ねころんで探せる小動物医療のジャーナルクラブ

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カテゴリ: 生殖器

Fudge, James Mack, et al.
"Blood loss and coagulation profile in pregnant and non-pregnant queens undergoing elective ovariohysterectomy." 
Journal of Feline Medicine and Surgery (2020): 1098612X20959610.


PubMedリンク PMID:33030098
本文:無料公開あり(全文

タイトル:予定手術としての卵巣子宮摘出術をうけた妊娠中および非妊娠中のメス猫における失血と凝固の特徴

==アブストラクト===
目的:この研究の目的は、待機手術としての卵巣子宮摘出術をうけた妊娠している猫において術中出血のリスクの増加があるかどうかを調べ、全血をもちいた粘弾性活性によって発情と妊娠のさまざまな段階における雌猫の血液凝固状態を比較することである。

方法:術中の失血を、待機的な卵巣子宮摘出術を行った非妊娠猫と妊娠猫で比較した。術前・術後の全血の粘弾性評価は、院内即時検査デバイスで、血餅時間(CT)、血餅形成時間(CFT)、α角、最大血餅形成(MCF)、10分および20分の振幅(A10、A20)、および最大血餅形成後のの30分および45分での融解指数(LI30、LI45)を測定した。

結果:腹部正中切開による卵巣子宮摘出術を猫193頭で行った。失血量の中央値は、非妊娠猫(<0.5ml 範囲<0.5−15ml)よりも妊娠猫(2.0ml 範囲 <0.5-13ml)のほうが多かった。術前検査では、非妊娠猫に比べて妊娠猫ではCFTの中央値が短く(165秒 vs 190.5秒)、A10の増加があり(25.5から31VCM単位へ)、A20の増加があり(35から38VCM単位へ)、LI45の中央値が低かった(100%から99% へ)。術後の検査では、非妊娠猫と妊娠猫の療法で、A10とA20が増加し、LI30とLI45が減少した。妊娠猫では、血餅時間の平均が術後に増加した。

結論と意義
:妊娠猫は非妊娠猫と比べて、比較的に凝固亢進状態にあり、血餅融解率が増加していた。術中失血は、非妊娠猫よりも妊娠猫の方が多かったが、臨床的な問題となる出血状態にはならなかった。

Farokhzad, Behnam, et al.
"Intraperitoneal administration of lidocaine or tramadol alone or in combination on postoperative pain after ovariohysterectomy in dogs."
 
Veterinary Medicine and Science (2021).


PubMedリンク PMID:33528116
本文:無料公開あり(全文

タイトル
:犬の卵巣子宮摘出後の術後の痛みに対するリドカイン単独、トラマドール単独、またはその組み合わせの術中腹腔内投与

==アブストラクト===
犬の卵巣子宮摘出術の術後疼痛管理に対する、リドカイン単独、トラマドール単独、またはその組み合わせの腹腔内投与(ip)を評価する目的で前向きランダム化研究を行った。

健康なメスの雑種犬18頭、年齢1-2歳齢、体重16.7±3.8kgが用いられた。動物はアセプロマジン(0.1mg/kg, im)で鎮静をかけられた。40分後、ジアゼパム(0.5mg/kg)とケタミン(10mg/kg)の静脈内投与により麻酔導入し、イソフルラン1.5%で維持した。その後、卵巣子宮摘出術が行われ、白線の閉鎖の前にグループLではエピネフリンを含みリドカイン(8.8mg/kg,ip)、グループTではトラマドール(4.4mg/kg,ip)、グループLTではエピネフリンを含むリドカイン
(8.8mg/kg,ip)+トラマドール(4.4mg/kg,ip)、の投与が行われた。コルチゾール、バイタルサイン、疼痛スコアリングシステムを、異なる時点で測定した。

バイタルサインはグループ間で差はなかった。コルチゾール値は術後1、3、6時間後で、グループLとグループTと比べて、グループLTで有意に減少した。SammarcoおよびSimple descriptive(SDS)スコアリング方法に基づく痛みのスコアも、グループ間で差がなかった。しかし、メルボルン大学痛みスケール(UMPS)および短縮型グラスゴー痛みスケール(CMPS-SF)による痛みスコアは、LTグループのほうが、ほかの2つのグループよりも高かった。

得られた結果から、リドカインとトラマドールの組み合わせは、それぞれを別々に投与する場合と比較して、よりよい鎮痛作用をもたらすことができそうだ。そえゆえ、卵巣子宮的手術術のあとのリドカイン
(8.8mg/kg,ip)とトラマドール(4.4mg/kg,ip)の組み合わせの腹腔内投与(最終投与量0.2ml/kg)は推奨される。

de Melo, Evelynne HM, et al.
"Effectiveness of ovariohysterectomy on feline mammary fibroepithelial hyperplasia treatment." 
Journal of Feline Medicine and Surgery (2020): 1098612X20950551.


