ねころんで探せる小動物医療のジャーナルクラブ

小動物臨床の獣医師が、臨床に役立ちそうな論文情報をちょっとづつアップします。ねころんでいても論文検索ができればいいなと。

カテゴリ: 微生物

Tsvetanova, Agata, et al.
"Melting corneal ulcers (keratomalacia) in dogs: A 5‐year clinical and microbiological study (2014–2018)." 
Veterinary Ophthalmology (2021).


PubMedリンク PMID:33794048
本文:無料公開なし

タイトル:犬の融解性角膜潰瘍(角膜軟化症);5年間の臨床および微生物学的研究(2014-2018)

==アブストラクト===
目的:犬の角膜軟化症に関連する細菌性病原体を同定し、それらの抗菌薬感受性をレビューし、微生物培養の結果と比較した臨床的な転帰を評価すること。

方法:2014-2018の間にイギリスのHertfordshireの紹介病院に来院し、融解性角膜潰瘍と診断された犬の臨床記録を回顧的に解析した。

結果:106頭の犬から110の融解性角膜潰瘍のサンプルが得られた。最も一般的な分離菌はPseudomonas aeruginosa(緑膿菌)(n=26)であり、ついでβ溶血性連鎖球菌(n=12)であった。コアグラーゼ陽性ブドウ球菌、大腸菌群、Pasteurella multocida、腸球菌、Streptococcus viridansが培養された融解性角膜潰瘍は少数であり、一緒に分析された(n=16)。複数の培養が9症例でみられた。47の培養では細菌の増殖が得られなかった。フルオロキノロンへの感受性は、β溶血性連鎖球菌以外では高いままであった。培養細菌による来院時の潰瘍の重症度に有意な差はなかった。全体で、63眼(57%)が、内科治療に加えて外科的な移植をうけた。14症例(13%)では、内科治療±外科治療を行ったにもかかわらず角膜の融解が進行し、眼球摘出を行う結果となった。摘出された眼球の57%(8/14)からは単一の緑膿菌が分離された。対照的に、β溶血性連鎖球菌に関連した潰瘍はすべて治癒した。

結論
:犬の角膜軟化症に関連す最も一般的な細菌腫は、緑膿菌とβ溶血性連鎖球菌であった。これらの2種間では抗菌薬感受性にばらつきがあるため、角膜軟化症を呈するすべての犬で細菌培養と感受性試験を実施する必要がある。緑膿菌単一の感染に関連する融解性角膜潰瘍は、他の細菌に関連する融解性角膜潰瘍よりも、眼球を喪失する可能性が有意に高かった。

Allen‐Deal, A., and D. Lewis.
"Prevalence of Clostridium perfringens alpha toxin and enterotoxin in the faeces of dogs with acute haemorrhagic diarrhoea syndrome." 
Journal of Small Animal Practice (2021).


PubMedリンク PMID:33723885
本文:無料公開なし

タイトル:急性出血性下痢症候群の犬の糞便中のウェルシュ菌のα毒素とエンテロトキシンの保有率

==アブストラクト===
目的:急性出血性下痢症候群の犬におけるウェルシュ菌α毒素をコードする遺伝子と、ウェルシュ菌エンテロトキシンをコードする遺伝子の保有率を調べること。

方法:以下の3つのグループの犬の糞便中のウェルシュ菌α毒素とウェルシュ菌エンテロトキシンの保有率を調べた後ろ向き研究;急性出血性下痢症候群の犬(n=16)、別の原因による出血性下痢の犬(n=17)、出血性下痢のない犬(n=10)。急性出血性下痢症候群の犬におけるウェルシュ菌α毒素および/またはウェルシュ菌エンテロトキシンと、急性患者生理学検査評価(APPLE)スコア、急性出血性下痢指数スコア、および入院期間の長さについての相関を評価した。

結果:ウェルシュ菌アルファ毒素の保有率は、他の原因の出血性下痢の犬(58.82%)および出血性下痢のない犬(60%)と比べて、急性出血性下痢症候群の犬(43.7%)で高くはなかった。ウェルシュ菌エンテロトキシンの保有率は、別の原因の出血性下痢の犬(11.76%)と比べて、急性出血性下痢症候群の犬(18.7%)で有意に高くはなかった。ウェルシュ菌エンテロトキシンの保有率は、急性出血性下痢症候群の犬と出血性下痢のない犬(20%)で類似していた。ウェルシュ菌α毒素の存在は、急性出血性下痢症候群の犬におけるAPPLEスコア、急性出血性下痢症候群指数スコア、または入院期間の長さを増加と相関することはなかった。

臨床的意義
:この研究は、他の原因の出血性下痢の犬または出血性下痢のないに比べて、急性出血性下痢症候群の犬でウェルシュ菌α毒素またはウェルシュ菌エンテロトキシンの保有率が増加するということを示さなかった。

Cochran, L., et al.
"Clinical characteristics and long‐term outcome of E. coli‐associated granulomatous ileocolitis in dogs: five cases (2010‐2014)." 
Journal of Small Animal Practice (2021).


