ねころんで探せる小動物医療のジャーナルクラブ

小動物臨床の獣医師が、臨床に役立ちそうな論文情報をちょっとづつアップします。ねころんでいても論文検索ができればいいなと。

カテゴリ: 手術手技

Mullen, Kaitlyn M., et al.
"Evaluation of intraoperative leak testing of small intestinal anastomoses performed by hand-sewn and stapled techniques in dogs: 131 cases (2008–2019)." 
Journal of the American Veterinary Medical Association 258.9 (2021): 991-998.


PubMedリンク PMID:33856865
本文:無料公開なし

タイトル:犬の手縫い縫合とステープラーを用いて行った小腸吻合の術中リークテストの評価;131症例(2008-2019)

==アブストラクト===
目的:手術中の吻合部リークテストの結果(リークの陽性/陰性またはテスト未実施)と、小腸の手縫い吻合または機能的端々ステープラー吻合が行われた犬の、術後離開の割合を比較すること。

動物:144の小腸吻合(ステープラー94、手縫い50)が行われた131頭の家庭飼育犬。

方法:医療記録を検索し、2008年1月から2019年10月の間に小腸吻合(手縫いまたはステープラー)が行われた犬を同定した。データを収集し、シグナルメント、手術の適応、吻合部位、外科手技、術前の細菌性腹膜炎の存在、術中のリークテストの実施、術後の離開の発生、およびフォローアップ期間について調べた。

結果:術中のリークテストは144回の小腸吻合のうち62回(43.1%)行われ、ステープラー吻合26/94(27.7%)、手縫い吻合36/50(72.0%)で行われた。13/144(9.0%)の吻合で、術後に離開が起こり(中央値4日、範囲2-17日)、その後に細菌性腹膜炎が起こり、ステープラーの10/94(27.7%)と手縫いの3/50(6.0%)で起こった。術後離開の発生率は、ステープラーと手縫い、術中のリークテスト実施の有無、リークテストの陽性/陰性結果、による有意な差はなかった。手縫い縫合はステープラーに比べて、リークテストを行うことが有意に多かった。術前の細菌性腹膜炎、大網または漿膜による補強の実施、術前の血清アルブミン濃度、および外科適応疾患は、吻合方法間で有意な差はなかった。

結論と臨床的意義
:術中の吻合部リークテストの実施は、吻合方法に関わらず、術後の吻合部離開の発生率の減少と関連しなかった。

Nutt, Anna E., et al.
"Influence of muscle‐sparing lateral thoracotomy on postoperative pain and lameness: A randomized clinical trial." 
Veterinary Surgery (2021).


PubMedリンク PMID:
33586796
本文:googlescholar経由で入手可能(全文

タイトル:筋肉温存側方開胸術が術後の痛みと跛行に与える影響;ランダム化臨床試験

==アブストラクト===
目的
:犬における筋肉温存側方開胸術と標準的な側方開胸術後の跛行の程度と痛みレベルを評価すること。

研究デザイン
:ランダム化盲検前向き研究。

動物
:家庭飼育犬28頭。

方法
:筋肉温存側方開胸術のグループの犬では広背筋を牽引し、標準的側方開胸術のグループの犬では広背筋を切開した。手術前24時間以内、術後3日、術後8-12週間で、跛行についてフォースプレートを用いて評価し、鉛直力対称性指数のピークを計算した。対称性指数と略式グラスゴー複合測定疼痛スケールで測定した痛みスコアを、主要アウトカムとして評価した。

結果
:全ての犬で、術後3日の対称性指数は、手術前のものよりも低く、手術側と同側の前肢跛行と一致した(p<0.001)。術前と術後3日の対称性指数絶対値の差は、この変化が筋肉温存側方開胸術を行った後の犬よりも、標準的側方開胸術を行った後の犬ほ方が3.1倍大きかったという根拠を示した(p=0.009)。手術後1日目の痛みスコアは、標準的側方開胸術(2.5)よりも筋肉温存側方開胸術(1)の方が低かった(p<0.001)。

結論
:側方開胸術は術後の疼痛と同側前肢の跛行を招き、それは広背筋を温存することで軽減する。

臨床的意義
:側方開胸術を行う犬では、手術直後の合併症を減らすために、広背筋の温存を考慮すべきである。

Friesen, S. L., et al.
"Clinical findings for dogs undergoing elective and nonelective cholecystectomies for gall bladder mucoceles." 
Journal of Small Animal Practice (2021).

PubMedリンク PMID:33587301
本文:無料公開なし

タイトル:胆嚢粘液嚢腫に対して待機的胆嚢摘出術と緊急的胆嚢摘出術を行った犬の臨床所見

==アブストラクト===
目的:この研究の目的は、胆嚢粘液嚢腫の犬における待機手術または緊急手術として行った胆嚢摘出術の合併症と死亡率について記述することである。二番目の目的は、異なる総胆管カテーテル法の合併症と死亡率についてを報告することである。

方法:多施設回顧的症例シリーズを行い、2004年から2018年の間に胆嚢摘出術を行った犬を特定した。犬は、胆嚢破裂、胆管拡張、臨床徴候、または高ビリルビン血症、の有無に基づいて待機手術と緊急手術に分類された。それぞれの胆嚢摘出は以下の3つのグループに分類された;十二指腸切開と逆行性カテーテル法、順行性カテーテル法、カテーテルなし。合併症は重症度の増加に基づいて4つのグレードに分けられ、それぞれの死亡率を評価した。

結果:死亡率は、待機手術として胆嚢摘出術を行った犬31頭中2頭(6%)であり、緊急手術として胆嚢摘出術を行った犬90頭中21頭(23%)であった。合併症の割合は、待機的胆嚢摘出術で52%、緊急的胆嚢摘出術で50%であった。待機的手術における合併症の多くはグレード1(軽度)であった。術後の高ビリルビン血症は、十二指腸切開/逆行性総胆管カテーテルを行った犬の35%、順行性総胆管カテーテルを行った犬の4%、総胆管カテーテルを行わなかった犬の7%でみられた。

臨床的意義
:本研究において胆嚢粘液嚢腫がある犬の待機的胆嚢摘出術では、死亡率は低く、軽度の合併症が比較的高い頻度で起こった。

Vlachomitrou, I. E., et al.
"X/Y shaped periorbital reconstructive surgery following enucleation or exenteration: 24 cases (2013 to 2020)."
 
Journal of Small Animal Practice (2021).

PubMedリンク PMID:
33587298
本文:無料公開なし

タイトル:眼球摘出後または眼窩内容部除去後のX/Y形眼窩周囲再建手術;24症例(2013-2020)

==アブストラクト===
目的:犬と猫の眼球摘出後または眼窩内容物除去後のX/Y形眼窩周囲再建手法について説明し、その美容的および機能的な結果について評価すること。

方法:2つの施設に眼球摘出または眼窩内容物除去が必要で来院し、美容的な理由で線維性の眼窩周囲組織を使用したX形またはY形の形成術を行った犬と猫の医療記録を、回顧的にレビューした。すべての患者は術後1-2週間、2ヶ月、および6ヶ月で臨床的に評価された。眼瞼の陥没は、なし、またはありとしてスコア化された。

結果
:犬19頭と猫5頭が研究に組み入れられた。犬12頭と猫3頭は眼球摘出、残りの犬7頭と猫2頭は眼窩内容物除去術を行った。短期のフォローアップで、3頭で眼窩周囲の浮腫がみられた。術後60日および6ヶ月で、猫2頭と犬2頭で眼瞼の陥没がみられた。これらの犬2頭は両方とも長頭種であった。残りの患者では眼瞼の沈没はみられず、犬2頭と猫1頭で短期的にみられた眼窩周囲の浮腫は、完全に解消した。眼の腫瘍の患者4頭は、致死的な転移または安楽死のために6ヶ月のフォローアップは得られなかった。

臨床的意義
:X/Y形眼窩周囲再建術は迅速で、手技が容易であり、満足のいく長期の美容的な結果が得られたが、4頭では眼瞼の沈降がみられた。

Mehrkens, Lea R., et al.
"Experience level as a predictor of entry into the hypotympanum during feline total ear canal ablation and lateral bulla osteotomy."
 
