ねころんで探せる小動物医療のジャーナルクラブ

小動物臨床の獣医師が、臨床に役立ちそうな論文情報をちょっとづつアップします。ねころんでいても論文検索ができればいいなと。

カテゴリ: 神経

Foreman, Max, et al.
"Serum C‐reactive protein in dogs with paraplegia secondary to acute intervertebral disc extrusion." 
Journal of Veterinary Internal Medicine (2021).

PubMedリンク PMID:
34085305
本文:無料公開あり(全文

タイトル:急性椎間板突出による対麻痺のある犬における血清C反応性タンパク

==アブストラクト===
背景:痛覚の消失を除けば、急性椎間板突出に続発する対麻痺のある犬の予後予測に容易に利用できる検査はない。

目的:椎間板突出の外科治療を行った対麻痺のある犬において、血清C反応性タンパク(CRP)が術後の転帰を予測するかどうかを評価し、血清CRPと入院時の痛覚の有無、および血清CRPtおMRIにおける脊髄内の変化の有無、との関連について評価すること。

動物:2018年から2020年の間に私たちの病院で、椎間突出に続発する対麻痺のために手術をうけ、血清CRPの測定を行った犬100頭。

方法:回顧的観察コホート研究。犬は痛覚の有無によって修正フランケルスコアによる4または5に分類された。MRI画像をレビューし、T2強調像高信号:L2椎体長を測定した。術後の転帰は減圧手術後の痛覚、歩行、またはその両方がもどった時に良好と定義した。

結果
:CRPの中央値(95%信頼区間)は、修正フランケルスコア4の犬で4mg/L(4-5)、スコア5の犬で6mg/L(4-7)であった(p=0.03)。CRPとT2強調像高信号:L2椎体長の間には弱い線形相関(R2=0.049、p=0.03)がみられた。転帰に関するデータは85頭で入手可能であり、転帰良好な犬のCRPは4mg/L(4-5)、転帰不良な犬のCRPは5mg/L(4-10)であった(p=0.32)。

結論と臨床的意義
:血清CRPは、椎間板突出による対麻痺の犬の術後の転帰を予測しなかった。



Bresciani, Luca, et al.
"Lumbosacral intervertebral disk extrusions in 13 dogs." 
Veterinary Surgery 50.4 (2021): 823-832.


PubMedリンク PMID:33749866
本文:無料公開なし

タイトル:腰仙部椎間板突出の犬13頭

==アブストラクト===
目的:腰仙部椎間板突出のを外科的に治療した犬臨床徴候、MRI所見、および転帰について記述すること。

研究デザイン:回顧的研究。

動物:犬13頭。

方法:腰仙部椎間板突出と術中にあっ苦呈された犬の記録とMRI検査をレビューした。胸腰部椎間板突出のMRIの特徴をすべての症例に適応した。術後の転帰については、優良、良好、不良のいずれかとして主観的に評価した。

結果:すべての犬で、腰仙部の痛みと神経根徴候が急性または亜急性に発症した。7頭で神経学的異常がみられた。MRIにより、全ての犬で片側性の椎間板ヘルニア物質と部分的から完全な椎間板の変性がみられた。10頭では、硬膜外の物質は椎間板腔から頭側および/または尾側へと広がっていた。すべての犬でL7-S1背側椎弓切除と突出した椎間板物質の除去が行われた。6頭では、炎症性の変化により手術は複雑となり、1頭では硬膜外脂肪織炎がみられた。術後4-6週間での再診では、経過は11頭で優良と判定され、残りの2頭では1頭で反対側の神経根徴候があり、脂肪織炎のあった1頭では歩行不能の不全麻痺があり、経過は不良と判定された。

結論:犬の腰仙部椎間板突出は、腰仙部痛と神経根徴候の急性/亜急性の発症と、MRI検査で変性したL7-S1椎間板上の側方化し、しばしば分散した硬膜外の物質、という特徴をもっていた。早期の背側椎弓切除による減圧は、一般的に良好な臨床転帰を招く。

臨床的意義
:これらの犬の臨床的特徴と画像の特徴の観察は、腰仙部椎間板突出を臨床的に疑うきっかけになるだろう。

Fenn, Joe, et al.
"Efficacy of hypophysectomy for the treatment of hypersomatotropism‐induced diabetes mellitus in 68 cats."
 
Journal of Veterinary Internal Medicine (2021).


PubMedリンク PMID:33624865
本文:無料公開あり(全文

タイトル:高ソマトトロピン症誘発性糖尿病の猫68頭の治療における下垂体切除術の有効性

==アブストラクト===
背景:高ソマトトロピン症は猫の認識が増加傾向の内分泌疾患であり、ほとんどが糖尿病と関連して記述される。

目的:猫の高ソマトトロピン症と糖尿病の治療における経蝶形骨下垂体切除術の有効性と安全性を評価すること。

動物
:経蝶形骨下垂体切除によって治療された高ソマトトロピン症と糖尿病の家庭飼育猫68頭。

方法:後ろ向きコホート研究。医療記録をレビューし、血糖コントロールと血清インスリン様成長因子-1(IGF-1)濃度を調べた。術後合併症、4週間以内の死亡、糖尿病の寛解の達成割合を記録した。生存期間と糖尿病がない期間を算出した。

結果:58頭の猫(85.3%)が術後4週間生存し、10頭(15%)が術後に死亡した。合併症には低血糖(n=9)、電解質の乱れ(n=9)、および一過性のうっ血性心不全(n=5)があった。55頭の猫(生存した猫58頭のうちの95%[手術を行った猫全体の81%])で糖尿病のコントロールが改善した。糖尿病の寛解は41頭(生存した猫58頭のうち71%[全体の60%])で得られ、中央値として9日(範囲2-120日)で糖尿病の投与が中止された。術後4週間でのIGF-1濃度の最下点は、糖尿病が寛解しなかった猫(中央値 324ng/ml [15-1955])よりも、寛解を達成した猫(20ng/ml[15-708])のほうが有意に低かった(p=0.03)。すべての猫で長期のレボチロキシンとヒドロコルチゾンの経口投与、デスモプレシンの結膜投与が行われた。糖尿病の再発は、中央値248日(範囲 84-1232日)で発生した。すべての猫の生存期間の中央値は853日(範囲 1-1740)であった。

結論と臨床的意義
:経蝶形骨下垂体切除は、高ソマトトロピン症と糖尿病の猫にとって有効な治療法であり、既存の選択肢とよりも長期転帰が比較的良い。

Herrmann, Ina, et al.
"Higher prevalence of seizure activity in a small population of atopic dogs: a retrospective breed‐and age‐matched study." 
Veterinary dermatology (2020).


PubMedリンク PMID:33245178
本文:無料公開なし

タイトル:アトピーの犬の小集団における発作の有病率の高さ;回顧的品種年齢調整研究

==アブストラクト===
背景
:アトピー性皮膚炎はヒトでは全身性疾患とみなされており、てんかんとの関連が示されている。しかし、犬においてはてんかんとアトピーの関連についてはこれまでデータがない。

目的
:人と犬のアトピー性皮膚炎の相同性、およびアトピーのヒトにおけるてんかんの有病率の増加を考慮して、犬の小さな集団における発作関連活動とアトピー性皮膚炎の関連性を調査した。

動物
:アトピーの犬34頭と品種と年齢の範囲を調整したアトピーではない犬34頭。

方法
:犬のアトピー性皮膚炎と発作徴候との関連を、回顧的、品種-年齢調整、症例対照研究によって調査した。犬の飼い主には標準化されたアンケートによって質問した。発作徴候の有無と、併発疾患の可能性について質問した。

結果
:アトピー性皮膚炎の犬34頭中7頭が発作に罹患していた。一方、アトピーのない犬34頭中1頭だけで発作の徴候が同定された。年齢と品種を調整したアトピーではない犬の対照グループと比較して、アトピー性皮膚炎は発作の高い頻度と関連しており(McNemar test、p=0.035;片側)、アトピーの犬は発作を起こすオッズ比が高かった(7;95%信頼区間 0.9-56.9)。他の併発疾患は検出されなかった。

結論と臨床的意義
:この小規模な回顧的研究では、アトピーの犬の集団では発作徴候の有病率は高く観察された。これらの結果を確認するためには、大規模な前向き研究が必要である。

Woelfel, Christian W., et al.
"Outcomes and prognostic indicators in 59 paraplegic medium to large breed dogs with extensive epidural hemorrhage secondary to thoracolumbar disc extrusion."
 