PubMedリンク PMID:3366-270
本文:無料公開なし

タイトル:犬の大腸菌関連肉芽腫性回結腸炎臨床的特徴と長期転帰;5症例(2010-2014)

==アブストラクト===
:犬の大腸菌関連肉芽腫性回結腸炎の臨床的特徴と長期転帰について記述すること。

方法:回腸と結腸でPAS陽性で粘膜浸潤性大腸菌がある犬の医療記録の回顧的レビュー。最初の細菌コロニー形成は、すべての犬で蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)を使用して評価され、結腸および/または回腸の培養が行われた場合にはそれにより裏付けされた。

結果:PAS陽性肉芽腫性回結腸炎のボクサー4頭とフレンチ・ブルドッグ1頭が評価された。すべての犬で経験的治療に抵抗性の慢性下痢があった。回結腸内視鏡により、粘膜の出血と潰瘍が回腸(3/4)と結腸(5/5)でみられた。回腸および結腸の粘膜内に大腸菌のクラスターが視認された。フルオロキノロンへ完全(4/5)または部分的(1/5)な臨床的反応が、すべての犬で30日以内にみられた。完全寛解は4頭中3頭で維持された(無病期間の中央値 40ヶ月;範囲16-60)。2頭ではフルオロキノロンの投薬中に再発がみられた。再バイオプシーによって、多剤耐性の粘膜浸潤性の大腸菌が回腸(1/2)および結腸(2/2)で検出された。両方の犬で、標的化された抗菌薬療法が長期的な部分寛解(78ヵ月)と関連した。

臨床的意義
:回腸と結腸における大腸菌関連肉芽腫性炎症の併発は、積極的に診断と治療を行った犬における肉芽腫性大腸炎の古典的な標準的ケアに対する反応の欠如または臨床的に不良な転帰に影響を与えることはなかった。臨床的転帰は抗菌薬の耐性によって影響をうけ、反応は感受性試験によって示された抗菌薬両方に依存していた。

Dazio, Valentina, et al.
"Acquisition and carriage of multidrug‐resistant organisms in dogs and cats presented to small animal practices and clinics in Switzerland." 
Journal of Veterinary Internal Medicine (2021).


PubMedリンク PMID:33527554
本文:無料公開あり(全文

タイトル:スイスの小動物病院/診療所に来院した犬と猫における多剤耐性病原体の獲得と輸送

==アブストラクト===
背景:多剤耐性病原体の出現と蔓延は、ヒトと動物の健康の脅威となる。

目的:スイスの動物病院/診療所に来院した犬と猫における多剤耐性病原体の輸送についての獲得、有病率、およびリスク因子を評価すること。

動物:4つの獣医病院と1つの診療所に来院した家庭飼育の犬(n=183)と猫(n=88)。

方法:前向き、縦断、観察研究。来院時に口鼻および直腸吸わスワブを採取し、そのうち69%の動物は退院時にもサンプルを採取した。メチシリン耐性(MR)ブドウ球菌とマクロコッカス、セファロスポリナーゼおよびカルバペネムマーゼ産生(CP)エンテロバクターを分離した。分離株の遺伝的関連性は、反復配列ベースのポリメラーゼ連鎖飯能と多遺伝子座配列タイピングによって評価した。多剤耐性病原体の獲得と輸送に関しては、アンケートと入院データを元に解析した。

結果:ペットの多剤耐性病原体の来院時有病率は、15.5%(95%信頼区間 11.4-20.4)であった。退院時の有病率は32.1%(25.5-39.3)であり、獲得率は28.3%(22-35.4)であった。院内感染の主な分離株は、拡張型βラクタマーゼ産生大腸菌(ESBL産生大腸菌 17.3%)、βラクタマーゼ産生肺炎桿菌(13.7%)であった。1つの施設では、セファロスポリナーゼ/カルバペネマーゼ産生と高度に関連した24のクラスターが同定された。多変量解析で、診療所1における入院(オッズ比 5.1;95%信頼区間1.6-16.8)と入院日数(入院3-5日;オッズ比 4.4;1.8-10.9、入院>5日;オッズ比 6.2;1.3-28.8)が、犬の多剤耐性病原体の獲得のリスク因子として同定された。

結論
:獣医病院は、獣医患者間における多剤耐性病原体の選択と伝播に重要な役割をおっている。

Perley, Kimberly, et al.
"Retrospective evaluation of outpatient canine parvovirus treatment in a shelter‐based low‐cost urban clinic." 
Journal of Veterinary Emergency and Critical Care 30.2 (2020): 202-208.


PubMedリンク PMID:32096333
本文:無料公開なし

タイトル:シェルターベースの都会の低コスト診療所における外来患者のイヌパルボウイルス治療についての回顧的評価

==アブストラクト===
目的:シェルターベースの都会の低コスト診療所で行われたイヌパルボウイルス(CPV)の外来患者治療プロトコルを用いた際の生存と関連するリスク因子を評価すること。

デザイン:回顧的研究。

施設:ペンシルバニア州動物虐待防止教会。

動物:2016年1月から7月までに来院したCPV陽性の犬95頭。入院治療が経済的に困難であり、犬が外来診療に対して医学的に安定しているとみなされた場合に、飼い主は外来診療を選択した。

介入:なし。

測定と主な結果:CPV陽性の犬95頭中、79頭(83%)が生存した。ロジスティック回帰では、治療前に臨床徴候があった日数(オッズ比3.15、p=0.020)と治療中の体重の増加(オッズ比1.29、p=0.027)が、生存と有意に関連した。来院時の低体温(<37℃)は、生存と有意な負の関連をしめした(オッズ比 0.002、p=0.002)。

結論と臨床的意義
:このクリニックにおける生存率は、外来患者プログラムが入院治療の代替となる可能性を示唆している。治療前の臨床徴候の期間の長さと、治療期間中の体重の割合の増加は、生存転帰の増加と関連しているようであり、来院時の低体温は生存転帰の減少と関連しているようである。

Werner, Melanie, et al.
"Effect of amoxicillin‐clavulanic acid on clinical scores, intestinal microbiome, and amoxicillin‐resistant Escherichia coli in dogs with uncomplicated acute diarrhea." 
Journal of veterinary internal medicine 34.3 (2020): 1166-1176.