PubMedリンク PMID:32812465
本文:無料公開なし

タイトル:猫の乳腺線維上皮過形成の治療に対する卵巣子宮摘出術の効果

==アブストラクト===
目的:この研究の目的は、猫の乳腺線維上皮過形成(FMFH)の治療における卵巣子宮摘出術の効果を評価し、FMFHの治療と臨床徴候に対する以前のプロゲスチン注射の影響を調べること。

方法:2014年から2018年の間にFMFHと診断された猫79頭が組み入れられた。猫は次のように分けられた;(1)卵巣子宮的手術のみ、または卵巣子宮摘出術と抗プロゲスチン、(2)FMFHの診断前にプロゲスチンの注射なし、またはあり。FMFHの臨床徴候に関するデータ、卵巣子宮摘出術術後に残存する乳腺の成長の発生、および術後にFMFHが完全寛解するまでの期間、を記録して評価した。

結果
:この研究ではいずれの猫でも乳腺切除は行わなかった。79頭中71頭(89.9%)で卵巣子宮摘出術のみが選択され、そのうち42頭(59.2%)は過去のプロゲスチンの注射あり、29頭(40.8%)はプロゲスチンの注射なしであった。卵巣子宮摘出術+抗プロゲスチンの投与は、79頭中8頭(10.1%)で選択され、すべての猫で過去にプロゲスチンの注射が行われていた。FMFHの寛解は合計で73/79頭(92.4%)で観察され、過去にプロゲスチン注射を受けていた猫の6頭(7.6%)が死亡した。さらに過去にプロゲスチン注射を受けた猫では、卵巣子宮摘出術後に乳腺の成長が持続する割合が高く(p<0.001)、投与を受けていなかった猫にくだべて死亡率が高かった(p=0.052)。

結論と臨床的意義
:プロゲスチン注射による過去の治療は、FMFHの臨床徴候をより複雑化する可能性がある。卵巣子宮摘出術は、繁殖の意図がない場合には、FMFHの治療のよい選択肢となる。抗プロゲスチンの併用は、特に卵巣子宮摘出術後にも持続的な乳腺の成長が検出される場合に、推奨される。

Itoh, Teruo, et al.
"Long-Term Treatment Results for Ovarian Tumors with Malignant Effusion in Seven Dogs." 
Journal of the American Animal Hospital Association 57.3 (2021): 106-113.


PubMedリンク PMID:33770181
本文:無料公開なし

タイトル
:犬7頭における悪性滲出液を伴う卵巣腫瘍の長期的な治療結果

==アブストラクト===
手術とプラチナベースの化学療法は、ヒトの進行性卵巣癌の治療に非常に有効であるが、犬ではその効果はあまりわかっていない。悪性の腹水を伴う悪性卵巣腫瘍の犬7頭の長期的な治療転帰を評価した。

すべての犬で卵巣子宮摘出術が行われた。4頭が卵巣腺癌で腹膜に肉眼的な播種があり(2頭は胸水を伴う)、3頭は顆粒膜細胞腫で肉眼的な播種はなかった(1頭は胸水あり)。すべての犬で卵巣子宮摘出術後に滲出液が消失した。6頭(卵巣腺癌3頭、顆粒膜細胞腫3頭)が、術後にカルボプラチンの静脈内投与をうけた。顆粒膜細胞腫の犬の2頭では術後の再発や転移はなく、1頭で術後1811日目に再発した。卵巣腺癌の犬のすべてで、術後171-584日で滲出液が再発し、それらはシスプラチンまたはカルボプラチンの体腔内投与により消失し、その後、無病期間が155-368日えられた。全体生存期間は、卵巣腺癌(617-841日)よりも顆粒膜細胞腫(822-1840日)の犬のほうが長かった。

これらの結果は、悪性の滲出液を伴う卵巣腫瘍の犬で、卵巣刺繍摘出術とプラチナベースの化学療法を行った後に比較的長い生存が可能性であり、卵巣腺癌よりも顆粒膜細胞腫のほうがより良い予後であることを示している。

Ogden, Jessica A., et al.
"Outcomes associated with vaginectomy and vulvovaginectomy in 21 dogs." 
Veterinary Surgery (2020).

PubMedリンク PMID:32515509
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タイトル:膣切除術および外陰部膣切除術に関連した転帰、犬21頭

==アブストラクト=== 
目的:泌尿生殖路に病変があり、膣切除術または外陰部膣切除術によって治療された犬の転帰を報告すること。

研究デザイン:多施設間回顧的研究。

動物:2003年から2018年の間に外陰部膣切除術、膣全切除術、または膣部分切除術を行ない、完全な医療記録と60日以上のフォローアップ情報のある雌犬。

方法:データは医療記録から収集し、術前情報、術中情報、および尿失禁、再発、死亡/安楽死などの術後情報を集めた。

結果:この回顧的研究には21頭の犬が含まれた。外陰部膣切除術が4頭、膣全切除術が6頭、膣部分切除術が11頭で行われた。。手術時に平均年齢は9.2歳齢(標準偏差 3.3)であった。来院時に13頭は未避妊であった。平滑筋腫瘍が最も多く診断された(平滑筋種10頭、平滑筋肉腫3頭、平滑筋線維腫2頭)。フォローアップ期間の中央値は520日(範囲 71-1955日)であった。再手術を必要とする主要な合併症は2頭で記録された。術後の尿失禁は6/21頭でみられ、3頭で60日以内に自然に解消した。悪性腫瘍のある犬(n=6)の生存期間は最短で71日(中央値 626日;95%信頼区間 71-1245)であり、2頭で再発がみられた。良性腫瘍の犬(n=15)では、生存期間は中央値に達しなかった。これらの犬は最短でも104日生存し、再発を起こした犬はいなかった。