Veterinary Surgery (2021).


PubMedリンク PMID:33606895
本文:無料公開なし

タイトル:胸腰部椎間板ヘルニアに続発する広範囲硬膜下血腫のある中型から大型犬種の対麻痺の犬59頭における転帰と予後因子

==アブストラクト===
目的:胸腰部椎間板ヘルニアと広範囲の硬膜下血腫のある中型から大型犬種の対麻痺の犬で、ヘミラミネクトミーによる減圧後の転帰と予後因子を評価すること。

研究デザイン:回顧的コホート記述的研究。

動物:家庭飼育犬59頭。

方法:対麻痺のある広範囲硬膜下血腫の犬の医療記録と高度画像検査をレビューした。術後6ヶ月での歩行状態と術後合併症を記録した。多変量ロジスティック回帰モデルを構築して予後因子を探索した。

結果:来院時に後肢痛覚のある犬22頭と、痛覚のない犬37頭の記録を組み入れた。犬の年齢中央値は5歳齢(四分位範囲 4-7)であり、平均体重は26.9kg(標準偏差 ±9.71)であった。ラブラドールおよびラブラドール系雑種がもっとも多かった(17/59[28.8%])。歩行の回復は、手術前に痛覚があった犬の17/22頭(77.3%)と痛覚がなかった犬14/37頭(37.8%)でみられた。進行性脊髄軟化症は3/59頭(5.1%)で記録され、1頭は来院時に痛覚があった犬で、2頭は痛覚がなかった犬であった。術後合併症(14/59[23.7%])は一般的であった。転帰に独立して関連した因子には、臨床的重症度(オッズ比:0.179、p=0.005)、HASTEiでの信号遮断のある椎体の数(オッズ比 0.738、p=0.35)、およびHASTEiに減圧された椎体部位の割合(オッズ比 53.79、p=0.03)。

結論:広範囲硬膜下血腫があり対麻痺のある中型から大型犬は、胸腰部椎間板ヘルニアで対麻痺のある犬よりも、外科的減圧後の転帰が良好なことが少ない。

臨床的意義
:広範囲硬膜下血腫のある犬では、重篤な術後合併症を起こす可能性がある。痛覚の消失とHASTEiの増加は予後不良と関連し、一方でより広範囲の減圧が転帰を改善する。

Destri, A., et al.
"Value of thoracic and abdominal screening in dogs with neurological signs." 
Journal of Small Animal Practice (2021).


PubMedリンク PMID:33533484
本文:無料公開なし

タイトル
神経徴候のある犬における胸部および腹部スクリーニングの価値

==アブストラクト===
目的:神経徴候があるが胸部または腹部疾患に一致する臨床徴候または検査所見のない患者における臨床的に重要な胸腹部画像検査の異常の発生率を調べること。

方法:神経徴候があるが胸腹部徴候のなく、神経学的評価のための入院中に胸部または胸腹部のスクリーニングを行った犬の画像所見をレビューした。

結果:胸部の調査には206頭の犬が組み入れられた。それらのうち、8頭(3.9%)だけに臨床的に重要な所見ががあり、5頭(2.4%)だけにMRIで同定された疾患と関連した所見がみられた。腹部の調査には147頭が組み入れられた。異常は23頭(15.6%)でみつかり、8頭(5.4%)だけが臨床的に重要な病態であり、3頭(2%)のみでMRIで同定された疾患と関連した所見がみられた。超音波検査では、22頭で有益な追加情報が得られたが、そのうち重要とみなされたのは4頭(2.7%)のみであり、神経学的病態と関連したのは1頭(0.7%)のみであった。予想通り、腹部のスクリーニングでは腹部超音波検査により、レントゲン検査だけよりも多くの情報が得られたが、紹介理由に関連した、または臨床上重要であることはまれであった。

臨床的意義
:臨床的に胸部または腹部の臨床徴候のない神経学的患者における胸腹部のスクリーニングは、神経学的局在や年齢に関わらず、潜在的ではあるが治療プランを変更するような臨床的に重要な病態を同定することはまれである。

Berk, Benjamin A., et al.
"A multicenter randomized controlled trial of medium‐chain triglyceride dietary supplementation on epilepsy in dogs."
 
Journal of veterinary internal medicine 34.3 (2020): 1248-1259.


PubMedリンク PMID:32293065
本文:無料公開あり(全文

タイトル:犬のてんかんにおける中鎖脂肪酸栄養補助食品の多施設ランダム化比較試験

==アブストラクト===
背景:中鎖脂肪酸(中鎖トリグリセリド:MCT)が豊富な食事は、特発性てんかんのある犬で発作のコントロールと行動に良い影響を与えることがある。

目的:発作のコントロールと抗てんかん薬の副作用特性を評価するために、様々なベースの食事に追加する栄養補助食品として投与したMCTの短期的な有用性を評価すること。

動物:国際獣医てんかん特別委員会(IVETF)Ⅱレベルで特発性てんかんの診断をうけ治療されており、過去3ヶ月以内に3回以上の発作を起こしている犬28頭。

方法:6ヶ月間の多施設前向きランダム化二重盲検プラセボ比較クロスオーバー試験を行い、MCT栄養補助食品と対照栄養補助食品を比較した。9%の代謝エネルギーベースのMCTまたは対照オイルの量を、犬の食事に3ヶ月間添加し、続いて異なる3ヶ月間に対照オイルとMCTをそれぞれ投与した。この研究に登録された犬はIVETF Ⅱレベルによって述べられている特発性てんかんの診断の要求をほとんど満たした。オイル栄養補助食品、または調査対象の栄養補助食品もしくは慢性の抗てんかん薬の代謝に影響を与える可能性のある薬剤の投与を受けている場合、慢性の抗てんかん薬投与が調整された場合、てんかんの他の原因がみつかった場合には、研究から除外された。

結果
:MCT栄養補助食品を与えた犬は、対照の栄養補助食品を与えた犬に比べて、発作の頻度(中央値2.51回/月[0-6.67]vs 2.67回/月[0-10.45];p=0.02)と発作のある日の頻度(中央値1.68日/月[0-5.60]vs 1.99日/月[0-7.42];p=0.02)が有意に低かった。2頭で発作がなく、発作の頻度が3頭で50%以上、12頭で50%未満減少し、11頭では発作の頻度が変化なしまたは増加した。

結論と臨床的意義
:これらのデータは、対照オイルと比較したときのMCT栄養補助食品の抗てんかん特性を示しており、薬剤耐性を示すてんかんの犬の集団における栄養学的な治療オプションとしてのMCTの有用性に関する以前の根拠を指示している。

Gredal, Hanne, et al.
"Diagnosis and long‐term outcome in dogs with acute onset intracranial signs." 
Journal of Small Animal Practice 61.2 (2020): 101-109.