PubMedリンク PMID:32324947
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タイトル:合併症のない急性下痢の犬における臨床スコア、腸管細菌叢、およびアモキシシリン耐性大腸菌に与えるクラブラン酸
アモキシシリンの影響

==アブストラクト===
背景:有効性の根拠は限られているものの、抗菌薬治療は合併症のない急性下痢の犬に対していまだに頻繁に処方されている。

目的:急性下痢の犬において、クラブラン酸アモキシシリンが臨床的有効性をもつかどうか、糞便細菌叢への影響、およびアモキシシリン耐性大腸菌の割合、について評価すること。

動物:3日未満の急性下痢の犬16頭。

方法:前向きプラセボ対照二重盲検研究。家庭飼育犬を抗菌薬グループとプラセボグループにランダムに割り付け、臨床スコアを比較した。定量的PCR活性をもちいて腸管の細菌叢を分析した。アモキシシリン耐性の糞便大腸菌は、微生物学的手法を用いて半定量的に評価した。

結果
:治療群と対照群との間で臨床的な回復に差はなかった(10日目の犬急性下痢重症度指数:抗菌薬グループ 中央値 2[範囲 1-3、信頼区間 1.4-2.6]、プラセボグループ中央値 1.6[範囲 1-3、信頼区間 1.1-2.4]、p>0.99)。すべての犬が、来院後1-6日(中央値2日)で正常な臨床スコア(犬急性下痢重症度指数 ≦3)に回復した。糞便腸内毒素症指数(治療中:抗菌薬グループ 平均-2.6[SD 3.0、信頼区間 -5.1-0.01]、プラセボグループ均-0.8[SD 4.0、信頼区間 -4.2-2.5]またはその細菌分類群に有意な差はなかった。耐性糞便性大腸菌の割合は、クラブラン酸アモキシシリンによる治療中に増加し(中央値100%、範囲35-100%)、治療後3週間まで増加したまま(中央値10%、範囲2-67%)であり、それらは両方とも、いずれの時点でのプラセボグループよりも有意に高い割合であった(治療中 抗菌薬グループ中央値100% vs プラセボグループ中央値0.2%[p<0.001]、治療後 抗菌薬グループ中央値10% vs プラセボグループ中央値0.0%[p<0.002])。

結論と臨床的意義
:この研究により、クラブラン酸アモキシシリンによる治療は急性下痢の犬に対して臨床的利益がなく、治療後3週間も続くアモキシシリン耐性大腸菌の発生の素因となることが示唆された。これらの所見は、敗血症の徴候がない限り下痢の犬に抗菌薬で治療をすべきではないという国際ガイドラインの推奨を支持する。

Langlois, Daniel K., Amy M. Koenigshof, and Rinosh Mani.
"Metronidazole treatment of acute diarrhea in dogs: A randomized double blinded placebo‐controlled clinical trial." 
Journal of veterinary internal medicine 34.1 (2020): 98-104.

PubMedリンク PMID:31742807
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タイトル:犬の急性下痢のメトロニダゾール治療;ランダム化二重盲検プラセボ対照臨床試験

==アブストラクト=== 
背景
:メトロニダゾールは急性下痢の犬に一般的に投与されているが、この治療を支持する根拠は限られている。

目的
:急性の非特異的な下痢のある犬におけるメトロニダゾール投与の影響を調査すること。

動物
:31頭の犬、試験犬14頭と対照犬17頭を含む。

方法
:ランダム化対照臨床試験。通常の糞便検査で原因が特定できなかった急性下痢の犬を、メトロニダゾール治療(10-15mg/kg po 12時間毎 7日間)またはプラセボ投与に、ランダムに割り付けた。糞便培養とウェルシュ菌(Clostridium perfringens)の分離を行なった。飼い主は投薬と糞便スコアの記録を続け、7日目に糞便の診断検査を再度行なった。

結果
:下痢が改善する解消するまでの平均時間±標準偏差は、対象犬(3.6±2.1日)よりも試験犬(2.1±1.6日)の方が短かった(p=0.04)。急性下痢の発生機序とC.perfringensとの関係性の可能性は検出されなかったが、7日目に試験犬では3/13頭(23.1%)でのみC.perfringensのキャリアであり、対象犬では11/14頭(78.6%)が持続的な発育があった(p=0.007)。

結論と臨床的意義
:この結果は、メトロニダゾール治療は、急性の非特異的下痢のある犬の一部で下痢の期間を短縮させ、糞便中培養によるC.perfringensの検出を減少させることを示唆している。多くの犬では治療にかかわらず数日で下痢が治るため、こうした目的でのメトロニダゾールのルーチンな使用の利益とリスクについての評価には、さらなる研究が必要である。
 

DeStefano, Ian M., et al.
"Parenterally administered vancomycin in 29 dogs and 7 cats (2003‐2017)." 
Journal of veterinary internal medicine (2019).

PubMedリンク PMID:30499215
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タイトル:犬29頭と猫7頭におけるバンコマイシンの非経口投与(2003-2017年)

==アブストラクト===
背景:バンコマイシンはヒトの耐性細菌感染症を治療するために一般的に使用される。ヒトにおけるバンコマイシンの有害事象の報告には、急性腎障害(AKI)、好中球減少症、および全身性のアレルギー反応がある。ヒトのバンコマイシン耐性の細菌感染の発生率の増加を考えると、バンコマイシンの制限のための支持は成長している。

目的:大学の教育病院におけるバンコマイシン静脈投与の使用について評価し、可能性のある有害事象について記述すること。

動物:犬29頭と猫7頭。

方法:2003年1月から2017年10月の間にフォスター小動物病院においてバンコマイシン静脈投与による治療を行った犬と猫の医療記録を再調査した。情報にはシグナルメント、感染源、バンコマイシン投与、潜在的な有害事象、および転帰について記録した。