Journal of Feline Medicine and Surgery: 2021.1098612X20983264.


PubMedリンク PMID:33438505
本文:無料公開なし

タイトル:猫の全耳道切除と外側鼓室包骨切り術中の下鼓室への到達の予測としての経験レベル

==アブストラクト===
目的:この研究仮説は以下の通りである;(1)猫の中耳の独特な解剖のために、外耳道の全切除と外側鼓室包骨切り術を行う際に下鼓室に到達する猫は100%を下回る。(2)不完全な中隔の穿孔とそれによる下鼓室への到達の失敗は、経験豊富な外科医に比べて未熟な外科医が行なった手術でより起こりやすく、それは過少認識されているかもしれない。

方法:肉眼的な耳疾患のないことがわかっている猫12頭の死体で頭部CTを行なった。未熟な外科医と経験豊富な外科医は、左または右の耳の全耳道切除/外側鼓室包骨切り術を行うようにランダムに割り付けられた。外科医はお互いの外科技術を知らされなかった。死体のCTは手術後に行われた。十分な中隔の穿孔、下鼓室への到達、および鼓室包骨切り術時の骨除去の量を、CTを用いて未熟な外科医と経験豊富な外科医の間で比較した。

結果
:未熟な外科医が下鼓室へ到達できたのは3/12手技(25%)であり、経験豊富な外科医では9/12手技(75%)であった。経験豊富な外科医は、未熟な外科医よりも骨切りが大きかった(3301mm vs 1376mm、p<0.0023)。外科医の経験にかかわらず、多くの骨切りを行なった手術で、下鼓室への到達が達成された。

Del Magno, Sara, et al.
"Evaluation of the neoplastic infiltration of the skin overlying canine subcutaneous soft tissue sarcomas: an explorative study." 
Veterinary and Comparative Oncology.


PubMedリンク PMID:33423367
本文:無料公開なし

タイトル
:犬の皮下軟部組織肉腫を覆う皮膚の腫瘍性浸潤の評価;探索的研究

==アブストラクト===
犬の皮下軟部組織肉腫を覆う皮膚の腫瘍性浸潤に関する研究は欠如している。腫瘍の浸潤がない症例では、その部位の皮膚を残せる可能性があり、それは手術をシンプルなものにできるかもしれない。この研究の目的は、皮下軟部組織肉腫を覆う皮膚に腫瘍細胞の浸潤があるかどうかを調べることである。

外科的に治療された皮下軟部組織肉腫の犬を前向きに組み入れた。切除後、切断面の自然な外科的平面に沿って皮膚を切離して、組織学的に評価した。皮下軟部組織肉腫のある犬29頭(グレード1;22頭、グレード2;6頭、グレード3;1頭)が組み込まれた。軟部組織肉腫を覆う皮膚は、14/29頭(48.3%)で腫瘍の浸潤がなかった。グレードの高い皮下軟部組織肉腫では、高い割合で腫瘍の浸潤が観察された(グレード2と3;100%、P=0.006)にもかかわらず、グレード1の軟部組織肉腫でも8/22頭(36%)で皮膚浸潤を示した。この浸潤は腫瘍に接する皮膚の真皮を巻き込んでいた(多発性11、びまん性4)。グレード1の皮下軟部組織肉腫では皮膚への腫瘍浸潤は少なく、局所制御のためには広範囲の切除が最も安全な治療である皮下軟部組織肉腫は依然としてあるものの、この研究によってアグレッシブさの少ない皮膚切除の可能性についてが示され、しかし皮下軟部組織肉腫に直接接する皮膚のみが腫瘍浸潤していることが示されており、局所の治癒目的となる。

特に低グレードの皮下軟部組織肉腫において、この皮膚だけを切除することで完全な局所制御が保証される可能性を確認するために、さらなる研究が必要となる。

Tremolada, Giovanni, Kurt M. Hazenfield, and Daniel D. Smeak.
"In vitro holding security of four friction knots of monofilament or multifilament suture used as a first throw for vascular ligation." 
American Journal of Veterinary Research 81.10 (2020): 821-826.


PubMedリンク PMID:32969726
本文:無料公開なし

タイトル:血管結紮の最初の結びとしてのモノフィラメントまたはマルチフィラメントの縫合糸による4つの摩擦結び目のin vitroでの保持安全性

==アブストラクト===
目的:血管結紮モデルにおける様々なモノフィラメントおよびマルチフィラメントの縫合糸によって作成された4つの摩擦結び目(フリクションノット)の保持安全性を評価すること。

サンプル:280個のフリクションノット。

方法:2-0モノフィラメント(ポリグリコネート、ポリジオキサノン、ポリグリカプロン-25、グリコマー-631)および編みマルチフィラメント(シルク、ラクトマー、ポリグラクチン-910)の縫合糸を用いて作られた4つのタイプ(外科結び、ミラーノット、アシュレイ修正ミラーノット、ストラグルノット)のフリクションノット10個を模擬血管に別々に結び、漏れるまで圧をかけるテストを行なった。線形回帰分析を行い、縫合糸の材料間(フリクションノットのタイプとともに)およびノットのタイプ間(縫合糸の材料とともに)で漏出圧の比較を行なった。

結果
:平均の漏出圧は縫合糸の材料にかかわらず、他のノットに比べて外科結びが有意に低かった。他のすべてのノットの平均漏出圧は超生理学的とみなされた。同じタイプの縫合糸による様々なフリクションノットとノットを作成した様々な縫合糸のタイプとの間には、平均漏出圧の有意な差が検出された。外科結び以外でのノットでの漏出圧のばらつきは、ポリグリカプロン-25で最も高く、ポリジオキサノンで最も低かった。

結論と臨床的意義
:ノットの安全性の差のほとんどは、統計的に有意ではあるものの、臨床的には重要でないかもしれない。しかし、これらのin vitroのテストにより。外科結びは血管の結紮の最初の結び目としては避けるべきであり、ポリグリカプロン-25は他の縫合糸材料よりもフリクションノットの滑りが生じやすい可能性が示唆された。

Stordalen, M. B., et al. "Outcome of temporary tracheostomy tube‐placement following surgery for brachycephalic obstructive airway syndrome in 42 dogs." Journal of Small Animal Practice 61.5 (2020): 292-299.

PubMedリンク PMID:32175595
本文:無料公開なし

タイトル:短頭種閉塞性気道症候群の手術後の一時気管切開チューブ設置の転帰;犬42頭

==アブストラクト=== 
目的:短頭種閉塞性気道症候群の患者における様々なレベルの手術後の期間における急性上気道閉塞の管理の一部としておこなった一時気管切開チューブ設置に関する使用、合併症、および転帰について記述すること。

方法:短頭種閉塞性気道症候群の手術を行い術後に一時気管切開チューブの設置を行った犬の記録についての回顧的レビュー。

結果:42頭の犬が組み入れられた。一時気管切開チューブの設置期間の中央値は2日(範囲1-7)であった。重度の合併症の割合は83.3%であり、軽度の合併症の割合は71.4%、全体の術後合併症は95.2%であった。最も多い合併症は気管切開チューブの閉塞(32/42)、咳(25/42)、および気管チューブの脱落(16/42)であった。一時気管切開チューブの管理は97.6%で成功と分類された。術後短期のフォローアップでは呼吸困難が最も多い臨床徴候であり、長期では呼吸困難と上気道音が最も多かった。フォローアップの期間の中央値は251日であった。

臨床的意義:適切な臨床状況で、短頭種閉塞性気道症候群の様々なレベルの手術後の一時気管切開チューブの設置は、術後の気道閉塞を管理するための有用な戦略であり、低い死亡率をもたらし、過去の報告と比べて同等な合併症の割合となる。

Cebrian, Prado, et al.
"Corneo‐limbo‐conjunctival transposition to treat deep and perforating corneal ulcers in dogs: A review of 418 eyes and corneal clarity scoring in 111 eyes." 
Veterinary Ophthalmology (2020).