PubMedリンク PMID:31691284
本文:無料公開なし

タイトル:急性発症の頭蓋内徴候のある犬における診断と長期予後

==アブストラクト===
目的:一次獣医診療所において脳卒中を疑う急性発症の頭蓋内徴候のある犬を調べ、可能性のある鑑別疾患と長期予後を確立すること。さらに、可能性のある疾患バイオマーカとして血清CRPと血漿サイトカインを調べること。

方法:すべての症例は、神経学的検査、ルーチンの血液学的/生化学的検査、血清CRP、血漿サイトカイン濃度(インターロイキン-2、-6、-8、-10、TNF)の測定、および低磁場MRIによって評価された。

結果
:一次診療獣医師は、脳卒中を疑う85症例について調査員へ連絡した。20症例のみが組み入れ基準をみたした。これらのうち、2頭が虚血性脳卒中と診断された。ほかの原因には特発性前庭症候群(n=6)、脳腫瘍(n=5)、および炎症例疾患(n=2)があり、5頭では正確な診断がつけられなかった。中央生存期間は以下の通り;脳腫瘍 3日、特発性前庭症候群 315日、虚血性脳卒中 365日、炎症性中枢神経系疾患 468日。インターロイキン-2、-6、-8、-10、またはTNFの血漿濃度の中央値は、健康対照と比べて、いずれの疾患グループにおいても有意な上昇はなかった。血清CRPは、脳腫瘍と炎症性脳疾患で高かったが、いずれも参照範囲の上限を超えるものではなかった。

臨床的意義
:急性発症の頭蓋内疾患を示す犬では、虚血性脳卒中である可能性もあるが、他の原因である可能性のほうが高い。こうした急性発症の神経学的障害のある犬の多くは(脳腫瘍をのぞいて)、最初は重度の臨床的徴候にもかかわらず、数週間以内に回復する可能性がある。

Trub, Sarah A., et al.
"Use of C‐reactive protein concentration in evaluation of diskospondylitis in dogs." 
Journal of Veterinary Internal Medicine.


PubMedリンク PMID:33319417
本文:無料公開あり(全文

タイトル:犬の椎間板脊椎炎の評価におけるC反応性タンパクの利用

==アブストラクト===
背景:C反応性タンパク(CRP)は正の急性相タンパクであり犬の多くの炎症性病態で上昇する。血清CRP濃度は、人の化膿性脊椎炎の診断と予後における有用性で重要である。

仮説と目的:椎間板脊椎炎の犬の血清CRP濃度と臨床およびMRI所見との間に相関があるかどうか、およびCRPが予後を予測するかどうかについて調べること。

動物:MRIで椎間板脊椎炎と診断された家庭飼育犬18頭。

方法:回顧的研究により椎間板脊椎炎の犬のシグナルメント、臨床徴候、神経学的検査所見、白血球数、好中球数、血清グロブリン濃度、血清CRP濃度、レントゲン所見、MRI所見、細菌培養結果、および転帰について調べた。

結果:椎間板脊椎炎の検出において、血清CRP濃度は、発熱や白血球増加症よりも有意に高い感度を示した。血清CRP濃度は好中球数や高グロブリン血症よりも、より感度が高かった。単一病変と複数病変のある犬の間で、血清CRP濃度には有意な差はなく、蓄膿の有無、筋肉浸潤の有無、または脊髄圧迫の有無の間でも差はなかった。血清CRP濃度と細菌培養陽性との間にも関連はみられなかった。

結論と臨床的意義
:CRPは椎間板脊椎炎に対して感度が高いが、非特異的なバイオマーカーであり、疑わしい臨床徴候のある患者で補助的な診断検査として有用であり、予後の予測に役立つ可能性がある。

Bray, Kathryn Y., et al.
"Continuous rate infusion of midazolam as emergent treatment for seizures in dogs." 
Journal of Veterinary Internal Medicine.


PubMedリンク PMID:33325618
本文:無料公開あり(全文

タイトル:犬の発作の救急治療としてのミダゾラムの持続注入

==アブストラクト===
背景:持続注入(CRI)によって投与されたミダゾラムは、群発発作またはてんかん重積の犬に有効となる可能性がある。

目的:群発発作またはてんかん重積の犬におけるミダゾラムCRIの使用と安全性を記述すること。

動物:群発発作またはてんかん重積で獣医教育病院に来院した家庭医飼育犬106頭。

方法:群発発作またはてんかん重積をミダゾラムCRIで治療した犬の医療記録の回顧的レビュー。

結果:群発発作が72頭、てんかん重積が27頭であった。発作のコントロールは、ミダゾラムのCRI投与をうけた犬106頭中82頭(77.4%)で達成された。発作のコントロールに関連した投与量の中央値は0.3mg/kg/hr(範囲 0.1-2.5)であった。CRIの投与時間の中央値は25時間(範囲 2-96)であった。発作のコントロールは、特発性てんかんの犬40頭中34頭(85%)、構造性てんかんの犬43頭中32頭(74%)、原因不明のてんかんの犬16頭中12頭(75%)で達成された。発作のコントロールは、群発発作の犬の81%、てんかん重積の犬の67%でラッセいされた(p=0.18)。特発性/原因不明のてんかんの犬は、構造性てんかんの犬よりも生存する確率が高かった(87% vs 63% P=0.009)。有害事象は24頭(22.6%)で報告され、すべての症例で軽度であった。

結論と臨床的意義
:ミダゾラムCRIは明らかに安全であり、群発発作またはてんかん重積の犬において有効な治療になり得る。

Kim, Y. J., et al.
"Atlantoaxial bands in small breed dogs: influence of external pressure by the endotracheal tube tie."
 
Journal of Small Animal Practice 61.3 (2020): 163-169.


PubMedリンク PMID:31960442
本文:無料公開なし

タイトル:小型犬種の環椎軸椎バンド;気管チューブのひもによる外部圧迫

==アブストラクト===
目的:尾側後頭骨形成不全が疑われる犬の集団における背側頸髄圧迫の有病率を調べること。気管チューブのひもが医原性に環軸領域の背側圧迫の比率を変化させているかどうかを調べること。

方法:頸部の限局した神経徴候で来院した15kg未満の犬についての前向き、ランダム化、対照、クロスオーバー、盲検、コホート研究。サジタルのT2強調像で頸部背側の圧迫と小脳の圧迫を評価した。頸部脊髄圧迫比を計算し、首を伸ばした位置か曲げた位置かに応じて、気管チューブのひもが環軸領域におよぼす影響を評価した。

結果:環軸椎バンドに一致する背側頸部脊髄圧迫の有病率は、ひもによる圧迫のある犬32/44頭(73&)とひもの圧迫がない犬37/44頭(84%)であった。頭側頸部領域へのひもの設置は圧迫比が有意に高かった。背側圧迫比は、小脳圧迫のない犬よりも小脳圧迫がある犬のほうが有意に高かった。

臨床的意義
:気管内チューブのひもの位置は、小型犬の頭頚部領域のMRI画像の解釈に影響を与える可能性がある。これらの犬種では、特に小脳圧迫のある場合に、ひもによって背側頸髄への圧迫がしばしば強くなる。

Bedos, L., et al.
"Presumed optic neuritis of non‐infectious origin in dogs treated with immunosuppressive medication: 28 dogs (2000‐2015)." 
Journal of Small Animal Practice.


PubMedリンク PMID:32989769
本文:無料公開なし

タイトル:免疫抑制剤で治療された非感染性病因の視神経炎疑いの犬;28頭(2000-2015年)

==アブストラクト===
目的:2000年1月から2015年12月の間にイギリスの紹介センターに来院した、非感染性の原因の視神経炎疑いの犬の症例の臨床所見、MRIの特徴、治療、および転帰について記述すること。

方法:臨床データベースを視神経炎について検索した。急性発症の視力障害、全身性の免疫抑制治療、および6ヶ月異常のフォローアップのある犬を組み入れた。年齢、性別、品種、臨床徴候とその期間、身体検査所見、眼科検査所見、神経学的所見、並存する全身疾患、網膜電図、MRI、脳脊髄液検査、トキソプラズマ原虫/ネオスポラ/犬ジステンパーウイルスのPCRおよび血清学的検査、血液学・血清生化学検査、腹部超音波検査、胸部レントゲン、治療、および転帰についての情報を収集した。

結果
:28頭の犬が組み入れられ、合計で48の罹患した視神経が含まれた。来院時の年齢は6ヶ月齢から10.5歳齢の範囲であった。眼底検査による視神経疾患の所見は、48の視神経中34(71%)でみられた。MRI検査により、32/48視神経(71%)で視神経の腫大、28/48視神経(58%)で造影増強が明らかとなった。脳脊髄液検査は28頭中25頭(89%)で行い、髄液細胞増多症(細胞4個以上/μl)が11/25頭(44%)でみられ、タンパク濃度の上昇(>0.35g/L)が11/25頭(44%)でみられた。免疫抑制量のプレドニゾロンがすべての犬に投与された。プレドニゾロンは9/28頭(32%)で単独使用され、のこりの19頭ではシトシンアラビノシド、シクロスポリン、および/またはアザチオプリンと併用された。18頭の24眼(50%)で視力が回復した。

臨床的意義
:視神経炎の疑いと診断され、免疫抑制剤で治療された犬の64%で、治療への良好な反応がみられた。

O'Neill, Dan Gerard, et al.
"Epidemiology of recurrent seizure disorders and epilepsy in cats under primary veterinary care in the United Kingdom." 
Journal of Veterinary Internal Medicine.


