果の解釈(正常生物叢vs腸内毒素症)を腸内毒素症指数のを比較すること。

動物:慢性下痢のある犬18頭と健康な対照犬18頭。

方法:この前向き症例対照研究では、糞便サンプルを3つの民間検査所に糞便培養のために提出した。微生物叢をPCR活性で評価した。抗菌薬の投与を受けている犬は除外した。

結果
:腸内毒素症指数は、健康な犬(平均 -3.0;SD 2.8;信頼区間 -4.3 - -1.6)に比べて、慢性下痢の犬(平均 0.9;SD 3.8;信頼区間 -1.0 - 2.8)のほうが有意に上昇した(p=0.0002)が、すべての検査所からの培養では有意な差は検出されなかった(p=0.66、0.18、0.66)。溶血性大腸菌は培養のおいて唯一の病原性微生物であったが、慢性下痢の犬と健康な犬との間で有意差はなかった。腸内毒素症の診断において、培養は腸内毒素症指数との一致を示さなかった(L1 κ=-0.21、信頼区間-0.44 - -0.02;L2 κ=-0.33、信頼区間-0.58 - -0.08;L3 κ=-0.25、信頼区間-0.39 - -0.11)。さらに、3つの検査所間のばらつきは大きかった(L1/L2 κ=0.15、信頼区間-0.05 - -0.35;L1/L3 κ=-0.08、信頼区間-0.01 - -0.16;κ=-0.06、信頼区間-0.33 - -0.20)。

結論と臨床的意義
:糞便培養は病気の犬と健康な犬との鑑別ができず、高いレベルでの検査所間のばらつきが明らかとなった。

Brans, Marleen, et al.
"Plasma symmetric dimethylarginine and creatinine concentrations and glomerular filtration rate in cats with normal and decreased renal function." 
Journal of Veterinary Internal Medicine (2020).


PubMedリンク PMID:33274800
本文:無料公開あり(全文

タイトル:腎機能が正常および低下した猫における血漿対称性ジメチルアルギニンとクレアチニン濃度と糸球体濾過率

==アブストラクト===
背景:糸球体濾過率(GFR)は腎機能評価のゴールドスタンダードではあるが、実用的ではない。血清クレアチニンは早期の慢性腎臓病の同定において感度が限られており、一方で対称性ジメチルアルギニン(SDMA)はより正確なバイオマーカとして商品化されている。猫におけるSDMAと血清クレアチニンの比較を行った研究は少ない。

目的:高窒素血症がある、またはない猫におけるSDMAの診断性能のさらなる調査をすること。

動物:家庭飼育猫17頭。CKDノ猫17頭、糖尿病の猫15頭、健康な猫17頭。

方法:血清クレアチニン、GFR、SDMA分析の記録のある猫の血液の予備サンプルを用いた回顧的研究。相関係数、感度、特異度、および受信者操作特性曲線を用いてSDMAと血清クレアチニンの診断性能を評価した。

結果
:健康な猫と糖尿病の猫と比べて、CKDの猫では血漿SDMA(26.7 ± 9.9 μg/dl)と血清クレアチニン(2.8 ± 0.8 mg/dl)の値が有意に高かった(p<0.001)。血漿SDMA(τB=-0.57;P<0.001)と血清クレアチニン(τB=-0.56;P<0.001)はGFRと有意な相関を示した。血清SDMA(τB=-0.52;P<0.001)は血清クレアチニンと有意な相関を示した。血漿SDMAと血清クレアチニンは、腎機能の低下に対して類似した感度(76-94%と71-88%)をしめした。特異度はSDMA(75-76%)よりもクレアチニン(94-96%)のほうが高かった。

結論と臨床的意義
:高窒素血症がある猫とない猫を含むこの研究では、SDMAはGRFの減少を同定する信頼できるマーカーである。しかしながら血清クレアチニンを超える優位性は確認されなかった。

Woods, G. A., et al.
"Complications associated with bone marrow sampling in dogs and cats." 
Journal of Small Animal Practice (2020).


PubMedリンク PMID:33274762
本文:無料公開なし

タイトル:犬と猫の骨髄サンプリングに関連する合併症

==アブストラクト===
目的:犬と猫における骨髄サンプリングの合併症の発生率とそれに関連する患者因子と手技因子をしらべること。

方法
:回顧的コホート研究であり、記録を評価して2012年から2019年の間に骨髄のサンプリングを行った犬と猫を同定した。シグナルメント、特定の臨床病理学的所見の存在、骨髄サンプリングを行った部位、試行回数、サンプリングの診断の質、鎮痛プロトコル、および処置後合併症を含むデータを記録した。

結果:合計で131頭の犬と29頭の猫がこの研究に組み入れられた。合併症は160頭中22頭(14%)の症例で記録された。骨髄サンプリングの痛みが最も一般的な合併症であり、あざのある症例22頭中20頭(91%)でみられた。局所麻酔ブロックは160頭中98頭(61%)の患者で使用された。

臨床的意義
:痛みを除けば、骨髄サンプリングに関連する合併症はまれであり、患者要因または手技要因との間に検出される明確な関連はなかった。血小板減少症や好中球減少症がある患者でも、出血や感染などの合併症はまれであった。施術時の鎮痛は合併症を減らすために強く推奨される。

Tørnqvist‐Johnsen, C., et al.
"Investigation of the relationship between ionised and total calcium in dogs with ionised hypercalcaemia."
 
Journal of Small Animal Practice 61.4 (2020): 247-252.


