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カテゴリ: 麻酔・鎮痛

Farokhzad, Behnam, et al.
"Intraperitoneal administration of lidocaine or tramadol alone or in combination on postoperative pain after ovariohysterectomy in dogs."
 
Veterinary Medicine and Science (2021).


PubMedリンク PMID:33528116
本文:無料公開あり(全文

タイトル
:犬の卵巣子宮摘出後の術後の痛みに対するリドカイン単独、トラマドール単独、またはその組み合わせの術中腹腔内投与

==アブストラクト===
犬の卵巣子宮摘出術の術後疼痛管理に対する、リドカイン単独、トラマドール単独、またはその組み合わせの腹腔内投与(ip)を評価する目的で前向きランダム化研究を行った。

健康なメスの雑種犬18頭、年齢1-2歳齢、体重16.7±3.8kgが用いられた。動物はアセプロマジン(0.1mg/kg, im)で鎮静をかけられた。40分後、ジアゼパム(0.5mg/kg)とケタミン(10mg/kg)の静脈内投与により麻酔導入し、イソフルラン1.5%で維持した。その後、卵巣子宮摘出術が行われ、白線の閉鎖の前にグループLではエピネフリンを含みリドカイン(8.8mg/kg,ip)、グループTではトラマドール(4.4mg/kg,ip)、グループLTではエピネフリンを含むリドカイン
(8.8mg/kg,ip)+トラマドール(4.4mg/kg,ip)、の投与が行われた。コルチゾール、バイタルサイン、疼痛スコアリングシステムを、異なる時点で測定した。

バイタルサインはグループ間で差はなかった。コルチゾール値は術後1、3、6時間後で、グループLとグループTと比べて、グループLTで有意に減少した。SammarcoおよびSimple descriptive(SDS)スコアリング方法に基づく痛みのスコアも、グループ間で差がなかった。しかし、メルボルン大学痛みスケール(UMPS)および短縮型グラスゴー痛みスケール(CMPS-SF)による痛みスコアは、LTグループのほうが、ほかの2つのグループよりも高かった。

得られた結果から、リドカインとトラマドールの組み合わせは、それぞれを別々に投与する場合と比較して、よりよい鎮痛作用をもたらすことができそうだ。そえゆえ、卵巣子宮的手術術のあとのリドカイン
(8.8mg/kg,ip)とトラマドール(4.4mg/kg,ip)の組み合わせの腹腔内投与(最終投与量0.2ml/kg)は推奨される。

Clark-Price, Stuart C., et al.
"Multicenter study to investigate factors associated with change in rectal temperature during anesthesia in dogs."
(2020): 64-71.


PubMedリンク PMID:33314972
本文:無料公開なし

タイトル:犬の麻酔中の直腸温の変化に関する要因の調査に関する多施設研究

==アブストラクト===
目的:麻酔をうけている犬の直腸温の変化にに関する要因を調べること。

動物:507頭の犬。

方法:この前向き観察研究で、5つの動物病院で麻酔を行った犬の直腸温を、麻酔導入時と麻酔覚醒時(すなわち抜管時)に記録した。人工統計データ、ボディコンディションスコア、ASA身体状態分類、行われた手技のタイプ、投与された薬、麻酔時間、および温熱サポートの使用についても記録した。多変量回帰分析を行い、直腸温の低下または上昇(または変化なし)に有意に関連する要因を決定した。直腸温の低下に有意に関連した因子についてオッズ比を計算した。

結果:麻酔を行った507頭中、89%で直腸温の低下(低下の中央値 -1.2℃;範囲 -0.1〜-5.7℃)、9%で直腸温の上昇(上昇の中央値 0.65℃;範囲 0.1〜2.1℃)があり、2%では変化がなかった。直腸温の低下を有意に予測およびオッズが増加する因子には、低体重、ASAクラス>2、整形外科または神経疾患の手術、MRI検査、α2アドレナリンまたはμオピオイド受容体作動薬の使用、長い麻酔時間、熱喪失率の高さ、が含まれた。μオピオイド受容体作動薬の欠如、短い麻酔時間、熱喪失率の低さは、直腸温の増加と有意に関連した。

結論と臨床的意義
:麻酔をかけた犬における直腸温の低下には複数の要因が関連していることが特定された。これらの要因の知識は、不注意による周麻酔期低体温症を発症するリスクの高い犬を特定するのに役立つ可能性がある。

Kim, Y. J., et al.
"Atlantoaxial bands in small breed dogs: influence of external pressure by the endotracheal tube tie."
 
Journal of Small Animal Practice 61.3 (2020): 163-169.