PubMedリンク PMID:32974979
本文:無料公開あり(全文

タイトル:イギリスの一次獣医診療の猫における再発性の発作障害およびてんかんの疫学

==アブストラクト===
背景:猫の再発性発作障害の疫学的評価は、現在の獣医学文献にはほとんど存在しない。

目的:イギリスの一次獣医診療に来院した猫における再発性発作障害とてんかんの有病率とリスク因子を報告すること。

動物:2013年にイギリスの282の一次診療に来院した合計で285,547頭の猫。

方法:リスク因子の解析に多変量ロジスティック回帰モデルを使用したコホート研究。

結果
:458頭が再発性発作障害の症例と確認され、1年間の有病率は0.16%(95%信頼区間 0.15-0.18)であった。そのうち114頭(24.89%)がてんかんと記録され、その1年間の有病率は0.04%(95%信頼区間 0.03-0.5)であった。年齢の上昇は、再発性発作障害のオッズと有意に関連した。品種、性別、中性化の状態、および体重は、再発性発作障害と関連しなかった。てんかんは、中年齢の猫で最も頻繁に診断された。3.0-6.0歳齢の猫は、3.0歳未満の猫と比較して、てんかんの診断のオッズが3.32倍高かった。保険にかかっている猫は、保険にかかっていない猫に比べて、てんかんと診断される可能性が高かった。

結論と臨床的意義
:犬よりはまれではあるが、イギリスの猫の集団における再発性発作障害とてんかんは依然として重要な疾患グループを後世している。年齢の増加は、猫におけるこれらの疾患の重要なリスク因子である。

Schweighauser, Ariane, et al.
"Toxicosis with grapes or raisins causing acute kidney injury and neurological signs in dogs."
 
Journal of Veterinary Internal Medicine.


PubMedリンク PMID:32893916
本文:無料公開あり(全文

タイトル
:犬のブドウまたはレーズンの中毒によっておこる急性腎障害と神経学的徴候

==アブストラクト===
背景:ブドウまたはレーズンの摂取により、犬の急性腎障害(AKI)が起こることが報告されており、初期の消化器徴候と急速に発症する尿毒症が主となる臨床像を示す。運動失調がいくつかの報告で述べられているが、それ以上の特徴付けは行われていない。

目的:腎臓と神経学的な兆候を主とするブドウ/レーズン中毒と診断された犬の臨床的、検査的、病理学的な特徴を調べ、他の原因による急性腎障害の犬の対照集団と比較すること。

動物:ブドウ/レーズン中毒の家庭医飼育犬15頭と対照犬74頭。

方法:17ヶ月間にわたる回顧的研究。

結果:ブドウ/レーズン中毒の犬はすべて重度の急性腎障害(グレード4;n=5、グレード5;n=10)で来院した。11頭の犬(73%)が、顕著な前脳、小脳、または前庭の徴候を示した。これらの徴候が主であった犬もいたが、高窒素血症の重症度や全身性高血圧症の存在とは関連がなかった。8頭(53%)の犬が生存し、5頭で神経学的徴候が完全に改善した。死因は神経学的徴候と関連していなかった。4頭で神経病理学的検査が行われ、いずれも中枢神経系に構造的な異常はみられなかった。対照犬では2頭(3%)のみで、急性腎障害とは関連のない発作を伴う神経学的徴候がみられ、42頭(57%)が生存した。

結論と臨床的意義
:重度の前脳、小脳、前庭の徴候はブドウ/レーズン中毒の重要な特徴であり、初期の臨床徴候の主をなる可能性がある。記された特徴は、ブドウ/レーズン中毒に特異的な可逆的な機能性脳障害であり、尿毒症とは無関係であることを示唆している。

Farke, Daniela, et al.
"Prevalence of seizures in dogs and cats with idiopathic internal hydrocephalus and seizure prevalence after implantation of a ventriculo‐peritoneal shunt."
 
Journal of Veterinary Internal Medicine.

PubMedリンク PMID:32918850
本文:無料公開あり(全文

タイトル:特発性内水頭症のある犬と猫における発作の有病率と、脳室-腹腔シャントの埋め込みを行ったあとの発作の有病率

==アブストラクト===
背景:内水頭症のある犬で、発作は考慮すべき臨床徴候ではあるが、近年の報告では見つからない。動物における脳室の拡張による発作の有病率と、術後の発作の有病率はわかってない。

目的:特発性内水頭症のある犬と猫における発作の有病率を調べ、発作の発症に関するリスク因子を同定し、脳室-腹腔シャント(VPS)術後2年での発作の有病率を調べること。

動物:2001年から2019年の間の197頭のMRI記録を調べた。合計で121頭(犬98頭、猫23頭)をこの研究に組み入れた。

方法:回顧的多施設症例コホート研究を行った。内水頭症のある犬と猫についてデータベースを検索した。MRIと脳脊髄液検査を評価し、追加の基礎疾患について調べた。発作の有病率は内水頭症のみを示す動物で算出した。年齢、脳の形態的測定、形態的所見によって、リスク因子を評価した。手術を行った動物すべてで、術後2年での再検査を行った。

結果:内水頭症のある121頭(犬98頭、猫23頭)が組み入れ基準をみたした。内水頭症のある犬と猫における発作の有病率は低かった(1.7%、95%信頼区間<5.8%)。術後2年で発作は観察されなかった。

結論と臨床的意義
:内水頭症と診断された犬と猫における発作の有病率は低い。脳室-腹腔シャントに関連した発作は、手術の合併症ではなさそうだ。

Brocal, Josep, et al.
"Epileptic seizures triggered by eating in dogs."
 
Journal of veterinary internal medicine 34.3 (2020): 1231-1238.


PubMedリンク PMID:32343869
本文:無料公開あり(全文

タイトル:犬の食事によって引き起こされるてんかん発作

==アブストラクト===
背景:食事が誘発する発作はヒトで非常にまれで、犬ではこれまでに記述されていない。

目的:犬における食事誘発発作を記述し、臨床的特徴を示すこと。

動物:ヨーロッパの5つの紹介病院で食事誘発発作と診断された家庭飼育犬10頭。

方法:食事誘発発作が疑われる症例についてオンラインで呼びかけた。この呼びかけの後に医療記録のレビューを行い、飼い主と診断した神経科専門医の両方にアンケートを行った。
50%以上が食事に関連して起こる発作であり、発作に対する最低限の評価は行われている場合に、症例へ組み込んだ。

結果:4頭は食事誘発発作だけがあり、6頭は食事誘発発作と自然発生性の発作の両方があった。4頭がレトリバーであった。最も多い発作のタイプは焦点てんかん発作から全般化するものであった。9頭は特発性てんかんと診断された。1頭は頭頂皮質、側頭皮質、前頭皮質(傍シルビウス領域)に辺縁を含むグリオーマの診断をうけ、それらの領域はヒトで食事関連発作で重要な役割をもつことが知られている。治療戦略には、薬理学的管理と食生活の変化の組み合わせが含まれた。

結論と臨床的意義
:犬における食事誘発発作を伴う反射性てんかんの一形態を同定した。食事誘発発作の特徴と管理を改善するためにはさらなる研究を必要とする。

Marsh, Oliver, et al.
"Prevalence and clinical characteristics of phenobarbitone-associated adverse effects in epileptic cats." 
Journal of Feline Medicine and Surgery (2020): 1098612X20924925.


