ねころんで探せる小動物医療のジャーナルクラブ

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カテゴリ: 呼吸器

Dickson, Rachel, et al.
"Surgical management and outcome of dogs with primary spontaneous pneumothorax: 110 cases (2009–2019)." 
Journal of the American Veterinary Medical Association 258.11 (2021): 1229-1235.


PubMedリンク PMID:
33978438
本文:無料公開なし

タイトル:原発性自然発生性気胸の犬の外科治療と転帰;110症例(2009-2019年)

==アブストラクト===
目的:原発性自然気胸の犬の外科治療とそれに関連した転帰について記述すること。

動物:外科治療を行った原発性自然気胸の家庭飼育犬110頭。

方法:7つの獣医教育病院における医療記録をレビューした。シグナルメント、病歴、臨床徴候、レントゲン所見、CT所見、手術方法、術中および術後の合併症、転帰、および病理組織学的所見についてのデータを収集した。紹介もとの獣医または飼い主に連絡をとって追跡情報を入手した。

結果:110頭の犬が組み込まれ、追跡期間の中央値は508日(範囲 3 - 2377日)であった。99頭(90%)が胸骨正中切開をうけ、9頭(8%)が肋間開胸、2頭(2%)が胸腔鏡をうけた。ブラ病変は肺の左前葉(51/156[33%])と右前葉(37/156[24%])で最も多くみつかった。30日以上追跡した犬100頭中で、13頭(13%)で気胸の再発があり、手術から最初までの期間の中央値は9日であった。最初は手術後30日以降と比べて、術後30日以内の方が有意に起こりやすかった。術後30日以降の再発はまれ(3頭[3%])であった。再発に関するリスク因子は特定されたなかった。

結論と臨床的意義
:胸骨正中切開による肺葉切除は、原発性自然気胸の犬の多くで、気胸を解消した。気胸の再発は手術直後の期間に最も多く、それはさらなるブラの発生よりも、最初の胸腔内探索の際の病変の見落としを反映している可能性がある。

Canonne, Aude Morgane, et al.
"Comparison of C‐reactive protein concentrations in dogs with Bordetella bronchiseptica infection and aspiration bronchopneumonia."
 
Journal of Veterinary Internal Medicine (2021).


PubMedリンク PMID:
33709444
本文:無料公開あり(全文

タイトル
Bordetella bronchiseptica感染と誤嚥性気管支肺炎の犬におけるCRPの比較

==アブストラクト===
背景
:CRPは有名な犬の急性相タンパクであり、細菌性気管支肺炎と他の肺疾患を区別する可能性がある。Bordetella bronchiseptica(気管支敗血症菌)による気管支肺炎は一般的であるが、自然感染の犬におけるCRP濃度に関連した増加は十分に調査されていない。

目的
:レントゲン画像で肺病変がある、またはないBordetella bronchiseptica感染の犬のCRP濃度を、誤嚥性気管支肺炎の犬と比較すること。

動物
Bordetella bronchiseptica感染のある犬16頭と誤嚥性気管支肺炎のある犬36頭。

方法
Bordetella bronchiseptica感染のある犬の11頭で肺胞病変があった。すべての犬で、CRP濃度は軽度の上昇していた(14-38mg/L)。肺胞病変のない5頭の犬では、1頭を除いて他すべてでCRP濃度は基準範囲内であり、1頭もわずかな上昇であった。CRP濃度のちゅおうちは、肺胞病変のない犬(5mg/L)と比べて、肺胞病変のある犬(20mg/L)で有意に高かった(p<0.002)。Bordetella bronchiseptica感染のある犬では、臨床徴候の期間の中央値は、CRP濃度が上昇している犬と上昇していない犬との間で差はなかった。CRP濃度の中央値は、Bordetella bronchiseptica感染のある犬(20mg/L)では肺胞病変の有無に関わらず、誤嚥性気管支肺炎の犬(118mg/L)よりも有意に低かった(P<0.001)。

結論と診療的意義
:誤嚥性気管支肺炎のある犬とは対照的に、CRPはBordetella bronchiseptica感染を疑う犬の診断のための良い指標ではなかった。Bordetella bronchiseptica感染の確定には依然として下部気道のサンプリングが必要とする。

Lo, E. J. Y., T. Schwarz, and B. M. Corcoran.
"Topographical distribution and radiographic pattern of lung lesions in canine eosinophilic bronchopneumopathy."
 
Journal of Small Animal Practice (2021).


PubMedリンク PMID:33739451
本文:無料公開なし

タイトル
犬の好酸球性気管支肺疾患における肺病変の位置分布とレントゲンパターン

==アブストラクト===
目的:犬の好酸球性気管支肺疾患におけるレントゲンの肺パターンと位置分布を調べること。

方法:医療記録を回顧的にレビューし、好酸球性気管支肺疾患と診断された犬を検出した。ラテラル胸部レントゲンを調べ、レントゲン不透過性増加の存在、パターン分類、肺の変化の位置(頭腹側、肺門部、尾背側、尾腹側)、および肺病変の重症度を評価した。

結果:44頭が同定され、ラブラドール・レトリバーが最も多く罹患した犬種であり、平均年齢は5歳齢、性別は同等だった。咳が最も一般的な臨床徴候であった。循環中の好酸球は39%の犬でみられた、末梢血中の好酸球数の平均は5.1×10 9/Lであり、気管支肺胞洗浄液中の好酸球は平均で40%であった。犬の80%で、4つの肺区分のうちの1ヵ所以上で異常な肺パターンを示し、残りの犬は正常な胸部レントゲンであった。最も多いパターンは、気管支パターンおよび気管支間質パターンであり、それぞれの41%と89%が尾背側に分布していた。

臨床的意義
:気管支および気管支間質パターンは、犬の好酸球性気管支肺疾患において最も一般的なレントゲン肺パターンであり、これらのパターンは少なくとも尾背側肺野に最も多く分布する。さらに尾背側の肺野の中では、気管支間質パターンが優勢であった。このレントゲンと位置的な所見により、確認のための気管支肺胞洗浄のサンプリングを行う前に、好酸球性気管支肺疾患を鑑別診断リストの中で優先させる可能性がある。

Pouzot‐Nevoret, Céline, et al.
"Effectiveness of chest physiotherapy using passive slow expiratory techniques in dogs with airway fluid accumulation: A pilot randomized controlled trial." 
Journal of Veterinary Internal Medicine (2021).


PubMedリンク PMID:33704831
本文:無料公開あり(全文

タイトル:気道液が蓄積している犬における受動的スロウ呼気法を用いた胸部理学療法の有効性;予備的なランダム化対照試験

==アブストラクト===
背景:長くゆっくりな呼気とアシストされた咳は、犬で実行可能な気道クリアランスの方法であり、よく許容される。

目的:気道液の蓄積した犬における胸部理学療法の手法としての長くゆっくりな呼気とアシストされた咳の有効性についてを調べること。

動物:2014年10月から2028年3月の間にICUに入院した家庭医飼育犬31頭。

方法
:前向きランダム化対照試験。気道液の蓄積で来院、またはそれに関連した急性呼吸不全を入院中に発症した犬を、理学療法グループ(内科治療+理学療法、15頭)と対照グループ(内科治療のみ、16頭)に割り振った。酸素動脈分圧(PaO2)/吸気酸素濃度(FiO2)比(P/F比;PaO2/FiO2×100)を、入院して最初の48時間毎日算出し、退院もしくは死亡の前の最後の血液ガスを用いて算出した。酸素療法ありで入院した日数/入院日数合計の比(酸素フリー比)を計算した。

結果:最初の48時間、対照グループに比べて理学療法グループでは、P/F比が有意に上昇した(+35.1mmHg/day;95%信頼区間 0.4-57.6;p=0.03)。研究組み入れ時と退院時のP/F比の差(中央値;四分位範囲)は、対照グループ(54mmHg;-19 - 109)よりも理学療法グループ(178nnHg;123-241)の方が有意に高かった(p=0.001)。O2フリーの平均は、対照グループと比較して理学療法グループで46.4%増加(95%信頼区間 16-59;p=0.001)した。死亡率は、理学療法グループで13%(2/15)、対照グループで44%(7/16)であった(p=0.07)。

結論と臨床的意義
:長くゆっくりの呼気とアシストされた咳は、急性の気道液のある呼吸困難の犬において、48時間以内のP/F比を改善し、酸素療法の必要性を少なくした。

Cole, L., M. Pivetta, and K. Humm.
"Diagnostic accuracy of a lung ultrasound protocol (Vet BLUE) for detection of pleural fluid, pneumothorax and lung pathology in dogs and cats." 
Journal of Small Animal Practice (2020).