結果:バンコマイシンは様々な感染源の治療に、様々な投与量で使用された。最も多く分離されたバンコマイシン感受性の細菌には、Enterococcus sp.(11/36, 30.6%)、メチシリン耐性Staphylococcus aureus(8/36,22.2%)、メチシリン耐性Staphylococcus pseudintermedius(2/36,5.6%)があった。急性腎障害がバンコマイシン投与期間中に6/36頭(16.7%)でみられたが、疾患の重症度、他の腎毒性のある治療、またはその両方により、いずれの患者でも急性腎障害がバンコマイシンの治療に寄与していると決めることはできなかった。好中球減少症またはアレルギー反応は、いずれの動物でもみられなかった。36頭中2頭(5.6%)で、感受性データはバンコマイシンの感受性のみの感染を記録した。多くの患者は生存して退院した(25/36, 69.4%)。

結論と臨床的重要性
:バンコマイシンに起因し得る有害事象は、犬と猫ではめったになかった。ほとんどの患者で、代替の有効な抗菌薬の可能性があり、バンコマイシンの治療を指示する感受性データは欠如していた。 

Kompare, B., et al.
"Randomized masked controlled clinical trial to compare 7-day and 14-day course length of doxycycline in the treatment of Mycoplasma felis infection in shelter cats." 
Comparative immunology, microbiology and infectious diseases36.2 (2013): 129-135.

PubMedリンク PMID:23246249
本文:無料公開なし

タイトル
:シェルターの猫のマイコプラズマ・フェリス感染の治療におけるドキシサイクリンの7日間と14日間の治療期間を比較するためのランダム化マスク対照臨床試験

==アブストラクト===
この研究の目的は、臨床スコア基準を用いて評価された上気道疾患の臨床徴候のあるマイコプラズマ・フェリス(Mycoplasma felis)感染の猫の治療に対するドキシサイクリンの7日間と14日間の治療期間の微生物学的効果を比較することである。

猫は、ドキシ−7群(n=20、経口ドキシサイクリン7日間ののちプラセボ7日間)またはドキシ-14群(n=20、経口ドキシサイクリン14日間)。1日目と7日目では両群のマイクプラズマ荷重に有意な差はなかったが、14日目ではドキシ-14群においてマイコプラズマ荷重が低かった(p=0.01)。どちらの群でも、1日目から7日目にかけてマイコプラズマ荷重は減少したが(p<0.01)、ドキシ-14群だけが1日目と比較した14日目のマイコプラズマ荷重が有意に減少した(p<0.001)。14日目には、ドキシ-7群の11頭(55%)とドキシ-14群の5頭(25%)がマイコプラズマ・フェリスのPCRの結果が陽性であった。いずれの群でも1日目から7日目にかけて、眼脂、鼻汁、外見、および摂食のスコアが有意に減少した(p<0.01、それぞれのスコアカテゴリーで)。鼻汁スコアとくしゃみスコアは、8日目kら14日目の間の各日において、ドキシ-7群よりもドキシ-14群で統計学的に低かった(p<0.05)。

我々は、上気道疾患の臨床徴候のあるマイコプラズマ・フェリス感染の猫において、14日間の経口ドキシサイクリンの治療は、7日間の治療に比べて微生物学的にには優れているが、臨床的な結果をもたらさなかった、と結論づけた。

Lyoo, Kwang-Soo, et al.
"Identification of canine norovirus in dogs in South Korea."
 
BMC veterinary research 14.1 (2018): 413.

PubMedリンク PMID:30577780
本文:無料公開あり(全文

タイトル:韓国におけるイヌノロウイルスの同定

==アブストラクト===
背景:イヌノロウイルスは、遺伝子群GⅣ、GⅥ、GⅦに分類され、2007年にイタリアで腸炎のあるイヌで最初に見つかって以来、犬の糞便サンプルから検出されている。ペット動物は家族にとって欠くことのできない存在であり、人獣共通感染症の原因となる可能性があるため、イヌノロウイルスは公衆衛生上の懸念となる可能性がある。それにもかかわらず、韓国におけるイヌノロウイルスの疫学に関する報告はこれまでない。この研究では、犬でイヌノロウイルスを検出し、イヌノロウイルスへの血清学的な反応について調べることを目的とした。

結果:韓国の地理的に異なる地域において、動物診療所と自由に歩き回る犬のシェルターから、全部で459の糞便サンプルと、427の血清を収集した。イヌノロウイルスの検出のために、標的特異的プライマーを用いたRT-PCRを行い、イヌノロウイルス分離株のヌクレオチド配列を系統学的に分析した。血清陽性率はPドメイン蛋白に基づくELISAによって実施した。イヌノロウイルスは犬の糞便サンプル(14/459、3.1%)で検出され、系統学的に以前に報告された遺伝子群GⅣイヌノロウイルスと同じクラスターに分類された。血清陽性率を行い、すべての犬の血清サンプル427中68(15.9%)でイヌノロウイルス IgG抗体に陽性だった。

結論
:これは韓国の犬の集団におけるイヌノロウイルスを特定した最初の研究である。

 

Soma, Takehisa, et al.
"Detection of Norovirus and Sapovirus from diarrheic dogs and cats in Japan."
 
Microbiology and immunology 59.3 (2015): 123-128.