PubMedリンク PMID:32484071
本文:無料公開なし

タイトル:てんかんの猫におけるフェノバルビタール関連有害事象の有病率と臨床的特徴

==アブストラクト===
目的:この研究の目的は、てんかんの猫におけるphenobarbitone(=フェノバルビタール)関連有害事象の有病率と臨床的特徴を調べることである。

方法:2007年から2017年の間の獣医紹介病院の医療記録を検索し、てんかんの診断、フェノバルビタールによる治療、および有害事象の発生に関する追跡情報が入手可能であるという組み入れ基準を満たす猫を探した。追跡情報は一次診療と紹介病院の医療記録と、猫の飼い主へのアンケートにより入手した。

結果:77頭の猫が組み入れ基準を満たした。58頭の猫は特発性てんかんであり、19頭は構造性てんかんであった。47%の猫で以下にあげる有害事象の1つ以上が報告された;沈静(89%)、運動失調(53%)、多食(22%)、多飲(6%)、多尿(6%)、食欲低下(6%)。ロジスティック回帰分析により、有害事象の発生と、フェノバルビタールの開始用量および2番目の抗てんかん薬の投与の間に有意な関連が明らかになった。フェノバルビタールの投与量の1mg/kg12時間ごとの増加で、有害事象の可能性が3.1倍増加した。2番目の抗てんかん薬を使用した際に、有害事象の可能性が3.2倍増加した。てんかんの病因と有害事象の発生の間にには関連はみられなかった。重度の好中球減少症と顆粒球低形成を特徴とする、特異的な有害事象が1頭の猫で診断された。これはフェノバルビタールの中止によって解消した。

結論と臨床的意義
:フェノバルビタール関連有害事象の発生率は47%であった。沈静と運動失調が最も多かった。これらはタイプAの有害事象であり、フェノバルビタールの既知の薬理学的特性から予測できる。多くの症例で有害事象は治療開始の最初の1ヵ月以内に起こり、一時的なものであった。特異的な(タイプB)有害事象、つまり既知の薬の特性からは予測されなかったもの、が1頭でみられた。フェノバルビタールの開始用量の増加と2番目の抗てんかん薬の追加は、有害事象の発生と有意に関連した。

Strickland, Rhiannon, et al.
"Incidence and risk factors for neurological signs after attenuation of a single congenital portosystemic shunt in 50 cats." 
Veterinary Surgery (2020).

PubMedリンク PMID:32691934
本文:無料公開あり(全文

タイトル:単一の先天性門脈体循環シャント結紮後の神経徴候の発生率とリスク因子;猫50頭

==アブストラクト===
目的:単一の先天性門脈体循環シャントの治療を行った猫における結紮後神経徴候の発生率、転帰、リスク因子について調べること。

研究デザイン:回顧的コホート研究。

動物:単一の先天性門脈体循環シャントのある猫(n=50)。

方法:2003年から2017年の間に単一の先天性門脈体循環シャントを外科的結紮により治療した猫の医療記録を再調査し、シグナルメント、手術手技、術前管理、および術後の臨床転帰について調べた。結紮後神経徴候と発作の発生に関するリスク因子を調べるために二項ロジスティック回帰を行った。

結果:50頭の猫の先天性門脈体循環シャントの内訳は肝外シャント40頭、肝内シャント10頭であった。結紮後神経徴候は31頭(62%)の猫で記録され、10頭がグレード1、9頭がグレード2、12頭がグレード3であった。結紮後神経徴候には、11頭のけいれん発作も含まれた。結紮後神経徴候のある31頭中5頭は生存退院できなかった。結紮後神経徴候または発作と、先天性門脈体循環シャントのタイプ(肝内または肝外)、結紮の程度、年齢、周術期のレベチラセタムの使用、手術直前の肝性脳症との間には関連が検出されなかった。中央値で術後24時間の浸透圧は、結紮後神経徴候のある猫で低かった(p<0.49、オッズ比 0.855、信頼区間0.732-0.999)。

結論:先天性門脈体循環シャントの治療を行った猫で、結紮後神経徴候は一般的な合併症である。術前のレベチラセタムは結紮後神経徴候または発作の発生を予防できなかった。検出された結紮後発作の唯一のリスク因子は、術後24時間で結紮後神経徴候のある猫で術後浸透圧が低いことであった。

臨床的意義
:けいれん発作も含めた結紮後神経徴候は、先天性門脈体循環シャントの外科的結紮を行った猫で頻繁に起こる。術前のレベチラセタムは、結紮後神経徴候の発生を防がなかった。

Farré Mariné, Alba, et al.
"Long‐term outcome of Miniature Schnauzers with genetically confirmed demyelinating polyneuropathy: 12 cases." 
Journal of Veterinary Internal Medicine (2020).


PubMedリンク PMID:32738000
本文:無料公開あり(全文

タイトル:遺伝的に確認された脱髄性多発性神経症があるミニチュア・シュナウザー の長期転帰

==アブストラクト===
背景:局所的に折り畳まれたミエリン鞘を伴う脱髄性多発性神経症(ポリニューロパチー)が、2008年にフランスで3頭のミニチュア・シュナウザー で報告され、自然発生性のシャリコー・マリー・ツース(CMT)病のイヌの同属体を表すことが予測された。MTRM13/SBF2の遺伝的変異は、多発性神経症に罹患したミニチュア・シュナウザーの原因となることが同定されている。

目的
:スペインでMTRM13/SBF2遺伝子変異が確認された罹患したミニチュア・シュナウザーにおける長期的な進行に関するデータを提供すること。

動物:2013年3月から2019年6月の間に来院したミニチュア・シュナウザー 12頭。

方法
:一貫した臨床徴候を示し、MTRM13/SBF2遺伝子変異についてホモなイヌのみを組み入れた。臨床徴候、発症年齢、来院時年齢、発症から来院までの時間、治療、転帰、および診断から最終追跡までの期間を回顧的に再調査した。

結果:来院時の特徴的な臨床徴候は、レントゲンで確認された巨大食道症を伴う逆流(11/12)と声の出ない吠え(11/12)があり、電気診断的な四肢の脱髄性多発性性神経症の所見にも関わらず神経筋虚弱はある場合とない場合があった。発症年齢は3-18ヶ月、来院時年連は4-96ヶ月であった。治療のほとんどは対照的であり、食事中の頭部挙上、制酸剤、運動促進剤、ベタネコール、シルデナフィル、ミルタザピン、またはそれらの組み合わせであった。追跡期間中(7-73ヶ月)、臨床徴候は11/12頭で変化がなく、誤嚥性肺炎がたまに発症し(6/12)、1頭ではそれが死因となった。

結論と臨床的意義
:ミニチュア・シュナウザーの脱髄性多発性神経症は長期的に安定している傾向があり、誤嚥性肺炎を管理するための予防的な食事方法と体調治療により長期的に良好な予後となる。

Nye, Carolyn, et al.
"Long‐term clinical and magnetic resonance imaging follow‐up of dogs with osseous‐associated cervical spondylomyelopathy." 
Journal of Veterinary Internal Medicine.