PubMedリンク PMID:31960442
本文:無料公開なし

タイトル:小型犬種の環椎軸椎バンド;気管チューブのひもによる外部圧迫

==アブストラクト===
目的:尾側後頭骨形成不全が疑われる犬の集団における背側頸髄圧迫の有病率を調べること。気管チューブのひもが医原性に環軸領域の背側圧迫の比率を変化させているかどうかを調べること。

方法:頸部の限局した神経徴候で来院した15kg未満の犬についての前向き、ランダム化、対照、クロスオーバー、盲検、コホート研究。サジタルのT2強調像で頸部背側の圧迫と小脳の圧迫を評価した。頸部脊髄圧迫比を計算し、首を伸ばした位置か曲げた位置かに応じて、気管チューブのひもが環軸領域におよぼす影響を評価した。

結果:環軸椎バンドに一致する背側頸部脊髄圧迫の有病率は、ひもによる圧迫のある犬32/44頭(73&)とひもの圧迫がない犬37/44頭(84%)であった。頭側頸部領域へのひもの設置は圧迫比が有意に高かった。背側圧迫比は、小脳圧迫のない犬よりも小脳圧迫がある犬のほうが有意に高かった。

臨床的意義
:気管内チューブのひもの位置は、小型犬の頭頚部領域のMRI画像の解釈に影響を与える可能性がある。これらの犬種では、特に小脳圧迫のある場合に、ひもによって背側頸髄への圧迫がしばしば強くなる。

Asorey, I., et al.
"Factors affecting respiratory system compliance in anaesthetised mechanically ventilated healthy dogs: a retrospective study." 
Journal of Small Animal Practice (2020).


PubMedリンク PMID:32715489
本文:無料公開なし

タイトル:麻酔下で機械換気している健康な犬の呼吸器系コンプライアンスに影響を与える因子;回顧的研究

==アブストラクト===
目的:従量制機械換気を行なった健康な麻酔下の犬において、呼吸器系のコンプライアンスに影響を与えるいくつかの因子について調べること。

方法:2015-2106年の間に緊急ではない手術のために麻酔をかけた犬100頭のレビュー。犬は正常炭酸ガスと50%の吸気酸素濃度を維持するように調整された呼吸数で機械的に換気された。体重、ボディコンディションスコア(BCS)、年齢、胸部の形状、従量換気前の自発換気の時間、機械換気を開始するまでの吸気酸素濃度100%の時間、手術のタイプ、および患者の体位を記録した。体重当たりで示される呼吸器系のコンプライアンスを従量制換気の開始後から15分ごとに記録した。

結果:呼吸器系コンプライアンスのベースラインは1.3±0.3ml/cmH2O/kgであり、BCSの高さおよび樽型の胸郭によって減少したが、年齢、手術のタイプ、患者の体位、自発換気の時間、100%酸素濃度吸気の時間によっては減少しなかった。

臨床的意義
:呼吸器系コンプライアンスは過体重と樽型胸郭の犬で低く、全身麻酔下の肺機能と換気管理のモニタリング中にには考慮しておくべきである。

Asorey, I., et al.
"Factors affecting respiratory system compliance in anaesthetised mechanically ventilated healthy dogs: a retrospective study." 
Journal of Small Animal Practice (2020).


PubMedリンク PMID:32715489
本文:無料公開なし

タイトル
:麻酔下で機械換気された健康な犬において呼吸器系のコンプライアンスに影響を与える因子;回顧的研究

==アブストラクト===
目的
:従量性に機械換気された麻酔下の健康な犬において呼吸器系のコンプライアンスに影響を与えるいくつかの因子を決定すること。

方法
:2015年から2016年の間に選択的な手術のために麻酔をかけた犬100頭を再調査した。犬は正常酸素濃度と50%の吸気酸素の割合を維持するように調節された呼吸数で機械換気された。体重、ボディコンディションスコア、年齢、胸郭の形、従量性換気の前に自発換気の時間、機械換気を開始するまでの100%の吸気酸素の割合の時間、手術のタイプ、患者の体位、について記録した。体重(kg)あたりで表した呼吸器系のコンプライアンスを、従量性の機械換気開始後から15分毎に記録した。

結果
:ベースラインの呼吸器系コンプライアンスは1.3±0.3ml/cmH2O/kgであり、ボディコンディションスコアが高い場合と、たる形の胸郭の場合に減少したが、年齢、手術のタイプ、または患者の体位によっって減少することはなく、自発換気の時間や100%吸入酸素の割合の時間によっても減少することはなかった。

臨床的意義
:呼吸器系コンプライアンスは過体重およびたる形胸部の犬で低くなり、全身麻酔下での肺機能のモニタリングと換気管理の際中には考慮に入れておくべきである。

Schmierer, Philipp A., et al. 
"Randomized controlled trial of pregabalin for analgesia after surgical treatment of intervertebral disc disease in dogs."
 
