ねころんで探せる小動物医療のジャーナルクラブ

小動物臨床の獣医師が、臨床に役立ちそうな論文情報をちょっとづつアップします。ねころんでいても論文検索ができればいいなと。

カテゴリ: 感染症

Canonne, Aude Morgane, et al.
"Comparison of C‐reactive protein concentrations in dogs with Bordetella bronchiseptica infection and aspiration bronchopneumonia."
 
Journal of Veterinary Internal Medicine (2021).


PubMedリンク PMID:
33709444
本文:無料公開あり(全文

タイトル
Bordetella bronchiseptica感染と誤嚥性気管支肺炎の犬におけるCRPの比較

==アブストラクト===
背景
:CRPは有名な犬の急性相タンパクであり、細菌性気管支肺炎と他の肺疾患を区別する可能性がある。Bordetella bronchiseptica(気管支敗血症菌)による気管支肺炎は一般的であるが、自然感染の犬におけるCRP濃度に関連した増加は十分に調査されていない。

目的
:レントゲン画像で肺病変がある、またはないBordetella bronchiseptica感染の犬のCRP濃度を、誤嚥性気管支肺炎の犬と比較すること。

動物
Bordetella bronchiseptica感染のある犬16頭と誤嚥性気管支肺炎のある犬36頭。

方法
Bordetella bronchiseptica感染のある犬の11頭で肺胞病変があった。すべての犬で、CRP濃度は軽度の上昇していた(14-38mg/L)。肺胞病変のない5頭の犬では、1頭を除いて他すべてでCRP濃度は基準範囲内であり、1頭もわずかな上昇であった。CRP濃度のちゅおうちは、肺胞病変のない犬(5mg/L)と比べて、肺胞病変のある犬(20mg/L)で有意に高かった(p<0.002)。Bordetella bronchiseptica感染のある犬では、臨床徴候の期間の中央値は、CRP濃度が上昇している犬と上昇していない犬との間で差はなかった。CRP濃度の中央値は、Bordetella bronchiseptica感染のある犬(20mg/L)では肺胞病変の有無に関わらず、誤嚥性気管支肺炎の犬(118mg/L)よりも有意に低かった(P<0.001)。

結論と診療的意義
:誤嚥性気管支肺炎のある犬とは対照的に、CRPはBordetella bronchiseptica感染を疑う犬の診断のための良い指標ではなかった。Bordetella bronchiseptica感染の確定には依然として下部気道のサンプリングが必要とする。

Dazio, Valentina, et al.
"Acquisition and carriage of multidrug‐resistant organisms in dogs and cats presented to small animal practices and clinics in Switzerland." 
Journal of Veterinary Internal Medicine (2021).


PubMedリンク PMID:33527554
本文:無料公開あり(全文

タイトル:スイスの小動物病院/診療所に来院した犬と猫における多剤耐性病原体の獲得と輸送

==アブストラクト===
背景:多剤耐性病原体の出現と蔓延は、ヒトと動物の健康の脅威となる。

目的:スイスの動物病院/診療所に来院した犬と猫における多剤耐性病原体の輸送についての獲得、有病率、およびリスク因子を評価すること。

動物:4つの獣医病院と1つの診療所に来院した家庭飼育の犬(n=183)と猫(n=88)。

方法:前向き、縦断、観察研究。来院時に口鼻および直腸吸わスワブを採取し、そのうち69%の動物は退院時にもサンプルを採取した。メチシリン耐性(MR)ブドウ球菌とマクロコッカス、セファロスポリナーゼおよびカルバペネムマーゼ産生(CP)エンテロバクターを分離した。分離株の遺伝的関連性は、反復配列ベースのポリメラーゼ連鎖飯能と多遺伝子座配列タイピングによって評価した。多剤耐性病原体の獲得と輸送に関しては、アンケートと入院データを元に解析した。

結果:ペットの多剤耐性病原体の来院時有病率は、15.5%(95%信頼区間 11.4-20.4)であった。退院時の有病率は32.1%(25.5-39.3)であり、獲得率は28.3%(22-35.4)であった。院内感染の主な分離株は、拡張型βラクタマーゼ産生大腸菌(ESBL産生大腸菌 17.3%)、βラクタマーゼ産生肺炎桿菌(13.7%)であった。1つの施設では、セファロスポリナーゼ/カルバペネマーゼ産生と高度に関連した24のクラスターが同定された。多変量解析で、診療所1における入院(オッズ比 5.1;95%信頼区間1.6-16.8)と入院日数(入院3-5日;オッズ比 4.4;1.8-10.9、入院>5日;オッズ比 6.2;1.3-28.8)が、犬の多剤耐性病原体の獲得のリスク因子として同定された。

結論
:獣医病院は、獣医患者間における多剤耐性病原体の選択と伝播に重要な役割をおっている。

Summers, April M., et al.
"Clinical features and outcome of septic shock in dogs: 37 Cases (2008‐2015)."
 
Journal of Veterinary Emergency and Critical Care (2020).


PubMedリンク PMID:
33382202
本文:無料公開なし

タイトル:犬の敗血症性ショックの臨床的特徴と転帰:37症例(2008-2015)

==アブストラクト===
目的:敗血症性ショックの犬の患者の特徴を記述し、疾患重症度のマーカーを調べ、転帰に影響を与える治療についてを評価すること。

デザイン:回顧的研究。

施設:単一施設、大学の獣医教育ICU。

動物:敗血症性ショックの犬37頭。

介入:なし。

方法と主な結果:臓器機能障害の平均数は3.24±1.0であり、心血管系(100%)、呼吸器(73%)、血液学(68%)、腎臓(49%)、肝臓(32%)の機能障害が含まれた。消化管は敗血症の原因として最も多かった。蘇生前の血圧の平均は50±8mmHgであった。昇圧剤療法の前に、すべての犬が静脈輸液をうけ、その投与量の平均は12.1±11.0ml/kg/hであった。すべての犬に抗菌薬が投与され、診断から投与までの時間の平均は4.3±5.7時間であった。ドパミンまたはノルエピネフリンの静脈投与がそれぞれ51.3%、37.8%で行われ、低血圧の平均時間は2.6±3.0時間であった。死亡率は81.1%であった。生存した犬は栄養チューブを設置していることが多く(p=0.007)、消化管の敗血症であることが多く(p=0.012)、呼吸器の機能障害を起こしていることが少なかった(P<0.001)。APPLE-FULLスコア(P=0.014)と抗菌薬療法までの時間(P=0.047)は、死亡の予測因子として特定された。敗血症性ショックのヒトの転帰を改善する可能性のある7つの介入から成る治療バンドルを評価した。生存犬は4.1±1.3の介入を受けており、一方で非生存犬は2.4±1.4の介入を受けていた(P=0.003)。

結論
:犬の敗血症性ショックはきびしい予後をもたらす。早期の抗菌薬療法と治療バンドルの活用により、敗血症性ショックの犬の生存率が上昇する可能性がある。敗血症への介入が生存に与える影響を調べるためにはさらなる研究が必要である。

Cerquetella, M., et al.
"Proposal for rational antibacterial use in the diagnosis and treatment of dogs with chronic diarrhoea."
 