PubMedリンク PMID:25545754
本文:無料公開あり(全文

タイトル:日本における下痢の犬と猫のからのノロウイルスとサポウイルスの検出

==アブストラクト===
 ノロウイルスとサポウイルスは、ヒトの下痢の重要な原因である。この研究では、2007年から2014年の間に、下痢のある犬97頭と猫83頭から糞便サンプルを収集し、それを調べて日本におけるノロウイルスとサポウイルス感染の有病率を決定した。カリシウイルスを検出するために、ポリメラーゼ遺伝子を標的とする約300塩基をRT-PCRを用いて増幅し、系統発生分析および相同性分析に供した。特異的なPCR産物が、4頭の犬と9頭の猫のサンプルから得られた。2頭の犬と1頭の猫の分離株はノロウイルスと分類され、2頭の犬の分離株はサポウイルスに分類され、残りの8頭の猫の分離株はベシウイルスとして分類された。3つのノロウルス分離株は、既知の犬および猫のノロウイルスの分岐群として分類された。それらの相同性(75.9-92.3%)は、ヒト遺伝子群Ⅳノロウイルスのもの(59.1-65.9%)よりも高かった。猫のノロウイルス分離株と過去に報告された猫ノロウイルス分離株との相同性は、特に高かった(91.7-92.3%)。サポウイルスに関して、2頭の犬の分離株が既知の犬サポウイルスの分岐群に分類され、その相同性(72.5-86.5%)は他の哺乳動物のサポウイルスとのもの(20.7%-58.0%)よりも高かった。8頭の猫のベシウイルス分離株は、猫カリシウイルスと推定された。この研究は、日本における犬と猫のノロウイルス感染およびサポウイルス感染の存在についての最初の報告である。結果は、日本の犬および猫の間でノロウイルスとサポウイルスの種特異的な循環が存在していることを示唆している。
 

Summa, Maija, Carl-Henrik von Bonsdorff, and Leena Maunula.
"Pet dogs—A transmission route for human noroviruses?."
 
Journal of clinical virology 53.3 (2012): 244-247.

PubMedリンク PMID:22244255
本文:無料公開なし

タイトル:ペット犬-ヒトノロウイルスの伝染経路?
 
==アブストラクト===
背景:ヒトノロウイルスはあらゆる年齢層で世界中で下痢疾患の主な原因のひとつである。ウイルス感染はヒトからヒトへの糞便-経口経路を介して、または汚染された食物、水、もしくは表面を介して起こり得る。ヒトの間で循環している最も一般的なノロウイルス株は遺伝子群GⅡに属する。これまでのところ、我々の知る限りで、ペットにヒトノロウイルスが検出されたということはない。

目的:我々は、ペット犬がヒトノロウイルスのキャリアとして働き、それによって感染をヒトへ伝染させることができるかどうかを調べた。

研究デザイン:屋内のペット犬の92の糞便サンプルを集めた。サンプル収集の主な基準は、その世帯の犬またはヒトが下痢または嘔吐を患っていたことということであった。すべてのサンプルで、ヒトノロウイルス遺伝子群GⅠ、GⅡ、およびGⅣに対して、リアルタイムワンステップRT-PCRによるクリーニングを行った。 

結果:徴候のあるヒトと直接接触していたペット犬のサンプルの4つからヒトノロウイルスが検出された。陽性サンプルのうち3つは遺伝子型GⅡ.4変異体2006bまたは2008であり、1つはGⅡ.12であった。ヒトのノロウイルス陽性の犬はすべて小さい子供のいる家で暮らしており、2頭の犬は軽度な徴候を示していた。

結論
:われわれの結果は、ヒトノロウイルスが犬の消化管内で生存できることを示唆している。 これらのウイルスが犬の中で増殖できるかどうかは未解決であるが、ヒトが感染するノロウイルスの伝染においてペット犬の関係が役割を担っていることは明らかである。

 

Caddy, Sarah L., et al.
"Evidence for human norovirus infection of dogs in the UK."
 
Journal of clinical microbiology (2015): JCM-02778.

PubMedリンク PMID:25832298
本文:無料公開あり(全文

タイトル
:イギリスにおけるヒトノロウイルスの犬への感染の証拠

==アブストラクト===
ヒトノロウイルスはウイルス性胃腸炎の主な原因であり、イギリスでは年間推定300万件の症例がある。ヒトノロウイルスは最近ペット犬から分離されており、人獣共通感染症の可能性について関心が高まっている。イギリスの世帯の31%が犬を買っており、これは重要な感染経路であることが証明される可能性がある。このリスクを調べるために、犬の組織とヒトノロウイルスとの結合能力についてin vitroで調べた。さらに犬の糞便サンプルを
ウイルスの核酸について解析し、犬の血清サンプルを抗ヒトノロウイルス抗体の存在について検査した。

結果は、7つの異なる遺伝子型のヒトノロウイルスのウイルス様粒子が、犬の胃腸の組織と結合することができ、少なくとも理論上は感染が可能であることが示唆された。248頭の便のサンプルからはヒトノロウイルスのRNAはみられなかったが、犬の血清サンプルでは325頭中43頭で、過去のヒトノロウイルスへの暴露についての血清学的証拠が得られた。注目すべきことに、異なるヒトノロウイルスの遺伝子型への血清陽性率は、人の集団における血清陽性率を反映していた。細胞内への侵入や複製は証明されていないが、犬の血清学的データからは、犬がヒトノロウイルスに対して免疫学的応答を生じることを示唆しており、これは増殖的感染を暗示している。

結論として、この研究によりヒトノロウイルスに対する人獣共通感染症として暗示を明らかにしており、この所見の意義を明らかにするためには、さらなる疫学的および分子学的調査が必要である。 

McCallum, Katie Elizabeth, et al.
"Detection and seroprevalence of morbillivirus and other paramyxoviruses in geriatric cats with and without evidence of azotemic chronic kidney disease." 
Journal of veterinary internal medicine (2018).