Veterinary Surgery (2020).

PubMedリンク PMID:32329092
本文:無料公開なし

タイトル:犬の椎間板疾患の外科治療後の鎮痛のためのプレガバリンについてのランダム化比較試験

==アブストラクト=== 
目的
:椎間板の手術後の犬において周術期のプレガバリンが痛み行動に与える影響を評価すること。

研究デザイン
:盲検化された観測者による前向きランダム化対照臨床試験。

動物
:椎間板手術を行なった家庭飼育犬46頭。

方法
:犬はランダムに、オピオイド投与のみのプラセボグループと、オピオイドとプレガバリンを投与するプレガバリングループの2つのグループに割り付けられた。 オピオイドによる鎮痛は、麻酔導入時にl-メタドン0.6mg/kg を静脈内投与し、抜管後8時間、16時間、24時間に0.2mg/kg投与、手術終了時にフェンタニルパッチを使用した。プレガバリンは麻酔1時間前に4ng/kg経口投与し、術後は4ng/kgを1日3回、5日間経口投与した。結果の測定は、術後5日間に評価された切開創周囲の機械的感受性とグラスゴー複合測定疼痛スケール(CMPS-SF)の治療グループ間の差とした。プレガバリンの血中濃度を24時間、72時間、120時間で測定した。

結果
:プレガバリンは、研究期間中に対照グループと比較して、治療グループの痛みレベルを平均で2.5CMPS-SF単位減少させた(95%信頼区間 -3.19- -1.83;p<0.001)。プレガバリンは研究期間中に場所によって機械的侵害受容刺激の閾値を、平均で6.89N/日(95%信頼区間 1.87-11.92;p<0.001)と7.52N/日(95%信頼区間 2.29-12.77;p<0.001)増加させた。血清プレガバリンの平均は術後24、72、120時間でそれぞれ5.1、4.71、3.68μg/mlであった。

結論
:椎間板ヘルニアの術後の痛み徴候は、オピオイド単独よりも周術期にプレガバリンを投与した犬の方が軽減された。

臨床的意義
:周術期のプレガバリンは椎間板ヘルニアの術後の疼痛を減少させる。
 

Rogers‐Smith, E., et al.
"Twelve previously healthy non‐geriatric dogs present for acute kidney injury after general anaesthesia for non‐emergency surgical procedures in the UK."
 
Journal of Small Animal Practice (2020).

PubMedリンク PMID:32196674
本文:無料公開なし

タイトル:イギリスのおける非緊急の外科処置のための全身麻酔後に急性腎障害で来院した健康な非高齢犬12例

==アブストラクト=== 
目的:緊急ではない外科処置で健康で高齢ではない犬が処置後の急性腎障害を起こす割合を増加させる疑いのある共通の因子の特徴を調べること。

方法:緊急性のない外科処置のために全身麻酔後に急性腎障害を示した犬12頭の医療記録を回顧的に解析した。

結果:4つの異なる獣医センター(3つの学際的な紹介病院を含む)に非高齢犬12頭が術後の急性腎障害として、中央値として4日で再来院した。この症例シリーズのすべての犬は体重が20kg以上で、年齢の中央値は17ヶ月であった。品種、手術のタイプ、麻酔時間、周術期の薬剤の選択、NSAIDsの投与、は明らかな関連はなかった。

臨床的意義
:ヒト医療ではよく定義されているものの、動物において全身麻酔と急性腎障害との間の関連についてはほとんど情報がない。この症例シリーズでは、明確な因果関係はみつからなかった。より明瞭な発生率を得るために、同様の症例をもつ臨床医は著者に連絡をとることが求められる。
 

Jagodich, Tiffany A., et al.
"Preliminary evaluation of the use of high‐flow nasal cannula oxygen therapy during recovery from general anesthesia in dogs with obstructive upper airway breathing." 
Journal of Veterinary Emergency and Critical Care(2020).