PubMedリンク PMID:32043601
本文:無料公開なし

タイトル:イオン化カルシウムの高カルシウム血症のある犬におけるイオン化カルシウムと総カルシウムの関連性の調査

==アブストラクト===
目的:イオン化カルシウムの高カルシウム血症(以下 イオン化高Ca血症)がある犬における総カルシウムとイオン化カルシウムの関連性を調査し、この関連性にアルブミンがどう関与しているかを評価すること。

方法:最初に健康な成犬集団を用いてイオン化Caと総Caの基準範囲を設定した。私たちの教育病院の臨床データベースを検索して2012-1017年の間のイオン化高Ca血症の成犬を同定した。この期間は健康な犬の基準範囲の設定において同じサンプルと取り扱いと解析を行った期間である。イオン化高Ca血症の集団におけるイオン化Caと総Caの濃度の間の関連性を調べた。

結果:健康な成犬351頭の生化学分析をもとに、基準範囲はイオン化Caが1.18-1.53mmol/L、総カルシウムが2.24-2.85mmol/Lと設定された。これらの基準範囲をもちいて、イオン化高Ca血症の犬63頭が同定され、そのうち23頭は総Caの高Ca血症を示していなかった。イオン化高Ca血症があり総Caは基準範囲上限以下の犬23頭中、7頭だけが低アルブミン血症であった。イオン化高Ca血症で正常総Ca血症の犬の多くが、イオン化Caの上昇が中程度であった。

臨床的意義
:総Caのみに依存した場合、イオン化高Ca血症の1/3以上が正常Caとして分類され、これらの犬の多くは血清アルブミンが正常であった。

Woolhead, Vanessa L., Jacqueline C. Whittemore, and Sarah A. Stewart.
"Multicenter retrospective evaluation of ileocecocolic perforations associated with diagnostic lower gastrointestinal endoscopy in dogs and cats." 
Journal of Veterinary Internal Medicine 34.2 (2020): 684-690.

PubMedリンク PMID:32067277
本文:無料公開あり(全文

タイトル
犬と猫の診断的下部消化管内視鏡に関連した回腸盲腸結腸の穿孔についての多施設回顧的評価

==アブストラクト===
背景:消化器徴候のある犬猫で回腸内視鏡検査がますます行われているが、医原性の回腸盲腸結腸穿孔についてはこれまで記述されていない。

仮説/目的
:犬と猫の内視鏡による回腸盲腸結腸穿孔の特徴を調べること。

動物:犬13頭、猫2頭。

方法:回顧的症例シリーズ。シグナルメント、内視鏡機器、結腸の準備、内視鏡検査者の経験値、回腸挿入手技、診断方法、穿孔の位置、病理組織、治療、および転帰に関するデータを収集してレビューした。

結果:2012年から2019年の間に回腸6、盲腸5、結腸4の穿孔が確認された。犬の体重は2.4-26kg(中央値 10.3kg)、猫の体重は4.6-5.1kg(中央値 4.9kg)であった。嘔吐(n=4)、大腸性下痢(5)、混合性下痢(4)、小腸性下痢(1)で来院した犬に内視鏡検査が行われた。猫は大腸性下痢で来院した。内視鏡検査者は、指導を受けたインターン(1)、指導をうけた内科レジデント(9[1年目2、2年目6、3年目1])、内科認定医(5)であった。5頭で診断が遅れ、内視鏡検査後1-5日(中央値 3日)で、食食低下(4)、元気消失(4)、腹痛(3)、吐き気(2)、失神(1)で来院した。すべての動物で外科的修復を行った。いずれの動物でも穿孔部位において病理組織学的に病変は同定されなかった。2頭で2回目の手術を必要とし、1頭は12時間後に死亡した。生存退院は93%であり、78%が8ヵ月以上生存した。

結論と臨床的意義
:内視鏡による医原性の回腸盲腸結腸穿孔は基礎疾患を示すものではなく、良好な予後と関連する。診断の遅れが起こり得る。それゆえ、内視鏡検査後に臨床的な悪化があった動物では鑑別診断として穿孔を考慮すべきである。

Pey, Pascaline, et al.
"Safety of percutaneous ultrasound‐guided fine‐needle aspiration of adrenal lesions in dogs: Perception of the procedure by radiologists and presentation of 50 cases." 
Journal of veterinary internal medicine 34.2 (2020): 626-635.


PubMedリンク PMID:32159260
本文:無料公開あり(全文

タイトル:犬の副腎病変の経皮的超音波ガイド下FNAの安全性;放射線科医による手技の認識と50症例の提示

==アブストラクト===
背景
:副腎病変の経皮的超音波ガイド下FNAは、獣医領域において物議がある。

目的:手技に関するリスクの頻度と放射線科医の認識を評価し、合併症の発生率を調べること。

方法:回顧的研究。最初の調査は、アメリカ大学獣医放射線学(ACVR)とヨーロッパ大学獣医画像診断(ECVDI)の放射線科認定医すべてにEメールで提出した。2番目の調査は、キャリアの中で少なくとも1回はその手技を実施したことのある放射線科医に送った(横断的症例観察研究)。

結果
:最初の調査は977人の認定医に送られ、138人が回答した。138人の認定医の中で40人が現在その手技を行っており、98人は行っていなかった。その98人中44人が理由として褐色細胞腫による高血圧クリーゼのリスクをあげた。2番目の調査では、65人中12人が肯定的に回答をした。50頭の犬の58病変(23の褐色細胞腫を含む)が登録された。合併症は50頭中4頭で報告され、出血が3頭、急性呼吸促迫症候群(喉頭麻痺に関連していた可能性)による死亡が1頭であった。高血圧クリーゼの報告はなかった。FNAの方法/使われた針のタイプと合併症の発生との間に関連性はなかった。およそ200の副腎病変のFNAを行ったこれら65人の放射線科医の回想に基づき、死亡率はおよそ1%と推定された。

結論と臨床的意義
:副腎病変の経皮的超音波ガイド下FNAは、放射線科医にとって消極的な認識ではあるものの、最小限のリスクとなる手技と考えることができる。

Reece, Jonjo, et al.
"Hemorrhage and complications associated with percutaneous ultrasound guided liver biopsy in dogs."
Journal of Veterinary Internal Medicine (2020).