PubMedリンク PMID:33034144
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タイトル:犬の深部および穿孔性角膜潰瘍を治療するための角膜-辺縁-結膜転位術;418眼のレビューと111眼の角膜透明度スコア

==アブストラクト===
目的
:多数の犬の症例における角膜-辺縁-結膜転位術の外科と角膜透明度スコアを報告すること。

方法
:2002年から2008年の間に深部潰瘍または穿孔の治療のために角膜-辺縁-結膜転位を医療記録に関する回顧的なレビュー。シグナルメント、併発眼疾患、追加の手技、病因、内科治療、移植片の位置、フォローアップ、および角膜透明度について記録した。

結果:399頭の犬の418眼が組み入れられた。短頭種の罹患が最も多く、325/418眼を占めた。最も罹患が多かった犬種は、パグ116/418眼(27.75%)、シーズー64/418眼(15.31%)、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル34/418眼(8.13%)、フレンチ・ブルドッグ34/418眼(8.13%)であった。手術時の平均年齢は5.5歳齢(範囲 59日齢-17.7歳齢)であり、フォローアップ期間の中央値は100日(範囲 0-7.64年)であった。もっとも多い病因は、特発性潰瘍 205/418眼(49.04%)であり、そのうち191眼(93.17%)は短頭種でおこった。原発性乾性角結膜炎は122/418(29.19%)でみられ、外傷は39/418眼(9.33%)でみられた。潰瘍の幅の平均は3.5mm(0.5-10mm)であった。成功率は97.13%(406/418眼)であった。記録された失敗の結果には、威嚇反応なし、続発性緑内障、および眼内炎が挙げられた。事前の穿孔の存在は101/418眼(24.16%)でみられ、失敗率を有意に上昇させた(p<0.001)。角膜透明度スコアの中央値はG3(G0-G4)であり、パグでは低かった(G2)。移植片の位置は角膜透明度スコアに影響したが、統計的な差にはならなかった。

結論
:犬の角膜-辺縁-結膜転位は高い成功率と角膜透明度スコアとなり、深部潰瘍の治療として良い手技ではあるが、穿孔の治療とパグの場合にはあまり望ましい結果にならないことが予想される。

Maxwell, Elizabeth A., et al.
"Outcomes of dogs undergoing immediate or delayed surgical treatment for gastrointestinal foreign body obstruction: A retrospective study by the Society of Veterinary Soft Tissue Surgery." 
Veterinary Surgery.


PubMedリンク PMID:32979240
本文:無料公開なし

タイトル:胃腸の異物閉塞のための即時手術と遅延手術を行なった犬の転帰;獣医軟部組織外科学会による回顧的研究

==アブストラクト===
目的:胃腸異物閉塞に対して即時的な外科介入で治療した犬 vs 遅延した外科介入で治療した犬の胃腸の損傷と転帰について調べること。

研究デザイン:回顧的コホート研究。

サンプル集団:5つの紹介病院における家庭医飼育犬855頭。

方法:2007年から2017年の間に胃腸異物閉塞と診断された犬の医療記録を再調査し、術前管理、手術のタイミング、術中所見、術後管理、転帰、および生存について調べた。外科介入にタイミングは、来院から6時間以内の即時と、来院から6時間以降の遅延とに分類した。

結果:即時手術を行なった犬(n=584)と遅延手術(n=210)を行なった犬では、転帰に差はなかった。腸管の壊死と穿孔は手術が遅れた際により多くみられた(p=0.008、p=0.019)が、術前の差を調整したあとでは有意にはならなかった。壊死と穿孔のリスク因子には、臨床徴候の期間、乳酸値の上昇、ひも状異物、手術のタイミング、があった。手術が遅れた際に、腸管切除(p=0.004)、手術時間(p=0.004)、麻酔時間(p=0.001)が増加した。即時手術は、給餌までの回復の早さ(p=0.004)と退院までの早さ(p<0.002)と関連した。それぞれのグループの犬の5%(即時 n=33、遅延 n=11)では、探索で異物がみつからないか、手術時には結腸に異物が絞り出されていた。

結論
:手術タイミングに関連した転帰の差はなかったが、遅延グループにおいては非調整の胃腸損傷の有病率が高く、そのため複雑な手術手技を必要とすることが多かった。

Milligan, M. L., et al.
"Outcome of SUB placement for the treatment of benign ureteral obstruction in dogs: nine dogs and 12 renal units (2013 to 2017)." 
Journal of Small Animal Practice (2020).


PubMedリンク PMID:32352170
本文:無料公開なし

タイトル:犬の良性尿管閉塞の治療としてのSUB設置の転帰;9頭の犬、12の腎臓単位(2013-2017年)

==アブストラクト===
目的:皮下尿管バイパス(SUB)で治療した良性の尿管閉塞のある犬の集団について記述し、術中、周術期、および短期/長期の転帰を報告すること。

方法:SUBを行った犬の医療記録を再調査した。

結果:犬9頭(12の腎臓単位)が組み入れられた。閉塞の原因として、尿管結石(n=9)、管腔外からの圧迫(n=2)、および狭窄(n=1)があった。12の尿管のうち11で過去にステントが設置されており、狭窄の再発(n=4)、びまん性の尿管炎(n=4)、またはステントの移動(n=3)のためにSUBが必要となった。設置はすべての腎臓単位でうまくいき、周術期または手術関連の死亡はなかった。入院期間の中央値は3日であった。クレアチニン値の中央値は、術前が186μmol/L、術後が106μmol/Lであった。短期的に高窒素血症が悪化した犬はいなかった。最も多かった長期的な合併症は、6つのデバイスでみられた石灰化であり、そのうち4つは交換を必要とした。術後に感染した犬(n=5)のすべてで、術前に1回以上の尿路感染の病歴があった。9頭中の1頭で、術後の慢性の尿路感染があり、バイパスを設置する前から慢性の感染があった。中央生存期間は774日をこえており、発表時には9頭中5頭が生存していた。

臨床的意義
:SUBの設置は犬の良性尿管閉塞に対する有効な短期治療のオプションであったが、デバイスの石灰化が高い割合で起こった。

Gordo, I., et al.
"The use of methylene blue to assist with parotid sialadenectomy in dogs." 
Journal of Small Animal Practice.