PubMedリンク PMID:32542930
本文:無料公開なし

タイトル:閉塞性上気道呼吸の犬における全身麻酔の回復期の高流量鼻腔カニューレ酸素療法の使用についての予備的研究

==アブストラクト=== 
背景
:短頭種気道症候群は、罹患した犬における過剰な咽頭と喉頭の組織への刺激の結果として、麻酔からの回復の複雑なリスクを引き起こす可能性がある。高流量鼻腔カニューレ酸素療法は、高いガス流量によって気道陽圧を提供する呼吸補助療法である。高流量鼻腔カニューレシステムは、吸気ガスを積極的に加温・加湿し、それによりヒトと犬における高流量に対する快適さと許容性を向上させる。高流量鼻腔カニューレ酸素療法を、麻酔の回復期に呼吸仕事量の増加または低酸素を起こした短頭種犬に適用し、この装置が上気道障害の緩和に有効で許容性があるかどうかを調べた。

主な結果
高流量鼻腔カニューレ鼻腔プロング接合部は短頭種の顔面構造によくフィットした。高流量鼻腔カニューレの適用により、全身麻酔後の上気道閉塞の徴候のある患者における呼吸困難スコアを減少させることがわかった。呑気症とPCO2の変化が記録された。

意義
:回復期における高流量鼻腔カニューレの適用は、ヒトにおける睡眠障害のある呼吸の持続的陽圧気道療法に使用とは異なり、覚醒状態での閉塞性呼吸時の気流を改善させる可能性がある。
 

Rodriguez‐Diaz, Jenniffer M., et al.
"Decreased incidence of perioperative inadvertent hypothermia and faster anesthesia recovery with increased environmental temperature: A nonrandomized controlled study." 
Veterinary Surgery (2019).

PubMedリンク PMID:31617950
本文:無料公開なし

タイトル:環境温度の上昇に伴う周術期の不注意な低体温の発生率と減少と速やかな麻酔の回復:非ランダム化比較試験

==アブストラクト=== 
目的
: 周術期の不注意な低体温症の発生率、リスク因子、予防方法、および周術期の不注意な低体温症が麻酔の回復時間に与える影響を調べること。

研究デザイン:非ランダム化比較前後試験。

動物:開放手術をうけた犬(n=277)と猫(n=20)。 

方法
: ベースライン時に、周術期の不注意な低体温(中核体温<36℃)、体温ケアの実施、および回復時間を記録した。グループ1に対しては、導入室と手術室における環境温度の上昇を組み合わせた、プロトコルに基づいた積極的な温めによる体温ケアバンドルが実施された。周術期の不注意な低体温の発生率と回復時間を記録した。グループ2に対しては、環境おんどを上昇させたままベースラインの積極的な温めを再開した。

結果
周術期の不注意な低体温は、術前の画像診断(p=0.039)と毛刈り面積の割合(p=0.37)と関連していた。周術期の不注意な低体温は、グループ1(13.5%、n=95、p<0.001)とグループ2(13.0%、n=100、p<0.001)でベースラインと比較して減少した(35.6%、n=101)。麻酔離脱から抜管までの時間の中央値は、グループ1(5分、p=0.028)とグループ2(5分、p=0.018)でベースライン(7分)と比べて減少した。麻酔からの回復から自発的な食事摂取までの時間の中央値は、 グループ1(6時間、n=92、p=0.016)とグループ2(6時間、n=88、p=0.060)で、ベースライン(n=94、6.7時間)と比べて減少した。

結論
: 周術期の不注意な低体温の発生率は高かったが、環境温度を上げることだけでも、または積極的に体を温めることを重点におくこととの組み合わせでも、軽減することができた。周術期の不注意な低体温を減らすことは、回復時間を短くする。

臨床的意義
:ヒトの小児外科における標準ケアによる導入室と手術室の温度の維持は、 周術期の不注意な低体温を減らし、予後を改善させるかもしれない。

Luca, Geneviève C., et al.
"A retrospective study of anesthesia for subcutaneous ureteral bypass placement in cats: 27 cases."
 
Journal of Veterinary Medical Science (2017): 16-0382.

PubMedリンク PMID:28428483
本文:無料公開あり(全文

タイトル
:猫の皮下尿管バイパスの設置のための麻酔についての回顧的研究

==アブストラクト=== 
この回顧的臨床症例シリーズの目的は、尿管閉塞のために皮下尿管バイパス(SUB)の設置を行なった猫における麻酔管理について記述し、周術期の合併症について報告すること。2012年から2015年に獣医教育病院でSUBの設置を行なった尿管閉塞のある家庭飼育猫の医療記録を再調査した。27頭が同定された。麻酔と手術の時間(平均±標準偏差)はそれぞれ、215±42分、148±36分であった。最も多い術中合併症は低体温であった。低血圧、低炭酸ガス血症、高血圧、および徐脈も頻繁に観察された。術中に低血圧を経験した猫22頭中、17頭が循環作動薬と昇圧剤の投与を受けた。ベースラインの値と比較して、SUB設置後にはクレアチニン(p=0.008)と全固形物(p=0.007)が有意に減少した。術後の合併症として、疼痛、食欲低下、悪心、高血圧、および尿路関連問題がみられた。術後期間に死亡は起こらなかった。SUB設置のための麻酔の成功した管理には、厳密な麻酔モニターと合併症への即時治療が含まれる。周術期の合併症は一般的であるようだった。この研究では、この手技に関連したリスク因子は同定できなかった。