PubMedリンク PMID:33125175
本文:無料公開あり(全文

タイトル:犬の経皮的超音波ガイド下肝生検に関連した出血と合併症

==アブストラクト===
背景:肝生検はしばしば肝胆道系疾患のある犬で診断を得るために必要となる。生検後の出血について懸念される。

目的:犬の経皮的超音波ガイド下肝生検後の出血の程度と合併症の発生率について記述し、出血と合併症のリスク因子について調べること。

方法:医療記録を回顧的にレビューした。ヒトのガイドラインをもとに、主要な出血を絶対値として6%以上のPCVの減少と定義した。合併症は介入を必要とする臨床的に関連のある生理学的な障害、または死亡と個別に定義した。PCVの絶対的減少、および合併症の発生の間の関連性と、当初のPCV、凝固項目、肝臓由来酵素の血清活性、血清ビリルビン濃度、生検の数、生検針のサイズ、放射線科医の経験、組織学的診断、および超音波検査変数についてを比較した。

結果:経皮的超音波ガイド下肝生検の前の血液凝固項目の異常は、ほとんどが軽度であった。成犬後のPCVの低下は87/102頭(85.3%)でみられた。PCVの絶対値の低下の平均は、-7.2%±4.5%であった。主要な出血は43/102頭(42.4%)でみられ、合併症は2/102頭(1.9%)でみられた。PCVの絶対値の低下は、成犬前のPCVと正の相関がみられた(r=0.47、p=0.004)。PCVの絶対値の低下または合併症は、いずれの検査変数とも相関がなかった。

結論と臨床的意義:正常から軽度の凝固異常のあるこの研究の犬の集団において、経皮的超音波ガイド下肝生検は、臨床的には現れない主要な出血を高い割合(42.5%)で起こすが、合併症はわずか(1.9%)である。

Pavlick, Michelle, Cynthia RL Webster, and Dominique G. Penninck.
"Bleeding risk and complications associated with percutaneous ultrasound-guided liver biopsy in cats." 
Journal of feline medicine and surgery 21.6 (2019): 529-536.


PubMedリンク PMID:30099964
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タイトル:猫の経皮的超音波ガイド下肝生検に関連した出血のリスクと合併症

==アブストラクト===
目的:肝生検は肝疾患の診断に必須であるが、成犬後の出血が懸念される。この研究の目的は、猫の経皮的超音波ガイド下肝生検後の出血の程度と合併症の発生率について記述することである。

方法
経皮的超音波ガイド下肝生検を行った猫30頭の医療記録を回顧的にレビューした。ヒトのガイドラインに基づき、PCVの絶対値の変化が6%未満を軽度の出血、6%以上を重度の出血として分類した。合併症は介入を必要とする生理学的な障害または死亡と定義した。PCVの絶対値の変化および合併症の発生と、シグナルメント、初期のPCV、凝固パラメータ、血清肝酵素およびビリルビン、生検の数、組織学的診断、超音波所見、放射線科医の経験、同時に行った手技、ビタミンKの投与、との関連についてを、フィッシャーの直接確率検定、ANOVA、およびピアソンの相関係数をもちいて評価した。P値<0.05を有意とみなした。

結果:すべての猫で生検後にPCVが低下した。PCV絶対値の変化の平均は-6.9%±4.1であった。軽度の出血は13/30頭(43.3%)、重度の出血は17/30頭(56.7%)でみられ、非死的な出血性合併症は5/30(16.7%)でみられた。合併症のある猫では生検前のPCVが低かった(p<0.003)。重度の出血は肝リピドーシスと診断した猫でより起こりやすかった(p=0.03)。PCV絶対値の変化または合併症と、シグナルメント、凝固パラメータ、血清パラメータ、生検の数、超音波所見、放射線科医の経験、同時に行った手技、ビタミンK投与との間に相関はなかった。

結論と関連性
:猫における経皮的超音波ガイド下肝生検は比較的安全な手技ではあるが、多くの猫で非臨床的なPCV絶対値の減少がみられる。従来の凝固検査は合併症の発生、または重度なPCVの減少を予測せず、経皮的超音波ガイド下肝生検を行う猫では出血リスクについてより感度の高い指標が必要である。

Aupperle‐Lellbach, Heike, et al.
"Histopathological findings and canine pancreatic lipase immunoreactivity in normal dogs and dogs with inflammatory and neoplastic diseases of the pancreas." 
Journal of veterinary internal medicine (2020).


PubMedリンク PMID:32379386
本文:無料公開あり(全文

タイトル:正常な犬と膵臓の炎症性疾患および腫瘍性疾患のある犬における病理組織学的所見と犬膵リパーゼ免疫活性

==アブストラクト===
背景:犬の膵臓疾患の診断は、多様な臨床徴候があり、それが臨床病理と組織病理の所見と常に一致するわけではないために、いまだに困難である。

目的:犬の炎症性および腫瘍性の膵臓疾患の特徴を調べ、それらの所見と臨床所見およびイヌ膵リパーゼ免疫活性(cPLI)の結果とを関連づけること。

動物:ルーチンの診断犬に提出された犬72頭の組織標本と対応する血液サンプル。

方法:組織学的に4つのグループを定義した;(1)正常な膵臓(n=40)、(2)軽度な膵炎(n=8)、(3)中程度から重度の膵炎(急性 n=11、慢性 n=1)、(4)膵臓腫瘍(n=12)。院内cPLI ELISA(正常 <180μg/L、膵炎 >310μg/L)を行った。

結果:正常な膵臓の犬では、血清cPLIの結果の92.5%が基準範囲内であり、軽度な膵炎、中程度/重度の急性膵炎、膵臓腫瘍のある犬よりも有意に低かった。中程度/重度の急性膵炎のある犬では、cPLIの感度は90.9%(95%信頼区間 58.7-99.8%)であった。膵臓腫瘍のある犬(グループ4)の多く(9/12)で膵臓の炎症もあり、10頭でcPLIが上昇していた。

結論と臨床的意義
:cPLIの高値は重篤な急性膵炎を示唆するが、根底に膵臓腫瘍がある可能性も考慮しておくべきである。この研究は、膵臓疾患の診断評価における病理組織学の関連性を確認している

Hanås, Sofia, et al.
"Effect of feline characteristics on plasma N‐terminal‐prohormone B‐type natriuretic peptide concentration and comparison of a point‐of‐care test and an ELISA test." 
Journal of Veterinary Internal Medicine (2020).