PubMedリンク PMID:32860224
本文:無料公開なし

タイトル:犬の耳下腺唾液腺切除術を支援するためのメチレンブルーの使用

==アブストラクト===
イントロ:耳下腺切除術に関連した重大な合併症がある。最も多く報告されている永続的な合併症は顔面神経の損傷である。メチレンブルー染色は組織の可視化を改善し、顔面新駅の完全生を維持するための術中ツールとして使用されている。

目的:犬の耳下腺切除におけるメチレンブルーの使用の機能性と実現可能性のについて説明すること。

方法:紹介病院で2016年から2019年の間に、メチレンブルー注入を行ったうえで耳下腺切除を行った家庭飼育犬7頭を含む回顧的研究を行った。耳下腺の外科疾患を確定し、ステージングを目的として、横断画像検査を行った。すべての犬でメチレンブルー注入後に耳下腺と耳下腺導管の切除を行った。メチレンブルーは、耳下腺導管へのカテーテル 挿入を介した投与、または異常な腺への直接注入のいずれかで投与された。

結果:すべての症例で、数秒以内に耳下腺は暗青色に染まり、漏出はみられなかった。完全な耳下腺と耳下腺導管の切除はすべての犬で達成され、手術時間は平均97分であった。主観的に、色のついた耳下腺の神経支配を同定し、解剖の一助として有用だった。顔面神経損傷を含めた合併症は記録されなかった。

臨床的意義
:犬における完全な耳下腺切除のためのメチレンブルー染色は実現可能であり、迅速で簡便な方法であった。それは間接的な顔面神経同定法としても使用でき、解剖を容易にして術後の顔面神経麻痺の発生を減らすことができる。

Haider, Georg, et al.
"Enteroplication in cats with intussusception: a retrospective study (2001–2016)."
 
Journal of feline medicine and surgery 21.6 (2019): 488-494.

PubMedリンク PMID:30056771
本文:無料公開なし

タイトル:腸重積の猫における腸ひだ形成術;回顧的研究(2001-2016年)

==アブストラクト=== 
目的:この研究の目的は、腸重積症の外科的整復と腸ひだ形成術を行なったまたは行わなかった猫の合併症と短期および長期的な転帰について報告することである。

方法:私たちの施設に2001年から2016年の間に腸重積で来院した猫の医療記録を再調査した。シグナルメント、病歴、身体検査、画像診断、手術所見、病理組織学的所見、および転帰についての情報を収集した。腸ひだ形成術を行なった群と行わなかった群に猫をグループ分けした。手術時間、合併症、および再発率、入院期間、短期および長期の転帰について比較した。

結果:腸重積で来院した猫は、臨床徴候のタイプと期間が不特定であった。雄または去勢雄とメイン・クーンが、両グループで多かった。腸ひだ形成術は48%(10/21)の猫で行われた。腸ひだ形成術を行なったグループの猫は、行わなかったグループの猫に比べて有意に若かった(p=0.023)。手術時間、入院期間、合併症率、および転帰については両グループの間で差はなかった。腸ひだ形成術に関連した可能性のある合併症が、短期に2件、長期に1件起こった。腸重積の再発は、初回手術後およそ12ヶ月で2/17頭でみられ、いずれも腸ひだ形成術を行なっていた。

結論と意義
:症例の数は限られているものの、これらの結果は腸重積の猫に対して腸ひだ形成術は注意して行うべきであり、それは短期および長期の重大な合併症と関連する可能性があり、その有効性は不明なままであることを示唆している。この研究をもとに、腸重積の整復後の腸ひだ形成術の必要性が疑問視される可能性がある。
 

Larose, Philippe Chagnon, et al.
"Clinical findings and outcomes of 153 dogs surgically treated for intestinal intussusceptions."
 
Veterinary Surgery (2020).

PubMedリンク PMID:32415881
本文:無料公開なし

タイトル:腸重積を外科的にに治療した犬153頭の臨床所見と転帰

==アブストラクト=== 
目的
: 腸重積を外科的にに治療した犬153頭の周術期の特徴と転帰について記述すること。

研究デザイン:多施設間回顧的研究。

動物:腸重積のある家庭飼育犬153頭。

方法:腸重積が確定し外科治療が行われた犬を組み入れた。人口統計および外科合併症(グレード1-4)を含む臨床的データについて医療記録を再調査した。フォローアップ情報は飼い主と紹介元への電話でのアケートで収集した。

結果
:犬の年齢の中央値は10ヶ月齢(範囲 2-156)であり、重責を起こした部位で最も多かったのは回結腸部(66/153[43%])であった。多くの症例で特定できる原因が無かった(104/155[67%])。腸管切除・吻合は153頭中129頭(84%)で行われた。腸ひだ形成術は153頭中28頭で行われ、そのうち13頭は腸管切除・吻合も行われ、15頭は腸管切除・吻合は行われなかった。術中の合併症は153頭中10頭(7%)で起こり、すべて用手での整復中に腸管の損傷を起こした。退院後の追跡期間の中央値は334日(四分位 範囲 150990;範囲1-3302)であった。術後合併症は153頭中53頭(35%)に起こり、153頭中22頭(14%)は重度(グレード3または4)であった。下痢、逆流、および細菌性腹膜炎が最も多い術後合併症であった。腸重積の再発は153頭中4頭(3%)に起こり、すべて術後72時間以内に起こった。術後14日での死亡率は6%であった。

結論:腸重積の外科治療は、その原因が特定できない場合でも、ほとんどの犬で治癒的である。外科合併症は一般的であり、生命を脅かす短期合併症のリスクは14%であった。

臨床的意義
:腸重積の外科治療は非常に良好な予後となるが、生命を脅かす可能性のある合併症は考慮しておくべきである。
 

Dirrig, H., et al.
"Diagnostic imaging observations in cats treated with the subcutaneous ureteral bypass system."
 
Journal of Small Animal Practice 61.1 (2020): 24-31.

PubMedリンク PMID:31592537
本文:無料公開なし

タイトル:皮下尿管バイパスシステムで治療した猫の診断的画像観察

==アブストラクト=== 
目的:皮下尿管バイパスで尿管閉塞を治療した猫における、術前・術後の超音波所見と透視所見を記述すること。

方法:尿管閉塞に対して 最初のバージョンのバイパスシステムを外科的に設置し、1回以上のフォローアップの超音波検査または透視検査を行なった猫の画像所見を回顧的に再調査した。

結果
:81頭の猫が含まれた(片側性47頭、両側性34頭)。術前の腎盂径の中央値は9mm(範囲 3-28mm)であり、術後最初の超音波検査での腎盂径の中央値は3mm(範囲 2-23mm)であった。術後の画像検査の回数の中央値は2回(範囲1-8回)であり、術後の追跡期間の中央値は205日(範囲 1-1378日)であった。バイパスシステムの異常は術後に43頭(53%)で同定された、腎臓カテーテルまたは膀胱カテーテルの原因不明または折れ曲りによる閉塞、腎臓カテーテルまたは膀胱カテーテルの漏出、閉塞を伴わないカテーテルの折れ曲り、および腎臓カテーテルのピッグテールの緩み、が含まれた。多くの異常は再手術を要したが、そのほかは保存的に管理された。閉塞した尿管の54%がバイパス手術後に開通したが、多くはわずかに拡張したままか、慢性炎症に対応する不規則な辺縁を有していた。

臨床的意義
:バイパスの異常は、主にチューブの閉塞であり、尿管閉塞の治療を行なった猫で頻繁に起こる。尿音波検査と透視検査は術後検査として有用であり、尿管の再開通の確認と疑われる異常の確認に役立つ。
 

Berent, Allyson C., et al.
"Use of a subcutaneous ureteral bypass device for treatment of benign ureteral obstruction in cats: 174 ureters in 134 cats (2009–2015)." 
Journal of the American Veterinary Medical Association 253.10 (2018): 1309-1327.