PubMedリンク PMID:29572949
本文:無料公開あり(全文) 

タイトル
:高窒素血症性の慢性腎臓病の証拠のあるもしくはない高齢猫におけるモルビリウイルスと他のパラミクソウイルスの検出と血清陽性率

==アブストラクト===
 背景
:猫モルビリウイルス(FeMV)は、猫における尿細管間質腎炎の存在と関連しているが、イギリスにおけるFeMVの血清陽性率およびFeMVの存在と腎性高窒素血症との関連については不明である。

仮説/目的
:恒例の猫の尿検体にパラミクソウイルスが存在するかどうかを調べ、FeMV血清陽性率を評価するためのアッセイを開発すること。尿のパラミクソウイルス(FeMV含む)排出およびFeMV血清陽性率と高窒素血症性慢性腎臓病との間の関係について調べること。

動物
:79頭の猫(FeMV検出のために40頭、血清陽性率のために70頭)

方法
:回顧的横断的症例対照研究。RT-PCRのためにウイルスのRNAを尿から抽出した。PCR産物をウイルスの同定と比較のため配列決定をした。FeMVのNタンパク質遺伝子をクローニングし、部分的な精製を行い、ウエスタンブロットにより猫血清の抗FeMV抗体をスクリーニングするための抗原として使用した。

結果
:5つの異なるモルビリウイルス由来の猫モルビリウイルスRNAが同定された。 検出は、高窒素血症性CKD群の猫(1/16)と非高窒素血症群の猫(4/24)の間で有意な差はなかった(p=0.36)。3つの異なる非FeMVパラミクソウイルスが、非高窒素血症群でみられ、高窒素血症群ではみられなかったが、統計学的に有意ではなかった(p=0.15)。高窒素血症の猫の6/14(43%)と非高窒素血症の猫の40/55(73%)は血清陽性であった(p=0.06)。

結論と臨床的重要性
:イギリスの猫において猫モルビリウイルスが初めて検出された。しかし、ウイルスの有病率もしくは血清陽性率と、高窒素血症性CKDとの間に関連はなかった。これらの結果は、イギリスの猫においてFeMV感染が高窒素血症性CKDの発症に関連しているという仮説を支持しない。 

Chaitman, Jennifer, et al.
"Commentary on key aspects of fecal microbiota transplantation in small animal practice."
 
Vet Med-Res Rep 7 (2016): 71-74.

PubMedでは検索できず
本文:googlescholarからreseachgateで入手可能(全文) 

タイトル:小動物臨床における便微生物移植の重要な側面に関する解説

==アブストラクト===
犬、猫、そしてヒトを含む他の哺乳類の消化管は、健康を制御して維持する数百万もの有益な微生物を抱いている。 便微生物移植(FMT)は、
健康を改善するための補助として、健康な個体(ドナー)から疾患のある患者に、糞便を注入投与する方法である。ヒトにおいては腸管障害、特に再発性のクロストリジウム・ディフィシル感染症、の治療として便微生物移植は有効であるものの、獣医患者における便微生物移植の適応に関する科学的なデータは不足している。ここでは、小動物臨床における便微生物威力の重要な側面を概説する。

Burton, Erin N., et al.
"Evaluation of fecal microbiota transfer as treatment for postweaning diarrhea in research-colony puppies." 
Journal of the American Association for Laboratory Animal Science 55.5 (2016): 582-587.

PubMedリンク PMID:27657714
本文:無料公開あり(全文

タイトル
:研究コロニーの子犬における離乳後の下痢の治療としての便微生物移植の評価

==アブストラクト===
離乳時または直前に、研究環境の子犬はしばしば下痢疾患を起こし、それは日和見病原体を許容してしまう腸内微生物叢の未成熟および不安定性に起因している部分がある可能性がある。

この研究の全体的な目的は、便微生物移植が安定した成熟微生物叢の子犬への伝達を促進し、離乳後の下痢の発生率を減少させるかどうかをを評価することである。

子犬は同腹仔ごとに、治療(便微生物移植)と、偽治療とに指定された。便微生物治療群には、離乳期(6-8週齢時)から連続して5日間、糞便接種材料を経口投与した。離乳期間中の11日間、広報されているスコアリングシルテムに従って下痢を評価した。新鮮な便を、母犬および離乳3日前と離乳後3日、10日、24日後の子犬から採取し、16S rRNAアンプリコンシークエンシングを用いて糞便微生物叢の解析を行った。3-5℃で冷蔵した糞便接種材料の組成は、少なくとも5日間は安定していた。研究期間中、どちらのグループにも下痢は起こらず、治療群と対照群の比較は困難となった。しかし、16S rRNA遺伝子解析により、両群において時間経過による微生物叢の変動は明らかなとなった。

そのゆえ、いずれの指定された時点においていずれのグループの糞便微生物叢は母犬を反映していはいるが、このデータは、離乳後の子犬の糞便微生物叢の動的な成熟過程についての基礎的かる新しい情報を提供した。
 

Grellet, Aurélien, et al.
"Efficacy of guar gum-based ronidazole capsules as a treatment for Tritrichomonas foetus infection in cats." 
Journal of feline medicine and surgery 19.2 (2017): 177-184.