Journal of Small Animal Practice 61.4 (2020): 211-215.


PubMedリンク PMID:32065388
本文:無料公開あり(全文

タイトル
:慢性下痢のある犬の診断と治療における合理的な抗菌薬使用の提案

==アブストラクト===
慢性下痢は犬の臨床でよくある主訴であり、診断過程は多くの場合で、胃腸管内視鏡/粘膜生検の前に、多くの診断検査や段階的な経験治療が適応されるという特徴をもつ。それらには食事介入(新規タンパク食、低分子タンパク食)、駆虫薬、およびいまだに多くの症例で抗菌薬、が含まれる。抗菌薬の無差別な使用は、個々の患者にとって(抗菌耐性、長期的な腸内細菌叢の乱れ、消化器徴候の悪化の可能性)と一般人にとっての両方で、有害な結果をもたらすリスクをもつ。この理由により、この総論では、消化管生検による病理組織学的評価の後、または内視鏡検査が不可能な場合で、食事療法/プレプロバイオティクスまたは抗炎症薬による治療的試験がうまくいかなかった場合にのみ、
抗菌薬の使用を推奨する。抗菌薬は、適切な食事試験のあとに、抗菌薬の使用を正当化する真の一次感染の徴候(全身性炎症反応症候群または侵襲性のある細菌の付着の根拠)のある慢性下痢の犬の患者のために温存しておくべきである。

Venn, Emilee C., et al.
"Evaluation of an outpatient protocol in the treatment of canine parvoviral enteritis." 
Journal of Veterinary Emergency and Critical Care 27.1 (2017): 52-65.


PubMedリンク PMID:
27918639
本文:googlescholar経由で入手可能(全文

タイトル:イヌパルボウイルス性腸炎の治療における外来患者プロトコルの評価

==アブストラクト===
目的:パルボウイルス性腸炎のイヌの治療期間または生存に対しての影響について、2つの治療プロトコル(標準的な入院治療 vs 修正外来患者)を比較すること。

デザイン:前向きランダム化試験。

施設:大学の教育病院。

動物;パルボウイルスに自然感染した家庭飼育犬を入院患者治療プロトコル(n=20)外来患者治療プロトコル(n-20)にランダムに分けた。

介入
:両方のグループ共に、来院時に静脈輸液による蘇生と低血糖の補正をうけた。安定化ののちに、標準入院患者介入として静脈輸液の投与、セフォキシチンの投与(22mg/kg iv 8時間毎)、マロピタントの投与(1mg/kg iv 24時間毎)を行なった。標準外来患者介入(入院下で実施)としては、皮下輸液(30ml/kg 6時間毎)、マロピタントの投与(1mg/kg iv 24時間毎)、セフォベシン投与(8mg/kg sc 1回)を行なった。毎日の電解質と糖の評価を行い、必要に応じて糖とカリウムの投与が静脈投与(入院患者)または経口投与(外来患者)された。両グループで鎮痛と悪心に対するレスキュー基準が用いられた。すべての犬には自発的な食欲がもどるまで、市販の犬の回復食がシリンジで投与(1ml/kg po 6時間毎)された。

測定と主な結果:プロトコルの成功は生存退院と定義され、入院患者の90%(18/20)と外来患者の80%(16/20)で成功した(p=0.66)。入院患者の入院期間(4.6±2日)と外来患者の入院期間(3.8±1.8日)に差はみられなかった(p=0.20)。外来患者では電解質障害が頻繁にみられ、犬の50%で糖の補給が必要となり、60%でカリウムの補給が必要となった。

結論
:外来患者プロトコルは、パルボウイルス性腸炎の犬の標準的な入院治療が受けられない犬にとっての合理的な代替手段となるかもしれない。外来患者の設定でパルボウイルス性腸炎の患者の治療を最適化するには、依然として勤勉な支持療法とモニタリングが必要である。

Perley, Kimberly, et al.
"Retrospective evaluation of outpatient canine parvovirus treatment in a shelter‐based low‐cost urban clinic." 
Journal of Veterinary Emergency and Critical Care 30.2 (2020): 202-208.


PubMedリンク PMID:32096333
本文:無料公開なし

タイトル:シェルターベースの都会の低コスト診療所における外来患者のイヌパルボウイルス治療についての回顧的評価

==アブストラクト===
目的:シェルターベースの都会の低コスト診療所で行われたイヌパルボウイルス(CPV)の外来患者治療プロトコルを用いた際の生存と関連するリスク因子を評価すること。

デザイン:回顧的研究。

施設:ペンシルバニア州動物虐待防止教会。

動物:2016年1月から7月までに来院したCPV陽性の犬95頭。入院治療が経済的に困難であり、犬が外来診療に対して医学的に安定しているとみなされた場合に、飼い主は外来診療を選択した。

介入:なし。

測定と主な結果:CPV陽性の犬95頭中、79頭(83%)が生存した。ロジスティック回帰では、治療前に臨床徴候があった日数(オッズ比3.15、p=0.020)と治療中の体重の増加(オッズ比1.29、p=0.027)が、生存と有意に関連した。来院時の低体温(<37℃)は、生存と有意な負の関連をしめした(オッズ比 0.002、p=0.002)。

結論と臨床的意義
:このクリニックにおける生存率は、外来患者プログラムが入院治療の代替となる可能性を示唆している。治療前の臨床徴候の期間の長さと、治療期間中の体重の割合の増加は、生存転帰の増加と関連しているようであり、来院時の低体温は生存転帰の減少と関連しているようである。

Johnston, L., et al.
"Abdominal cryptococcosis in dogs and cats: 38 cases (2000‐2018)."
 
Journal of Small Animal Practice (2020).


PubMedリンク PMID:33107069
本文:無料公開なし

タイトル:犬と猫の腹部クリプトコッカス症;38症例(2000-2018)

==アブストラクト===
はじめに:オーストラリアの犬と猫における腹部クリプトコッカス症についての臨床徴候、検査所見、画像所見、治療、および転帰について報告すること。

方法:腹部臓器/組織の細胞学的(針吸引)または組織学的(生検or剖検)によって診断された腹部クリプトコッカス症について検査所と紹介センターを検索し、オーストラリアの犬と猫の症例を回顧的に同定した。シグナルメント、主訴、臨床徴候、検査所見、画像所見、ラテックスクリプトコッカス抗原凝集試験力価、治療、および転帰についてのデータを収集した。

結果
:38頭の症例(犬35頭、猫3頭)が研究に組み込まれた。来院時の年齢の中央値は犬が2歳齢、猫が6歳齢であった。主な主訴には嘔吐(23/38)、元気消失(19/38)、食欲低下(15/38)が含まれた。腹部超音波検査(25/38)では、ほとんどの症例で腸間膜または腸の病変が明らかになった。外科的な探索で、腸重積に関連する腸の病変が7頭でみられた。19頭で治療前のラテックスクリプトコッカス抗原凝集試験を実施しており、初期力価の中央値は1:2048(範囲1:2ー1:65,536)であった。24症例(犬23、猫1)が、内科治療、外科治療、またはその両方のいずれかの治療をうけた。中央生存期間は、内科治療と外科治療を組み合わせて行った症例で730日、外科治療単独で140日、内科治療単独で561日であった。11頭がフォローアップ時点で生存していた。

臨床的意義
:腹部クリプトコッカス症はまれではあるが、特に若い犬が消化器徴候を主訴に来院したさいには診断の可能性について考慮すべきである。高齢の犬でもこの病態を呈することがあるが、腫瘍と似ているため画像診断だけで安楽死をすべきではない。適切な治療とモニタリングにより、多くの犬は長期生存する可能性があり、治癒する場合もあり得る。

Abbott, Y., et al.
"Toxigenic Corynebacterium ulcerans associated with upper respiratory infections in cats and dogs."
Journal of Small Animal Practice (2020).