PubMedリンク PMID:30398425
本文:本文無料公開はないが、googlescholar経由で要約?が入手可能

タイトル
:猫の良性尿管閉塞の治療としての皮下尿管バイパス装置の使用;134頭の猫の174尿管(2009-2015)

==アブストラクト=== 
目的
:猫の良性尿管閉塞の治療における皮下尿管バイパス(SUB)デバイスの設置の転帰を決定すること。

デザイン
:回顧的症例シリーズ。

動物
:174の閉塞した尿管に144の入院でSUBデバイスを設置した猫134頭。

方法
:2009年から2015年の間に良性尿管閉塞の治療のためにSUBデバイスの設置を行った猫の医療記録を再調査した。SUBデバイスは透視の使用と外科的な方法で設置された。シグナルメント、病歴、画像診断結果、施術後の結果、入院期間、合併症、および短期/長期的な転帰、について記録した。

結果
:尿管閉塞の原因は、尿管結石(114/174[65.5%])、狭窄(28/174[16.1%])、尿管結石と狭窄の両方(29/174[16.7%])、または膿腎症(1/174[0.6%])であり、2頭(1.1%)では原因が記録されていなかった。134頭中52頭は両側性の閉塞であった。入院時、127頭(95%)の猫が高窒素血症であった。入院時とSUBデバイス設置後3ヶ月の血清クレアチニン濃度の中央値は、それぞれ6.6mg/dlと2.6mg/dlであった。施術前と後の腎盂径の中央値は、それぞれ9.2mmと1.5mmであった。術後の合併症には、血餅によるデバイスの閉塞(14/172[8.1%])、デバイスの漏れ(6/172[3.5%])、およびデバイスチューブの折れ曲り(8/174[4.6%])がみられた。生存退院した猫は144入院中135(94%)であった。最も多い長期的合併症はカテーテルの石灰化(40/165[24.2%])であり、設置後期間の中央値は463日であった。術後の血清イオン化カルシウム濃度の高値は、SUBデバイスの閉塞と有意に関連した。

結論と臨床的意義:SUBデバイスの設置は良性尿管閉塞の猫の治療として実行可能な選択肢である可能性は示唆された。
 

Angelou, V., et al.
"Complete surgical excision versus Penrose drainage for the treatment of elbow hygroma in 19 dogs (1997 to 2014)." 
Journal of Small Animal Practice (2020).

PubMedリンク PMID:32043576
本文:googlescholar経由で入手可能(全文

タイトル:犬19頭の肘ハイグローマの治療としての完全外科的切除vsペンローズドレーン(1997-2014年)

==アブストラクト=== 
目的: 犬の肘ハイグローマの治療としての外科的切除とペンローズドレーンの結果を報告すること。

方法:1997年から2014年の間に、ペンローズドレーンまたは外科的切除によって治療された肘ハイグローマの犬19頭の臨床記録を回顧的に再調査した。犬種、性別、年齢、臨床徴候の期間、体重、病歴、CBC、血液化学、身体検査所見。ハイグローマの直径、針吸引の細胞診、治療方法、組織学的所見、術後の合併症、管理と転帰、についての情報を集めた。

結果:19頭の犬の21個のハイグローマが治療された。11個は右側で、6個は左側、4頭は両側性だった。最初の治療は12個でペンローズドレーンの設置、9個で外科的な完全切除が行われた。両側のハイグローマは同時に処置された。ペンローズドレーンで治療した12個のハイグローマのうち4個が再発し、1個は肘頭に潰瘍が生じた。再発したハイグローマは外科的切除で治療された。
潰瘍は外科的に切除され、胸背有軸皮弁で再建された。その他の合併症はなかった。16ヶ月の中期の追跡で、すべての犬が臨床的に健康だった。

臨床的意義
:犬の肘ハイグローマの外科的切除は、ペンローズドレーン設置よりも術後合併症が少ない有効な治療法である。

犬の肘ハイグローマの治療と再発.009

 

Sirochman, Anna L., et al.
"Influence of use of a bipolar vessel sealing device on short‐term postoperative mortality after splenectomy: 203 dogs (2005‐2018)."
 
Veterinary Surgery (2019).

PubMedリンク PMID:31837169
本文:無料公開なし

タイトル:脾臓摘出術後の短期死亡率におけるバイポーラ血管シーリング装置の使用の影響;犬203頭(2005-2018年)

==アブストラクト=== 
目的:バイポーラ血管シーリング装置を用いてまたは用いないで脾臓摘出術を行なったあとの犬の短期術後死亡率を比較し、死亡率に関連する項目を特定すること。

研究デザイン:回顧的研究。

サンプル集団:家庭飼育犬(n=203)。

方法:2005年から2018年の間に脾臓摘出術を行なった犬の医療記録を再調査した。バイポーラ血管シーリング装置を使用または使用せずに脾臓摘出を行なった犬の間での死亡率を比較した。死因と短期死亡に関連する項目を評価した。

結果
:203頭中15頭(7.4%)が退院前に死亡し、7頭(3.4%)が抜糸前に死亡したため、合計での短期死亡率は203頭中22頭(10.8%)となった。 バイポーラ血管シーリング装置ありとなしのグループ間の退院前の死亡の割合において推定される差は-0.01(95%信頼区間 -0.08から0.06)であった。麻酔時間はバイポーラ血管シーリング装置なしで脾臓摘出術を行なった場合の方が長かった(中央値168分vs152分 p=0.03)。多変量解析によって、術中(オッズ比 5.7)または術後(オッズ比 13.6)の血液製剤の投与、麻酔時間の増加(オッズ比 1.15/16分増加毎)、術中の心室性不整脈(オッズ比 6.8)が、退院前の死亡と有意に関連するものとして特定された。術中(オッズ比 3.2)または術後(オッズ比 7.7)の血液製剤の投与は、抜糸前の死亡とも関連した。

結論
バイポーラ血管シーリング装置の使用は、脾臓摘出後の短期死亡を増加させないようだ。

臨床的意義
:術中または術後に輸血の必要、術中の心室性不整脈の経験、または麻酔時間の延長、そうした脾臓摘出を行なった犬では術後短期間における死亡のリスクがあるかもしれない。
 

Fenollosa‐Romero, Elena, et al.
"Outcome of phacoemulsification in 71 cats: A multicenter retrospective study (2006‐2017)." 
Veterinary ophthalmology (2019).

PubMedリンク PMID:31328856
本文:無料公開なし

タイトル:猫71頭における水晶体超音波乳化吸引術の結果;他施設回顧的研究

==アブストラクト=== 
目的
:猫における水晶体超音波乳化吸引術の結果を調べること。

方法
:5つの紹介センターの猫71頭(82眼)の記録を再調査した。白内障の原因によってグループ分けされ(先天性/若齢性[n=32]、外傷性[n=33]およびぶどう膜炎からの続発性[n=6])、 最も一般的な合併症に対してグループの比較が行われた(術後高眼圧、ぶどう膜炎、角膜潰瘍、癒着/瞳孔異常、および後嚢混濁;それぞれ3つの異なる期間で[手術直後、術後1-90日、術後90日以上])。

結果
:追跡期間の中央値は198日(四分位範囲 64-518日)であった。12ヶ月追跡した猫の全体の視覚の成功率は92.6%(25/27眼)。術後高眼圧は35/82眼(42.6%)でみられた。手術直後に、ぶどう膜炎は最も一般的な合併症で28/82眼(34.1%)でみられ、ついで角膜潰瘍が22/82眼(26.8%)でみられた。術後1-90日では、ぶどう膜炎が41/81眼(50.6%)で術後合併症として残存しており、ついで癒着/瞳孔異常が21/81眼(25.9%)、角膜潰瘍が16/81眼(19.7%)、および後嚢混濁が15/81眼(18.5%)でみられた。術後90日以上では、後嚢混濁が17/47眼(36.1%)でみられ、ついで癒着/瞳孔異常が16/47眼(34%)で多い合併症としてみられた。術後1-90日における外傷グループの癒着/瞳孔異常の眼の数(13/33[39.3%])は、先天性/若齢性グループ(5/31[16.1%]) に比べて高かった(p=0.039)。他のグループ比較では統計的な差はみられなかった。すべての眼の中で、眼内炎、外傷後眼肉腫、および続発性緑内障によって3つの眼が摘出された。

結論
:猫における水晶体超音波乳化吸引術の術後では、短期ではぶどう膜炎、長期では癒着/瞳孔異常がもっとも多い合併症 であった。

Mayhew, Philipp D., et al.
"Comparison of perioperative morbidity and mortality rates in dogs with noninvasive adrenocortical masses undergoing laparoscopic versus open adrenalectomy." 
Journal of the American Veterinary Medical Association 245.9 (2014): 1028-1035.