PubMedリンク PMID:32200578
本文:無料公開あり(全文

タイトル
:NT-proBNPに猫の特性が与える影響と、臨床現場即時検査とELISA検査の比較

==アブストラクト===
背景:N末端プロB型ナトリウム利尿ペプチド(NT-proBNP)の血症濃度の増加は、心疾患のある猫で検出され得る。NT-proBNP濃度に影響を与える可能性のある猫の特性は、臨床的有用性に影響するかもしれない。

目的:NT-proBNPの血症濃度に影響を与える可能性のある猫の特性を調べ、ELISAと臨床現場即時検査(POCT)を用いて健康な猫と左心房拡大がある/ない肥大型心筋症(HCM)の猫のNT-proBNP血症濃度を比較し、POCTの結果がELISAの結果を反映しているかどうかを評価すること。

動物:健康な猫100頭(3品種)、HCMの猫39頭。

方法:身体検査、血圧測定、心エコー検査、血液学検査、血清生化学検査を行い、HCM以外の疾患を除外した。

結果
:健康な猫(p=0.005)およびHCMの猫(p=0.021)で、雌よりも雄でNT-proBNP濃度が高かったが、NT-proBNP濃度に与える品種の影響はみられなかった。異常値のカットオフ値として≧100pmol/Lを用いると、健康な猫と比較した際に、ELISAもPOCTも同様の感度と特異度が、HCMの猫の検出(感度72%、74%;特異度97%、98%)、左房拡大のあるHCMの猫の検出(感度100%、100%;特異度97%、98%)、左房拡大のないHCMの猫の検出(感度69%、69%;特異度97%、98%)で得られた。

結論と臨床的意義
:品種はNT-proBNP濃度に影響を与えなかったが、雌よりも雄の猫でより高い濃度がみられた。ELISAとPOCTはHCMの検出に同様の感度と特異度を示した。これらの検査は左房拡大のあるHCMをすべて同定できたが、左房拡大のないHCMの猫のすべては同定できなかった。

Prümmer, Julia K., et al.
"Hyperlipasemia in critically ill dogs with and without acute pancreatitis: Prevalence, underlying diseases, predictors, and outcome." 
Journal of Veterinary Internal Medicine.


PubMedリンク PMID:32945588
本文:無料公開あり(全文

タイトル:急性膵炎がある/ない重症疾患の犬における高リパーゼ血症;有病率、基礎疾患、予後因子、転帰

==アブストラクト===
背景:急性膵炎のない重症患者のヒトにおける高リパーゼ血症は頻繁であり、合併症の発生と死亡率の上昇に関連している。

目的:重症疾患の犬の入院時の高リパーゼ血症の有病率と入院中の高リパーゼ血症の発生を評価し、高リパーゼ血症に関連した因子を探索し、転帰との関連を評価すること。

動物
:救急に来院しICUに入院して 1,2-o-dilauryl-rac-glycero-3-glutaric acid-(6'-methylresorufin) ester (DGGR)リパーゼ活性を入院後24時間以内に測定した、重症疾患がある家庭飼育犬(n=1360)。

方法:臨床記録と検査記録をもとにした回顧的横断研究。

結果:DGGRリパーゼ活性の参照範囲の上限の>3倍の増加が216/1360頭(16%)の犬で入院時にみられ、そのうち70/216頭(32%)が急性膵炎と診断された。高リパーゼ血症に関連した他の主な病態は腎疾患、内分泌疾患、免疫介在性疾患、および上気道閉塞があった。入院時の高リパーゼ血症の予測因子には、それまでのグルココルチコイド投与、嘔吐、および腹部痛、年齢の上昇、血漿ビリルビン濃度の上昇、血漿クレアチニン濃度の上昇、ヘマトクリットの低下、があった。繰り返し測定を行なった犬のうち、78/345頭(23%)で入院中に重度のリパーゼ上昇があり、そのうち13/78頭(17%)が急性膵炎と診断された。入院中の高リパーゼ血症に関連した他の主要な病態には、腎疾患と免疫介在性疾患があった。入院中の高リパーゼ血症の発症を予測する因子には、血液透析、血症ビリルビン濃度の上昇、血症クレアチニン濃度の上昇、ヘマトクリット値の低下があった。入院時と入院中の両方の高リパーゼ血症は、入院期間の長期化と死亡率の上昇と関連していた。

結論と臨床的意義
:重度のDGGR高リパーゼ血症は重症疾患の犬で頻繁にみられ、様々な非膵臓疾患と関連し、負の転帰と関連した。


==訳者補足===
ここで用いられているDGGRリパーゼ活性は、フジドライケムのvリパーゼの測定法と同じもののようです。

Prieto, Jennifer M., et al.
"Biologic variation of symmetric dimethylarginine and creatinine in clinically healthy cats." 
Veterinary Clinical Pathology.2020.