PubMedリンク PMID:32734615
本文:無料公開なし

タイトル:猫と犬における上気道感染に関連した毒素産生性コリネバクテリウム・ウルセランス

==アブストラクト===
目的:人獣共通病原体であるCorynebacterium ulcerans(コリネバクテリウム・ウルセランス:C.ulcerans)をもつコンパニオンアニマルの感染について記述し、臨床的に罹患した動物と健康な動物における有病率を調べること。

方法:C.ulcerans感染のある3症例の臨床徴候と治療について記述した。C.ulceransの有病率を調べるために2つの研究を行なった;(a)健康な動物(犬479頭、猫72頭)の鼻腔サンプルの前向き研究;(b)10年間にわたり呼吸徴候に罹患した犬189頭と猫64頭から採取した鼻腔サンプルの記録の回顧的分析。

結果:鼻汁のある猫4頭から毒素産生性C.ulceransが分離され、慢性鼻汁のある犬ではC.ulceransとmecCメチシリン耐性S.aureusの同時感染が検出された。臨床的特徴は明確ではなく、すべての症例が抗菌薬治療で回復した。多遺伝子座配列タイピングは、シェルターの猫からの分離株の共通源を支持した。健康な動物におけるC.ulceransの保菌率は、犬で0.42%(2/479)、猫で0.00%(0/72)であり、呼吸器徴候のある動物での有病率は、犬で0.53%(1/189)、猫で6.25%(4/64)であった。

臨床的意義:臨床医は、犬や猫が毒素産生性C.ulceransに感染(または保菌)し得ることに注意しておくべきである。人獣共通のリスクの可能性について考慮し、確定された症例では医療および公衆衛生の支援を求めるべきである。

Williams, Rachel W., Stephen Cole, and David E. Holt.
"Microorganisms associated with incisional infections after gastrointestinal surgery in dogs and cats."
 
Veterinary Surgery.

PubMedリンク PMID:32779226
本文:無料公開なし

タイトル:犬と猫の胃腸手術後の切開部感染に関連する微生物

==アブストラクト=== 
目的:犬と猫の胃腸手術後の切開部感染の割合を調べ、その感染から分離された好気性菌を記述すること。

研究デザイン:回顧的研究。

動物:家庭飼育の犬(n=210)と猫(n=66)。

方法:ペンシルバニア大学のMatthew J. Ryan獣医病院で胃腸手術を行った犬と猫の記録を再調査し、手術手技、感染の有無、分離された細菌種、周術期に投与された抗菌薬、および転帰について調べた。

結果:追跡期間の中央値は14日(4-35日)であった。切開部感染は7%(20/276)で記録されていた。これら20頭中、培養結果は12/20頭で入手できた。もっとも多く分離培養された細菌はEscherichia coli(大腸菌)であった。切開部感染の治療として最も多く投与されたのは、セファゾリンとセフォキシチンであった。これらの抗菌薬に感受性を示したのは、分離された菌のうち2つだけだった。切開部位から分離された細菌でもっとも多く感受性を示したのはクロラムフェニコール、イミペネム、およびゲンタマイシンであった。

結論:この集団において切開部感染から分離された細菌は、天然の消化管細菌叢から構成されており、それはしばしば最も一般的に使用されている周術期抗菌薬に耐性をもっていた。

臨床的意義
:胃腸手術後の切開部感染は、手術時の汚染に起因することが最も多い。この感染の割合は、より厳密な術中衛生プロトコルと抗菌薬治療の指針となる原因菌の抗菌薬感受性の評価を正当化する。
 

Garcia, Cheslymar, et al.
"Subclinical bacteriuria and surgical site infections in dogs with cranial cruciate ligament disease."
Veterinary Surgery.

PubMedリンク PMID:32790953
本文:無料公開なし

タイトル:前十字靭帯疾患のある犬における無症候性細菌尿と手術部位感染

==アブストラクト=== 
目的:前十字靭帯疾患のある犬における無症候性細菌尿の有病率、無症候性細菌尿と関連する臨床項目と臨床病理データ、および無症候性細菌尿のある犬とない犬における手術部位感染(SSI)の発生率を調べること。

研究デザイン:前向き臨床コホート研究。

方法:犬に対して尿検査、尿沈渣検査、および好気性尿培養を行った。年齢、品種、性別、体重、ボディコンディションスコア、臨床病歴、および身体検査所見を記録した。無症候性細菌尿のある犬は、細菌尿に対する治療、または術後の抗菌薬治療を受けなかった。標準的な周術期抗菌薬がすべての犬に行われた。非ステロイド抗炎症薬が投与されていた犬は除外しなかった。骨切り術をうけた犬は、 手術部位感染の発生率を調べるために少なくとも1年間追跡された。

結果:前十字靭帯疾患のある犬155頭中、無症候性細菌尿の有病率は6.5%であり、それはメスで多く(11.4%)発生した。手術部位位感染は22.3%(25/112)で発生した。無症候性細菌尿のある犬6頭中2頭で手術部位感染が起こり、無症候性細菌尿のない犬106頭中23頭で手術部位感染が起こった。手術部位感染から分離された病原体は、尿から分離されたものとは異なっていた。

結論:前十字靭帯疾患のある犬における無症候性細菌尿の有病率は、様々な犬の集団で無症候性細菌尿を評価したほかの研究における有病率と類似していた。

臨床的意義:前十字靭帯疾患に対する脛骨骨切り術の前に、無症候性細菌尿に対するスクリーニングと治療を行うのは有益ではない。無症候性細菌尿が手術部位感染のリスクを増大させるかどうかを明らかにするためにはさらなる研究が必要である。
 

Hamil, Lauren E., et al.
"Pretreatment aerobic bacterial swab cultures to predict infection in acute open traumatic wounds: A prospective clinical study of 64 dogs." 
Veterinary Surgery (2020).