結論
:膣切除術と外陰部膣切除術は、長期的な生存および主要な合併症と尿失禁の発生率が低い結果となった。
 

Kieves, Nina R., Roberto E. Novo, and Robert B. Martin.
"Vaginal resection and anastomosis for treatment of vestibulovaginal stenosis in 4 dogs with recurrent urinary tract infections." 
Journal of the American Veterinary Medical Association 239.7 (2011): 972-980.

PubMedリンク PMID:21961638
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タイトル:再発性尿路感染症のある犬4頭における膣前庭膣狭窄に対する膣切除と吻合

==アブストラクト=== 
症例の説明:4頭の犬が再発性尿路感染症のために評価された。

臨床所見:すべての犬に再発性尿路感染症とそれと同様の臨床所見があり、3頭で尿失禁があった。指の指診で、膣前庭膣狭窄がすべての犬で明らかとなり、膣尿路造影検査の結果によって確認された。画像での測定から、膣前庭-膣比(膣尿路造影検査のラテラル像での膣前庭膣接合部の高さと膣の最大の高さの比)を各犬で算出した。3頭で重度の狭窄(重度の狭窄は膣前庭-膣比<2.0と定義される)があり、4頭目の犬は中程度の狭窄(中程度の狭窄は比の範囲が0.20から0.25)であった。

治療と転帰:すべての犬は麻酔をかけて膣前庭膣狭窄の矯正手術を行なった。狭窄部の膣の切除と吻合を4頭すべてで行い、1頭では外陰部形成術も行なった。3頭では臨床徴候の完全な消失が明らかであった。1頭は頻尿と有痛性排尿障害を含む術後合併症を起こし、それは直腸と膣の脱出を引き起こした。この犬では、臨床徴候が消失したのちに卵巣子宮摘出術が行われた。すべての犬で追跡時点(術後6-8ヶ月)で尿路感染症が消失していた。

臨床的意義
:重度から中程度の膣前庭膣狭窄のある犬において、切除と吻合は再発性尿路感染症を消失させるかもしれない。手術の成功のために外陰部形成術は必要ではなく、全体として、その手技は合併症の発生、重度の術中出血、および手術時間を増加させる。
 

Crawford, Jason T., and William M. Adams.
"Influence of vestibulovaginal stenosis, pelvic bladder, and recessed vulva on response to treatment for clinical signs of lower urinary tract disease in dogs: 38 cases (1990-1999)."
 
Journal of the American Veterinary Medical Association 221.7 (2002): 995-999.

PubMedリンク PMID:12369703
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タイトル:犬の下部尿路疾患の臨床徴候の治療への反応における膣前庭膣狭窄、骨盤膀胱、および陥凹外陰部の影響;38症例(1990-1999年)

==アブストラクト=== 
目的
:犬の下部尿路疾患の臨床徴候の反応において膣前庭膣狭窄、骨盤膀胱、および陥凹外陰部が与える影響を決定すること。

デザイン:回顧的研究。

動物:38頭の避妊済み雌犬。

方法:下部尿路疾患の臨床徴候のために排泄性尿路造影を行ない評価した犬の医療記録と飼い主への追跡調査を再調査した。臨床徴候、レントゲン検査の結果、および外科または内科治療に対する反応を分析した。

結果
:臨床徴候には、尿路感染(n=24)、尿失禁(20)、膣炎(11)、頻尿または有痛性排尿障害(10)、外陰部周囲皮膚炎(4)がふくまれた。膣膀胱尿道造影検査の所見として、膣前庭膣狭窄(n=28)、骨盤膀胱(17)、尿管炎または腎盂腎炎(4)がみられた。膣前庭-膣比は10頭の犬で<0.20(重度の狭窄)であり、9頭で020-0.25(中程度の狭窄)、 9頭で0.26-0.35(軽度な狭窄)、10頭で>0.35(解剖学的に正常)であった。下部尿路感染、尿失禁、および骨盤膀胱は、陥凹外陰部の治療への反応に負の関連があった。比が<0.20の膣前庭膣狭窄は、治療への反応と有意な負の関連があった。重度の膣前庭膣狭窄が無く、陥凹外陰部に対して外陰部形成術を行なった犬は、治療によく反応した。

結論と臨床的意義
:膣前庭膣狭窄は、比が<0.20の犬では重要な因子となりそうであり、重度の膣前庭膣狭窄と下部尿路疾患の徴候をもつ犬では膣の切開、切除、および吻合が考慮されるべきであろう。
 

Hammel, Scott P., and Dale E. Bjorling.
"Results of vulvoplasty for treatment of recessed vulva in dogs." 
Journal of the American Animal Hospital Association 38.1 (2002): 79-83.