PubMedリンク PMID:33496045
本文:無料公開なし

タイトル:犬と猫の胸水、気胸、および肺病変の検出のための肺超音波検査プロトコル(Vet BLUE)の診断性能

==アブストラクト===
目的
:犬と猫における胸腔内病変の検出に対して、胸部CTを参照検査とした際の、肺超音波検査プロトコルVet BLUEの性能を評価すること。

方法
:胸部超音波検査と胸部CTを行った動物を、2017年5月から2018年11月の間に前向きに登録した。Vet BLUEプロトコルは、動物の来院時に救急超音波検査の基礎訓練を受けた獣医師によって行われた。放射線専門医が、Vet BLUEの所見は隠された状態で、CT画像をレビューした。

結果
;64.5%(20/31)でCTで異常がみられた。CTで肺胞-間質症候群が陽性だった部位の数は、242%(60/248)であった。CTを参照水準とした場合、肺胞-間質症候群の部位の検出に対して胸部超音波検査によるBライン≧3は感度18.3%、特異度98.4%であった。どんなBラインも異常として含めた場合、肺胞-間質症候群の検出のためのVet BLUEの感度は56.9%に上昇した。これら2つの基準をもとにした肺胞-間質症候群の検出のための全体の精度は、それぞれ79%と73%であった。Vet BLUEは、肺硬化を58.3%(14/24部位)、胸水を66.6%(2/3症例)、気胸を33.3%(1/3症例)、胸腔内腫瘤を25%(1/4症例)で正確に同定した。

臨床的意義
Vet BLUEプロトコルは、肺胞-間質症候群と胸腔内病変の検出に有用な手技であるが、単一の画像診断法としてもちいるべきではない。Bライン≧3の検出は、肺胞-間質症候群を強く示唆するが、さらなる診断を要する。

Ha, Yeunjeong, et al.
"Fluoroscopic evaluation of laryngopharyngeal anatomic variations attributable to head posture in dogs."
 
American Journal of Veterinary Research 82.1 (2021): 55-62.


PubMedリンク PMID:33369497
本文:無料公開なし

タイトル:犬の頭位に起因する咽喉頭の解剖学的変動についての透視検査による評価

==アブストラクト===
目的:犬の咽喉頭の解剖学的構造に頭位と鎮静が与える影響を透視検査で評価すること。

動物:臨床的に健康なビーグル6頭(平均年齢 6.2歳齢、平均体重 10.4kg)。

方法:それぞれの犬に鎮静をかけて右ラテラル横臥位とし、頭位を屈曲位、中間位(ニュートラル)、伸展位として透視検査を行った。3回の呼吸サイクルの間、基蝶形骨と鼻咽頭背側境界の角度、軟口蓋の厚み、鼻咽頭内腔の直径、喉頭蓋と「軟口蓋の重なりの長さ、および喉頭蓋と鼓室包の間の距離を測定し、呼吸サイクル中の鼻咽頭内腔直径の差の割合を計算した。

結果
:屈曲頭位、中間頭位、伸展頭位で、基蝶形骨と鼻咽頭背側境界の角度の中央値はそれぞれ91.50°(四分位範囲 86.75 - 95.00)、125.00°(124.50 - 125.50)、160.00°(160.00 - 163.50)であり、基蝶形骨と鼻咽頭背側境界の角度と頭位との間に有意な差はなかった。屈曲頭位では、中間頭位と比べて、鼻咽頭内腔直径と喉頭蓋-鼓室包距離の中央値が有意に減少し、軟口蓋の厚みの中央値が有意に増加した。伸展頭位では、中間頭位と比べて、鼻咽頭内腔直径と喉頭蓋-鼓室包距離の最小値が有意に増加し、喉頭蓋と軟口蓋の重なりの長さの中央値が有意に減少した。鼻咽頭内腔直径の差の割合は、中間頭位にくらべて、屈曲頭位では有意に増加し、伸展頭位では有意に減少した。鎮静は上気道構造の変化に影響を与えなかった。

結論と臨床的意義
:この結果から、犬の頭位は咽喉頭の構造に大きな影響を与えることが示された。犬の上気道の透視検査は、測定時の頭位性変化を最小限にするために、中間位で実施すべきである。

Dear, Jonathan D., et al.
"Clinicopathologic and radiographic features in 33 cats with aspiration and 26 cats with bronchopneumonia (2007‐2017)." 
Journal of Veterinary Internal Medicine (2020).


PubMedリンク PMID:33315286
本文:無料公開あり(全文

タイトル:誤嚥性肺炎のある猫33頭と気管支肺炎のある猫26頭の臨床病理学的およびレントゲン的な特徴

==アブストラクト===
背景:誤嚥性肺炎と気管支肺炎は、炎症性気道疾患と臨床的に類似し、猫では特徴づけが不十分な疾患である。

目的:誤嚥性肺炎のある猫と気管支肺炎のある猫の臨床病理学的、レントゲン、および微生物学的な特陵を記述し、それらの所見を炎症性気道疾患の猫と比較すること。

動物:誤嚥性肺炎のある猫33頭、気管支肺炎のある猫26頭、炎症性気道疾患のある猫44頭。

方法
:回顧的症例対象研究。全ての猫で、シグナルメント、身体検査所見、病歴の詳細、誤嚥の潜在的なリスク因子の結果を抽出した。CBC、気管支肺胞(BAL)液の分析、細菌培養を含む診断検査の結果を要約した。レントゲン検査は盲検下でレビューし、重症度をスコア化した。BAL液分析結果は細菌性炎症の根拠として評価した。

結果:誤嚥性肺炎の猫は、気管支肺炎や炎症性気道疾患の猫と比較して、咳の評価で来院することが多く(p<0.001)、低体温であることが多かった(p=0.01)。臨床徴候の期間の中央値は、気管支肺炎の猫(270日)と炎症性気道疾患の猫(180日)と比較して、誤嚥性肺炎の猫(12日)では有意に短かった(p=0.01)。レントゲンでは、気管支肺炎や炎症性気道疾患の猫に比べて、誤嚥性肺炎の猫では肺胞パターンをとることが多く、総スコアが高かった。気管支肺炎の猫のBAL液からはマイコプラズマ種が最も多く培養され、どの誤嚥性肺炎の猫からも培養はされなかった。

結論と臨床的意義
:咳のある猫では炎症性気道疾患から肺炎を鑑別すべきであり、急性発症の頻呼吸の猫では誤嚥性肺炎を考慮すべきである。

Vangrinsven, Emilie, et al.
"Diagnosis and treatment of gastro‐oesophageal junction abnormalities in dogs with brachycephalic syndrome."
 
Journal of Small Animal Practice (2020).