PubMedリンク PMID:32310309
本文:無料公開なし

タイトル
急性解開放性外傷性創傷において感染を予測するための治療前の好気性細菌培養;64頭の犬の前向き臨床研究

==アブストラクト=== 
目的:感染を起こした創傷における細菌種類の予測のための急性開放性外傷性創傷の最初の好気性培養の有効性を調べること。

研究デザイン:前向き臨床試験。

動物:自然に起こった急性の皮膚外傷性創傷のある犬64頭(2017-2018年)。

方法:洗浄とデブリードを行う前と後にそれぞれの創傷からスワブをとり、定量的および定性的な細菌培養を行った。来院後14日以内に感染の臨床徴候がみられた創傷については培養を再び行った。

結果:急性創傷の43/50(86%)で、洗浄前のスワブよりも、洗浄後のスワブから得られた培養のほうが細菌が少なかった。すべての一次診療獣医師すべてが、初診時の犬にβラクタム系抗菌薬を処方した。初診時の洗浄/デブリード後に培養された細菌すべてが、予防的に処方された抗菌薬に感受性を示した。術後感染は14/64(22%)で診断され、そのうち13頭で陽性の培養結果であった。初回の創傷培養の結果とその後の創感染の発生の間に相関はみられなかった。最初の創傷スワブに存在する細菌種は、その後に感染した組織から培養されたものとは相関しなかった。

結論:犬の開放性外傷性創傷の治療前の創傷の培養の結果は、その後に感染創から回収された細菌種を予測しなかった。治療前の創傷に存在する細菌叢は、創傷が外科治療後に最終的に感染を起こすかどうかを予測しなかった。

臨床的意義
:急性創傷のルーチンな培養は、その後の創傷感染の予測に役立つ可能性は低く、感染した創傷の治療のための抗菌薬の早期の選択を正確に導く可能性も低い。
 

Palmieri, Valerie, et al.
"Survey of canine use and safety of isoxazoline parasiticides." 
Veterinary Medicine and Science(2020).

PubMedリンク PMID:32485788
本文:無料公開あり(全文

タイトル
:イソキサゾリン系寄生虫駆除剤の犬の使用と安全性についての調査

==アブストラクト=== 
獣医師とペットの飼い主への調査(Jskeプロジェクト)は、イソキサゾリン系寄生虫駆除剤の犬への使用と安全性を調べた。2018年8月1日〜31日の間に、合計2751の調査回答からデータを収集した。42%(1157)がノミ治療または有害事象について回答しなかったが、58%(1594)はノミの管理のためになんらかの寄生虫駆除剤で治療しており、そして寄生虫駆除剤の投与行っているもののうち、多く(83%[1325])がイソキサゾリンを投与していた。なんらかのノミ治療が行われた場合で、回答者の66.6%が有害事象を報告しており、明らかな有害事象がみられなかったのは36.1%であった。Jakeプロジェクトの結果を、食品医薬品局(FDA)と欧州医薬品庁(EMA)による公的に利用可能な有害事象の報告についての回顧的な分析と比較した。FDAとEMAが報告した有害事象の総数は同等だったが、EMAまたは米国以外のからの報告では死亡と発作の発生率が7-10倍高かった。私たちの調査における死亡、発作、神経系へ影響する深刻な有害事象は、FDAの方向よりも高かったが、EMAの報告よりやや低かった。こららのかなり規模の大きなデータと、寄生虫駆除薬投与前と後の調査を組み合わせることで、イソキサゾリンの神経毒性がノミおよびダニに特異的なものではなかったことが示される。市販後の深刻な有害事象は、研究新薬提出時におけるものよりもはるかに高かった。説明書は最近更新されたが、犬、猫、およびその保護者は依然としてその使用による影響を受けている。これらの集計データレポートは、継続的な異種間研究と、規制当局と製造業者による製品説明書の批判的な調査の必要性を支持する。
 

Schaefer, Deanna MW, Theresa E. Rizzi, and Angela B. Royal.
"Hemophagocytosis and Histoplasma‐like fungal infection in 32 cats." 
Veterinary clinical pathology 48.2 (2019): 250-254.

PubMedリンク PMID:31175684
本文:無料公開なし

タイトル
:血球貪食とヒストプラズマ様真菌感染症の猫32頭

==アブストラクト=== 
ヒストプラズマ症はアメリカの猫における最も一般的な全身性真菌感染症のひとつである。一般的には呼吸器もしくは播種性の疾患を引き起こし、1つ以上の血球減少症としばしば関連する。ここでは、ヒストプラズマ様真菌感染症と、それに関連した1つ以上の部位(
一般には脾臓、骨髄、肝臓、および/またはリンパ節 )における血球貪食の併発のある猫32頭について記述する。血球貪食の程度は、多くの症例で中程度から顕著なのが特徴であり、すべての症例で成熟赤血球の貪食が優位であった。少数の症例では、赤血球前駆体、血小板、および/または好中球を貪食したマクロファージもみられた。完全血球計算の結果は25頭の猫で得られ、血球減少症は一般的であり(20/25)、貧血単独(10)、貧血と血小板減少症(5)、好中球減少単独(2)、汎血球減少(2)
、貧血と好中球減少(1)が含まれた。骨髄サンプルは症例の少数でのみ得られ、血球減少症の原因のさらなる評価はできなかった。血球貪食は、腫瘍性疾患のある猫およびカリシウイルス感染のある猫で過去に報告されており、 出血や溶血などのほかの状態でも同様に起こりやすい。この報告の結果により、猫の細胞診サンプルで血球貪食があった場合には、全身性の真菌疾患を考慮すべき追加の鑑別であることを示唆している。
 

Kruse, B. D., et al.
"Prognostic factors in cats with feline panleukopenia."
 
Journal of veterinary internal medicine 24.6 (2010): 1271-1276.

PubMedリンク PMID:21039863
本文:無料公開あり(全文

タイトル
:ネコ汎血球減少症のある猫における予後因子

==アブストラクト=== 
背景
:ネコ汎血球減少症は伝染性が高く、しばしば致死的な疾患である。

目的
:この研究の目的は、汎血球減少症の猫の生存に関する予後因子を特定することである。

動物
:1990年から2007年の間に、ドイツのミュンヘンのLMU大学臨床小動物医療診療所で、猫244頭が汎血球減少症と診断された。 診断は電子顕微鏡、糞便または血液のPCR、糞便の抗原ELISA、剖検時の病理組織学的病変、またはこれらの方法のいくつかの組み合わせによってなされた。

方法
:それぞれの猫の医療記録を回顧的に評価した。

結果
:生存率は51.1%であった。転機と生活環境、年齢、ワクチン接種(非接種vs1回以上の接種)、臨床徴候の重症度との間には有意な相関はなかった。 しかし、ワクチン接種の猫では、子猫として12週齢以降にワクチンをうけた猫はいなかった。生存群と比べて、非生存群で白血球数と血小板数が有意に低かった。白血球数<1000/μlの患者に対する死亡の相対リスクは、白血球数1000-2500/μlの患者と比べて1.77倍高く(p=0.038)、白血球数>2500/μlの患者と比べて1.85倍高かった(p=0.001)。致死的な転帰の起こりやすさは、血清アルブミン濃度<30g/L、または血清カリウム濃度<4mmol/Lの時により高かった。

結論と臨床的意義
:12週齢以降の子猫のワクチン接種を含まないワクチンワクチネーション戦略については、汎血球減少症の予防に十分ではない可能性がある。白血球減少症、血小板減少症、低アルブミン血症、および低カリウム血症は、汎血球減少症の猫における負の予後因子である。 

Rodriguez, Josep Monne, K. Köhler, and Anja Kipar.
"Calicivirus co-infections in herpesvirus pneumonia in kittens."
 