PubMedリンク PMID:11804321
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タイトル
:犬の陥凹外陰部の治療として外陰部形成術の結果

==アブストラクト=== 
1987-1999年の間にウィスコンシン大学獣医教育病院で手術を行なった犬34頭において外陰部形成術の結果を評価した。症例記録を評価し、飼い主に電話で質問をした。最初の検査時に若齢または陥凹外陰部の最も多い臨床徴候には、外陰部周囲皮膚炎が59%(20/34頭)でみられ、尿失禁と慢性下部尿路感染がそれぞれ56%(19/34頭)でみられた。その他の多かった訴えには、多尿、外的刺激、膣炎が含まれた。多くの犬は1歳未満で臨床徴候を発症した。1頭のビションフリーゼを除く全ての犬が中型〜大型犬であり、外陰部の立体構造は成長速後または体の立体構造に関連している可能性が示唆され、以前の卵巣子宮摘出術影響因子ではないようだった。飼い主の82%が、手術の結果は少なくとも満足できるものと評価した。尿失禁の有病率は、外陰部形成術によって減少したが、手術後の最も多い残徴候であり、多因子性の病因を示唆している。下部尿路感染、膣炎、外的刺激の有病率は手術後に大幅に減少した。

Lightner, Barbara A., et al.
"Episioplasty for the treatment of perivulvar dermatitis or recurrent urinary tract infections in dogs with excessive perivulvar skin folds: 31 cases (1983–2000)." 
Journal of the American Veterinary Medical Association 219.11 (2001): 1577-1581.

PubMedリンク PMID:11759997
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タイトル:過剰な外陰部周囲の皮膚ひだのある犬における外陰部周囲皮膚炎または再発性尿路感染症の治療のための外陰部形成術

==アブストラクト=== 
目的:犬において過剰な外陰部周囲の皮膚ひだによって二次的に起こると考えられている外陰部周囲皮膚炎または慢性/再発性尿路感染症の治療のための外陰部形成術の有効性について評価し、雌犬において慢性の尿路感染の存在と過剰な外陰部周囲の皮膚ひだの間に因果関係が存在するかどうかを述べること。

デザイン:回顧的研究。

動物:雌犬31頭。

方法:外陰部周囲皮膚炎のある犬(グループ1 n=15)または尿路感染症の犬(グループ2 n=16)の 医療記録を再調査し、病歴、シグナルメント、身体検査所見、血液学的所見、尿または膣の細菌培養の所見、および追加の診断検査の結果、について調べた。

結果:グループ1の15頭中14頭で、外陰部形成術の手術後に外陰部周囲皮膚炎とそれに関連する臨床徴候が完全に消失した。1頭は術後2年で臨床徴候と外陰部周囲皮膚炎が再発し、それは体重が9kg増えたことに関連した。グループ2の16頭中16頭で、外陰部形成術後に尿路感染症の徴候が完全に消失した。グループ2の16頭中13頭で、尿路感染の消失を確認するために、術後1ヶ月以内に膀胱穿刺によって尿サンプルを採取した。グループ2の1頭で術創の離開がみられ、それ以外は各グループで軽度から中程度の切開部の腫脹のみが手術合併症であった。すべての飼い主が手術の結果に満足していた。

結論と臨床的意義
:すべての飼い主は、それぞれのグループの犬で臨床徴候の完全な消失を報告した。外陰部形成術は、過剰な外陰部周囲皮膚ひだに関連する外陰部周囲皮膚炎と慢性の尿路感染症に対する治療として、合併症が少なく有効な治療法である。 
 

Hutchins, R. G., et al.
"Vaginal microbiota of spayed dogs with or without recurrent urinary tract infections." 
Journal of veterinary internal medicine 28.2 (2014): 300-304.

PubMedリンク PMID:24467326
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タイトル
再発性尿路感染がある、またはない避妊済み犬の膣の微生物叢

==アブストラクト=== 
背景:正常な避妊済み犬と再発性尿路感染のある犬における膣の微生物叢に関して利用できる情報はほとんどない。膣の乳酸産生菌は、ヒトの女性で再発性尿路感染の頻度の減少と関連しており、雌犬の尿路内でも保護的な役割を果たしている可能性がある。

仮説/目的:再発性尿路感染の病歴のある避妊済みの犬では、健康な避妊済み犬と比較して、膣細菌叢における乳酸産生菌の割合が減少し、尿路病原性細菌の割合が増加しているだろう。

動物:再発性尿路感染の病歴がある中性化した雌の成犬21頭と、再発性尿路感染の病歴があない健康な中性化した雌犬23頭。

方法:この前向き研究では、犬を再発性尿路感染群と対照群に分けた。各犬から膣スワブによって細菌集団を分離し、特徴を調べた。

結果
:すべての犬の膣から分離された菌で最も多かったのは大腸菌(Escherichia coli)(11/44)とS. pseudintermedius(13/44)であった。 大腸菌は、再発性尿路感染症群の犬の膣から8/21(36%)で分離され、対照群の犬の3/23(13%)で分離された。乳酸産生菌は44頭中7頭で分離された。7頭中2頭は再発性尿路感染症群であり、5頭は対照群であった。

結論と臨床的意義
:再発性尿路感染症のある避妊済みの雌犬の膣の細菌叢は、健康な避妊済み雌犬の対照集団のものと類似していた。
 

Wang, Kelly Y., et al.
"Vestibular, vaginal, and urethral relations in spayed dogs with and without lower urinary tract signs."
 