Floriano, Dario, Michael J. Sahagian, and Ludovica Chiavaccini.
"Impact of epidural bupivacaine on perioperative opioid requirements, recovery characteristics, and duration of hospitalization in dogs undergoing cystotomy: A retrospective study of 56 cases."
 
Veterinary Surgery (2019).

PubMedリンクPMID:31328291
本文:無料公開なし

タイトル
膀胱切開を行なった犬において硬膜外ブピバカイン投与が周術期オピオイド要求量、回復の特徴、および入院期間に与える影響;56症例の回顧的研究

==アブストラクト===
目的:膀胱切開の手術時に麻酔下でオピオイドベースの鎮痛を受けた犬と、ブピバカイン硬膜外投与ベースでの鎮痛ベースをうけた犬において、周術期のオピオイド消費量と入院期間を比較すること。

研究デザイン:回顧的横断的研究。

動物:膀胱切開を行なった家庭犬56頭。 

方法:2015年1月から2017年12月の間に膀胱切開を行なった犬の臨床記録を再調査した。人口統計データ、麻酔時間と手術時間、麻酔管理、周術期のオピオイド消費量(モルヒネ相当量[ME]で示す)、周術期の追加鎮痛、初回排尿までの時間、食事までの時間、歩行までの時間、および入院期間についてを記録した。オピオイド消費量と入院期間は、ウィルコクソンの順位和検定によって比較し、次いで必要に応じて線形回帰分析が行われた。初回排尿までの時間、食事までの時間、支持のない歩行までの時間については、コックス比例ハザードモデルによりモデル化された。

結果
: ブピバカイン硬膜外鎮痛を行なった犬では、オピオイドベース鎮痛の犬に比べて、オピオイド必要量が1.5mg/kg少なかった(p=0.04)。ブピバカイン硬膜外鎮痛の犬19頭中3頭、オピオイド鎮痛の犬37頭中15頭で、術中の追加鎮痛が必要となった(p=0.06)。ブピバカイン硬膜外鎮痛の犬では、オピオイド鎮痛の犬に比べて、運動機能の回復に時間がかかった(p=0.01)が、排尿までの時間、食事までの時間、および入院期間について、両群間での差はなかった。

結論:膀胱切開のために麻酔をかける犬において、周術期のブピバカイン腰仙部硬膜外投与は術中のオピオイド消費量を減らした。

臨床的意義
:膀胱切開を行う犬における硬膜外ブピバカイン投与は、膀胱機能の回復や入院期間に影響を与えずに術中のオピオイド要求量を減らせる可能性がある。
 

Vilar, José M., et al.
"Comparison of 3 anesthetic protocols for the elective cesarean-section in the dog: Effects on the bitch and the newborn puppies." 
Animal reproduction science 190 (2018): 53-62.

PubMedリンク PMID:29395686
本文:無料公開なし

タイトル
: 犬の選択的な帝王切開における3つの麻酔プロトコールの比較;母犬と新生児に対する影響

==アブストラクト===
この研究では、帝王切開をうけた4犬種(フレンチブルドッグ n=13、ヨークシャーテリア n=12、チワワ n=10、ブルテリア n=10)で、3つの異なる麻酔プロトコールについて麻酔導入と維持の質をもとに評価した。新生児死亡率、出生異常、および新生児の活力について評価した。すべての雌犬で麻酔前投与としてモルヒネ(im)が投与され、その後に3つの異なる麻酔プロトコールに割り振られた;
グループP(n=17)プロポフォールで麻酔導入、すべての仔犬が出されるまでプロポフォールで維持、その後セボフルランで麻酔維持。
グループPS(n=14)プロポフォールで麻酔導入、維持麻酔はセボフルラン。
グループPES(n=14)プポフォールで麻酔導入し硬膜外麻酔を実施、
すべての仔犬が出されるまでプロポフォールで維持、その後セボフルランで麻酔維持。
手術中にわたり、グループPESは低濃度のセボフルランを必要とし(p<0.05)、吸入麻酔中は追加のプロポフォールまたはフェンタニルの投与は必要としなかった。心拍数の平均(p<0.01)は、グループPとPSの雌犬で高かった。血圧の平均は、グループPESで、他の2つのグループに比べて低かった。出生異常は新生児の3.1%(5/162)でみられ、フレンチブルドッグの仔犬での発生が有意に高かった(p<0.05)。新生児の活力については修正アプガースコアを用いて行なった;アプガースコアは出生直後に定義し
(アプガー0)、2番目のスコアは出生後60分で評価した(アプガー60)。アプガー0スコアはグループ間で有意に異なっており、グループPESの新生児がもっとも高い値を示した(p<0.05)。アプガー60では、94%以上の仔犬がすでに正常な活力の新生児(スコア7-10)に分類されており、グループ間での差はみられなかった。この研究では、グループPESの母犬で手術中の麻酔の質がより高く、出生直後の仔犬の活力がより高かったことが示された。使用された麻酔プロトコールにかかわらず、フレンチブルドッグの雌犬と仔犬は、他の犬種よりも多くの臨床的なケアを必要とした。
 