The Veterinary Journal 236 (2018): 1-3.

PubMedリンク PMID:29871741
本文:無料公開なし

タイトル
:仔猫のヘルペスウイルス性肺炎におけるカリシウイルスの共感染

==アブストラクト=== 
ネコヘルペスウイルス-1(FeHV-1)とネコカリシウイルス(FCV)は、猫の呼吸器疾患の最も重要な感染性原因である。 FeHV-1とFCVの共感染は、上気道疾患のある猫では一般的であるが、肺炎の猫でもそのような共感染が起こるのかどうかについては不明である。この研究では、組織学的および免疫組織科学的に、FCVの共感染についてFeHV-1性肺炎のある自然感染性の猫の肺について調べた。この研究におけるFCVの頻度(13/21, 62%)は、FeHV-1性肺炎のある仔猫におきて共感染が一般的であることを示唆している。FCVの感染したマクロファージが、FeHV-1に罹患した気道の内腔でしばしばみられた。8/13頭(62%)の猫で、典型的なFCVの病変は、FeHV-1によって誘発される病変からは離れていた。Ⅱ型肺細胞/肺胞マクロファージのFCV感染は、組織学的に変化していない領域で明らかであった。FeHV-1によって誘発される気道の損傷は、粘膜線毛クリアランスの減少と免疫防御の減少により、FCVの二次感染を促進する可能性がある。
 

Chvala-Mannsberger, S., Z. Bago, and H. Weissenböck.
"Occurrence, morphological characterization and antigen localization of felid herpesvirus-induced pneumonia in cats: a retrospective study (2000–2006)." 
Journal of comparative pathology 141.2-3 (2009): 163-169.

PubMedリンク PMID:19540511
本文:無料公開なし

タイトル
:猫におけるネコヘルペスウイルス誘発性肺炎の発生、形態学的特徴、および抗原の局在;回顧的研究(2000-2006年)

==アブストラクト=== 
ネコヘルペスウイルス-1(FeHV-1)による感染に関連した肺炎のある猫9頭における病理学的所見を提示する。罹患した動物は、仔猫5頭、準成猫2頭、成猫2頭であった。線維素壊死性肺炎と気管支および細気管支上皮細胞の重度な壊死による顕微鏡学的変化が、肺細胞、肺胞マクロファージ、および壊死した気管支・細気管支上皮細胞において、免疫組織化学的に検出された。最も若い仔猫では、ウイルス抗原が肝臓でも検出された。FeHV-1感染は、線維素壊死性肺炎のある猫では鑑別診断として考慮されるべきであり、免疫組織化学によるウイルス抗原の提示はそういった症例の診断手順で役に立つ。

Monne Rodriguez, Josep Maria, et al.
"Feline herpesvirus pneumonia: investigations into the pathogenesis."
 
Veterinary pathology 54.6 (2017): 922-932.

PubMedリンク PMID:28812530
本文:googlescholar経由で入手可能(全文

タイトル
:ネコヘルペスウイルス性肺炎;病因の調査

==アブストラクト=== 
ネコヘルペスウイルスtype1(FeHV-1)は、猫の呼吸器疾患の病因の1つだ。FeHV-1は主に鼻炎と結膜炎を起こす上皮向性で細胞変性性のウイルスであるが、肺炎も時々みられる。この研究では、肺炎に関連したFeHV-1の病原性について調べ、自然症例を組織学的、免疫組織学的、二重免疫蛍光法、および透過型電子顕微鏡を用いて、気管輪のウイルス感染とin vitroの細胞培養と比較した。結果により、FeHV-1が呼吸上皮細胞と肺細胞の両方を標的とすることが確定し、FeHV-1肺炎は気道を介した上気道から肺への連続的な細胞間ウイルス拡散の結果であることが示された。FeHV-1感染細胞は、
細胞間接触の喪失、円形化、剥離に続いて、主にアポトーシスによって死ぬという強い根拠が示された。しかし、生体内でのウイルス誘発病変は、顕著な好中球浸潤と顕著なアポトーシスのない広範囲な壊死によって支配されるが、気道では組織の壊死は粘膜下までおよぶ。壊死は、ウイルス誘発性の好中球浸潤および好中球からのマトリクスメタプロテイナーゼ-9にようなタンパク分解酵素の放出に起因するようだ。
 

Clark, Andrea C., Justin J. Greco, and Philip J. Bergman.
"Influence of administration of antimicrobial medications after tibial plateau leveling osteotomy on surgical site infections: A retrospective study of 308 dogs." 
Veterinary Surgery (2019).

PubMedリンク PMID:31664725
本文:無料公開なし

タイトル:TPLO術後の抗菌薬の投与が手術部位感染に与える影響;犬308頭の回顧的研究

==アブストラクト=== 
目的:脛骨高平部水平化骨切り術(TPLO)の術後の傾向抗菌薬の予防的投与が手術部位感染(SSI)と抗菌薬耐性感染に与える影響を調べること・

研究デザイン:回顧的研究。

サンプル集団:2013年1月から2015年12月の間に片側のTPLOを行い治療した犬(n=308)。

方法:医療記録を再調査し、シグナルメント、外科的に治療した肢、手術と麻酔の時間、術後の抗菌薬の投与、抗菌薬の種類、外科医、および手術部位感染の発生について再調査した。統計解析には、記述統計、単純線形回帰、分散分析、フィッシャーの制約付き最小有意差検定、およびカイ二乗検定を含めた。

結果
:抗菌薬の投与を受けなかった犬31頭と、TPLOの術後14日間抗菌薬の投与をうけた犬277頭からデータを収集した。浅部切開創SSIは、抗菌薬投与をうけなかった犬31頭中2頭で検出され、抗菌薬投与をうけた犬277頭中48頭で検出された(p=0.1194)。深部切開創SSIは、 抗菌薬投与をうけなかった犬31頭中2頭で起こり、抗菌薬投与をうけた犬277頭中27頭で起こった(p=0.5513)。抗菌薬耐性の深部切開創SSIは、 抗菌薬投与をうけなかった犬31頭中2頭で起こり、抗菌薬投与をうけた犬277頭中18頭で起こった(p=0.9920)。体重は深部切開創SSIおよび耐性感染と相関した。手術と麻酔の時間の延長は、浅部切開創SSI、深部切開創SSI、および抗菌薬耐性と関連した。外科医は深部切開創SSIに影響を与えた。

結論:以前に報告された感染の素因について確定したが、この研究の臨床環境においては術後の抗菌薬の投与はSSIを防がず、 抗菌薬耐性の素因でもなかった。

臨床的意義
:この研究では、片側のTPLO術後の予防的経口抗菌薬投与を支持する根拠は示されない。


==訳者コメント===
後ろ向きのコホート研究(ランダム化されていない)ので厳密には治療効果は検証できない研究デザインですが、予防的抗菌薬群のSSIの発生割合をみると、やはり効果はなさそうだなという印象ですね。

 ビジアブ)TPLOの術後予防的抗菌薬投与の有効性

Levin, Garrett M., et al.
"Lactate as a diagnostic test for septic peritoneal effusions in dogs and cats."
 