PubMedリンク PMID:32794615
本文:無料公開あり(全文

タイトル:骨関連の頚部脊椎脊髄症のある犬の長期的な臨床およびMRIのフォローアップ

==アブストラクト=== 
背景:骨関連頚部脊椎脊髄症は複合的な病態で、長期的な生存を制限する。縦断的な予後は今のところわかっていない。

目的:最小で2年間にわたるMRIの変化を記述すること。わたしたちはほとんどの犬で脊椎病変が進行するだろうと仮定した。 

動物:以前に骨関連頚部脊椎脊髄症と診断された犬11頭を前向きに調査した。9頭は内科的に治療され、2頭は外科的に治療された。

方法:臨床的およびMRIによるフォローアップを行い、その中央期間はMRI検査から30ヶ月(範囲 24-54)であった。形態学的評価により、脊柱管狭窄、脊髄圧迫、椎間孔狭窄、関節突起について評価した。形態計測評価では、脊柱管面積、脊髄面積、関節突起面積および椎間孔の高さについて評価した。

結果:MRIのフォローアップで、内科治療をうけた犬の最初の検査時に最も影響を受けていた部位は、9頭中4頭で進行し、4頭で改善し、3頭で変化がなかった。臨床的には、内科治療をうけた犬2頭を除いて、すべての犬でフォローアップ時に変化なしから改善していた。最初に、椎間腔60ヵ所中50ヵ所(83.3%)に脊柱管狭窄があり、フォローアップのMRIでは82.3%にあった。狭窄のある部位では、45.7%が変化なく、18.6%が改善し、38.9%が悪化した。形態計測では、C4-5からC6-7における脊柱管と脊髄の面積の顕著な減少が同定され、C3-4からC6-7における関節突起の不整の顕著な進行が同定された。

結論と臨床的意義
:骨性骨関連頚部脊椎脊髄症のある犬におけるこの長期的な追跡研究では、犬の多くで臨床的またはMRI所見の病変の進行はみられなかった。

Rossi, Graham, et al.
"Intervertebral disc disease and aortic thromboembolism are the most common causes of acute paralysis in dogs and cats presenting to an emergency clinic." 
Veterinary Record (2020).

PubMedリンク PMID:32471959
本文:無料公開なし

タイトル:椎間板疾患と救急診療に来院する犬と猫における急性麻痺の最も多い原因である

==アブストラクト=== 
背景 :急性の麻痺は小動物救急診療における一般的な来院理由であるが、病因の有病率は報告されていない。診断頻度の知識は鑑別診断の優先順位に役立ち、資源計画と臨床試験のデザインを容易にする。

方法:ノースカロライナ州動物病院救急室の医療記録を5年間にわたり検索し、急性の歩行不能不全麻痺または麻痺で来院した症例を同定した。シグナルメントと診断カテゴリーを抽出した。

結果:急性の麻痺は、この期間に犬21,535頭中845頭(3.9%)と猫4589頭中66頭(1.4%)でみられた問題であった。椎間板疾患(IVDD)は犬で最も多い原因(608/845;72%)であり、次いで血管疾患(34/845;4.0%) であった。その他の診断カテゴリーは残りの20%を占めた。ダックスフントは最も多い犬種(263/845;31.1%)であり、次がラブラドール・レトリバー(57/845;6.7%)であった。猫では動脈血栓塞栓症(ATE)は最も多い疾患で、66頭中44頭(60.6%)であり、次いで椎間板疾患(7/66;10.6%)であった。その他の診断カテゴリーは30.3%を占めた。犬の845頭中6頭(0.7%)、猫の66頭中2頭 (3%)は、非神経学的診断による偽麻痺であった。

結論
:犬と猫における急性麻痺の原因で椎間板疾患と動脈血栓塞栓症がそれぞれ圧倒的に多く、犬の28%と猫の40%は他の異なる診断であった。 

Crawford, A. H., and T. J. A. Cardy.
"Is there a link between bacteriuria and a reversible encephalopathy in dogs and cats?."
 
Journal of Small Animal Practice (2020).

PubMedリンク PMID:32743843
本文:無料公開あり(全文

タイトル
:犬と猫における細菌尿と可逆性脳症には関連があるか?

==アブストラクト=== 
ヒトでは、特に高齢患者で細菌尿が異常な神経学的状態と関連する。この報告では、獣医療における細菌尿と異常な神経学的状態の関連を示唆する11症例(犬7頭、猫4頭)についてレビューした。これらの動物はびまん性の前脳徴候±脳幹徴候を示したが、原発性の脳疾患はMRIと脳脊髄液検査によって除外された。各症例で尿の細菌培養が要請であり、神経学的障害は抗菌薬±輸液療法とレベチラセタムの開始により改善または消失した。細菌尿と可逆性脳症との関連を明確に確認または否定するためにはさらなる研究が必要ではあるが、前脳神経解剖学的局在の急性発症で来院した獣医患者では、たとえ下部尿路炎症の臨床徴候がなくても、尿の細菌培養を考慮すべきである。

Mignan, Thomas, Mike Targett, and Mark Lowrie.
"Classification of myasthenia gravis and congenital myasthenic syndromes in dogs and cats." 
Journal of Veterinary Internal Medicine.

PubMedリンク PMID:32668077
本文:無料公開あり(全文

タイトル
:犬と猫における重症筋無力症と先天性筋無力症候群の分類

==アブストラクト=== 
 神経筋伝達障害の症候群である筋無力症は、後天性または先天性の病態のいずれかとして起こる。重症筋無力症は、骨格筋の神経筋接合部に対する自己抗体を伴う後天性の自己免疫疾患であるが、先天性筋無力症候群は若齢発症で神経筋接合部に影響を与える遺伝的疾患であり、臨床的に異質である。どちらの病態も、治療と転帰に関しての認識が重要な疾患である。私たちは犬と猫における重症筋無力症と先天性筋無力症候群についての発表された文献をレビューし、ヒトで用いられている公開されている分類を比較することで、犬と猫の
重症筋無力症と先天性筋無力症候群の分類システムを提案する。重症筋無力症はまず最初に、局所性、全身性、または急性劇症型の徴候に基づいて分類される。そして次に、自己免疫疾患の機序か血清反応陰性かでさらに分類される。自己免疫疾患の機序は猫では胸腺腫の有無、またはチオウレリン薬の投与と関連する。先天性筋無力症候群は、罹患した神経筋接合部の構成、神経筋伝達の欠損の機序、罹患した蛋白、および最終的には原因となる変異した遺伝子によって分類される。重症筋無力症と先天性筋無力症候群のこの分類の提案で、私たちはこれらの病態の疾患グループの認識を支援し、治療を導き、予後を改善し、さらなる研究のためのフレームワークを提供することを望んでいる。
 

Lichtenhahn, Vera, et al.
"Evaluation of L7‐S1 nerve root pathology with low‐field MRI in dogs with lumbosacral foraminal stenosis."
 
Veterinary Surgery (2020).

PubMedリンク PMID:32342548
本文:無料公開なし

タイトル:腰仙部椎間孔狭窄のある犬における低磁場MRIによるL7-S1神経根病理の評価

==アブストラクト=== 
目的:腰仙部椎間孔狭窄症および神経根障害と関連する低磁場MRI所見を記述し、それらを臨床所見と相関させること。

研究デザイン:回顧的研究。

動物:腰仙結合部の臨床検査と標準化されたMRI検査を行った家庭飼育犬(n=240)。

方法:神経学的臨床評価と腰仙結合部のMRIによる変性性腰仙部狭窄症のある犬の医療記録を用い、画像病理を記述し、それらを臨床状態と関連づけた。

結果:合計で480の神経抗が評価された。椎間孔の脂肪信号の減少が364/480の神経孔で同定され、そのうち87.9%(n=320)で神経根の変化も同時にみられた。L7の神経根障害のMRIの特徴には、背側斜位エコー勾配STIRにおける神経根の腫大とその周囲の軟部組織の高信号、およびT1強調像の横断像における神経根の形、大きさ、位置の変化があった。神経根障害は、全周性の椎間孔狭窄(絞扼)と限局的な椎間孔狭窄(圧迫)のいずれの結果としてもみられた。側方脊椎の脊椎症と椎間の面関節の変化は、最も一般的な脊椎と神経椎間孔の病理であった。片側性の腰仙部画像所見のある犬の85%(n=65)で、同側の後肢に臨床徴候が存在した。

結論:脂肪信号の消失はL7の神経根障害および椎間孔狭窄と関連している可能性が高かった。片側性の病変は一般に、同側肢の臨床徴候と関連した。

臨床的意義
:低磁場MRIによって明らかとなる椎間孔の脂肪信号の消失は、神経根障害とその基礎となる狭窄の評価を促すものであり、臨床所見と関連があり、臨床所見と組み合わせることで腰仙部椎間孔狭窄症の診断を改善するものと考えられる。
 

Schmierer, Philipp A., et al. 
"Randomized controlled trial of pregabalin for analgesia after surgical treatment of intervertebral disc disease in dogs."
 