De Cramer, K. G. M., K. E. Joubert, and J. O. Nöthling.
"Puppy survival and vigor associated with the use of low dose medetomidine premedication, propofol induction and maintenance of anesthesia using sevoflurane gas-inhalation for cesarean section in the bitch." 
Theriogenology 96 (2017): 10-15.

PubMedリンク PMID:28532824
本文:無料公開なし

タイトル
:雌犬の帝王切開のための低用量メデトミジンの麻酔前投与、プロポフォール麻酔導入、およびセボフルランガス吸入維持麻酔の使用と仔犬の生存と活力との関連

==アブストラクト===
 麻酔前投与として塩酸メデトミジン(7μg/kg iv)、麻酔導入としてプロポフォール(1-2mg/kg iv)、維持麻酔として酸素とセボフルラン2%で構成された麻酔プロトコールの安全性について、292頭の帝王切開と2232頭の出生した仔犬で調査した。メデトミジンの効果は、出生直後に塩酸アチパメゾール(50μg/仔犬 sc)を投与して無効にし、母犬は手術直後に静脈投与を行い無効にした。仔犬に対するプロトコールの安全性は、出生直後、2時間後、7日後の生存、およびアプガースコア(最後の仔犬の出生後15分後から測定を開始)を用いて表した。母犬の生存率は、帝王切開の直後、2時間後、7日後で確立した。

帝王切開の犬には、ボーアボール148頭、イングリッシュブルドッグ84頭、その他の純血種60頭、からそれぞれ1378頭、541頭、313頭の仔犬が生まれた。ボーアボール、イングリッシュブルドッッグ、その他の純血種ではそれぞれ、出生時に97.39%、96.67%、91.69%の仔犬が生存し、2時間後には95.43%、88.35%、89.78%が生存、7日後には89.19%、79.11%、84.03%が生存していた。
ボーアボール、イングリッシュブルドッグ、その他の純血種の仔犬の16頭(1.16%)、32頭(5.59%)、4頭(1.28%)が奇形であり、安楽死された。ボーアボール、イングリッシュブルドッグ、その他の純血種の仔犬の35頭、18頭、26頭が死産であり、そのうち12頭、9頭、15頭が帝王切開直前の超音波検査で死亡が確認されていた。超音波検査で死亡していた胎児と奇形による安楽死の仔犬を調整後にの生存は、ボーアボール、イングリッシュブルドッグ、その他の純血種でそれぞれ、2時間までが98.21%、95.60%、94.30%であり、7日目までが91.78%、87.1%、88.26%であった。2時間の生存率はスコアが8以下の同腹仔の割合と負の相関があり(r=0.14、p=0.01、n=292同腹)、同腹仔内の最も低いアプガースコアと正の相関傾向あった。(r=0.11、p=0.05、n=292同腹)。

この研究により、プロトコール内で用いられている塩酸メデトミジンは、帝王切開を行う雌犬の安全な麻酔前投与であり、良好な仔犬の活力および2時間後、7日後の生存率と関連していることを示している。麻酔前投与としてのメデトミジンの使用は、麻酔導入薬として通常必要とされるプロポフォールんも投与量を半分未満の使用を可能にした。
 

Metcalfe, S., et al.
"Multicentre, randomised clinical trial evaluating the efficacy and safety of alfaxalone administered to bitches for induction of anaesthesia prior to caesarean section." 
Australian veterinary journal 92.9 (2014): 333-338.