PubMedリンク PMID:33263199 
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タイトル:短頭種気道症候群の犬における胃食道結合部異常の診断と治療

==アブストラクト===
目的:短頭種気道症候群の外科治療を行った犬における術前および術後の制酸剤治療の利用に有益性があるかどうかを調べること。動的な胃食道結合部異常の検出としての内視鏡検査中の閉塞操作の利用について評価すること。

方法:36頭の家庭飼育の短頭種犬が、ランダム化試験に前向きに組み入れられた。制酸薬治療はランダムに18頭の犬に割り付けられて術前・術後に処方され、他の18頭は消化管の内科治療を受けなかった。来院時、手術時、および再診時に、消化器の臨床徴候と胃食道結合部異常を特定のスコアを用いて評価した。胃食道結合部異常は、通常の状態で内視鏡で評価し、気管内チューブによる閉塞の状態でも同様に評価した。この操作は無関係の対象犬でも行った。

結果:手術を行った短頭種気道症候群の犬において制酸剤の治療は消化器臨床徴候と病変の改善に有益な効果があることが示唆された。治療群では83%の犬で術後の消化器臨床スコアが1以下であり、無治療群では44%が1以下であった。治療群の胃食道結合部異常スコア(閉塞操作中)は39%で1以下であり、無治療群では16.7%であった。対照群における内視鏡検査中の閉塞操作により、健康な犬における胃食道結合部の運動は無視できるものであることが明らかとなった。

臨床的意義:手術を行った短頭種症候群の犬で術前および術後の制酸剤による治療を追加することは、より早く、より良い改善につながるかもしれない。閉塞操作は胃食道結合部異常の検出を改善するための興味深い手法である。

Baudin Tréhiou, Clément, et al.
"CT is helpful for the detection and presurgical planning of lung perforation in dogs with spontaneous pneumothorax induced by grass awn migration: 22 cases." 
Veterinary Radiology & Ultrasound 61.2 (2020): 157-166.


PubMedリンク PMID:
31829482
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タイトル
:草のノギによって起こった自然発性の気胸がある犬において、肺穿孔部位の検出と術前計画にCTが役に立つ

==アブストラクト===
草のノギによって起こる自然発生性気胸は、自然発生性気胸の5%を占め、胸部の草のノギの症例の22.5%を占める。自然発生性気胸のCT検査に焦点をあてた過去の研究は少ない。この回顧的症例シリーズの目的は、この病態のCTの特徴を述べ、CTの特徴が穿孔部位の特定に役に立つ可能性があるかどうかを調べることである。

自然発生性気胸があり、CT検査、胸部外科を行い、草のノギによる肺の穿孔が確定した犬を組み入れた。CT検査をレビューし、手術所見と比較した。22頭中19頭(90.0%)で、気胸またはその再発は穿孔部位と同側であった。穿孔部位は22頭中21頭(95.5%)で特定され、22頭中20頭(90.9%)が後葉であった。左右と罹患した肺については、22頭中21頭(95.5%)で手術所見と一致した。
22頭中21頭(95.5%)で穿孔部位は広範囲の胸膜肥厚にある軟部組織のCT値の焦点としいう特徴があった。隣接する内臓胸膜に欠損は22頭中13頭(59.1%)でみられた。草のノギは22頭中11頭(50%)でみられた。

この集団内では、気胸の分布と草のノギの位置は、一貫して穿孔部位を示していた。手術所見との比較により、気胸の病因の特定と術前計画のためにCTが役に立つ可能性があることを示唆された。

Stordalen, M. B., et al. "Outcome of temporary tracheostomy tube‐placement following surgery for brachycephalic obstructive airway syndrome in 42 dogs." Journal of Small Animal Practice 61.5 (2020): 292-299.

PubMedリンク PMID:32175595
本文:無料公開なし

タイトル:短頭種閉塞性気道症候群の手術後の一時気管切開チューブ設置の転帰;犬42頭

==アブストラクト=== 
目的:短頭種閉塞性気道症候群の患者における様々なレベルの手術後の期間における急性上気道閉塞の管理の一部としておこなった一時気管切開チューブ設置に関する使用、合併症、および転帰について記述すること。

方法:短頭種閉塞性気道症候群の手術を行い術後に一時気管切開チューブの設置を行った犬の記録についての回顧的レビュー。

結果:42頭の犬が組み入れられた。一時気管切開チューブの設置期間の中央値は2日(範囲1-7)であった。重度の合併症の割合は83.3%であり、軽度の合併症の割合は71.4%、全体の術後合併症は95.2%であった。最も多い合併症は気管切開チューブの閉塞(32/42)、咳(25/42)、および気管チューブの脱落(16/42)であった。一時気管切開チューブの管理は97.6%で成功と分類された。術後短期のフォローアップでは呼吸困難が最も多い臨床徴候であり、長期では呼吸困難と上気道音が最も多かった。フォローアップの期間の中央値は251日であった。

臨床的意義:適切な臨床状況で、短頭種閉塞性気道症候群の様々なレベルの手術後の一時気管切開チューブの設置は、術後の気道閉塞を管理するための有用な戦略であり、低い死亡率をもたらし、過去の報告と比べて同等な合併症の割合となる。

Belmudes, Audrey, et al.
"Lung lobe torsion in 15 dogs: Peripheral band sign on ultrasound." 
Veterinary Radiology & Ultrasound (2020).

PubMedリンク PMID:33128837
本文:無料公開なし

タイトル
:肺葉捻転の犬15頭;超音波検査の辺縁バンドサイン

==アブストラクト===
犬のおける肺葉捻転の診断は通常、レントゲン検査、内視鏡検査、およびCT検査の所見をもとに行われる。超音波検査に句術についてはほどんど発表されていない。この多施設間回顧的および前向きの観察研究の目的は、超音波検査で捻転した肺葉の辺縁にバンドまたはラインを形成する低エコー領域の存在ついて調べ、CT検査と病理検査所見と比較することでその重要性を評価することである。

外科的または死後検査によって肺葉捻転と診断された犬15頭が組み入れられた。すべての犬が超音波検査とCT検査をうけ、13頭では病理組織学的検査も行われた。14頭で、胸部超音波検査で罹患した肺葉の散乱した高反射表面の領域を覆う辺縁の低エコー性のバンドが明らかとなった。CTでは、14頭で中心部の気腫が辺縁の軟部組織CT値のバンドによって覆われ、辺縁が罹患していた。肺葉全体が硬化していた1頭ではバンドが観察されなかった。病理組織検査では、肥厚した臓側胸膜±肺実質の出血性壊死によって構成される同等の辺縁バンドが得られた。この辺縁バンドは、気道と血管の特定のフラクタル組織に関連している可能性があり、これは肺の灌流と換気に重要な役割をもち、肺の末梢をより虚血にしやすくする。

私たちの所見により、超音波検査において虚脱していない肺葉における中心部の気腫に関連した辺縁の低エコーバンドの存在は、血流と気流の低下を示唆しており、それゆえ肺葉捻転を疑うべきであることを示している。

Dicker, Samuel A., et al.
"Diagnosis of pulmonary contusions with point‐of‐care lung ultrasonography and thoracic radiography compared to thoracic computed tomography in dogs with motor vehicle trauma: 29 cases (2017‐2018)." 
Journal of Veterinary Emergency and Critical Care.