Veterinary Surgery (2020).

PubMedリンク PMID:32329092
本文:無料公開なし

タイトル:犬の椎間板疾患の外科治療後の鎮痛のためのプレガバリンについてのランダム化比較試験

==アブストラクト=== 
目的
:椎間板の手術後の犬において周術期のプレガバリンが痛み行動に与える影響を評価すること。

研究デザイン
:盲検化された観測者による前向きランダム化対照臨床試験。

動物
:椎間板手術を行なった家庭飼育犬46頭。

方法
:犬はランダムに、オピオイド投与のみのプラセボグループと、オピオイドとプレガバリンを投与するプレガバリングループの2つのグループに割り付けられた。 オピオイドによる鎮痛は、麻酔導入時にl-メタドン0.6mg/kg を静脈内投与し、抜管後8時間、16時間、24時間に0.2mg/kg投与、手術終了時にフェンタニルパッチを使用した。プレガバリンは麻酔1時間前に4ng/kg経口投与し、術後は4ng/kgを1日3回、5日間経口投与した。結果の測定は、術後5日間に評価された切開創周囲の機械的感受性とグラスゴー複合測定疼痛スケール(CMPS-SF)の治療グループ間の差とした。プレガバリンの血中濃度を24時間、72時間、120時間で測定した。

結果
:プレガバリンは、研究期間中に対照グループと比較して、治療グループの痛みレベルを平均で2.5CMPS-SF単位減少させた(95%信頼区間 -3.19- -1.83;p<0.001)。プレガバリンは研究期間中に場所によって機械的侵害受容刺激の閾値を、平均で6.89N/日(95%信頼区間 1.87-11.92;p<0.001)と7.52N/日(95%信頼区間 2.29-12.77;p<0.001)増加させた。血清プレガバリンの平均は術後24、72、120時間でそれぞれ5.1、4.71、3.68μg/mlであった。

結論
:椎間板ヘルニアの術後の痛み徴候は、オピオイド単独よりも周術期にプレガバリンを投与した犬の方が軽減された。

臨床的意義
:周術期のプレガバリンは椎間板ヘルニアの術後の疼痛を減少させる。
 

Gibrann, Castillo, et al.
"Inner Ear Fluid-Attenuated Inversion Recovery MRI Signal Intensity in Dogs With Vestibular Disease." 
Veterinary radiology & ultrasound: the official journal of the American College of Veterinary Radiology and the International Veterinary Radiology Association.

PubMedリンク PMID:32564460
本文:無料公開なし

タイトル
:前庭疾患の犬における内耳のFLAIR MRI信号強度

==アブストラクト=== 
 内耳には内リンパと外リンパが含まれている。後者は比較可能であり、脳脊髄液(CSF)との連続性があり、正常であればFLIAR MRIで抑制されると予測される。内耳のFLAIRの異常は内耳疾患のあるヒトで広く述べられているが、犬における診断的価値は示されていない。この回顧的コホート研究の目的は、前庭疾患の犬におけるFLAIR MRIの診断的有用性を調べることである。


  医療記録の再調査を行い、前庭徴候のために頭部MRIを行った犬101頭を同定した。最終診断をもとに、患者は3つのグループに分類された;中内耳炎、特発性前庭障害、中枢性前庭障害。さらに対照
グループ(n=73)MRIが正常で前庭徴候のない犬を含めた。関心領域(ROI)を用いて内耳を描出し、FLAIRとT2強調像で信号強度を測定した。FLAIRにおける抑制の割合を計算し、一般線形混合モデルを用いて個々の罹患側と非罹患側とを比較し、グループ間でも比較した。抑制と脳脊髄液の細胞数および蛋白濃度との関連を評価した。 

 中内耳炎の犬の罹患した内耳では、罹患してない側に比べて(p<0.001)および他のすべてのグループに比べて(p<0.01)、FLAIRにおける抑制が減少していた。脳脊髄液の結果と抑制の間にには有意な相関は検出されなかった。これらの結果により、罹患した内耳における抑制の欠如による中内耳炎におけるFLAIRの診断的価値が示された。
 

Castel, Aude, et al.
"Risk factors associated with progressive myelomalacia in dogs with complete sensorimotor loss following intervertebral disc extrusion: a retrospective case-control study."
 
BMC veterinary research 15.1 (2019): 433.

PubMedリンク PMID:31796017
本文:無料公開あり(全文

タイトル
:椎間板突出後の完全な感覚運動消失の犬における進行性脊髄軟化症に関連するリスク因子;回顧的症例対照研究

==アブストラクト=== 
背景
:進行性脊髄軟化症は通常、犬の急性椎間板突出の致死的な合併症であるが、そのリスク因子はよくわかっていない。この回顧的症例対照研修の目的は、椎間板突出後に感覚運動が完全に消失し手術後に進行性脊髄軟化症を発症したまたは発症しなかった犬を比較して、進行性脊髄軟化症のリスク因子を同定することである。進行性脊髄軟化症のリスク因子が、歩行の回復に影響をあたえるかどうかについても調べた。1998年から2016の間に、対麻痺で痛覚消失し椎間板突出の手術を行った家庭飼育犬の医療記録を再調査した。臨床的進行と病理組織学をもとに、犬は進行性脊髄軟化症ありとなしに分類した。6ヶ月後の歩行の転帰を設定した。シグナルメント、臨床徴候の発症と期間(分類)、ステロイド、NSAID使用の有無、椎間板突出の部位(腰膨大部または胸腰部)、椎間板突出の縦方向の範囲、についての情報を収集し、それらと進行性脊髄軟化症および歩行の転帰との関連を、ロジスティック回帰を用いて調べた。

結果
:197頭の犬が組み入れられ、45頭が進行性脊髄軟化症あり、152頭が進行性脊髄軟化症なしであった。6ヶ月の転帰は178頭で利用可能(脊髄軟化症あり45頭、なし133頭)であり、86頭で歩行が回復した(すべて脊髄軟化症なし)。腰膨大部いおける椎間板突出は進行性脊髄軟化症と関連した(p=0.001、オッズ比 3.02、信頼区間 1.3-7.2)。歩行不能から12時間以上経ってからの手術の実施は、進行性脊髄軟化症と関連した(12時間以内と比較して、12-24時間:オッズ比 3.4、信頼区間 1.1-10.5、p=0.03、24時間以上:オッズ比 4.6、信頼区間 1.3-16.6、p=0.02)。コルチコステロイドの治療は進行性脊髄軟化症と負の関連があった(オッズ比 3.1、信頼区間 1.3-7.5、p=0.01)。歩行転帰に影響した唯一の項目は、椎間板突出の縦方向の範囲であった(オッズ比 2.6、信頼区間 1.3-5.3、p=0.006)。

結論
:腰膨大部の椎間板突出のある犬では進行性脊髄軟化症のリスクが増加する。手術のタイミングとコルチコステロイドの使用に関しては、さらなる調査を必要とする。進行性脊髄軟化症と歩行の回復は、それぞれ異なった因子の影響をうける。
 

Takahashi, Fumitaka, et al.
"Effect of durotomy in dogs with thoracolumbar disc herniation and without deep pain perception in the hind limbs." 
Veterinary Surgery (2020).