PubMedリンク PMID:32716076
本文:無料公開なし

タイトル:臨床的に健康な猫における対称性ジメチルアルギニンとクレアチニンの生物学的変動

==アブストラクト=== 
背景:個体内および個体間の生化学的検体の生物学的変動は、特定の変化が個人にとって臨床的に関連するかどうかを解釈するときに、母集団ベースの参照範囲が適切かどうかを決定する。

目的:臨床的に健康な猫における対称性ジメチルアルギニン(SDMA)の生物学的変動を評価をすることを目的とした。

方法:前向き観察研究を行い、健康で家庭飼育されている猫10頭のサンプルについての生物学的解析を週に1回、6週間行った。血清サンプルを凍結し、液体クロマトグラフィー質量分析(LC-MS)と酵素免疫測定法(EMIT)を用いてSDMAの単一のバッジを分析し、修正Jaffe法でクレアチニンを分析した。制限付き最尤推定を用いてそれぞれの猫内、猫間、および分析的な変動を表す変動係数(CVs)を決定した。これらの変動係数は、個々の指標と参照変更値を決定するために用いられた。

結果:SDMAは、参照変動値と母集団ベースの参照範囲の両方で評価することができる個々の中程度の指標であった。対照的に、クレアチニンは参照変動値を最も良く評価する個々の高い指標であった。LC-MSまたは臨床的に用いられたEMITのいずれかで評価された血清SDMA濃度も、同様の結果であった。

結論
:臨床医は生化学検体の変化を解釈するベストな方法を選択する際に、生物学的変動を考慮すべきである。具体的には、健康なそれぞれの猫の血清クレアチニンとSDMAのベースラインを確立し、その後の測定に参照変動値を適応することで、意味のある生物学的変化の認識を改善することができる。

Lee, Cherrie, Aarti Kathrani, and Jill Maddison.
"Retrospective study of the diagnostic utility of Spec fPL in the assessment of 274 sick cats."
Journal of Veterinary Internal Medicine (2020).

PubMedリンク PMID:32452547
本文:無料公開あり(全文

タイトル:病気の猫274頭の評価におけるSpec fPLの診断有用性についての回顧的研究

==アブストラクト=== 
背景:血清ネコ膵リパーゼ免疫活性(fPL)は膵炎の疑いがある病気の猫の評価として一般に使われているが、診断の有用性については議論されている。

目的:猫の膵炎の診断におけるSpec fPL検査と選択的な血清生化学検査の診断有用性を評価すること。

動物:2013年4月から2017nenn5 月の間に大学の教育病院に来院し、Spec fPLを測定した家庭医飼育猫274頭。

方法:Spec fPL濃度に関わらず、臨床徴候(すべての猫)、超音波検査所見(すべての猫)、利用可能な場合に膵臓の病理学的または細胞学的評価(9頭)をもとに猫を1-4のグループに分類した。グループは(a)確実な膵炎(n=9)、(b)おそらく膵炎(n=49)、(c)膵炎の可能性(n=139)、(d)膵炎ではない可能性(n=77)、とした。Spec fPLと選択的された生化学検査の結果をグループ間で比較した。

結果:血清fPL濃度>5.3μg/Lを陽性と分類し、<3.5μg/Lを陰性と分類した。偽陽性の結果(膵炎でなさそうな猫77頭中、8頭でfPL陽性、10%)は、偽陽性の結果(確実な膵炎またはおそらく膵炎の猫58頭中、14頭でfPL陰性、24%)よりも割合が低かった。選択された生化学検査で診断に役立つものはなかった。

結論と診療的意義:Spec fPL陽性結果は、膵炎の診断の可能性の高さを示しているが、この検査で診断を除外することはできない。
 

利益相反:なし
==訳者コメント===
  • 一見それなりの結果にみえますが、グループ(c)の膵炎の可能性のある猫についての検証が十分にされていません。 本文中のグラフをみても(c)の猫のfPLはばらつきがとても大きいです。
  • 臨床ではグループ(a)や(b)の、「ほぼ膵炎だろう」という猫の診断で困るのではなく、グループ(c)のように「膵炎の可能性はあるんだけど、どうだろうか」という患者さんで、診断の確率を動かせるかが重要だと思いますが、この研究では結局それがわかりません。
  • とはいえ膵炎はゴールドスタンダードが設定ずらい疾患だと思いまますので(この研究でも組織/細胞診で評価しているのは9頭のみですし)、こうしたあいまいな結果になるのは仕方がないのかもしれません。

VanEnkevort, Bruce A., Robert T. O'Brien, and Karen M. Young.
"Pancreatic pseudocysts in 4 dogs and 2 cats: ultrasonographic and clinicopathologic findings." 
Journal of veterinary internal medicine 13.4 (1999): 309-313.

PubMedリンク PMID:10449220
本文:無料公開あり(全文

タイトル
:犬4頭と猫2頭の膵偽嚢胞;超音波検査と臨床病理の所見

==アブストラクト=== 
膵偽嚢胞が、超音波検査所見と臨床病理所見をもとに犬4頭と猫2頭で診断された。6頭すべてで膵炎の臨床診断がなされた。6頭中5頭の偽嚢胞は膵臓左肢にあり、猫の1頭で膵体部にあった。嚢胞の大きさの範囲は2×2cmから7×6cmであった。すべての偽嚢胞には無エコー性の領域があり、診断と治療のために超音波ガイド下で吸引された。吸引手技による合併症はなかった。偽嚢胞液は細胞学的にすべての患者で無菌であり、6頭中5頭で少数の炎症細胞がみられた。すべての動物で偽嚢胞液のリパーゼ活性は高く、犬2頭と猫1頭では血清中よりも高値であった。4頭の犬のうち3頭が内科的に治療された。超音波検査による長期の追跡を行なった犬1頭では、吸引後の数日は偽嚢胞はそのままだったが、診断の8ヶ月後には消失していた。これらの犬の3頭すべてで、来院後1.5-4年には臨床的に正常であった。4頭目の犬には外科的探索が行われ、気管支肺炎と慢性膵炎のために短期間で安楽死された。猫2頭は偽嚢胞の診断後10日と2ヶ月で死亡し、冒険は行われなかった。膵偽嚢胞の超音波ガイド細針l吸引と嚢胞液の臨床病理学的評価は、膵偽嚢胞の診断に有用である。

Hooi, Kimberly S., et al.
"Bronchoalveolar lavage hemosiderosis in dogs and cats with respiratory disease."
 