PubMedリンク PMID:25156052
本文:無料公開なし

タイトル:帝王切開前の麻酔導入のための雌犬へのアルファキサロン 投与の有効性と安全性を評価するための多施設ランダム化臨床試験

==アブストラクト===
目的:帝王切開を行う雌犬においてアルファキサロンを麻酔導入として投与し、その後に酸素とイソフルランおよびその他の周術期薬品との組み合わせの際の、アルファキサロン の雌犬とそれらの仔犬における臨床的な安全性と有効性について調べること。

デザイン:多施設、ランダム化、陽性対照、臨床試験。

方法;合計74頭の雌犬がこの研究に登録され、48/74(65%)と26/74(35%)がアルファキサロン とプロポフォールを麻酔導入薬として投与された。雌犬は、導入前に検査され、導入中、手術中、麻酔からの回復中にモニターされた。仔犬の吸引力、背屈、引っ込め反射、肛門性器反射について評価した。

結果:アルファキサロン の投与をうけた48頭中、47頭(98%)と39頭(81%)が、それぞれ導入および麻酔の有効性について優れた最高スコアを得た。プロポフォールの投与をうけた26頭における同じパラメータでは、23頭(88%)と17頭(65%)が優れたスコアを得た。 麻酔からの回復のスコアの平均は二つの治療グループで差はなく、アルファキサロン の46/48頭(96%)とプロポフォールの25/26頭(96%)で良好または非常に良好なスコアを得た。雌犬は、周術期を通して多くの併用薬を許容した。この研究では雌犬の死亡は観察されなかった。仔犬の出生に関して治療グループ間で統計的に有意な差はなかった。アルファキサロン またはプロポフォールによる帝王切開によって生まれた生きた仔犬は、生後24時間での生存割合は同様であった(それぞれ205/213(96%)、124/131(95%))。

結論
:この研究では、雌犬の帝王切開の麻酔導入を目的としたアルファキサロンの安全性と有効性が確認された。さらに、仔犬に与える影響はわずかであり、母犬がアルファキサロン導入の麻酔から回復して24時間後に95%以上の仔犬が生存していた。
 

Doebeli, A., et al.
"Apgar score after induction of anesthesia for canine cesarean section with alfaxalone versus propofol."
 
Theriogenology 80.8 (2013): 850-854.

PubMedリンク PMID:23932170
本文:無料公開あり(全文

タイトル:アルファキサロン vs.プロポフォールを用いた犬の帝王切開の麻酔導入後のアプガースコア注)

==アブストラクト===
新生児の元気さに与えるアルファキサロン とプロポフォールの影響について、緊急の帝王切開の麻酔導入薬としてそれらを使用した22頭の雌犬と81頭の仔犬で研究した。手術が適応と判断された後に、雌犬はランダムにアルファキサロン (1-2mg/kg)またはプロポフォール(2-6mg/kg)による麻酔導入の投与に割り付けられた。それぞれの薬剤は、気管チューブの挿管が可能になる効果まで静脈投与され、麻酔の維持は酸素とイソフルランで行った。胎児の元気さは、心拍数、呼吸努力、刺激に対する反応、、運動性、および粘膜色、を考慮に入れた修正アプガースコア(最大スコア=10)を用いて評価した。出産後5分、15分、60分でスコアを割り当てた。出産した仔犬の数も、出産後3ヶ月までの仔犬の生存割合も、グループ間で差はなかった。麻酔導入薬と採点時間はアプガースコアと関連していたが、出産時間は関連していなかった。アルファキサロン グループにおけるアプガースコアは、プロポフォールグループのものよりも、出産後5分、15分、60分で高かった。グループ間での全体として算定されるスコアの差は、3.3(95%信頼区間 1.6-4.9;p<0.001)。

結論として、アルファキサロン もプロポフォールも、緊急の帝王切開を行う雌犬の麻酔導入薬として安全に使用できた。どちらの薬剤性の使用後も仔犬の生存は同様であったが、アルファキサロン は出産後60分までの新生児の元気の良さと関連した。


==訳者補足===
注)アプガースコア(Apgar score)
アプガー指数( - しすう、Apgar score)、またはアプガーテストアプガースコアとは、出産直後の新生児の健康状態を表す指数、および判定方法”   Wikipedia「アプガー指数」から引用
 

Torrente, Carlos, et al.
"Prevalence of and risk factors for intraoperative gastroesophageal reflux and postanesthetic vomiting and diarrhea in dogs undergoing general anesthesia."
 
Journal of veterinary emergency and critical care 27.4 (2017): 397-408.