Journal of veterinary internal medicine 20.5 (2006): 1065-1073.

PubMedリンク PMID:17063697
本文:無料公開あり(全文

タイトル
:下部尿路徴候のあるまたはない避妊済み犬における膣前庭、膣、および尿道の関連

==アブストラクト=== 
この研究の目的は、 下部尿路疾患の徴候があるまたはない中性化済みの雌犬おける泌尿生殖器の解剖を、古典的な膣造影検査、CT膣造影検査、および尿道鏡検査によって評価することである。

下部尿路疾患のある犬19頭と、正常な犬12頭を前向きに評価した。測定には、膣の長さ・高さ・幅、膣前庭の長さ・高さ・幅、膣前庭-膣比、帯の高さ・幅・面積、尿道の長さ・高さ・幅、尿道-膣前庭の角度、膣-膣前庭の角度を含めた。 下部尿路疾患の有無で、グループ間の比較を行なった。2つの画像検査によって同じ部位の測定が行われた際に、古典的膣造影とCT膣造影の間で比較を行なった。

すべての測定で有意な差はみられず(p>0.01)、それには下部尿路疾患の有無の間での膣前庭-膣比と帯面積も含まれた。臨床徴候のある犬(8/16頭)に比べて、正常な犬(8/12頭)では膣前庭-膣比<0.33の犬の割合が大きかった。

下部尿路徴候の有無による膣前庭-膣比または帯面積の有意な差は同定できなかった。これは、膣前庭-膣比<0.33はただの偶発的な所見である可能性があり、“膣前庭膣狭窄”という用語は再定義が必要かもしれないことを示唆している。

Wang, Kelly Y., et al.
"Vestibular, vaginal and urethral relationships in spayed and intact normal dogs." 
Theriogenology66.4 (2006): 726-735.

PubMedリンク PMID:16527342
本文:無料公開なし

タイトル:避妊手術済みおよび未避妊の正常犬における膣前庭、膣、および尿道の関連

==アブストラクト=== 
この研究の目的は、健康な避妊雌および未避妊雌における泌尿生殖器の解剖を評価することである。健康な未避妊犬14頭と避妊雌12頭について、古典的な膣尿道造影、CT
膣尿道造影、および尿道鏡検査によって泌尿生殖器路の評価を行なった。3つの画像検査方法によるそれぞれの測定を行なった。測定には、膣の長さ・高さ・幅、膣前庭の長さ・高さ・幅、帯の高さ・幅・面積、尿道の長さ・高さ・幅、尿道-膣前庭の角度、膣-膣前庭の角度を含めた。グループの比較は、避妊雌と未避妊雌の間で行なった。一般に、画像検査機器に関わらず、避妊雌よりも未避妊雌でほとんどの測定値が大きかった。グループ重量相互作用(p<0.01)は、古典的膣尿道造影(膣の高さ・長さ、膣前庭の高さ・長さ・幅)とCT膣尿道造影(膣の高さ、膣前庭の高さ・長さ・幅、帯面積、膣-膣前庭角度)でみられた。3つの方法の相互作用は(p<0.01)は、膣の長さ・高さ、膣前庭の高さで同定された。膣前庭の長さと高さ、帯の高さ、および尿道の長さは、従来の膣尿道造影とCT膣尿道造影の両方で、未避妊雌で体重の増加とともに大きくなった(p<0.01)。膣前庭-膣比は、避妊雌と未避妊雌の間での差は観察されなかった(p=0.0221)。古典的膣尿道造影で、未避妊雌14頭中1頭と避妊雌12頭中8頭で、膣前庭-膣比が<0.33であった。避妊雌と未避妊雌の犬の間の下部泌尿生殖器路における解剖学的な差は、避妊雌と未避妊雌に対する正常な参照範囲の確立の必要性を強調している。
 

Buijtels, J. J. C. W. M., et al.
"Disorders of sexual development and associated changes in the pituitary-gonadal axis in dogs." 
Theriogenology 78.7 (2012): 1618-1626.