Veterinary clinical pathology 48.1 (2019): 42-49.

PubMedリンク PMID:30657606
本文:無料公開あり(全文

タイトル:呼吸器疾患のある犬と猫の気管支肺胞洗浄のヘモジデリン沈着症

==アブストラクト=== 
背景:ヘモジデリンの貪食は、気管支肺胞洗浄液のサンプル中にみられることがあり、猫とヒトでは幅広い呼吸器疾患・心疾患と関連していることが報告されている。

目的
:この研究の目的は、犬と猫の気管支肺胞洗浄(BAL)サンプル中のヘモジデリンの存在を回顧的に評価することである。また、BALヘモジデリンと、BALを行う前のシグナルメント、臨床徴候、病歴との関連、 事前の経胸腔細針吸引(FNA)との関連、気管支肺胞洗浄の時間との関連、細胞学的解釈との関連、について評価した。

方法:2007年から2016年の間にBALを行なった犬と猫の医療記録を再評価した。適切な医療情報とBALの結果は、犬171頭と猫34頭で得られた。症例はBALの細胞学的所見をもとに以下の4つのカテゴリーに割り振られた;肺炎、炎症性疾患、腫瘍、正常な気道。ヘモジデリン沈着は、判定量スコアリングスケールをもとに分類された。正確ロジスティック回帰分析により、リスク因子と細胞診でのBALヘモジデリン沈着の存在との関連を評価した。

結果:ヘモジデリンは犬の13/171頭(7.6%)と猫の18/34頭(52.9%)のサンプルで同定された。猫は、犬と比較して、BAL細胞診で肺のヘモジデリン沈着症が13.33倍みられやすかった(p<0.001)。呼吸数の増加、気管支肺胞洗浄の時間の延長、経胸腔FNAの同時実施、および細胞学的診断は、犬におけるヘモジデリン沈着症のリスクを上昇させた。猫では肺のヘモジデリン沈着症と関連するリスク因子は同定されなかった。

結論
:ヘモジデリン沈着症は犬よりも猫のBALサンプルでより頻繁にみられ、多様な疾患状態に関連している。

 

Johnson, Lynelle R., and William Vernau.
"Bronchoalveolar lavage fluid lymphocytosis in 104 dogs (2006‐2016)." 
Journal of veterinary internal medicine 33.3 (2019): 1315-1321.

PubMedリンク PMID:30912207
本文:無料公開あり(全文

タイトル:犬104頭の気管支肺胞洗浄液のリンパ球増加症(2006-2016)

==アブストラクト=== 
背景:気管支肺胞洗浄(BAL)液の細胞診と培養は、犬の呼吸器疾患の特徴を調べるために使用される。BAL液中のリンパ球数の増加と関連した疾患についてはほとんど知られていない。 

目的:BALリンパ球増加症のある犬における臨床徴候の期間と特定の呼吸診断の検出について評価すること。

動物:呼吸器徴候のある家庭飼育犬104頭。

方法:2006/1/1から2016/1/1までの間にBAL液の分画細胞カウントにおいて、細胞数300/μlおよびリンパ球>20%の犬の医療記録を回顧的に再調査した。症例は、臨床徴候の期間と呼吸器診断(吸引性損傷、感染性、および炎症性の呼吸器疾患と気道虚脱を含む)について評価された。

結果:犬の年齢の範囲は0.5-16歳齢(中央値 7.9歳齢) であり、体重の中央値は11.4kg(範囲2.0-42.7kg)であった。好酸球性肺疾患は104頭中13頭(グループ1)で記録され、感染性または炎症性疾患による気道の好酸球増加症は104頭中59頭(グループ2)でみられた。BAL液中のリンパ球増加症のみは32頭(グループ3)でみられた。咳の期間はグループ間で差はなかったが、気道の虚脱は、他のタイプの炎症がある犬よりも、リンパ球増加のみの犬で有意に多かった。

結論と臨床的重要性
:犬のBAL液中のリンパ球増加症は一般的であり、多くの症例で傷害の種類や期間に関係なく、気道損傷への一般的な反応を示している可能性がある。気道の虚脱がリンパ球増加症を招くのか、炎症性病態が気道の虚脱を引き起こすのかは、わかっていない。
 

Guieu, Liz-Valérie S., et al.
"Evaluation of peripheral blood and abdominal fluid variables as predictors of intestinal surgical site failure in dogs with septic peritonitis following celiotomy and the placement of closed-suction abdominal drains." 
Journal of the American Veterinary Medical Association 249.5 (2016): 515-525.

PubMedリンク PMID:27556266
本文:googlescholar経由で入手可能(全文)

タイトル:開腹術と閉鎖吸引腹腔ドレーンの設置の後の敗血症性腹膜炎のある犬における腸管手術の失敗を予測するための末梢血および腹水の項目の評価

==アブストラクト=== 
目的
開腹術と閉鎖吸引腹腔ドレーンの設置の後の敗血症性腹膜炎のある犬における腸管手術の失敗の予測としての末梢血および腹水の変数を評価すること。

デザイン:前向き研究。

動物:開腹術と閉鎖吸引腹腔ドレーンの設置を行なった犬26頭。

方法:腹水と血液のサンプルを、手術前とドレーンを除去するまで毎日、収集した。腹水はドレーンを通じて採取した。すべてのサンプルは、pH、PCO2、PO2、PCV、白血球数、およびそう固形分、グルコース、乳酸、電解質の濃度のについての解析を行なった。腹水サンプルは、細胞学的評価と細菌培養も行い、ドレーンから回収される腹水の量も毎日記録した。血液-腹水グルコースおよび乳酸濃度差、腹水-血液乳酸比、血液-腹水白血球比および好中球比についても毎日算出した。犬は、問題なく回復したか、術後敗血症性腹膜炎を発症したかどうかによって、2つのグループに分類された。

結果:23頭の犬が問題なく回復し、3頭が術後敗血症性腹膜炎を発症した。術後敗血症性腹膜炎に犬では問題なく回復した犬と比べて、手術後3日目、腹水の白血球数は有意に低値となり、血液-腹水白血球比と好中球比は有意に高くなった。2つのグループ間で評価された他の血液および腹水の項目で有意な差はなかった。

結論と臨床的意義
:この結果は、閉鎖吸引腹腔ドレーンをいれた犬において術後敗血症性腹膜炎に客観的な予測指標を特定することができなかった。術後敗血症性腹膜炎の予測指標としての血液-腹水白血球比と好中球比についてはさらなる調査を必要とする。

Szabo, Stephanie D., et al.
"Evaluation of postceliotomy peritoneal drain fluid volume, cytology, and blood‐to‐peritoneal fluid lactate and glucose differences in normal dogs."
 