PubMedリンク PMID:25313814
本文:無料公開なし

タイトル:腹腔鏡または開腹下の副腎摘出を行なった非浸潤性副腎腫瘤の犬における周術期の罹患率と死亡率の比較

==アブストラクト=== 
目的:腹腔鏡下副腎摘出術を行なった副腎腫瘤の犬の集団の臨床病理学的な特徴を記述し、周術期の罹患率と死亡率を同様のサイズ(最大径≦5cm)の副腎腫瘤の切除を開腹下副腎摘出術で行なった犬 のものと比較すること。

デザイン:回顧的症例シリーズ。

動物:非浸潤性腫瘍(つまり後大静脈または周囲の臓器に浸潤していない腫瘍)に対して腹腔鏡(n=23)または開腹下(n=25)の副腎摘出術を行なった家庭犬48頭。

方法:医療記録を再調査した。病歴、臨床徴候、身体検査所見、臨床病理所見、画像検査、および手術の項目について記録した。3-または4-ポートを用いて腹腔鏡下副腎摘出術を行なった。手術時間、周術期合併症、術後および全体の入院期間、および周術期死亡を記録し、両グループで比較した。

結果:1頭の犬で、手術方法を腹腔鏡から開腹アプローチに変更した。周術期死亡は、腹腔鏡グループではなく、開腹副腎摘出グループで2頭だった。手術時間は、開腹グループ(中央値120分;範囲 75-195)よりも腹腔鏡グループ(中央値 90分;範囲 40-150)の方が短かった。腹腔鏡下副腎摘出術は、開腹手技と比べて、短い入院期間と手術後の迅速な退院と関連していた。

結論と臨床的意義
:注意深い選択のもと、腹腔鏡下副腎摘出術は、開腹下副腎摘出術と比べて、副腎腫瘤の切除に対して低い合併症の割合と低い治療変更、および手術時間と入院期間の短さと関連していた。
 

Knight, Rebekah C., et al.
"Variations in surgical technique for adrenalectomy with caudal vena cava venotomy in 19 dogs."
 
Veterinary Surgery (2019).

PubMedリンク PMID:30681162
本文:googlescholar 経由で入手可能(全文)

タイトル:19頭の犬における後大静脈血管切開を伴う副腎摘出術の手術手技のバリエーション

==アブストラクト===
目的:後大静脈切開と副腎切摘出術を行なった犬んいおける外科手技、後大静脈遮断時間、および短期予後について記述すること。

研究デザイン:回顧的症例シリーズ。

動物:2010 年10月から2018年5月の間に後大静脈切開と副腎摘出術を行なった犬。

方法:後大静脈切開と副腎摘出術を行なった犬の医療記録を再調査し、シグナルメント、周術期管理、手術の詳細、周術期合併症、死亡率、および病理組織について調べた。CT画像を再調査し、腫瘍の形態と血栓の広がりの徴候を調べた。

結果: 19頭の犬で、副腎腫瘍の塞栓は肝臓前(14頭,74%)、肝臓(3頭, 16%)、および肝臓後(2頭, 11%)の後大静脈まで広がっていた。腫瘍は左側(11頭)、右側(8頭)の副腎で起こっていた。後大静脈遮断の中央値は6.5分(範囲 2-25)であった。2-6本の血管ターニケットが使用された。静脈切開の閉鎖は、11頭で後大静脈の完全遮断のもと、8頭で部分遮断クランプで行われた。5頭で左側の腎臓尿管摘出が行われた。周術期の死亡率は21%(4頭)だった。

結論
:肝門部を超える後大静脈の塞栓の広がりは、良好な結果を妨げるものではなかった。過去に報告されたものよりも長い後大静脈の遮断が、許容された犬もいた。血管ターニケットの数は、後大静脈に流入する横腹静脈の位置と後大静脈の塞栓の長さによって決まった。静脈切開の閉鎖の際に、右側の副腎腫瘍に対しては完全遮断が必要になった。必要に応じて、左側の腎臓尿管摘出が行われた。

臨床的意義
:肝門部をこえて副腎腫瘍の広がりがある犬、および長時間の静脈遮断を必要とした犬でも、副腎摘出を生存し得た。
 

Case, J. Brad, et al.
"Outcome evaluation of a thoracoscopic pericardial window procedure or subtotal pericardectomy via thoracotomy for the treatment of pericardial effusion in dogs."
 
Journal of the American Veterinary Medical Association 242.4 (2013): 493-498.

PubMedリンク PMID:23363281
本文:無料公開なし

タイトル:犬の心膜液の治療のための胸腔鏡下心膜造窓処置または開胸心膜亜全摘の転帰の比較

==アブストラクト===
 目的
:特発性または腫瘍性の心膜液を胸腔鏡下心膜造窓処置または開胸心膜亜全摘で治療した犬における無病期間(DFI)と中央生存期間(MST)を評価し、それぞれの手術を行う前に心臓エコー検査でマスがあった場合となかった場合で、無病期間と中央生存期間を比較すること。

デザイン:回顧的コホート研究。

動物:心膜液のある犬58頭。

方法
:1985年から2010年の間の医療記録を評価した。心膜液が確定診断されており、胸腔鏡下心膜造窓処置または開胸心膜亜全摘が行われている犬をこの研究に含めた。

結果:初期評価時の臨床徴候は類似していたが、 心膜亜全摘と心膜造窓を行なって犬で元気に消失だけは異なっていた。特発性心膜液で心膜造窓を行なった犬は、心膜亜全摘で治療した犬に比べて、無病期間と中央生存期間が優位に短かった。腫瘍性心膜液の犬では、外科手技による無病期間と中央生存期間の有意な差はなかった。

結論と臨床的意義
:特発性心膜液の犬では、 胸腔鏡下心膜造窓処置で治療した場合よりも、開胸心膜亜全摘術で治療したほうが無病期間と中央生存期間が有意に長かった。転帰の差は、初期診断の不正確さ、または心膜造窓が長期の特発性心膜液徴候を緩和するのに不十分であることと関連している可能性がある。

 

Ellison, Gary W., J. Brad Case, and Penny J. Regier.
"Intestinal surgery in small animals: historical foundations, current thinking, and future horizons."
 
Veterinary Surgery (2019).

PubMedリンク PMID:31286544
本文:無料公開なし

タイトル
:小動物の腸管手術;歴史的基礎、現在の考え方、そして将来の展望

==アブストラクト=== 
小動物における腸管の生検、腸切開術、または腸切除術の後の腸管の創傷は、正確な閉鎖を必要とする。 腹腔内細菌感染および低アルブミン血症などの既存の要因、ならびに手術手技に不良は、腸管の離開のリスクを増加させ、患者の罹患率と有病率にかなりの悪影響をおよぼす。生きた犬の研究で、特に腹腔内の細菌感染がある場合に、粘膜の外反の危険性について示されている。おおよそのパターンが、内腔の直径を維持し、最適に治癒し、24時間後の反転パターンと比較して同等の破裂強度を有した。単純断続および単純連続の縫合パターンとディスポーザブル皮膚ステープルは、手動創閉鎖のための確立された代替法である。腹腔鏡下胃固定術で現在用いられている結び目のないクイルド縫合糸は、犬の死体の腸管においてモノフィラメント縫合糸と同等な破裂強度を示した。手縫いとチタン製自動ステープル縫合の離開率の比較では、合併症のない場合では同等だったが、既存の腹腔内感染があり、患者の大きさが許す場合には、自動ステープル吻合のほうが好ましい方法かもしれない。手技に関係なく、現在の標準的なケアとして、リークテスト、大網による被覆、術後早期の摂食が含まれている。ここ10年間で、術後の痛みと患者の罹患率を減らす可能性を秘めた腹腔鏡下手術のエキサイティングな新しい時代を迎えた。これらの応用を理解することは、獣医専門医のための低侵襲小動物腸管外科の将来を確立するだろう。要約すると、外科医は小動物の腸の手術における最適な臨床転帰のための様々な方法を持っている。
 

Davis, Anastacia Marie, et al.
"Owner Perception of Outcome Following Permanent Tracheostomy in Dogs." 
Journal of the American Animal Hospital Association 54.5 (2018): 285-290.