PubMedリンク PMID:22980090
本文:無料公開なし

タイトル
:犬における性発達障害と関連する下垂体-性線軸の変化

==アブストラクト=== 
正常な性分化は、染色体による性決定の完了、生殖線の分化、および表現型の性の発達に依存している。 これらの3ステップのいずれにかに不規則があると、性発達障害につながる可能性がある。

腹部超音波検査、開腹手術、性線と生殖管の組織学的検査、細胞遺伝学的分析、およびSRY遺伝子のmRNA発現によって、9頭の性発達障害の犬を調べた。またゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)の投与前の黄体形成ホルモン(LH)、エストラジオール-17β、およぼテストステロンの血漿濃度を測定し、その結果を発情休止期の雌犬および雄犬で得られた結果と比較した。

性発達障害の犬の性線には精巣と卵巣の両方が含まれていたが、他の6等は精巣組織だけがみられた。いずれの犬にも子宮がみられた。婦人科検査、細胞遺伝学的検査、および性腺の組織検査に基づき、9頭中7頭がXX性転換であることがわかった。このうち3頭はXX真性雌雄同体で、4頭はXX雄であり、他の2頭は不完全なXY性線発育不全を起こしていた。XX性転換の犬7頭全てで、SRY遺伝子がPCRで陰性であった。血漿LH濃度の基礎値は、発情休止期の雌犬よりも性線発達障害の犬で有意に高かったが、雌犬と性線発育障害の犬の間には有意な差はなかった。性線発達障害の犬すべてで、GnRH投与後に血漿LH濃度が有意に上昇した。血漿エストラジオール濃度は、発情休止期も雌犬よりも性発達障害の犬で有意に高かったが、雄犬と性線発達障害の犬との間に有意な差はなかった。血漿テストステロン濃度の基礎値は、雄犬に比べて性発達障害の犬で有意に低かった。性発達障害のすべての犬で、基礎値およびGnRH誘発値の両方で、発情休止期んも雌犬のそれぞれの範囲の上限を超えていた。

結論として、性腺に精巣組織をもつ性発達障害の犬におけるLHおよびエストラジオールの分泌は、雄の対照犬のものと類似していた。これらの結果から、基礎値および/またはGnRH刺激血漿テストステロン濃度は、性発達障害の犬における精巣組織の存在を検出するために用いることが出来る可能性がある。


 

Sacks, Margot K., and Romain Beraud.
"Female pseudo-hermaphroditism with cloacal malformation and related anomalies in a dog."
 
The Canadian Veterinary Journal 53.10 (2012): 1105.

PubMedリンク PMID:23543931
本文:無料公開あり(全文

タイトル:犬の総排泄腔奇形とそれに関連した異常を伴う雌の仮性半陰陽

==アブストラクト=== 
7歳齢の未避妊の雌のジャーマンシェパードドッグが、再発性の尿路感染と尿失禁、不明瞭な外性器(ペニスを含む肥大した外陰部)、および肛門膣前庭瘻で来院した。解剖学的構造、病理組織学的、および核型分析によって、雌の仮性半陰陽の診断が支持され、結果として総排泄腔奇形を伴う子宮の雄性化を起こしたと仮説を立てた。
 

Park, Eun Jung, et al.
"Coincidence of Persistent Müllerian duct syndrome and testicular tumors in dogs."
 
BMC veterinary research 13.1 (2017): 156.

PubMedリンク PMID:28576146
本文:無料公開あり(全文

タイトル:犬のミューラー管遺残症候群と精巣腫瘍の同時発生

==アブストラクト=== 
背景
:ミューラー管遺残症候群は、犬ではまれな雄の仮性半陰陽であり、雄の異常な性表現型として、卵管、子宮、および膣頭側部の形成不全が存在する特徴をもつ。ミューラー管遺残症候群に罹患した犬は、停留精巣と伴うことがある。今日まで、それはミニチュアシュナウザーの犬種に主にみられてきた。

症例提示
:この報告では、ミニチュアシュナウザー以外の犬種において停留精巣に由来する悪性の精巣腫瘍のあるミューラー管遺残症候群の犬2例について記述する。患者は、7歳齢の雄のマルチーズと17歳齢の雄の3.8kgの雑種犬であった。かれらはともに前立腺の肥大±膿瘍と血清エストラジオールの上昇を示しており、精巣腫瘍とミューラー管派生物を外科的に切除した。

結論
:異所性精巣が腫瘍化するのを防ぐために、潜在精巣が疑われる患者では、超音波検査でミューラー管遺残症候群の鑑別を行うべきであり、若齢時に精巣摘出を行うべきであることが推奨される。
 

Dzimira, Stanislaw, et al.
"Histopathological pattern of gonads in cases of sex abnormalities in dogs: an attempt of morphological evaluation involving potential for neoplasia." 
Pathology-Research and Practice 211.10 (2015): 772-775.