Journal of the american animal Hospital association 40.5 (2004): 364-371.

PubMedリンク PMID:15347615
本文:無料公開なし

タイトル
:犬と猫の敗血症性腹水の診断検査としての乳酸

==アブストラクト=== 
敗血症性腹水または非敗血症性腹水のある犬と猫において、腹水中の乳酸濃度を評価し、血中の乳酸濃度と比較した。敗血症性腹水のある犬すべてで、腹水の乳酸濃度は>2.5mmol/Lであり、腹水中の乳酸濃度は血中よりも高く、血液と腹水の乳酸濃度の差がマイナスとなった。犬では、敗血症性腹水の鑑別における腹水中乳酸濃度と血中-腹水乳酸濃度の差の診断精度は、それぞれ95%と90%であった。猫における
腹水中乳酸濃度と血中-腹水乳酸濃度の差は、敗血症性腹水の検出に正確な検査ではなかった。

Bonczynski, Jennifer J., et al.
"Comparison of peritoneal fluid and peripheral blood pH, bicarbonate, glucose, and lactate concentration as a diagnostic tool for septic peritonitis in dogs and cats."
 
Veterinary surgery 32.2 (2003): 161-166.

PubMedリンク PMID:12692761
本文:googlescholar経由で入手可能(全文

タイトル:犬と猫の敗血症性腹膜炎の診断ツールとしての腹水中と血液のpH、重炭酸、グルコース、乳酸の濃度の比較

==アブストラクト=== 
目的:腹水中と静脈血中のpH、重炭酸、乳酸、およびグルコースを用いて、犬と猫の敗血症性腹膜炎に対して信頼できる診断ツールを確立すること。

研究デザイン:前向き臨床研究・

動物:腹水貯留のある犬18頭と猫12頭。

方法:来院時に採取した静脈血と腹水のサンプル1-2mlのpH、重炭酸、乳酸、およびグルコースの濃度を測定した。血液中と腹水中のpH、重炭酸、グルコース、乳酸の濃度の差を、血液濃度から腹水濃度を引くことで算出した。腹水は細胞診断と細菌培養検査に提出した。腹膜炎は、細胞診と細菌培養の結果に基づいて、敗血症性と非敗血症性に分類した。

結果
:犬では、敗血症性の浸出液がある場合、腹水のグルコース濃度が血中の濃度よりも常に低かった。血液- 腹水グルコース差は>20mg/dlで、敗血症性腹水の診断に感度100%、特異度100%であった。 測定を行なった7頭の犬で、血液-腹水乳酸差は<-2.0mmol/Lで、敗血症性腹水の診断に感度100%、特異度100%であった。猫では、血液- 腹水グルコース差は敗血症性腹水の診断に感度86%、特異度100%であった。犬と猫で、血液- 腹水グルコース差は、腹水中のグルコース濃度単独よりも敗血症性腹膜炎の診断により正確だった。

結論:血中と腹水中のグルコース濃度の>20mg/dlの差は、犬と猫で非敗血症性腹水と敗血症性腹水を鑑別するための迅速で信頼できる方法となる。

臨床的意義
:血中と腹水中のグルコース濃度の差は、腹水中のグルコース濃度単独よりも、より信頼できる敗血症性腹水の診断指標として使われるだろう。
 

McGhie, J. A., J. Stayt, and G. L. Hosgood.
"Prevalence of bacteriuria in dogs without clinical signs of urinary tract infection presenting for elective surgical procedures." 
Australian veterinary journal 92.1-2 (2014): 33-37.

PubMedリンク PMID:24471880
本文:無料公開なし

タイトル:待機手術で来院した尿路感染の臨床徴候がない犬における細菌尿の有病率

==アブストラクト===
目的
:待機手術で来院した犬における細菌尿の頻度を調べ、整形外科的(非神経)な処置をする犬の細菌尿の頻度と、軟部組織の処置の犬の細菌尿の頻度を比較し、尿沈渣の顕微鏡的な細菌の確認と培養による細菌の発育との一致性を測定すること。

方法
:家庭飼育犬140頭の前向きコホート研究。麻酔導入の前または直後に、尿を恥骨前膀胱穿刺によって採取した。尿は定量的な尿培養と尿検査に提出された。犬の年齢、性別、体重、犬種、行われた外科処置について記録した。

結果
:全部で80頭の整形外科症例と60頭の軟部外科症例がこの研究に組み入れられた。3頭(2.1%)で細菌培養で発育(尿培養陽性)があり、 19頭(13.6%)で尿検査における膿尿および/または細菌尿を伴う尿沈渣(尿検査陽性)がみられた。尿培養陽性の犬すべてが雌で、そのうち2頭が整形外科手術をうけた。いずれの雌犬でEscherichia coli>10(5)CFU/mlの発育がみられた。尿培養陽性と尿検査陽性の一致性は悪かった(κ=0.15)。

結論
:この集団における尿路感染の臨床徴候のない犬の細菌尿の有病率は低かった(2.1%)。陽性結果が少なかったため、リスクのある集団は特定できなかった。尿検査陽性は尿培養の結果との一致が悪く、そのため尿培養を行わずに治療を行う決断は推奨されない。
 

Barrs, Vanessa R., et al.
"Feline pyothorax: a retrospective study of 27 cases in Australia."
 
Journal of Feline Medicine and Surgery7.4 (2005): 211-222.