PubMedリンク PMID:30040439
本文:無料公開なし

タイトル :犬の永久気管切開の結果に対する飼い主の認識

==アブストラクト===
この研究の目的は、犬の永久気管切開の術後の転帰に関する飼い主の認識を評価することである。

2002年から2016年の間に永久気管切開を行なった犬の医療記録を再調査した。口頭またはeメールで飼い主に質問をし、永久気管切開をうけた犬の結果についての認識を確かめた。手術から質問をするまでの期間の中央値は608日(範囲 64-3,708日)であった。永久気管切開後の飼い主の満足度は高く(89.7%)、 大多数は手術を再度行うだろうと述べた(79.5%)。飼い主は、犬の性格の改善(30.8%)、活動性の増加(41%)を報告した。中央生存期間は1,825日(64-2,663日)であり、39頭中6頭が研究の終了時点で生存していた。死亡した33頭中、11頭(33%)は永久気管切開との関連が疑われる根底の呼吸器状態によって死亡した。全体の合併症の割合は82.1%であり、粘液分泌が最も一般的であった。修正手術が30.8%で必要となり(皮膚による閉塞が最も多かった)、吸引性肺炎は17.9%でみられた。

全体的に、術後の集中的な管理が必要であるにも関わらず、永久気管切開の術後の犬の飼い主の満足度は高く、 長期生存を達成できる可能性がある。

Suematsu, Masahiro, et al.
"Long‐term outcomes of 54 dogs with tracheal collapse treated with a continuous extraluminal tracheal prosthesis."
 
Veterinary Surgery (2019).

PubMedリンク PMID:31115067
本文:無料公開なし

タイトル:連続性気管外プロテーゼで治療した気管虚脱の犬54頭の長期予後

==アブストラクト===
目的:気管虚脱の犬における連続性気管外プロテーゼの外科的な設置と術後の臨床的な転帰について記述すること。

研究デザイン:回顧的症例シリーズ。

動物:犬54頭。

方法:2010年から2017年の間に、頚部および/または胸部入口の気管虚脱が診断され、連続性気管外プロテーゼの設置を行った犬の医療記録を再評価し、術後合併症、呼吸機能の変化、および生存について調べた。2頭の犬で術後51ヶ月後および57ヶ月後に行った気管組織の組織学的な検査についても再調査した。

結果:53頭(98%)の犬が生存退院した。術後合併症には、喉頭麻痺(1頭)、DIC(1頭)、および気管虚脱の再発(2頭)が含まれた。気管の壊死の臨床的な所見を示す犬はいなかった。術前の乾いた激しい咳は、87%の犬で術後に改善した。ガチョウ様の鳴き声は、26頭中25頭(96%)で消失した。追跡気管の中央値は30ヶ月(範囲 16日〜76ヶ月)であった。36ヶ月の生存率は86%(CI 75-96%)であった。2頭で行った組織学的検査では、プロテーゼ周囲の気管の組織よく温存されており、慢性炎症の所見はなかった。

結論:気管虚脱の犬における連続性気管外プロテーゼの設置は、術後合併症の割合は低く、良好な長期的な転帰となった。

臨床的意義
:連続性気管外プロテーゼの設置は、気管虚脱のある犬の治療における実行可能なな代替的な外科選択肢となる。

Valenzano, D., et al.
"Performance and microbiological safety testing after multiple use cycles and hydrogen peroxide sterilization of a 5‐mm vessel‐sealing device."
 
Veterinary Surgery(2019).

PubMedリンク PMID:30882923
本文:無料公開なし

タイトル: 複数サイク使用して過酸化水素滅菌した5mm血管シーリング装置の性能と微生物学安全性についてのテスト

==アブストラクト===
目的:単回使用の腹腔鏡用血管シーリング装置を、複数使用の状況での機能と微生物学的安全性について評価すること。

研究デザイン:生体外研究。

サンプル集団:12個の5mm LigaSure Maryland jaw装置。

方法:装置は故障するまでテストサイクルを繰り返した。装置を開封し、リン酸緩衝食塩液(PBS)の中で撹拌した。PBSを取理だし、遠心して、培養に供した。犬の卵巣子宮摘出術を死体組織でシュミレートし、その後、血管シーリングの質を密閉した豚頸動脈の圧力テストにより評価した。装置は洗浄して、過酸化水素ガスにより滅菌し、再梱包した。

結果:故障するまでのサイクルの平均±SDは7.7±2.8回で、最低で4回、最高で12回であった。12個中11個の装置で、起動トリガーを押した後の装置の起動の失敗により故障した。1つの装置だけが300mHgの圧力下での十分な血管シールを保持できなかった。いずれのサイクルでも細菌培養陽性になった装置はなかった。

結論:この研究で用いられた滅菌方法は、非常に良い微生物学的安全性の分析結果となった。多くの装置は起動ボタンの失敗により故障した。

臨床的意義
:この研究の状況下では、過酸化水素滅菌は微生物学的安全性を達成した。装置は、患者への感染のリスクの増加や血管シーリングにおける負の効果無しに、起動ボタンが故障するまで十分に再利用することができた。
 

Dickerson, Vanna M., et al.
"Outcome following cosmetic rostral nasal reconstruction after planectomy in 26 dogs." 
Veterinary Surgery 48.1 (2019): 64-69.

PubMedリンク PMID:30412285
本文:無料公開あり(全文

タイトル;26頭の犬における鼻平面切除後の美容的吻側鼻再建術の転帰

==アブストラクト===
目的:鼻平面の腫瘍に対して鼻平面切除と美容的再建と両側の口唇皮膚粘膜フラップによる美容的再建を行なった犬の転機と飼い主の満足度を報告すること。

研究デザイン:多施設、回顧的症例シリーズ。

動物:26頭の家庭飼育犬。

方法:この手技を行なった犬について、医療記録を検索した。シグナルメント、診断、外科、合併症、再手術の必要性、再発、および生存に関する情報を記録した。飼い主には電話で連絡し、術後の犬の生活の質と、犬の転機についての飼い主の満足度について聞いた。

結果:25頭の犬で根治的な鼻平面切除を行い、1頭は鼻平面の切除を行なった。24頭は扁平上皮癌、1頭は非典型的腺癌、1頭は肥満細胞腫と診断された。19頭(73%)で合併症が起こり、9頭は再手術が必要となった。1頭は退院前に死亡した。中央生存期間は1542日(範囲 3-2010)であった。原発の腫瘍の再発は、2頭(7.7%)で疑われ、どちらも狭いもしくは不完全な切除であった。インタビューをした11人の飼い主の中では、10人が犬の外観に満足しており、8人は再度の手術に同意するだろうと答えた。

結論:手術後の離開はもっとも一般的であったが、腫瘍の局所コントロールと生存期間は非常に良好だった。飼い主の満足も高く、しかし術前の飼い主への説明は非常に重要である。

臨床的意義
:この手技は、積極性の低い手術では再発率の高い鼻平面腫瘍のある犬において、実行可能な治療オプションとして考慮すべきだろう。術後の合併症は一般的であるが、それは長期は続かず、生存期間も非常に良好であった。

 

Bird, F. G., et al.
"A modified temporary tracheostomy in dogs: outcome and complications in 21 dogs (2012 to 2017)."
 