PubMedリンク PMID:26298630
本文:無料公開なし

タイトル
:性異常の犬の症例における病理組織学的パターン;腫瘍の可能性をを含む形態学的評価の試み

==アブストラクト=== 
性分化の障害(性的発達障害)は、性染色体の障害または性線の発達の障害の結果として、または遺伝子の障害の結果として起こる可能性がある。この記事の目的は、性的障害を示す犬の性線の組織学的構造を記述し、動物の一つで性線芽細胞腫に似たがんの症例について述べることである。性発達障害のある検査された犬10頭のうちで、性線芽細胞腫は1症例だけでみられた。人間と同様に、性異常のある動物では発育異常性線における腫瘍性病変の潜在的な傾向が存在する。原則として、集団におけるその頻度は、非繁殖犬の早期の去勢手術によって制限される。この研究では、痕跡化した陰茎骨をもつ陰核の過形成。または外陰部の位置および構造の異常などの発達異常もつ雌犬の表現系の特徴を示した。この研究には、表現系的に雌犬である犬のサンプルであり、年齢は7ヶ月から4歳の
様々な犬種の犬の性線が含まれたーそれは2006年から2013年の間にヴロツワフ(ポーランド)の環境生命科学の獣医大学の家畜動物の繁殖および診療部門から得られた。組織は腹腔から外科的に切除され、組織学的な構造を確認するために病理組織学的検査に送られた。変化した性線の10の検査症例には、両側性の精巣(60%)が6症例、両側性の卵精巣が2症例(20%)、精巣と卵精巣の共発現が1頭(10%)、および精巣と腫瘍化した性線(性線芽細胞腫)が1頭(10%)でみられた。
 

Bigliardi, Enrico, et al.
"Clinical, genetic, and pathological features of male pseudohermaphroditism in dog." 
Reproductive biology and endocrinology 9.1 (2011): 12.

PubMedリンク PMID:21255434
本文:無料公開あり(全文

タイトル
:犬の雄の仮性半陰陽の臨床的、遺伝子的、および病理組織学的特徴

==アブストラクト=== 
雄の仮性半陰陽は性分化障害であり、性線は精巣で、生殖管の雄性が不完全となる。正常な雄の核型をもつ8歳齢の犬が、外性器の異常の検査で紹介来院した。外陰部い隣接して、下降していない皮下の精巣が観察された。性線の組織学によってライディッヒ細胞腫瘍とセルトリ細胞腫瘍が明らかとなった。精巣組織、外陰部、雄の核型が一緒に存在することは、雄の仮性半陰陽の状態に一致する。

Meyers-Wallen, V. N.
"Gonadal and sex differentiation abnormalities of dogs and cats." 
Sexual Development 6.1-3 (2012): 46-60.

PubMedリンク PMID:22005097
本文:無料公開あり(全文

タイトル
:犬と猫の生殖腺と性分化の異常

==アブストラクト=== 
正常な性発達の分子的な段階は、性的発達障害のある患者と動物モデルを研究することで大部分が解明された。犬と猫における性的発達障害のタイプはいくつか報告されており、それらはヒトの性的発達障害とよく似ているのだが、それらが哺乳類の性的発達の知識に貢献して使用されることはあまりない。モデルとしての可能性がアルチ考えられる十分な根拠をもつ犬と猫の性的発達障害の症例について、この報告では要約した。性的発達障害の用語についてのコンセンサスと以前の用語に対する言及は、獣医師、医師、および研究者間におけるコミュニケーションとコラボレーションを円滑にするための用語の統一を促進する。分子ツールの改善が進むにつれて、これらの独自の資源を効率よく活用ために、貴重な症例を保管し、そこで性的発達の理解に役立ることで、人間と動物の健康を改善することができるだろう。

 

Bennett, Tristram C., et al.
"Total prostatectomy as a treatment for prostatic carcinoma in 25 dogs." 
Veterinary Surgery (2018).

PubMedリンク PMID:29400404
本文:無料公開あり(全文

タイトル:25頭の犬における前立腺癌の治療として前立腺全切除術

==アブストラクト===
 目的:組織学的に確された前立腺癌のある犬における前立腺全切除後の合併症と転帰を記述すること。

研究デザイン:多施設回顧的症例シリーズ。

動物:25頭の家庭飼育犬。

方法:2004年から2016年に前立腺全切除を行なった犬の医療記録を再調査した。シグナルメント、来院徴候、術前の臨床所見、検査データ、画像診断、手術手技、組織学的診断、術後の合併症、術後転移の発生、およい生存についてのデータを収集した。 

結果:前立腺癌に対して前立腺全切除を25頭の犬で実施した。尿路吻合の手技には、14頭の尿道-尿道吻合、9頭の膀胱-尿道吻合、1頭の尿道-結腸吻合、1頭の膀胱頚部-陰茎尿道の吻合、が含まれた。すべての犬が生存して退院した。15頭の犬が移行上皮癌と診断され、8頭が前立腺腺癌、1頭が前立腺嚢胞腺癌、1頭は未分化癌、と診断された。 永続的な術後の尿失禁が23頭中8頭でみられた。中央生存期間は、被膜内腫瘍の犬よりも、被膜外腫瘍浸潤の犬で短かった。全体の中央生存期間は231日(範囲 24- 1255日)であり、1年および2年生存率はそれぞれ32%、12%であった。

結論と臨床的重要性
:術後の化学療法と組み合わされた前立腺全切除術は、前立腺癌の犬に生存期間を延長し、以前の報告よりも合併症率が少なかった。しかしながら、症例の選択が術後の転帰に重要な枠割を果たす可能性が高いことに留意すべきである。 

Jitpean, Supranee, et al.
"Outcome of pyometra in female dogs and predictors of peritonitis and prolonged postoperative hospitalization in surgically treated cases."
 