PubMedリンク PMID:16055006
本文:googlescholar経由で入手可能(本文

タイトル:
猫の膿胸;オーストラリアにおける27症例の回顧的研究

==アブストラクト=== 
1983年から2002年の間に27頭の猫で膿胸が診断された。21頭(78%)の症例で、胸水の培養および/または細胞診は、口腔咽頭由来の混合嫌気性感染と一致した。6頭(22%)では、マイコプラズマ属、クリプトコッカス・ガッティ、大腸菌、ネズミチフス菌、黄色ブドウ球菌などの、まれな病原体、あるいは口腔咽頭由来ではない病原体であった。全体の死亡率は22%であった。治療は、閉鎖式の胸腔チューブが挿入された19頭中18頭(95%)でうまくいった。1頭は開胸術後に解消した。アクチノミセス属は3頭で分離され、犬では開胸術が推奨されているのと対照的に、胸腔チューブで解消した。胸腔チューブを設置した猫の58%で器質的な合併症が発生した。可能性のある胸腔感染のメカニズムが18頭(67%)で特定され、血行性感染(n=1)、胸腔内への細菌の直接の植え込み(n=1)、胸腔内食道の破裂(n=1)、および肺炎随伴性の感染の拡張(n=15;56%)が含まれた。後者のうち、周術期の吸引が2頭で疑われ、寄生虫の移行が2頭で、 先行する気道感染が7頭で関連していた。口腔咽頭の最近そうによる肺組織でのコロニー化と浸潤のあとの肺炎随伴性の感染の拡張は、猫の嫌気性多病原体性の膿胸の最も一般的な原因のようであり、咬傷による口腔への直接的な植え込みが一般的であると広く考えられていることに意義を唱える。
 

Boothe, Harry W., et al. 
"Evaluation of outcomes in dogs treated for pyothorax: 46 cases (1983–2001)."
 
Journal of the American Veterinary Medical Association 236.6 (2010): 657-663.

PubMedリンク PMID:
20225978

本文:無料公開なし

タイトル:膿胸の治療を行なった犬の転帰についての評価;46症例(1983-2001)

==アブストラクト=== 
目的:膿胸の犬における治療アプローチが転帰に与える影響と、初期の経験的な抗菌薬療法の適切さについて調べること。

デザイン:回顧的症例シリーズ。

動物:46頭の犬が、胸水または組織の中の細胞内細菌(n=41)および胸水培養により回収された細菌(36)のうちのいずれか(15)または 両方(31)によって膿胸が確定された。

方法:1983年から2001年の間に膿胸の治療が行われた犬の医療記録を再調査した。シグナルメント、病歴、臨床徴候、および治療の情報、および画像診断、細胞診、微生物学的評価の結果について収集した。追跡は再検査(n=15)および紹介元の獣医師への連絡(26)、飼い主への連絡(24)によっておこなった。

結果
: 46頭の犬が少なくとも一回の抗菌薬と胸腔穿刺(n=7 非侵襲群)、胸腔チューブ(n=26 侵襲群)±胸腔洗浄とヘパリン、または開胸術(n=13 手術群)と胸腔チューブ±胸腔洗浄とヘパリン、によって治療された。膿胸は7頭で再発し、7頭中5頭は死亡または安楽死された。それぞれの群で、短期生存率は29%、77%、92%であり、長期生存率は29%、71%、70%であった。胸腔洗浄とヘパリン療法は、短期および長期生存の可能性を増加させた。抗菌薬んも感受性試験の結果から、経験的(empirical)な抗菌薬の選択は、無効性のリスク35%と関連することが示唆された。

結論と臨床的意義
:この研究の膿胸の犬では、手術(短期生存に対して)と胸腔内洗浄・ヘパリン療法(短期および長期生存に対して)によって良好な治療効果が達成された。 犬の膿胸の治療で、侵襲的(外科的)な治療が、非侵襲的治療よりも良い長期予後を導くという仮説を支持する結果を得ることはできなかった。
 

Stillion, Jenefer R., and Jo‐Annie Letendre.
"A clinical review of the pathophysiology, diagnosis, and treatment of pyothorax in dogs and cats."
 
Journal of veterinary emergency and critical care25.1 (2015): 113-129.

PubMedリンク PMID:25582193
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タイトル:犬と猫の膿胸の病態生理、診断、および治療についての臨床的レビュー

==アブストラクト=== 
目的
: 犬と猫の膿胸の病態生理、診断、および治療について述べている最近の文献をレビューすること。」

病因:膿胸は、胸腔内蓄膿としても知られており、胸腔内への細菌性化膿性液体の貯留によって特徴付けられる。胸腔内への正確な感染ルートはしばしば不明のままであり、口腔および上気道が犬と猫で膿胸を起こす病原体の最もよくある起源のようだ。ヒトの医療では、膿胸は細菌性肺炎と進行性肺炎性滲出液に関連する一般的な病態である。

診断:胸部画像診断は胸水の診断に役立つが、膿胸の確定診断には胸水の細胞学的検査または細菌培養が必要だ。

治療:膿胸に対する治療のアプローチは非常に様々で、ヒト医療と獣医療の両方で議論の余地があるままだ。膿胸の治療はこれまで内科治療または外科治療に分けられており、抗菌薬の投与、間欠的または持続的な胸腔ドレナージ、胸腔洗浄、胸腔内繊維素溶解療法、ビデオ補助胸部外科、および従来の開胸術が含まれる。利用てできるすべてのオプションにも関わらず、短期および長期のアウトカムの成功(再発の回避を含めて)を確実なものとする理想的な治療は、わからないままだ。 

予後
:犬と猫の膿胸の予後は様々だが、適切な治療によって良いものとなり得る。近年の獣医療文献のレビューによって、報告された全体の生存率は犬で83%、猫で62%であることが明らかになった。小動物における膿胸の臨床症状はしばしば遅れて非特異的なものであり、そのため良いアウトカムのためには迅速な診断と治療が必要とされる。
 

Tamborini, A., et al.
"Bacterial cholangitis, cholecystitis, or both in dogs." 
Journal of veterinary internal medicine 30.4 (2016): 1046-1055.

PubMedリンク PMID:27203848
本文:無料公開あり(全文

タイトル:犬の細菌性胆管炎、胆嚢炎、またはその両方

==アブストラクト=== 
背景:犬において細菌性胆管炎と胆嚢炎の報告はまれであり、 疾患の特徴は不十分である。

目的:これらの疾患の臨床所見の特徴を調べること。

動物:細菌性胆管炎、胆嚢炎、またはその両方のある家庭飼育犬27頭。

方法:2000年1月から2011年6月までの間にアイルランド/イギリスの4つの獣医学校に来院した、細菌性胆管炎、胆嚢炎、またはその両方がある犬についての多施設間、回顧的症例シリーズ。病院データベースの調査により、以下の組み入れ基準をもつ犬の全てが同定された;病理組織学的に胆管炎または胆嚢炎が確定されており、単純の培養/細胞診の結果が細菌性の病院を支持している。

結果:27頭の犬が組み入れ基準を満たし、同じ研究機関におよそ460の肝炎症例が記録されていた。典型的な病理所見は、肝酵素の上昇(25/26)、高ビリルビン血症(20/26)、および炎症性白血球(21/24)が含まれた。超音波所見は、非特異的ではあるが、25/26症例で意思決定の役に立った。最も頻繁に肝胆道系から分離されたのは、Escherichia coli(大腸菌 n=17;16症例)、enterococcus属(腸球菌属 n=8;6症例)、およびClostridium属(クロストリジウム属 n=5;5症例)であった。抗菌耐性は好気性分離株の重要な特徴であった;分離された大腸菌の10/16で、3つ異常の抗菌クラスに耐性があった。胆道の破裂は症例の1/3近くで合併しており、重大な死亡率(4/8)に関連していた。退院した犬の予後は要注意からまあまあであった;17/18頭は2ヶ月後も生存し、再評価した犬の5/10頭で、2-12ヶ月後にも肝酵素の上昇が持続していた。

結論と臨床的意義
:細菌性胆管炎および胆嚢炎は近年の文献で示唆されているよりもより頻繁に起こり、黄疸と発熱、腹痛、または炎症性白血球で来院した犬、または超音波検査で胆嚢の異常所見のある犬では考慮しておくべき疾患だ。
 

Choi, Jihye, et al.
"Ultrasonographic features of pyonephrosis in dogs."
 