PubMedリンク PMID:33085212
本文:無料公開なし

タイトル:自動車外傷の犬における院内即時肺超音波検査と胸部レントゲンによる肺挫傷の診断の胸部CTとの比較;29症例(2017-2018)

==アブストラクト===
目的:肺挫傷の存在と定量化を診断するために、胸部CTと比較したときの獣医ベッドサイド肺超音波検査(VetBLUE)プロトコルを用いた肺超音波検査および3方向胸部レントゲン検査の正確性を評価すること。

デザイン:2017年2月から2018年6月の間に行われた前向きのコホート研究。

施設:民間の救急紹介センター。

動物:自動車外傷を負った犬32頭が連続して登録された。3頭が統計解析から除外された。すべての犬が生存して退院した。

介入
:外傷を負ってから24時間に、肺超音波、胸部レントゲン、胸部CTを行った。VetBLUEプロトコルを用いて、血管外の肺水分を示唆するBラインとCラインの数をもとに、肺超音波検査によって肺挫傷をスコア化した。胸部レントゲンと胸部CTでは、VetBLUEプロトコルと同様な局所パターンで廃挫傷をスコア化した。肺挫傷の存在と定量化について、肺超音波検査と胸部レントゲンを、ゴールドスタンダードとなる胸部CTと比較した。

方法と主な結果
:胸部CTでは、21/29頭(72.4%)の犬が肺挫傷あり、8/29頭(27.6%)が肺挫傷なしであった。肺CTと比較した肺超音波検査では、19/21頭で肺挫傷あり(感度90.5%)、7/8頭で肺挫傷なし(特異度87.5%)であった。肺超音波検査による肺挫傷スコアは、胸部CTの肺挫傷スコアと強く相関した(R=0.8、p<0.001)。肺CTと比較した胸部レントゲンでは、14/21頭で肺挫傷あり(感度66.7%)、7/8頭で肺挫傷なし(特異度87.5%)であった。胸部レントゲンによる肺挫傷スコアは、胸部CTの肺挫傷スコアと強く相関した(R=0.74、p<0.001)。

結論
:この自動車外傷を負った犬の集団では、ゴールドスタンダートしての胸部CTと比較した場合に、肺超音波検査が肺挫傷の診断に高い感度を示した。肺超音波検査は外傷後の肺挫傷にたいして信頼できる診断を提供する。胸部レントゲンよりも肺超音波検査のほうがより多くの肺挫傷患者を同定したが、この感度の高さが統計的に有意であるかを調べるためにはさらなる研究を必要とする。

Franklin, Phil H., Nai‐Chieh Liu, and Jane F. Ladlow.
"Nebulization of epinephrine to reduce the severity of brachycephalic obstructive airway syndrome in dogs." 
Veterinary Surgery.


PubMedリンク PMID:33044024
本文:無料公開なし

タイトル:犬の短頭種閉塞性気道症候群の重症度を減少させるためのエピネフリンの噴霧

==アブストラクト===
目的
:術前および術後のエピネフリン噴霧が犬の短頭種閉塞性気道症候群の重症度に与える効果を調べること。

研究デザイン:前向き臨床研究。

サンプル集団:家庭医飼育犬31頭;中程度から重度の短頭種閉塞性気道症候群のあるパグ、フレンチ・ブルドッグ、イングリッシュ・ブルドッグ。

方法
全身圧測定プレチスモグラフィーを用いて、0.05mg/kgエピネフリンを0.9%食塩水に希釈したものを術前に噴霧する前後の短頭種閉塞性気道症候群の重症度を調べた。同じプロトコルを術後(手術後24時間以内)にも行った。

結果
:5頭が噴霧に耐えられなかったため除外され、術後のデータが13頭で利用可能であった。エピネフリン噴霧はすべての犬種で手術前と手術後で短頭種閉塞性気道症候群指数を減少させた(術前 9.6%[3.1〜 -30.2%]、術前 14.3%[0.9〜 -24.3%] n=13)。術前の短頭種閉塞性気道症候群指数の減少は、ベースラインの指数が70%以上だった犬(17.3%[1.8〜 -27.4%]p=0.006)と、フレンチ・ブルドッグ(5.2%[3.1〜 -30.2%])と比較した場合のパグ(16.9%[0.8〜 -27.4%]p=0.03)で、より大きかった。単純線形回帰により、パグのベースラインの短頭種閉塞性気道症候群指数とその減少との間に正の関連が同定された(n=10、P-0.001)。副作用として吐き気が4頭でみられた。

結論:エピネフリンの噴霧は、この研究の犬で短頭種閉塞性気道症候群指数を減少させた。この効果は、短頭種閉塞性気道症候群指数が>70%の犬と、手術からの回復期のいににとって、臨床的に有意でった。

臨床的意義
:この研究は、短頭種閉塞性気道症候群の犬の術前管理としてのエピネフリン噴霧の使用を支持する根拠を提供する。

Asorey, I., et al.
"Factors affecting respiratory system compliance in anaesthetised mechanically ventilated healthy dogs: a retrospective study." 
Journal of Small Animal Practice (2020).


PubMedリンク PMID:32715489
本文:無料公開なし

タイトル:麻酔下で機械換気している健康な犬の呼吸器系コンプライアンスに影響を与える因子;回顧的研究

==アブストラクト===
目的:従量制機械換気を行なった健康な麻酔下の犬において、呼吸器系のコンプライアンスに影響を与えるいくつかの因子について調べること。

方法:2015-2106年の間に緊急ではない手術のために麻酔をかけた犬100頭のレビュー。犬は正常炭酸ガスと50%の吸気酸素濃度を維持するように調整された呼吸数で機械的に換気された。体重、ボディコンディションスコア(BCS)、年齢、胸部の形状、従量換気前の自発換気の時間、機械換気を開始するまでの吸気酸素濃度100%の時間、手術のタイプ、および患者の体位を記録した。体重当たりで示される呼吸器系のコンプライアンスを従量制換気の開始後から15分ごとに記録した。

結果:呼吸器系コンプライアンスのベースラインは1.3±0.3ml/cmH2O/kgであり、BCSの高さおよび樽型の胸郭によって減少したが、年齢、手術のタイプ、患者の体位、自発換気の時間、100%酸素濃度吸気の時間によっては減少しなかった。

臨床的意義
:呼吸器系コンプライアンスは過体重と樽型胸郭の犬で低く、全身麻酔下の肺機能と換気管理のモニタリング中にには考慮しておくべきである。

Rossanese, Matteo, et al.
"Long‐term survival after treatment of idiopathic lung lobe torsion in 80 cases." 
Veterinary Surgery 49.4 (2020): 659-667.


PubMedリンク PMID:32179778
本文:無料公開なし

タイトル:特発性肺葉捻転の治療後の長期生存;80症例

==アブストラクト===
目的:肺葉捻転の治療を行なった犬の転帰について報告し、生存に関する予後因子を調べること。

研究デザイン:獣医教育病院における回顧的多施設研究。

動物:肺葉捻転の犬80頭。

方法:医療記録を再調査し、臨床所見と病理組織所見を調べた。長期転帰は飼い主へのアンケートで評価した。肺葉捻転は病因をもとに特発性と続発性に分類した。

結果
:最も多かった犬種はパグ(47.5%)とサイトハウンド(16.2%)であった。肺葉捻転の原因は77%で一次性、21%で二次性、2%で不明と考えられた。術後の合併症は14%の犬で記録された。全体で、95%の犬が生存退院し、追跡期間の中央値は1095日(範囲 7-3809)であった。一次性の肺葉捻転(中央生存値に達せず)は、二次性の肺葉捻転(中央生存期間 921日;範囲 7-2073)と比較して長期生存と関連した(p=0.001)。

結論
:肺葉捻転のための肺葉切除後の全体の長期生存非常に良好であった。一次性の肺葉捻転は、二次性の肺葉捻転と比較してより長期の生存と関連した。肺葉捻転で肺葉切除を行なった犬の臨床転帰に関する飼い主の長期的な評価は非常によかった。

Abbott, Y., et al.
"Toxigenic Corynebacterium ulcerans associated with upper respiratory infections in cats and dogs."
Journal of Small Animal Practice (2020).