PubMedリンク PMID:26662037
本文:googlescholarからresearchgateで入手可能(全文

タイトル
: 猫のトリトリコモナスフェータスの治療としてのグアーガムベースのロニダゾールカプセルの有用性

==アブストラクト===
目的
:この研究の目的は、ロニダゾールのグアーガム被覆カプセルのin vitroでの薬剤放出を調べ、トリトリコモナスフェータス(Tritrichomonas foetus:T.foetus)にf自然感染した猫の治療として、この剤型の薬物動態と有効性を評価することである。

方法
:健康な5頭の猫と、T.foetusに感染した5頭の猫でのロニダゾールの薬物動態を評価した。次に、フランスのキャッテリーの感染猫47頭で、対照、無作為化、二重盲検試験を行い、これらのカプセルの臨床的有用性について評価した。この研究では、猫をロニダゾール治療群(n=25)もしくはプラセボ群(n=22)のいずれかに無作為に振り分けた。治療群の猫にはロニダゾール(30mg/kg)24時間毎、14日間の投与を行った。治療から14日後に、従来のPCRアッセイをもちいてT.foetusの存在を調べた。

結果
:薬物動態の研究では、健康な猫と感染猫において、遅延した血漿濃度のピークが観察され、これらの群間で有意な差はなかった(健康猫での最高血漿濃度到達時間[Tmax]の平均幾何平均は9時間、最高血漿濃度[Cmax]は21.6μg/ml、曲線下面積[AUC]は467.4/μg/h/ml;感染猫ではTmax 9.4時間、Cmax 17.1μg/ml、AUC 481μg/h/ml)。臨床試験では、試験終了時に治療群の猫の16%でT.foetusが検出され、プラセボ群では82%で検出された(p<0.001)。薬の副作用の臨床徴候は見られなかった。

結論と関連
:30mg/kg 1日1回 14日間のグアーガム被覆カプセルのロニダゾールの経口投与は、遅延した血漿濃度のピークを示し、多くの症例で感染を撲滅する。


==本文から==
著者の利益相反:なし


==訳者コメント===
補足:グアーガム(Guar Gum)とは、グアー豆のいわゆる胚乳(正確には子葉)部から得られる水溶性の天然多糖類のことである。食品添加物として認められており、増粘剤、安定剤、ゲル化剤として広く用いられている。(Wikipediaから抜粋・引用
 

Lim, Sun, et al.
"Efficacy of ronidazole for treatment of cats experimentally infected with a Korean isolate of Tritrichomonas foetus." 
The Korean journal of parasitology 50.2 (2012): 161.

PubMedリンク PMID:22711930
本文:無料公開あり(全文

タイトル
: 韓国で分離されたトリトリコモナスフェータスに実験的に感染させた猫の治療におけるロニダゾールの有効性

==アブストラクト===
トリトリコモナスフェータス( 
Tritrichomonas foetus:T・foetus)の治療としてのロニダゾールの有効性を評価するために、6頭のT・foetusに感染していない子猫に、韓国で分離されたT・foetusの株を実験的に感染させた。実験的な感染は直接鏡検、培養、単管ネストPCRによって確認し、全ての猫は感染後20日目までに糞便中にT・foetusの栄養型を示した。感染を実験的に誘導したあと30日目から、3頭をロニダゾール(50mg/kg 1日2回 14日間)で治療し、他の3頭はプラセボの投与をうけた。T・foetusの存在の有無のために、1週間に1回4週間、 修正ダイヤモンド培地を用いた直腸スワブサンプルの直接鏡検と培養により、各猫から得た糞便を検査した。培養結果を確定するために、T・foetusのrRNA遺伝子の存在を単管ネストPCRによて決定した。ロニダゾールの投与をうけた治療群の3頭すべてが、治療中の2週間と追跡期間の4週間中、この研究で用いた全ての方法でT・foetusが陰性の結果を示した。対照的に、対照群の猫からの直腸スワブでは、研究期間を通して常にT・foetusが常に陽性であった。この研究により、韓国で分離されたT・foetus株に実験的に感染させた猫の治療として、ロニダゾール50mg/kg 1日2回 14日間の投与が有効であることを示された。

Gookin, Jody L., et al.
"Efficacy of ronidazole for treatment of feline Tritrichomonas foetus infection." 
Journal of veterinary internal medicine 20.3 (2006): 536-543.

PubMedリンク PMID:16734086
本文:無料公開あり(全文) 

タイトル:猫トリトリコモナス・フィータス(Tritrichomonas foetus)感染の治療のためのロニダゾールの有効性。

==アブストラクト===
目的;in vitroでのトリトリコモナス・フィータス(T・foetus)に対するロニダゾール、チニダゾール、メトロニダゾールの有効性と、自然発生性もしくは実験的に誘発されたT・foetus感染の猫の治療のためのロニダゾールの有効性を調べること。

動物:T・foetusに自然感染し下痢をしている猫。10頭の特定病原体除去(SPF)子猫。

方法:ロニダゾール、チニダゾール、およびメトロニダゾールについて、猫から分離されたT・foetusの3つの異なる株に対する活性をin vitroで試験した。その後、ロニダゾールを自然感染した猫に10mg/kg po q24hrで10日間投与した、SPF子猫を猫T・foetusに胃腸管感染させ、プラセボかロニダゾール(10mg/kg po q12hr 14日間)の投与で治療した。感染が再発した猫、もしくはプラセボの投与をうけていた猫は、その後ロニダゾール(30 or 50mg/kg po q12hr 14日間)で治療された。糞便は直接鏡検、培養、PCR検査によって、T・foetusの検査を毎週行った。

結果:ロニダゾールとチニダゾールの両方とも、in vitroで>0.1μg/mlの濃度のT・foetusを殺し、ロニダゾールは治療後85日間、下痢と感染をなくし、その時点で感染と下痢が再発した。ロニダゾールの再治療により、407日間下痢とT・foetus感染を根絶させた。実験的に誘発された感染では、ロニダゾール10mg/kgは初期に改善を引き起こしたが、5頭すべてで治療後2-20週間で感染が再発した。30 or 50mg/kgでは、10/10頭の猫で、治療後21-30週間の追跡期間中T・foetusg陰性であった。

結論と臨床的関連:30-50mg/kg q12hr 14日間のロニダゾールの経口投与は、1頭の自然感染の猫と10頭の実験的に異なる分離株のT・foetusを摂取された猫において、下痢を改善し、感染を根絶した。


==訳者コメント===
in vitroの実験と、1頭の臨床症例での治療効果(症例報告)と、10頭の実験的感染による治療効果の研究が全部のせになっていて、わかりにくい論文ですね。
せめて症例報告は省けばよかったのにと思ってしまいます。


 

Xenoulis, Panagiotis G., et al.
"Intestinal Tritrichomonas foetus infection in cats: a retrospective study of 104 cases."
 