Journal of Small Animal Practice 59.12 (2018): 769-776.

PubMedリンク PMID:30184262
本文:無料公開なし

タイトル:犬の修正一時気管切開術;21頭における転帰と合併症(2012-2017年)

==アブストラクト===
目的:気管背側へのペンローズドレーンの設置による修正一時気管切開術について記述すること。短頭種犬と非短頭種犬における転帰と合併症について報告すること。

方法:修正一時気管切開術を行なった犬のシグナルメント、診断、転帰、合併症、管理についての回顧的な再調査。

結果:21頭の犬が含まれた。気管切開チューブを、1-21日(中央値 4日)の期間、維持した。術中の合併症またはペンローズドレーンの設置に関連した合併症はなかった。術後の合併症は8頭でみられ、気管切開チューブの抜け(n=6)、気管切開チューブの閉塞(n=1)、皮下気腫と縦隔気腫(n=1)がみられた。20頭の犬が生存して退院し、1頭は原疾患の持続のため安楽死された。合併症の割合は、短頭種で37.5%、非短頭種で40.0%であった。4日以上のチューブ留置期間は、高い合併症の割合と関連した。

臨床的重要性
:修正一時気管切開術は標準的な気管切開術と比較して、気管切開ケアをシンプルにし、気管切開 の転帰を改善し、チューブ関連の死亡率を減少させるようだ。この研究では、短頭種犬は非短頭種犬と比較して合併症の割合が高いということはなかった。
 

==術者コメント===
気管背側へのペンローズドレーンの設置による修正一時気管切開術” とありますが、術式については本文をみないといまいちわかりませんね。
 

Bernardé, A., et al.
"Surgical findings and clinical outcome after bilateral repair of apparently unilateral perineal hernias in dogs." 
Journal of Small Animal Practice (2018).

PubMedリンク PMID:30259995
本文:無料公開なし

タイトル:明らかな片側性の会陰ヘルニアの犬の両側性の整復後の外科的所見と臨床的転帰

==アブストラクト===
目的
:両側のヘルニア縫合術、去勢手術、結腸固定、精管固定、±膀胱固定により一度の手術で治療した明らかに片側性の会陰ヘルニアの犬における、短期および長期の転帰と再発率について報告すること。

方法
:明らかな片側性の会陰ヘルニアのある家庭飼育犬31頭を組み入れた。会陰ヘルニアは転位させた内閉鎖筋と仙結節靭帯を合わせて両側性に整復し、結腸固定、精管固定、±膀胱固定も行なった。術前の排便パターン、排尿パターン、および直腸のアライメントについて記録した。手術時間、両側の会陰の外科的所見、術後合併症、短期・中期・長期(24ヶ月以上)のスコア、再発率について記録した。

結果
:異所性の組織を伴うヘルニアと骨盤隔膜の脆弱化が、片側性の臨床所見にも関わらず、全ての犬で両側性に確認された。手技の組み合わせは、すべての犬で56-113分(平均73分)で問題なく達成された。合併症の割合は低く、多くが排尿障害であり、ほとんどが数日以内に解消した。93%の犬で長期的な追跡(平均27ヶ月)時点で会陰ヘルニアに関連した臨床徴候はなかった。

臨床的重要性
:われわれの外科所見からは、犬の会陰ヘルニアは、明らかに片側性の徴候である場合でも、両側性の疾患とみなされる可能性について示唆している。両側性のヘルニア縫合術と結腸固定、精管固定、±膀胱固定を組み合わせた場合の再発の割合はまれである。
 

Gobbetti, Matteo, et al.
"Long‐term outcome of permanent tracheostomy in 15 dogs with severe laryngeal collapse secondary to brachycephalic airway obstructive syndrome."
 
Veterinary Surgery (2018).

PubMedリンク PMID:29893060
本文:無料公開なし

タイトル: 短頭種気道閉塞症候群に続発して生じた重度の喉頭虚脱の犬15頭における永久気管切開の長期的な転帰

==アブストラクト===
目的
:短頭種気道閉塞症候群に続発して生じた重度の喉頭虚脱に対する永久気管切開の長期的な転帰を報告すること。

研究デザイン
:回顧的な症例シリーズ。

動物
:永久気管切開により治療した重度の喉頭虚脱のある短頭種15頭。

方法
:追跡データを医療記録もしくは飼い主への電話調査によって獲得した。カプランメイヤー推定を用いて、中央生存期間を算出した。死亡は、気管切開手術と関連したものと関連していないものとに分類した。合併症は、生命を脅かすもしくは再手術を必要とするような重篤なものとして分類した。飼い主に尋ねることで、術後の生活の質を、改善、変化なし、悪化に分類し、瘻孔の管理を容易、または手間がかかる、に分類した。

結果
:中央生存期間が100日であった。重篤な合併症は15頭中12頭(80%)で診断され、その結果8頭が死亡し(中央生存期間15日)、4頭で再手術が行われた。15頭中7頭(47%)は手術とは無関係な原因で死亡、もしくは研究終了時点で生存していた(中央生存期間 1982日)。9頭の術後の生活の質は、非常に改善したと判断された。瘻孔の管理は8頭で簡易、4頭で手間がかかると判断された。

結論
:永久気管切開は、さらなる保守的な手術では改善しない重度の喉頭虚脱のある短頭種犬において、救命オプションとして適している。 
 

Wainberg, S. H., M. L. Oblak, and M. A. Giuffrida.
"Ventral cervical versus bilateral lateral approach for extirpation of mandibular and medial retropharyngeal lymph nodes in dogs." 
Veterinary Surgery 47.5 (2018): 629-633.

PubMedリンク PMID:30129062
本文:無料公開なし 

タイトル
;犬の下顎および内側後咽頭リンパ節の摘出のための頚部腹側アプローチvs.両側側方アプローチ

==アブストラクト== 
目的
:犬のおける下顎および内側後咽頭リンパ節の摘出に対する腹側頚部切開と両側側方切開を比較すること。

研究デザイン
:前向きランバム化クロスオーバー対照試験。

サンプル集団
:高度な外科トレーニングをうけた獣医師8人。 

方法
:研究参加者はランダム化され、対の死体で両方の手技を行った。両方の手技に対して、最初のリンパ節と最後のリンパ節の摘出までの時間、切開の長さ、および合併症について記録した。参加者には、10ポイントの数値評価尺度を用いて、好ましい手技と、局所解剖とリンパ節の同定能力に伴う満足度について質問した。

結果
:皮膚切開の全体長は、両側側方アプローチが腹側頚部アプローチよりも52.1mm(平均 p<0.001)長かった。4箇所すべてのリンパ節の摘出までの時間は、2つのアプローチ法の間で差はなかった。両側側方アプローチは下顎リンパ節の可視化の点で62.5%(5/8)の参加者に好まれ、腹側頚部アプローチは局所解剖の可視化の点で87.5%(7/8)の参加者に好まれた。全体では、62.5%(5/8)が腹側頚部アプローチを好み、37.5%(3/8)が両側側方アプローチを好んだ。

結論
:腹側頚部アプローチは、局所解剖の可視化とリンパ節除去のためのアクセスの点で優れていると受け取られて参加者に好まれた。このアプローチは全体の切開の長さを短くする結果にもなった。

臨床的意義
:腹側頚部もしくは両側側方アプローチは、 犬の下顎および内側後咽頭リンパ節の除去を成功させ、外科アプローチ法は個人の好みによって選択される可能性がある。


 

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