Veterinary radiology & ultrasound 51.5 (2010): 548-553.

PubMedリンク PMID:20973391
本文:無料公開なし

タイトル
:犬の膿腎症の超音波検査の特徴

==アブストラクト=== 
膿腎症は、
拡張した腎盂への滲出物の蓄積につづく腎盂腎炎または上行性の感染に続いて起こる水腎症から生じる感染性の水腎症を指す。膿腎症は重篤な全身性合併症を引き起こす可能性があり、迅速かつ信頼性の高い診断が重要になる。ヒトでは臨床的および超音波検査的な所見が膿腎症の診断い使われているが、これらの所見は犬では調べられていない。我々は18頭の膿腎症の犬における超音波検査所見を再調査した。水腎症のある犬10頭も、膿腎症の犬と比較するために評価した。膿腎症の犬のほとんどで、拡張した腎盂内に完全に充満した高エコーの内容物(n=8)、または液体デブリスレベル(n=8)が観察された。18頭中2頭のみで、高エコー性の内容物が腎盂内に分散していた。高エコーの浮腫性腸間膜と、腹腔および後腹膜内の炎症を示唆する腹腔内および後腹膜内の液体が、11頭の犬で腎臓周囲に観察された。膿腎症と比較して、そして予想通りに、水腎症は無エコー性の内容物で満たされた尿収集システム内をと特徴とし、腹膜炎を疑う明確な所見はなかった。したがって犬における膿腎症と水腎症の超音波のみためには明確な違いがある。

De Risio, Luisa, et al.
"Focal canine tetanus: diagnostic value of electromyography."
Journal of small animal practice 47.5 (2006): 278-280.

PubMedリンク PMID:16674723
本文:無料公開なし

タイトル:犬の局所的破傷風;筋電図の診断的価値

==アブストラクト=== 
4歳の雄のイタリアンハウンドが、外部刺激で悪化する両前肢の重度な痙縮で来院した。その他の神経学的検査と身体検査は正常だった。完全血球計算、生化学プロファイル、および原虫疾患の血清検査は正常範囲内だった。頚胸部脊椎のレントゲン検査と腹部超音波検査で異常はなかった。前肢の筋電図では、主動筋と拮抗筋の両方で“ダブレット”と同時活動の存在が示された。これらの異常は脊髄レベルでのグリシン作動性阻害の欠陥によって説明することが可能である。病歴、進行性の徴候、およbに臨床所見と合わせて、筋電図によって局所性破傷風の推定診断は指示された。犬は破傷風抗毒素と抗菌薬治療をうけ、4ヶ月かけて徐々に改善した。

Simmonds, Erin E., Amy J. Alwood, and Merilee F. Costello.
"Magnesium sulfate as an adjunct therapy in the management of severe generalized tetanus in a dog." 
Journal of Veterinary Emergency and Critical Care 21.5 (2011): 542-546.

PubMedリンク PMID:22316201
本文:無料公開なし

タイトル:重度の全身性破傷風の犬に管理における補助療法としての硫酸マグネシウム

==アブストラクト=== 
目的
:全身性破傷風の犬の症例における硫酸マグネシウムの使用について記述すること。

症例の概要
:1.5歳齢のゴールデンレトリバーが、右前肢の指の傷と全身性の破傷風に関連する臨床徴候で来院した。最初の治療は傷のデブリード、メトロニダゾール、破傷風免疫グロブリン、メトカルバモール、気管切開により気道管理、および看護ケアを行なった。重度の筋痙攣を管理するために鎮静をおこなったが、ベンゾジアゼピン、メトカルバモール、バルビツレイトの持続投与の用量を増やしていったにも関わらず、不十分になった。硫酸マグネシウムの持続投与を7日目から開始し、16時間以内に筋硬直が改善し、その後2日で鎮静剤の投与を中止することができた。臨床的な改善が続き、犬は14日で退院した。

提供される新しいまたは独自の情報
:この症例は、重度の全身性破傷風の治療に超生理学的なマグネシウムの使用が良好な天気と関連したこと示している。マグネシウムの毒性に関連する臨床臨床徴候は、治療中に記録されなかった。硫酸マグネシウムは、重度の破傷風の犬によっておこる痙性麻痺における潜在的な補助治療として考慮されるべきだ。

Sprott, Kerri-Rae.
"Generalized tetanus in a Labrador retriever." 
The Canadian Veterinary Journal 49.12 (2008): 1221.

PubMedリンク PMID:17766808
本文:無料公開あり(全文

タイトル
:全身性破傷風のラブラドール・レトリバー

==アブストラクト=== 
10週齢、未避妊のラブラドール・レトリバーが、進行性の伸筋の強直、顔の腫れ、および歩行困難で来院した。全身性の破傷風と診断し、治療は成功した。 

Bandt, Carsten, et al.
"Retrospective study of tetanus in 20 dogs: 1988–2004." 
Journal of the American Animal Hospital Association 43.3 (2007): 143-148.

PubMedリンク PMID:17473020
本文:無料公開なし

タイトル
:破傷風の犬20頭の回顧的研究;1988-2004年

==アブストラクト=== 
1988年から2004年の間に破傷風の治療をうけた犬の医療記録を再調査した。若くて、大型犬種が最も頻繁に罹患した。12頭の犬がありえそうな感染源が特定された。すべての犬は抗菌薬の静脈投与と支持ケアで治療され、筋けいれんと筋硬直に対して筋弛緩と鎮静が行われた。16頭の犬で破傷風抗毒素が投与された。死亡率は50%であった。生存犬での完全な回復にはおよそ1ヶ月かかった。 

Adamantos, S., and A. Boag.
"Thirteen cases of tetanus in dogs." 
Veterinary Record 161.9 (2007): 298-302.

PubMedリンク PMID:17766808
本文:無料公開なし

タイトル
:犬の破傷風の13症例

==アブストラクト=== 
破傷風の犬13頭の記録を再調査し、12頭が生存して退院したが、1頭は高体温の急性発症で死亡した。長期追跡は生存犬の10頭で入手可能で、9頭は正常になっていて。1頭は退院後4ヶ月で頚椎骨折によって安楽死された。管理中に遭遇した合併症には、誤嚥性肺炎が3例、尿路感染が2例、上気道閉塞、裂孔ヘルニア、股関節脱臼、発作、および呼吸停止それぞれ1例ずつあった。換気サポートを必要とする犬はおらず、合併症はうまく管理された。犬には集中的な看護と注意深いモニターが行われた。
 

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