PubMedリンク PMID:32166788
本文:後肢の深部痛覚のない胸腰部椎間板ヘルニアの犬における硬膜切開の効果

タイトル:無料公開なし

==アブストラクト===
目的:後肢の深部痛覚が消失した胸腰部椎間板ヘルニアの犬におけ 外科的減圧の補助としての硬膜切開の有効性について調べること。

研究デザイン:回顧的研究。

動物:片側椎弓切除術で治療を行った深部痛覚が消失した胸腰部椎間板ヘルニアの犬(116頭)。

方法:シグナルメント、手術部位、回復率、進行性脊髄軟化症の発症率、後肢の対麻痺の発症から手術までの経過時間、およびMRIT2強調像における脊髄の高信号領域を第2腰椎を比較した場合の長さ、 について、片側椎弓切除術のみで治療した犬と、それに硬膜切開を追加した犬とで比較した。多変量ロジスティック回帰をもちいて、硬膜切開後の脊髄実質の外観と転帰との間の関連について調べた。

結果:歩行が回復した犬の割合は、片側椎弓切除のみで治療した犬(38.5%)に比べて、硬膜切開を行った犬(56.9%)のほうが高かった(p=0.04)。片側椎弓切除グループでは、進行性脊髄軟化症の疑いで14頭が死亡し、一方、硬膜切開グループでは進行性脊髄軟化症はみられなかった。硬膜切開、犬種、手術部位、およびT2強調高信号の長さが回復に影響を与えた。年齢、性別、体重、手術までの時間は、回復と関連がなかった。

結論:私たちの臨床施設では、減圧と併せて硬膜切開を行うことで、機能回復を改善し、進行性脊髄軟化症を予防した。

臨床的意義
:後肢の深部痛覚の消失した胸腰部椎間板ヘルニアの犬では、転帰を改善させるために術者は硬膜切開について考慮すべきである。
 

Jeffery, Nick D., et al.
"Extended durotomy to treat severe spinal cord injury after acute thoracolumbar disc herniation in dogs." 
Veterinary Surgery (2020).

PubMedリンク PMID:32277768
本文:無料公開なし

タイトル:犬の急性胸腰部椎間板ヘルニア後の重度脊髄障害の治療のための広範囲硬膜切開

==アブストラクト=== 
目的:椎間板ヘルニアによる重度の脊髄障害に対して広範囲の胸腰部硬膜切開により治療した犬の歩行の回復について報告すること。

研究デザイン:記述的コホート。

動物
急性胸腰部椎間板ヘルニアにより深部痛覚が消失して来院した追麻痺の犬、連続した26頭。

方法:それぞれの犬は通常の診断評価をうけ、硬膜外にヘルニアを起こした椎間板物質を手術で除去し、続いてヘルニアを起こした椎間板を中心として4椎体分の長さの硬膜切開を行った。それぞれの犬は補助なしで10歩あるけるようになるまでか、術後6ヶ月まで追跡を行った。

結果:26頭中16頭が自力で歩行できるまでに回復し(1頭以外は便失禁と尿失禁も回復)、6頭は回復しせず、4頭は追跡ができなかった。1頭が進行性脊髄軟化症に一致する臨床徴候のために安楽死された。研究期間器中に硬膜切開による悪化の影響の所見はなかった。ベイズ分析を使用し、71%の成功効果ポイント(95%信頼区間 52-87%)を見出した。

結論:広範囲硬膜切開は、この研究の連続した症例において、合併症を増加させることなく転帰を改善するようであった。

臨床的意義
:広範囲硬膜切開は安全で、急性椎間板ヘルニアに伴う重度の胸腰部の混合性の挫傷と圧迫性損傷のある犬の転帰を改善させる可能性があるようだ。
 

Fenn, Joe, et al.
"Association between anesthesia duration and outcome in dogs with surgically treated acute severe spinal cord injury caused by thoracolumbar intervertebral disk herniation." 
Journal of Veterinary Internal Medicine (2020).

PubMedリンク PMID:32418346
本文:無料公開あり(全文

タイトル
:胸腰部椎間板ヘルニアによる重度の脊髄障害を外科的に治療した犬における麻酔時間と転帰との関連

==アブストラクト=== 
背景
:最近の回顧的調査により、 胸腰部椎間板ヘルニアによる重度の脊髄障害を外科的に治療した犬において手術時間と転帰が関連している可能性が同定された。

仮説:痛覚の消失を伴う胸腰部椎間板ヘルニアを外科的に治療した犬において、手術時間の増加は予後の悪化と関連する。

動物:痛覚消失を伴う麻痺があり外科的に治療された胸腰部椎間板ヘルニアの犬297頭。

方法:回顧的コホート研究。5施設の医療記録を再調査した。 組み入れ基準は痛覚消失を伴う対麻痺、胸腰部椎間板ヘルニアの外科的治療、および術後1年の転帰(歩行が可能/不可能)。犬の情報、転帰、手術時間、全体の麻酔時間について集めた。

結果
:この研究では、183/297頭(61.6%)が1年以内に歩行可能となり、114頭(38.4%)は回復せず、そのうちの74頭(24.9%)は進行性脊髄軟化症のために安楽死された。手術後 1年以内に歩行可能になった犬の麻酔時間の中央値(4.0時間、四分位範囲 3.2-5.1)は、歩行可能にならなかった犬の中央値( 4.5時間、四分位範囲 3.7-5.6)と比べて有意に短かった(p=0.01)。多変量ロジスティック回帰により、体重と手術を行った椎間腔の数を調整した際に、手術時間と全麻酔時間の両方が1年後の歩行と有意な負の関連をしていることが示された。

結論と臨床的意義
:この結果は、この研究集団の犬において麻酔時間の増加と転帰に負の関連があることを支持している。しかし、データが回顧的な性質であるため、因果関係を導くものではない。
 

Fenn, J., et al.
"Associations between anesthetic variables and functional outcome in dogs with thoracolumbar intervertebral disk extrusion undergoing decompressive hemilaminectomy." 
Journal of veterinary internal medicine 31.3 (2017): 814-824.

PubMedリンク PMID:28295616
本文:無料公開あり(全文

タイトル:胸腰部椎間板突出で片側椎弓切除術による減圧を行った犬における麻酔変数と機能予後との関連

==アブストラクト=== 
背景:実験的な急性の脊髄損傷の転帰は、組織還流および酸素化と強く関連する。心肺の抑制は、胸腰部椎間板突出の外科治療として全身麻酔をかけた犬の転帰に影響を与える可能性がある。

仮説/目的:胸腰部椎間板突出の外科治療を行った犬の機能予後に全身麻酔が与える影響を評価すること。 

動物:急性の京お由布椎間板突出を片側椎弓切除による減圧で治療した家庭飼育犬84頭。

方法:探索的、回顧的観察研究。医療記録を再調査し、臨床徴候、および麻酔モニタリング項目(麻酔時間、手術時間、低血圧、徐脈、体温、呼吸パラメータ )について調べた。多変量回帰ツリー分析を行い、麻酔項目と術後6週間の機能予後スコアおよび歩行可能への回復との間の関連について探索した。

結果: 徐脈(69%)と低血圧(57%)が頻繁にみられた。すべての転帰測定全体で、回帰ツリー分析により主要な決定因子として来院時の機能グレードが強調され、痛覚のない犬のあいだでは手術時間の長さと不良な予後との間に関連がある可能性があった。痛覚のある犬では、徐脈の時間、平均体温、平均EtCo2が強調された。

結論と臨床的意義
: 探索的な統計手法は仮説を形成する研究を促進し、獣医療における前向き調査に情報を与える。機序は不明であるが、手術時間の延長は痛覚のない胸腰部椎間板突出の犬における予後の悪さと関連している可能性がある。
 

↑このページのトップヘ