PubMedリンク PMID:32734615
本文:無料公開なし

タイトル:猫と犬における上気道感染に関連した毒素産生性コリネバクテリウム・ウルセランス

==アブストラクト===
目的:人獣共通病原体であるCorynebacterium ulcerans(コリネバクテリウム・ウルセランス:C.ulcerans)をもつコンパニオンアニマルの感染について記述し、臨床的に罹患した動物と健康な動物における有病率を調べること。

方法:C.ulcerans感染のある3症例の臨床徴候と治療について記述した。C.ulceransの有病率を調べるために2つの研究を行なった;(a)健康な動物(犬479頭、猫72頭)の鼻腔サンプルの前向き研究;(b)10年間にわたり呼吸徴候に罹患した犬189頭と猫64頭から採取した鼻腔サンプルの記録の回顧的分析。

結果:鼻汁のある猫4頭から毒素産生性C.ulceransが分離され、慢性鼻汁のある犬ではC.ulceransとmecCメチシリン耐性S.aureusの同時感染が検出された。臨床的特徴は明確ではなく、すべての症例が抗菌薬治療で回復した。多遺伝子座配列タイピングは、シェルターの猫からの分離株の共通源を支持した。健康な動物におけるC.ulceransの保菌率は、犬で0.42%(2/479)、猫で0.00%(0/72)であり、呼吸器徴候のある動物での有病率は、犬で0.53%(1/189)、猫で6.25%(4/64)であった。

臨床的意義:臨床医は、犬や猫が毒素産生性C.ulceransに感染(または保菌)し得ることに注意しておくべきである。人獣共通のリスクの可能性について考慮し、確定された症例では医療および公衆衛生の支援を求めるべきである。

Asorey, I., et al.
"Factors affecting respiratory system compliance in anaesthetised mechanically ventilated healthy dogs: a retrospective study." 
Journal of Small Animal Practice (2020).


PubMedリンク PMID:32715489
本文:無料公開なし

タイトル
:麻酔下で機械換気された健康な犬において呼吸器系のコンプライアンスに影響を与える因子;回顧的研究

==アブストラクト===
目的
:従量性に機械換気された麻酔下の健康な犬において呼吸器系のコンプライアンスに影響を与えるいくつかの因子を決定すること。

方法
:2015年から2016年の間に選択的な手術のために麻酔をかけた犬100頭を再調査した。犬は正常酸素濃度と50%の吸気酸素の割合を維持するように調節された呼吸数で機械換気された。体重、ボディコンディションスコア、年齢、胸郭の形、従量性換気の前に自発換気の時間、機械換気を開始するまでの100%の吸気酸素の割合の時間、手術のタイプ、患者の体位、について記録した。体重(kg)あたりで表した呼吸器系のコンプライアンスを、従量性の機械換気開始後から15分毎に記録した。

結果
:ベースラインの呼吸器系コンプライアンスは1.3±0.3ml/cmH2O/kgであり、ボディコンディションスコアが高い場合と、たる形の胸郭の場合に減少したが、年齢、手術のタイプ、または患者の体位によっって減少することはなく、自発換気の時間や100%吸入酸素の割合の時間によっても減少することはなかった。

臨床的意義
:呼吸器系コンプライアンスは過体重およびたる形胸部の犬で低くなり、全身麻酔下での肺機能のモニタリングと換気管理の際中には考慮に入れておくべきである。

Howes, C. L., et al.
"Long‐term clinical outcomes following surgery for spontaneous pneumothorax caused by pulmonary blebs and bullae in dogs–a multicentre (AVSTS Research Cooperative) retrospective study." 
Journal of Small Animal Practice (2020).

PubMedリンク PMID:32400095
本文:無料公開あり(全文

タイトル:犬の肺ブレブとブラによって起こった自然気胸の外科手術後の長期臨床転帰;多施設回顧的研究

==アブストラクト=== 
目的:肺ブレブとブラに続発した自然気胸で外科治療を行った犬の大規模集団における臨床的特徴と再発についてを報告すること。再発の潜在的なリスク因子を探索し、転帰について述べること。

方法:2000-2017年の間に自然気胸を外科的に資料した症例について医療記録を回顧的に再調査した。シグナルメント、臨床徴候、画像診断、手術、病理組織所見、および患者の転帰について記録した。患者記録と電話連絡によって追跡を行った。

結果
:気胸を外科的に治療した犬120頭の記録を同定して再調査し、99頭が探索的統計分析に適していた。追跡期間の中央値は850日(範囲 9-5105)であった。2年および5年生存率はそれぞれ88.4%、83.5%であった。十分な追跡を行えた99頭中14頭(14.1%)で再発があり、再発までの期間の中央値は25日(1-1719日)であった。単変量Cox回帰分析により、超大型犬(ハザード比=11.05、95%信頼区間 2.82-43.35)と体重の増加(ハザード比=1.04、95%信頼区間 1.00-1.09)が最初のリスクを増加させることが示唆された。再発した犬14頭中、6頭が安楽死され、2頭が気胸に関連した原因で死亡し、6頭はさらなる治療をうけて、そのうち5頭が治癒した。

臨床的意義
:外科的に治療された自然気胸の犬の長期生存は良好であり、再発率は低かった。超大型犬と体重の増加だけが、最初の潜在的なリスク因子であった。再発で再手術をうけた犬の予後は良好であった。
 

Dixon, Amy, et al.
"Infiltrative laryngeal disease in dogs." 
Journal of Small Animal Practice (2019).

PubMedリンク PMID:32715485
本文:無料公開あり(全文

タイトル:犬の浸潤性喉頭疾患

==アブストラクト=== 
目的:犬の腫瘍性および炎症性の喉頭疾患 の臨床的特徴と転帰について記述すること。

方法:CTまたは喉頭鏡検査によって浸潤性の喉頭疾患と診断された犬について、単一の紹介病院の医療記録を回顧的に再調査した。

結果:15頭の犬が組み入れられ、年齢の中央値は6歳(範囲1-14歳)であった。13頭は炎症性疾患と診断され、肉芽組織(n=4)、好中球性炎症(n=2)、細菌性好中球性炎症(n=2)、好酸球性炎症(n=1)、リンパ球/プラズマ細胞性炎症(n=1)、 および混合性/分類不能の炎症(n=3)が含まれた。1頭の犬が大細胞性リンパ腫、1頭が肥満細胞腫と診断された。12頭が生存退院した。追跡は炎症性疾患と診断された10頭で得られた。4頭は完全に回復し(7、10、23、32ヶ月)、1頭は急性白血病を発症し、2ヶ月で安楽死された。5頭で臨床徴候の再発が、1、1、5、17、26ヶ月でみられた。リンパ腫の犬は8ヶ月で安楽死され、肥満細胞腫の犬は5ヶ月で死亡した。

臨床的意義
:この研究の集団では、喉頭の浸潤性の炎症性病変は腫瘍性の浸潤よりも多かった。生存退院した犬の予後はまあまあ良いが、最初はよくみられた。
 

Jagodich, Tiffany A., et al.
"High‐flow nasal cannula oxygen therapy in acute hypoxemic respiratory failure in 22 dogs requiring oxygen support escalation." 
Journal of Veterinary Emergency and Critical Care (2020).