Veterinary Surgery 40.4 (2011): 444-449.

PubMedリンク PMID:21466565
本文:無料公開なし

タイトル:正常な犬における開腹手術後の腹腔ドレーンの液量、細胞診、および血液-腹水の乳酸とグルコースの差についての評価

==アブストラクト=== 
目的
正常な犬で試験開腹手術を行なったあとの、腹腔ドレーンの液量、腹水の細胞診、および血液-腹水の乳酸とグルコースの差について記述すること。

研究デザイン:前向き研究。

動物:健康なビーグル犬(n=10)。

方法:試験開腹手術後に、腹腔内ドレーンを設置し、6時間ごとの腹水を7日間に渡り記録した。腹水は細胞診検査に提出され、腹水中と血中のグルコースと乳酸の濃度を12時間ごとに記録した。7日目にドレーンを除去し、ドレーンの先端を好気細菌培養に提出した。

結果:腹水の平均量は、2.8ml/kg/day(1日目)から0.6ml/kg(7日目)まで減少した。すべての犬で、7日間にわたり腹水中に変性好中球がみられた。4頭でドレーンの感染を発症した。血液-腹水グルコース濃度差>20mg/dlは、4日目以降にみられた。7日目までに開通性のあるドレーンのある犬7頭中5頭で、血液-腹水乳酸濃度差が<-2mmol/Lとなった。

結論
:4日目以降、血液-腹水グルコース濃度差は、過去に報告された犬の敗血症性腹膜炎の診断に使用された値をもとにした敗血症性浸出液のものとと一致した。血液-腹水乳酸濃度差は様々であったが、4日目以降には>70%の犬で、各日ともに敗血症性腹膜炎のものと一致した。閉鎖式吸引ドレーンで採取された腹水を評価する際には、術後の血液-腹水グルコースおよび乳酸差は、敗血症性腹膜炎の信頼できる指標にはならないかもしれない。

 

Levin, Garrett M., et al.
"Lactate as a diagnostic test for septic peritoneal effusions in dogs and cats."
 
Journal of the american animal Hospital association 40.5 (2004): 364-371.

PubMedリンク PMID:15347615
本文:無料公開なし

タイトル
:犬と猫の敗血症性腹水の診断検査としての乳酸

==アブストラクト=== 
敗血症性腹水または非敗血症性腹水のある犬と猫において、腹水中の乳酸濃度を評価し、血中の乳酸濃度と比較した。敗血症性腹水のある犬すべてで、腹水の乳酸濃度は>2.5mmol/Lであり、腹水中の乳酸濃度は血中よりも高く、血液と腹水の乳酸濃度の差がマイナスとなった。犬では、敗血症性腹水の鑑別における腹水中乳酸濃度と血中-腹水乳酸濃度の差の診断精度は、それぞれ95%と90%であった。猫における
腹水中乳酸濃度と血中-腹水乳酸濃度の差は、敗血症性腹水の検出に正確な検査ではなかった。

Bonczynski, Jennifer J., et al.
"Comparison of peritoneal fluid and peripheral blood pH, bicarbonate, glucose, and lactate concentration as a diagnostic tool for septic peritonitis in dogs and cats."
 
Veterinary surgery 32.2 (2003): 161-166.

PubMedリンク PMID:12692761
本文:googlescholar経由で入手可能(全文

タイトル:犬と猫の敗血症性腹膜炎の診断ツールとしての腹水中と血液のpH、重炭酸、グルコース、乳酸の濃度の比較

==アブストラクト=== 
目的:腹水中と静脈血中のpH、重炭酸、乳酸、およびグルコースを用いて、犬と猫の敗血症性腹膜炎に対して信頼できる診断ツールを確立すること。

研究デザイン:前向き臨床研究・

動物:腹水貯留のある犬18頭と猫12頭。

方法:来院時に採取した静脈血と腹水のサンプル1-2mlのpH、重炭酸、乳酸、およびグルコースの濃度を測定した。血液中と腹水中のpH、重炭酸、グルコース、乳酸の濃度の差を、血液濃度から腹水濃度を引くことで算出した。腹水は細胞診断と細菌培養検査に提出した。腹膜炎は、細胞診と細菌培養の結果に基づいて、敗血症性と非敗血症性に分類した。

結果
:犬では、敗血症性の浸出液がある場合、腹水のグルコース濃度が血中の濃度よりも常に低かった。血液- 腹水グルコース差は>20mg/dlで、敗血症性腹水の診断に感度100%、特異度100%であった。 測定を行なった7頭の犬で、血液-腹水乳酸差は<-2.0mmol/Lで、敗血症性腹水の診断に感度100%、特異度100%であった。猫では、血液- 腹水グルコース差は敗血症性腹水の診断に感度86%、特異度100%であった。犬と猫で、血液- 腹水グルコース差は、腹水中のグルコース濃度単独よりも敗血症性腹膜炎の診断により正確だった。

結論:血中と腹水中のグルコース濃度の>20mg/dlの差は、犬と猫で非敗血症性腹水と敗血症性腹水を鑑別するための迅速で信頼できる方法となる。

臨床的意義
:血中と腹水中のグルコース濃度の差は、腹水中のグルコース濃度単独よりも、より信頼できる敗血症性腹水の診断指標として使われるだろう。
 

Way, Leilani Ireland, et al.
"Comparison of routine urinalysis and urine G ram stain for detection of bacteriuria in dogs."
 