BMC veterinary research 10.1 (2014): 6.

PubMedリンク PMID:24393406
本文:無料公開あり(本文) 

タイトル:外科治療を行なった子宮蓄膿症の雌犬の転帰、および腹膜炎と術後入院期間の延長の予測因子

==アブストラクト===
背景:未避妊の雌犬 における最も一般的な疾患の一つに子宮蓄膿症がある。これは様々な臨床所見と検査所見に関連した潜在的に生命を脅かす疾患である。この研究の目的は疾患に関連する合併症を記述し、腹膜炎および/または入院期間の延長と関連する臨床的に有用な指標を調べることである。

結果
:2006年から2007年に、スウェーデンのウプサラ(注:地名)のスウェーデン農業科学大学の大学動物病院において子宮蓄膿症と診断した356頭の雌犬の記録を用いて回顧的研究を行った。356頭のうち、315頭が子宮卵巣摘出によって外科的に治療され、9頭は内科的に治療され、32頭は治療なしに安楽死された。外科治療された犬のうちで、臨床および検査データと入院期間の延長(3日以上)および/または腹膜炎の徴候との単変量的な関係を、カイ二乗およびフィッシャーの直接確率検定によって解析した。ロジスティック回帰モデルが多変量的な関係の評価に用いられた。外科的に治療された犬における最も一般的にみられた合併症は腹膜炎(40頭)であり、ついで尿路感染(19頭)、創傷感染(8頭)、ぶどう膜炎(6頭)、心不整脈(5頭)であった。白血球減少症および発熱/低体温が腹膜炎のリスクの上昇と関連(それぞれ18倍と3倍)した。全身状態における中程度から重度の抑うつ、粘膜の蒼白、白血球減少症が入院期間の延長と関連(それぞれ7倍、3倍、3.5倍以上)した。

結論
:いくつかの臨床的に有用な指標は同定された。白血球減少が最も重要なマーカーであり、腹膜炎のリスクが18倍上昇することと関連し、入院期間が延長するリスクが3.5倍以上増加することと関連した。発熱/低体温、抑うつ、粘膜蒼白は腹膜炎および/または入院期間の延長のリスクの増加と関連した。この研究の結果は、外科治療をした子宮蓄膿症の雌犬における腹膜炎の同定のために有用であり、発生率の増加を予測する可能性がある。 

Ros, Linnea, Bodil Ström Holst, and Ragnvi Hagman.
"A retrospective study of bitches with pyometra, medically treated with aglepristone." 
Theriogenology82.9 (2014): 1281-1286.

PubMedリンク
本文:無料公開(PDF

==アブストラクト===
 子宮蓄膿症は未避妊の雌犬で一般的な命に関わる疾患であり、子宮に対するホルモンによる影響と細菌感染の組み合わせによって起こる。治療の選択は卵巣子宮摘出術であるが、いくつかの内科治療の選択肢もある。抗菌薬との組み合わせによって用いられる一般的な内科的治療薬は、プロジェステロン受容体遮断薬、プロスタグランジン、ドパミン作動薬である。
 この研究の目的は、子宮蓄膿症の未避妊の雌犬にプロジェステロン受容体遮断薬であるアグレプリストンの治療を行なったあと、長期的な回復と繁殖能力を評価することである。
 スウェーデン農業大学動物病院(
University Animal Hospital, Swedish University of Agricultural Sciences)に9年間のうちに来院した子宮蓄膿症の未避妊の雌犬28頭のデータを回顧的に調査し、オーナーへの電話調査で追跡を行なった。雌犬はアグレプリストンを10mg/kgの用量で、中央値で4回の投与によって治療された。全ての雌犬は平均して23日間の抗菌薬の投与を受け、エンロフロキサシンが最も多く用いられた。膣からは大腸菌が最も頻繁に分離された。
 治療後6年までの結果を評価した。臨床的に健康な状態に回復した判断した回復率は75%(21/28)であり、再発率は48%(10/21)であった。治療後から再発までの平均期間は10.5ヶ月であった。治療後、交配した雌犬の69%(9/15)が子犬を出産した。治療が成功しなかった7頭のうち、6頭は子宮卵巣摘出を行い、1頭は安楽死を行なった。
 結論として、抗菌薬と組み合わせたアグレプリストンの治療の成功率は75%で、再発率は48%であった。

==本文から===
※利益相反の開示見当たらず、企業関与も不明

・平均年齢±SD:5.5歳±3.8 範囲:1歳ー14歳
平均体重±SD:23.0kg±16.0 範囲:3kgー64kg


==訳者補足===
・抗菌薬との組み合わせによる治療効果なので、純粋にアグレプリストンの治療効果を反映した結果とは言えないと思いますが、無治療や抗菌薬単独の治療との比較は倫理的に難しいので仕方がないのかと思います。



 

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