PubMedリンク PMID:32583614
本文:無料公開なし

タイトル:酸素サポートの増大を必要とする犬22頭の急性低酸素性呼吸不全における高流量鼻腔カニューレ酸素療法

==アブストラクト=== 
目的:高流量鼻腔カニューレ酸素療法が急性の低酸素性呼吸不全の犬の心肺系の変数と転帰に与える影響を調べること。

デザイン:前向き連続臨床試験。

施設:大学の獣医教育病院。

動物:従来の酸素サポートに反応しなかった家庭飼育犬22頭。

介入
: 従来の酸素供給でSpo2>96%およびPao2>75mmHgへの増加、または呼吸数/呼吸努力の改善に失敗した場合に、高流量鼻腔カニューレ療法を開始した。

方法と主な結果
高流量鼻腔カニューレを開始する前(従来の酸素サポート中[T0])、高流量鼻腔カニューレ投与開始から30分、60分、および7±1時間で、生理学的変数、血液ガス分析、および呼吸困難/沈静/許容スコアを調べた。T0と比較して、高流量鼻腔カニューレの使用は、1時間後(p=0.022)と7時間後(p=0.012)で呼吸数を減少させ、全ての時点で呼吸困難スコアを減少させ(p<0.01)、すべての時点でSpo2を増加させた(p<0.01)。T0と比較して動脈血/静脈血Pco2に差はなかったが、PsCo2は流量と相関した。呼吸評価において、60%の犬が30分以内に高流量鼻腔カニューレの使用に反応し、最終的に45%が高流量鼻腔カニューレの使用に反応して生存した。臨床的なエアリーク症候群はみられなかった。

結論
: 高流量鼻腔カニューレの使用は従来の酸素療法と比べて、換気を損なうことなく酸素化を改善させ、呼吸の働きを改善させた。高流量鼻腔カニューレの使用は、芳醇的な酸素補給と人工呼吸の間をうめるための有益な酸素サポート療法である。

Jagodich, Tiffany A., et al.
"Preliminary evaluation of the use of high‐flow nasal cannula oxygen therapy during recovery from general anesthesia in dogs with obstructive upper airway breathing." 
Journal of Veterinary Emergency and Critical Care(2020).

PubMedリンク PMID:32542930
本文:無料公開なし

タイトル:閉塞性上気道呼吸の犬における全身麻酔の回復期の高流量鼻腔カニューレ酸素療法の使用についての予備的研究

==アブストラクト=== 
背景
:短頭種気道症候群は、罹患した犬における過剰な咽頭と喉頭の組織への刺激の結果として、麻酔からの回復の複雑なリスクを引き起こす可能性がある。高流量鼻腔カニューレ酸素療法は、高いガス流量によって気道陽圧を提供する呼吸補助療法である。高流量鼻腔カニューレシステムは、吸気ガスを積極的に加温・加湿し、それによりヒトと犬における高流量に対する快適さと許容性を向上させる。高流量鼻腔カニューレ酸素療法を、麻酔の回復期に呼吸仕事量の増加または低酸素を起こした短頭種犬に適用し、この装置が上気道障害の緩和に有効で許容性があるかどうかを調べた。

主な結果
高流量鼻腔カニューレ鼻腔プロング接合部は短頭種の顔面構造によくフィットした。高流量鼻腔カニューレの適用により、全身麻酔後の上気道閉塞の徴候のある患者における呼吸困難スコアを減少させることがわかった。呑気症とPCO2の変化が記録された。

意義
:回復期における高流量鼻腔カニューレの適用は、ヒトにおける睡眠障害のある呼吸の持続的陽圧気道療法に使用とは異なり、覚醒状態での閉塞性呼吸時の気流を改善させる可能性がある。
 

Ruby, Jennifer, Scott Secrest, and Ajay Sharma.
"Radiographic differentiation of mediastinal versus pulmonary masses in dogs and cats can be challenging."
Veterinary Radiology & Ultrasound(2020).

PubMedリンク PMID:32400045
本文:無料公開あり(全文

タイトル
:犬と猫の縦隔腫瘤と肺腫瘤のレントゲンでの鑑別は困難かもしれない

==アブストラクト=== 
縦隔および肺を起源とする胸部腫瘤の鑑別能力は、その複雑な空間的関係によってしばしば混乱を招く。この回顧的観察横断研究の目的は、レントゲンによる縦隔腫瘤と肺腫瘤の鑑別を評価し、特定のレントゲン所見に何らかの相関があるかどうかを決定することである。CTで縦隔および/または肺の腫瘤が同定された75頭の犬と猫の胸部レントゲンを再調査した。レントゲン検査は、匿名化してランダム化され、3人の評価者が2回評価した。評価者はそれぞれの腫瘤の期限を、縦隔、肺、またはその両方に分類した。2回目のの評価では、各腫瘤について21の異なるレントゲン所見の有無について記録した。腫瘤の起源についてのレントゲンとCTの分類の一致率と、同様に観察者間および観察者内の一致率について算出した。レントゲンとCTの全体の一致率は、縦隔腫瘤(68.6%)および肺腫瘤(63%)の両方で中程度であった。全体で、観察者間の一致率は中程度(κ=0.50-0.74)であり、観察者内の一致率(κ=0.58-0.93)は高かった。縦隔内の腫瘤は、他の縦隔内構造物を変位させる可能性が有意に高かった。また、正中よりも側方の腫瘤と尾側胸郭内の腫瘤は、有意に肺起源と正の相関を示した。この研究の結果は、縦隔腫瘤と肺腫瘤のレントゲン検査による鑑別の限界を強調しており、腫瘤の位置を縦隔構造物の変位が精度の向上に役立つ可能性のあるレントゲン所見であることを示している。
 

Howes, C. L., et al.
"Long‐term clinical outcomes following surgery for spontaneous pneumothorax caused by pulmonary blebs and bullae in dogs–a multicentre (AVSTS Research Cooperative) retrospective study."
Journal of Small Animal Practice (2020).

PubMedリンク PMID:32400095
本文:無料公開なし

タイトル:肺のブレブおよびブラに起因する犬の自然気胸の手術後の長期的な臨床転帰;多施設(AVSTS 研究協同組合)回顧的研究

==アブストラクト===
目的:犬の大規模集団における肺のブレブとブラによる自然気胸の手術後の臨床的特徴と再発率を報告すること。 再発の潜在的なリスク因子を探索し、転帰について記述すること。

方法:医療記録を回顧的に再調査し、2000年から2017年の間に外科的に治療された自然気胸の症例を探した。シグナルメント、臨床徴候、画像診断、手術、病理組織検査所見、および患者の転帰について記録した。患者記録と電話での連絡によって追跡を行った。

結果:外科的に治療した気胸のある犬120頭の記録が同定されて再調査され、99頭が探索的な統計解析に適していた。追跡期間の中央値は850日(範囲 9-5105日)であった。2年および5年生存率はそれぞれ88.4%、83.5%であった。十分な追跡のできた99頭中14頭(14.1%) で再発があり、再発までの期間の中央値は25日(範囲1−1719日)であった。単変量Cox回帰分析により、超大型犬での再発リスクの増加(ハザード比 11.05、95%信頼区間 2.82-43.35)と体重の増加による再発リスクの増加(ハザード比 1.04、95%信頼区間 1.00-1.09)が示唆された。再発した犬14頭中、6頭が安楽死され、2頭は気胸に関連した原因で死亡し、6頭はさらなる治療をうけて、そのうち5頭が改善した。

臨床的意義:外科的に治療された自然気胸のある犬の長期生存は良好であり、再発リスクは低かった。超大型犬種と体重の増加は、可能性のある唯一の再発のリスク因子だった。再発のある犬で、追加介入が行われた場合の転帰は良好だった。
 

Jorge, Kelsey M., et al.
"Radiographic characteristics of alveolar microlithiasis and pulmonary ossification following chronic corticosteroid therapy in a dog." 
Veterinary Radiology & Ultrasound (2019).

PubMedリンク PMID:31317591
本文:無料公開なし

タイトル
:犬の慢性的な副腎皮質ステロイド療法後の肺胞微石症と肺骨化症のX線検査の特徴

==アブストラクト=== 
10歳齢、中性化済み、オーストラリアン・シェバードが急性の呼吸困難と慢性的な外因性ステロイドの投与で紹介来院した。胸部X線検査では、全体的な非構造性の間質肺胞パターン、びまん性の皮膚石灰沈着症、および中程度の肝腫大を特徴とする、重度のミネラル不透過性がみられた。肺性心が心エコー検査で確認された。患者はサンプリング後に気胸を起こし、心停止した。死後の肺の病理組織検査で、肺の間質の石灰化と肺胞微石症が明らかとなった。この報告は、これらの臨床所見と画像所見のある犬における鑑別診断として、慢性的な外因性のステロイド投与による全体的な肺石灰化を含めることを支持している。

Von Pfeil, Dirsko JF, et al.
"Congenital laryngeal paralysis in Alaskan Huskies: 25 cases (2009–2014)." 
Journal of the American Veterinary Medical Association 253.8 (2018): 1057-1065.