Journal of Veterinary Emergency and Critical Care 23.1 (2013): 23-28.

PubMedリンク PMID:23317004
本文:googlescholar経由で入手可能(全文

タイトル:犬の細菌尿の検出のための通常の尿検査と尿グラム染色の比較

==アブストラクト=== 
目的:通常の尿沈渣検査と好気性細菌培養と比較した場合の、細菌尿検出のためのグラム染色の実施の有用性について調べること。

デザイン:前向き、観察研究。

施設:大学の教育病院。

動物:三次紹介病院に来院した犬103頭から簡易的なサンプリングによって膀胱穿刺によって尿サンプルを採取した。

介入:すべてのサンプルで、沈渣検査を含む通常の尿検査を行い、 同様に尿グラム染色と尿の定量的好気性細菌培養を行なった。

方法と主な結果:尿グラム染色は、通常の尿沈渣検査と比較して、細菌尿を同定する際の感度(96% vs 76%)、特異度(100% vs 77%)、陽性的中率(100% vs 83%)、陰性的中率(93% vs 69%)が改善した。

結論
:尿グラム染色は、犬の尿サンプルにおいて細菌尿を検出するための感度と特異度が高い。細菌尿が強く疑われ、細菌培養の結果が出るまでの間に迅速な同定が必要な場合には、グラム染色が考慮されるべきである。
 

Jillings, E. K. P., et al.
"Does blood contamination of urine compromise interpretation of the urine protein to creatinine ratio in dogs?." 
New Zealand veterinary journal 67.2 (2019): 74-78.

PubMedリンク PMID:30517829
本文:無料公開なし

タイトル:尿の血液混入は、犬の尿蛋白クレアチニン比の解釈を損なうか?

==アブストラクト=== 
目的:ヘマトクリット値とタンパク濃度が異なる0-5%の血液の尿への混入が、犬の尿蛋白クレアチニン比(UPC)与える影響を調べ、尿の色がUPCの結果に役立つかどうかをを調べること。

方法:尿サンプルを18頭の犬から自然排尿(free catch)で採取し、それらはすべてUPC<0.2であった。それぞれの犬から静脈血サンプルも同様に採取し、各血液を自分の尿に添加して0.125-5%の連続した濃度の血液を作成した。 それぞれの尿サンプルを2人の観測者が、黄色、ピンク、オレンジ/赤に分類し、色を記録した。タンパクとクレアチニン濃度を決定し、ディップスティック検査と沈渣検査をそれぞれのサンプルで行なった。色とディップスティック検査をもとに、顕微鏡的、肉眼的、および明らかな血尿のいずれかにサンプルを分類した。線形l金剛モデルを用いて血液の混入がUPCに与える影響を調べた。

結果
:混入のない尿では18頭すべてでUPC<0.2であった。血液を尿サンプルに加えることで、非混入の尿と比較して、すべての混入濃度でUPCの上昇が起こった(p<0.001)。顕微鏡的な血尿のサンプルでUPC>0.5となったものはなかった。肉眼的血尿の108サンプル中、21サンプル(19.4%[95%信頼区間13.1-27.9])でUPC>0.5となり、顕著な血尿の54サンプル中、39サンプル(72%[95%信頼区間59.1-82.4])でUPC>0.5となった。血液混入が5%未満でUPCが>2.0となったサンプルはなく、血液混入5%では3/18(17%)だけがUPC>2.0となった。

結論と臨床的意義
:この研究により、0.125%以上の血液混入はUPCを増加させ、尿の色が黄色のまま(顕微鏡的血尿)の場合には、UPC>0.5は血液混入のみに起因する可能性は無視できることが示された。このシナリオから、タンパク尿の原因をサンプル中の血尿に起因させることは不適切であるだろう。しかし、尿サンプルの色を黄色から変色(肉眼的血尿または顕著な血尿を示す)に至る血液の混入は、異常な範囲までUPCを上昇させる可能性があり、タンパク尿の鑑別として考慮する必要があるだろう。したがって、尿の色の情報は、単純な色のスコア(黄色、変色、赤)に限定されたとしても、血尿のあるサンプルの解釈を追加するために利用できる。
 

Mamone, Christina, et al.
"Assessment of a veterinary dipstick for determination of urine protein/creatinine ratio in canines." 
Journal of the American Animal Hospital Association 50.5 (2014): e11-e14.

PubMedリンク PMID:25028436
本文:googlescholar経由で入手可能(全文

タイトル
:犬の尿タンパク/クレアチニン比の決定のための獣医ディップスティックの評価

==アブストラクト=== 
尿タンパク/クレアチニン比は、糸球体バリア機能のスクリーニングに広く使用されている。それは通常、尿サンプルを遠隔の検査所に送る必要があり、費用がかかり時間もかかる。UPCを正確に測定できる 臨床現場即時尿ディップスティックは、テストの有用性と使用頻度を上昇させるだろう。この研究の目的は、ディップスティックによる測定と検査分析器による測定によるUPCの間に良好な相関性と一致性があるかどうかを調べることである。

診断検査の一環としてUPCの測定を行なった犬31頭を研究に組み入れた。全部で2mlの尿を、膀胱穿刺で採取した。尿にディップスティックを浸したのちに、2人のブラインドされた観測者に提示した。残りの尿は臨床病理検査所に解析のために提出した。ディップスティックと解析器によるUPCのデータは、通常のスケールに変換された。個々の観測と解析の間の相関と一致率は低かった。この情報から、この獣医ディップスティックをUPCの決定に用いることはこの時点では推奨できない。

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