Journal of feline medicine and surgery 15.12 (2013): 1098-1103.

PubMedリンク PMID:23828083
本文:無料公開なし

タイトル
:猫の腸管トリトリコモナスフェータス感染;104症例の回顧的研究 

==アブストラクト===
 トリトリコモナスフェータス(Tritrichomonas fetus:T・fetus)に感染した猫の臨床徴候と治療への反応は、多数のペット猫において十分に記述されていない。この研究の目的は、 腸管
T・fetus感染と診断されたペット猫から臨床的データを収集し解析することである。T・fetusのPCR検査で陽性の猫104頭から臨床情報を収集した。最も一般的な臨床徴候は下痢(98%)であり、期間の中央値は135日(範囲 1-2880日)であった。83頭中49頭(59%)の猫が、家に来た時から下痢があった。その他の臨床徴候には、食欲不振(22%)、抑うつ(24%)、体重減少もしくは体重増加しない(20%)、嘔吐(19%)、腹痛(9%)、および食欲増加(3%)が含まれた。45頭の猫がロニダゾールの治療を完了し、そのうち29頭(64%)が良好な臨床的反応を示した。16頭(36%)の猫は部分改善または改善せず、もしくは治療中止後短期で再発した。 

Jenkins, S., et al.
"Efficacy of Minocycline in Naturally Occurring Nonacute Ehrlichia canis Infection in Dogs." 
Journal of veterinary internal medicine 32.1 (2018): 217-221.

PubMedリンク PMID:29197122
本文:無料公開あり(全文) 

タイトル:犬の自然発生性非急性エールリヒアキャニス感染におけるミノサイクリンの有用性

==アブストラクト===
背景:犬のエールリヒアキャニスの治療においてミノサイクリンはドキシサイクリンの代替としてしようされており、推奨されている治療である。しかし、この代替両方の有効性は不明である。

目的:自然発生性の犬のエールリヒアキャニス感染の治療におけるミノサイクリンの有用性を評価すること。

動物:血液PCRでエールリヒアキャニス陽性の雑種の飼育犬10頭。

方法:前向きランダム化臨床研究。PCRでエールリヒア陽性の犬を犬舎環境に収容し、ドキシサイクリン10mg/kg po 1日1回(”ゴールドスタンダード”対照群)もしくはミノサイクリン(extralabel) 10mg/kg po 1日2回(治療試験群)の28日間投与のいずれかにランダムに振り分けた。治療開始1日目から、投与終了の7日後の35日目まで毎週血液を採取して、エールリヒアキャニスDNAの有無を調べるためにPCRによって分析した。

結果:両群において、1頭の犬が治療開始後7日で検査陰性であった。ドキシサイクリン群では、PCRで陰性となった最短期間は治療の3週間後であった。ミノサイクリン群では、最短期間が治療の28日後であった。すべての犬で治療終了後7日目には検査が陰性であった。

結論と臨床的重要性
:ミノサイクリンは非急性感染において血液中からエールリヒアキャニスの清浄をするために、ドキシサイクリンの有効な代替となり得る。
 

Tress, Barbara, et al.
"Bacterial microbiome of the nose of healthy dogs and dogs with nasal disease." 
PloS one 12.5 (2017): e0176736.

PubMedリンク
本文:無料公開(PDF

==アブストラクト===
 犬の鼻疾患における細菌群の役割は、これまでのところ次世代配列決定法を用いた研究はされていない。細菌の16S rRNA遺伝子の配列決定により、犬の上気道には多様な微生物群は存在することになった。しかし鼻疾患の犬における鼻の細菌叢の組成の変化について、これまで記載されていない。この研究の目的は健康な犬の細菌叢の特徴を明らかにし、それを鼻腔腫瘍もしくは慢性鼻炎が組織学的に確定した犬と比較することである。
  鼻のぬぐい液を健康な犬(n=23)、鼻腔内の悪性腫瘍をもつ犬(n=16)、慢性鼻炎の犬(n=8)から採取した。細菌のDNAと抽出し、細菌16S rRNA遺伝子の配列決定を行った。データは微生物生態学への定量的分析(QIIME)を用いて分析した。26の細菌門から376の操作分類単位の細菌が検出された。健康な犬では、モラクセラ属(Moraxella spp.)が最も一般的な種であり、次いでフィロバクテリウム属(Phyllobadterium spp.)、カーディオバクテリア科(Cardiobacteriaceae)、ブドウ球菌属(Staphylococcus spp.)が多かった。一方で、疾患のある犬では健康な犬に比べてモラクセラ属が有意に減少しており(P=0.005)、パスツレラ科は有意に増加していた(P=0.001)。健康な犬の鼻の微生物群と疾患を持つ犬の鼻の微生物群を比較した場合、
unweighted UniFrac distance metric(p=0.027)に用いられた類似点の分析は有意に異なっていた。
 この研究では、犬の鼻腔には多くの種の豊富な細菌叢が生育していることが示され、健康な犬の鼻腔の細菌叢と鼻疾患を持つ犬の鼻腔の細菌叢には有意な差があることが示唆された。 

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