PubMedリンク PMID:30272513
本文:googlescholar経由で入手可能(全文

タイトル:アラスカン・マラミュートにおける先天性喉頭麻痺;25症例(2009-2014年)

==アブストラクト=== 
目的:アラスカン・マラミュートの先天性喉頭麻痺の特徴を調べること。

デザイン:前向き症例シリーズ。

動物:先天性喉頭麻痺のあるアラスカン・マラミュート25頭。

方法:それぞれの犬のシグナルメント、病歴、身体検査、整形外科的検査、神経学的検査、および喉頭検査の結果、食道所見、治療、組織学的所見、および転帰についての情報を収集した。

結果:重度に罹患した犬では、出生児から重い呼吸困難、または短時間の運動後の虚脱がみられた。軽度な犬では、易疲労性または最小限の運動での加熱がみられた。臨床徴候の最初の発症の平均年齢は6.4ヶ月であった。青い目が23頭(92%)、白い顔のマーキングが19頭(76%)、口腔粘膜垂または組織バンドが13頭(52%)の犬でみられた。神経学的検査では、反回喉頭神経の単独のニューロパチーの徴候が明らかとなり、多発性ニューロパチーはみられなかった。組織学的検査では、輪状披裂筋の背筋の神経原性萎縮が明らかとなったが、多発性ニューロパチーはみられなかった。8頭(32%)で、片側輪状披裂の側方化術が行われ、実質的な臨床的改善がみられた、それには犬そりレースでの競争能力も含まれた。手術なしで、4頭(16%)が窒息で死亡し、10頭(40%)は自然な改善(ただしレースには不十分な改善)がみられ、3頭(12%)は罹患したままとなった。血統分析の結果から、先天性喉頭麻痺の遺伝の常染色体性劣性遺伝モードが示唆され、浸透率は様々であった。

結論と臨床的意義
:評価をうけたアラスカン・マラミュートにおける先天性喉頭麻痺は、反回喉頭神経の単一ニューロパチーに関連しており、多発性ニューロパチーは関連していなかった。罹患したの犬の多くで青い目、白い顔のマーキング、および口腔粘膜垂または組織バンドがみられた。この犬種における先天性喉頭麻痺には明らかな遺伝的要素があるため、これらの特徴をもつ犬の繁殖を防ぐことを勧める。
 

Mesquita, Luis, et al.
"Computed tomographic findings in 15 dogs with eosinophilic bronchopneumopathy."
 
Veterinary Radiology & Ultrasound 56.1 (2015): 33-39.

PubMedリンク PMID:25124052
本文:googlescholar経由で入手可能(全文

タイトル:好酸球性気管支肺疾患の犬15頭のCT所見

==アブストラクト=== 
好酸球性気管支肺疾患は、肺と気管支粘膜への好酸球浸潤を特徴とする疾患である。この研究の目的は、好酸球性気管支肺疾患と確定した犬の集団におけるCT所見を記述することである。

好酸球性気管支肺疾患と確定診断した犬15頭のCTスキャンを、2人の放射線科認定医の一致したコンセンサスをもとに回顧的に評価した、異常は14/15頭(93%)でみられ、肺実質の異常(14/15;93%)、気管支壁の肥厚(13/15;87%)とそのうち顕著なもの8/15;53%)、粘液/デブリによる気管支内腔のつまり(11/15;73%)、気管支拡張症(9/15;60%)がみられた。肺結節は5/15頭(33%)でみられ、そのうち1頭は腫瘤であった。結節性の肺パターンのある犬すべてで、他の異常も伴っていた。リンパ節腫大は10/15頭(67%)でみられた。

好酸球性気管支肺疾患に関連した病変は多様で不均一であり、以前に報告されたものよりも幅広いCT所見を含む。罹患した犬のほとんどでCT画像の異常があり、好酸球性気管支肺疾患の犬においてCTは胸部の病変の性質と分布の特徴を調べるための有用な方法である。

Johnson, Lynelle R., et al.
"Eosinophilic bronchitis, eosinophilic granuloma, and eosinophilic bronchopneumopathy in 75 dogs (2006‐2016)." 
Journal of veterinary internal medicine 33.5 (2019): 2217-2226.
 
PubMedリンク PMID:31468829
本文:無料公開あり(全文

タイトル:75頭の犬の好酸球性気管支炎、好酸球性肉芽腫、および好酸球性気管支肺疾患

==アブストラクト===
背景:好酸球性肺疾患はあまりよく理解されていない炎症性気道疾患であり、実質的な死亡率を招く。

目的:レントゲン、気管支鏡検査、および気管支肺胞洗浄(BAL)液分析をもとに定義した好酸球性肺疾患のある犬の臨床所見を記述すること。カテゴリーには好酸球性気管支炎、好酸球性肉芽腫、好酸球性気管支肺疾患を含めた。

動物:家庭飼育犬75頭。

方法:特発性のBAL液好酸球増加症のある犬の医療記録を回顧的に再調査した。情報として、臨床徴候の期間と性質、気管支鏡検査所見、および検査データを含めた。胸部レントゲンについて、浸潤パターン、気管支拡張症、およびリンパ節腫大を評価した。 

結果
胸部レントゲンは正常または気管支パターンを示した犬31頭は、好酸球性気管支炎に分類された。 9頭の犬は胸腔内の腫瘤病変があり、気管支鏡で好酸球性肉芽腫と診断された。残りの35頭は、レントゲンの変化、気道の黄緑色の粘液、粘膜の変化、および気道の虚脱から、好酸球性気道肺疾患に分類された。年齢と咳の期間は、グループ間で差はなかった。好酸球性気管支炎の犬は、他の2つのグループの犬と比べて、気管支拡張症または末梢血の好酸球増加症があることが少なく、BAL液中の有核細胞数の合計が少なく、BAL液中の好酸球の割合が少なかった。過去の方向とは反対に、好酸球性肉芽腫の犬で長期生存(>55ヶ月)が記録された。

結論と臨床的重要性:好酸球性肺疾患をもつ犬は、画像、気管支鏡、およびBAL液の細胞学的所見をもとに分類することができる。これらのグループにおける治療への反応を確立させるために、さらなる研究が必要だ。
 

Hooi, Kimberly S., et al.
"Bronchoalveolar lavage hemosiderosis in dogs and cats with respiratory disease."
 
Veterinary clinical pathology 48.1 (2019): 42-49.

PubMedリンク PMID:30657606
本文:無料公開あり(全文

タイトル:呼吸器疾患のある犬と猫の気管支肺胞洗浄のヘモジデリン沈着症

==アブストラクト=== 
背景:ヘモジデリンの貪食は、気管支肺胞洗浄液のサンプル中にみられることがあり、猫とヒトでは幅広い呼吸器疾患・心疾患と関連していることが報告されている。

目的
:この研究の目的は、犬と猫の気管支肺胞洗浄(BAL)サンプル中のヘモジデリンの存在を回顧的に評価することである。また、BALヘモジデリンと、BALを行う前のシグナルメント、臨床徴候、病歴との関連、 事前の経胸腔細針吸引(FNA)との関連、気管支肺胞洗浄の時間との関連、細胞学的解釈との関連、について評価した。

方法:2007年から2016年の間にBALを行なった犬と猫の医療記録を再評価した。適切な医療情報とBALの結果は、犬171頭と猫34頭で得られた。症例はBALの細胞学的所見をもとに以下の4つのカテゴリーに割り振られた;肺炎、炎症性疾患、腫瘍、正常な気道。ヘモジデリン沈着は、判定量スコアリングスケールをもとに分類された。正確ロジスティック回帰分析により、リスク因子と細胞診でのBALヘモジデリン沈着の存在との関連を評価した。

結果:ヘモジデリンは犬の13/171頭(7.6%)と猫の18/34頭(52.9%)のサンプルで同定された。猫は、犬と比較して、BAL細胞診で肺のヘモジデリン沈着症が13.33倍みられやすかった(p<0.001)。呼吸数の増加、気管支肺胞洗浄の時間の延長、経胸腔FNAの同時実施、および細胞学的診断は、犬におけるヘモジデリン沈着症のリスクを上昇させた。猫では肺のヘモジデリン沈着症と関連するリスク因子は同定されなかった。

結論
:ヘモジデリン沈着症は犬よりも猫のBALサンプルでより頻繁にみられ、多様な疾患状態に関連している。

 

Johnson, Lynelle R., and William Vernau.
"Bronchoalveolar lavage fluid lymphocytosis in 104 dogs (2006‐2016)." 
Journal of veterinary internal medicine 33.3 (2019): 1315-1321.

PubMedリンク PMID:30912207
本文:無料公開あり(全文

タイトル:犬104頭の気管支肺胞洗浄液のリンパ球増加症(2006-2016)

==アブストラクト=== 
背景:気管支肺胞洗浄(BAL)液の細胞診と培養は、犬の呼吸器疾患の特徴を調べるために使用される。BAL液中のリンパ球数の増加と関連した疾患についてはほとんど知られていない。 

目的:BALリンパ球増加症のある犬における臨床徴候の期間と特定の呼吸診断の検出について評価すること。

動物:呼吸器徴候のある家庭飼育犬104頭。

方法:2006/1/1から2016/1/1までの間にBAL液の分画細胞カウントにおいて、細胞数300/μlおよびリンパ球>20%の犬の医療記録を回顧的に再調査した。症例は、臨床徴候の期間と呼吸器診断(吸引性損傷、感染性、および炎症性の呼吸器疾患と気道虚脱を含む)について評価された。

結果:犬の年齢の範囲は0.5-16歳齢(中央値 7.9歳齢) であり、体重の中央値は11.4kg(範囲2.0-42.7kg)であった。好酸球性肺疾患は104頭中13頭(グループ1)で記録され、感染性または炎症性疾患による気道の好酸球増加症は104頭中59頭(グループ2)でみられた。BAL液中のリンパ球増加症のみは32頭(グループ3)でみられた。咳の期間はグループ間で差はなかったが、気道の虚脱は、他のタイプの炎症がある犬よりも、リンパ球増加のみの犬で有意に多かった。

結論と臨床的重要性
:犬のBAL液中のリンパ球増加症は一般的であり、多くの症例で傷害の種類や期間に関係なく、気道損傷への一般的な反応を示している可能性がある。気道の虚脱がリンパ球増加症を招くのか、炎症性病態が気道の虚脱を引き起こすのかは、わかっていない。
 

Norris, Carol R., et al.
"Comparison of results of thoracic radiography, cytologic evaluation of bronchoalveolar lavage fluid, and histologic evaluation of lung specimens in dogs with respiratory tract disease: 16 cases (1996–2000)." 
Journal of the American Veterinary Medical Association 218.9 (2001): 1456-1461.

PubMedリンク PMID:11345310
本文:無料公開なし

タイトル:呼吸器疾患のある犬の胸部レントゲンの結果、気管支肺胞洗浄液の細胞学的評価、および肺標本の組織学的評価の比較;16症例(1996-2000)

==アブストラクト===
目的
呼吸器疾患のある犬の胸部レントゲンの結果、気管支肺胞洗浄(BAL)液の細胞学的評価、および生検および剖検標本の組織学的評価を比較し、組織学的評価が他の方法では達成できない重要な診断情報を提供するかどうかを調べること。

デザイン:回顧的研究。

動物:犬16頭。 

方法:気管支肺胞洗浄液は、正常、好中球性、好酸球性、単核性、混合性、腫瘍性または非診断性に分類した。レントゲンの異常は、間質性、気管支性、気管支間質性、または肺胞性に分類した。組織学的病変は、炎症性、線維性、または腫瘍性に分類し、組織学的病変の主要な部位を肺胞、間質、または気道に分類した。

結果:8頭の犬で、主要なレントゲンの病変部位が組織学的な部位と相関していた。組織学的に炎症所見があった犬11等中、8頭で炎症性の気管支肺胞洗浄液だった。組織学的に腫瘍の所見があった犬2頭中、1頭では気管支肺胞洗浄液によって腫瘍が示唆され、もう1頭は細菌性化膿性炎症と一致する気管支肺胞洗浄液だった。組織学的に異常のなかった2頭では、単核性または非診断性の気管支肺胞洗浄液だった。組織学的に線維性の所見のある2頭では、単核性または混合炎症性の気管支肺胞洗浄液であった。

結論と臨床的意義
:この結果は、胸部レントゲン、気管支肺胞洗浄液の細胞的評価、および肺標本の組織学的評価は補完的であるが、それぞれの方法は呼吸器疾患のある犬における原因となる疾患病態をどれだけうまく反映できるかという点に関して制限があることを示唆している。レントゲンおよび細胞診で非診断的な結果となった場合の症例では、肺生検を考慮すべきである。

 

Norris, Carol R., et al.
"Thoracic radiography, bronchoalveolar lavage cytopathology, and pulmonary parenchymal histopathology: a comparison of diagnostic results in 11 cats."
 
Journal of the American Animal Hospital Association 38.4 (2002): 337-345.

PubMedリンク PMID:12118687
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タイトル
:胸部レントゲン、気管支肺胞洗浄の細胞診、および肺実質の病理組織;猫11頭の診断結果の比較

==アブストラクト=== 
この研究の目的は、自然発生性の呼吸器疾患でレントゲンと細胞病理では確定診断の確立が不十分であった猫11頭において、胸部レントゲン、気管支肺胞洗浄(BAL)の細胞診、および病理組織と、診断結果を比較することである。

これらの猫では、レントゲンのパターンの特徴は、気管支(n=6)、間質(n=3)、および肺胞(n=2)としてみられ、その他の特徴には過膨張(n=3)、気管支拡張症(n=2)、胸膜フィッシャーライン(n=2)、肺結節(n=2)、無気肺(n=1)、気管腫瘤(n=1)が含まれた。気管支肺胞洗浄液は2頭では特徴がなかった。異常な気管支肺胞洗浄液では炎症(n=5)、出血(n=2)、上皮過形成(n=1)がみられ、または腫瘍(n=1)が疑われた。病理組織学的評価では、炎症(n=8)、腫瘍(n=2)、および血管の鬱血(n=1)が明らかとなった。疾患と関連する優位な部位は、7頭の猫で同じ病理組織学的部位と一致しており、気管支肺胞洗浄液の細胞病理学的な分類は、7頭の猫で病理組織学的分類と一致していた。気管支肺胞洗浄液の細胞のタイプと、病理組織学的検査でみられた気道の細胞に量とタイプに基づく気管支肺胞洗浄液厨に多く見られるだろうと病理学医が予測する
細胞のタイプの間には、相関は乏しかった。

この研究の結果は、一部の猫では、気管支肺胞洗浄液の細胞病理検査は、病理組織学的に同定される肺疾患のタイプと常に相関するわけではないことを示唆している。 レントゲンと細胞病理検査が確定診断を提供できない呼吸器疾患では、肺の病理組織券が必要になるだろう。

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