PubMedリンク PMID:28544250
本文:無料公開なし

タイトル:全身麻酔をかけた犬における術中の胃食道逆流と麻酔後の嘔吐と下痢の罹患率とリスク因子

==アブストラクト===
目的
: 全身麻酔をかけた犬における術中の胃食道逆流と麻酔後の嘔吐と下痢の発生率を調べ、これらの胃腸障害に関連するリスク因子を評価すること。

デザイン
:前向き観察研究。

施設
;大学の教育病院。

動物
:診断または外科手術の目的で全身の吸入麻酔をかけた家庭飼育犬237頭。

介入
:なし。

方法と主な結果
:単変量および多変量ロジスティック回帰分析(p<0.05)を用いて、患者、外科および麻酔の項目、麻酔直後の期間に投与された麻酔後治療と、胃腸障害との関連について評価した。237頭中79頭(33.4%)が、周術期に胃腸障害を起こした。胃食道逆流、嘔吐、下痢の発生率はそれぞれ17.3%、5.5%、10.5%であった。腹腔内の手術(p=0.016;オッズ比2.82、95%信頼区間[CI]1.21-6.62)、体位変換 (p=0.003;オッズ比3.17、95%信頼区間[CI]1.47-6.85)、麻酔時間の長さ(p=0.052;オッズ比1.006、95%信頼区間[CI]1.00-1.013)が、胃食道逆流と関連していた。手術中の換気モードの変更(p=0.011;オッズ比6.54、95%信頼区間[CI]1.8-23.8)、麻酔時間の長さ(p=0.024;オッズ比1.001、95%信頼区間[CI]1.001-1.013)、低血圧の支持のための合成コロイドのレスキュー投与(p=0.005;オッズ比6.9、95%信頼区間[CI]1.82-26.3)が、術後の嘔吐と正の関連がみられた。対照的に、前投薬としてアセプロマジンの投与を受けていた犬では、嘔吐が有意に少なかった(p<0.019;オッズ比12.3、95%信頼区間[CI]1.52-100)。最後に、麻酔時間の長さ、体位変換、換気モードの変更、手技中の低酸素は、回復期の下痢のリスクを増加させる傾向(単変量モデル)がみられた。

結論
:全身麻酔をかけた犬において胃腸障害は一般的に起こる。手技の時間や特徴、麻酔管理、および特定の患者項目の変化は、周術期の胃腸障害の重要なリスク因子となる。
 

Gruenheid, Michaela, et al.
"Risk of anesthesia-related complications in brachycephalic dogs." 
Journal of the American Veterinary Medical Association 253.3 (2018): 301-306.

PubMedリンク PMID:30020004
本文: 無料公開なし

タイトル:短頭種犬における麻酔関連の合併症

==アブストラクト===
目的
:短頭種犬は非短頭種と比べて麻酔関連の合併症のリスクが高いかどうかを調べ、それらの合併症に対する他の因子を同定すること。

デザイン:回顧的コホート研究。

動物
:2012年にルーチンな外科手術もしくは画像診断のための全身麻酔を行なったに家庭飼育の短頭種犬223頭と、手術手技とその他の特徴をマッチさせた家庭飼育の非短頭種犬223頭。

方法:犬のシグナルメント、臨床徴候、麻酔項目、手術特徴、および麻酔中および麻酔後(退院までの間)の合併症に関するデータを医療記録から収集した。合併症のリスクを、他の要因を調整した上で短頭種と非短頭種で比較した。

結果
:周麻酔期(麻酔中および麻酔後)の合併症は、すべての446頭の犬のうち49.1%(n=219)で記録され(短頭種の49.8%[111/223]、非短頭種の48.4%[108/223])、麻酔後の合併症は8.7%(39/446、短頭種の13.9%[31/223]、非短頭種の3.6%[8/223])であった。周麻酔期の合併症の発生率の高さに関連する因子には、短頭種、麻酔時間が長いことが含まれ、周術期の合併症のリスクの減少には体重と整形外科または放射線手技(軟部組織手術に比較して)が関連した。麻酔後の合併症の発生率の高さに関連する因子には、短頭種、米国麻酔学会(ASA)状態の上昇、麻酔導入でのケタミンとベンゾジアゼピンの使用(プロポフォール±リドカインにに比較して)、および侵襲性の手技が含まれた。

結論と臨床的関連
他の要因を調整したうえで、ルーチンの手術または画像診断を行う短頭種犬では周麻酔期および麻酔後期における合併症が、非短頭種犬と比較して高かった。周麻酔期の短頭種犬では注意深いモニタリングが推奨される。
 
 

Smalle, Tesh M., et al.
"Effects of thiopentone, propofol and alfaxalone on laryngeal motion during oral laryngoscopy in healthy dogs."
 
Veterinary anaesthesia and analgesia 44.3 (2017): 427-434.

PubMedリンク PMID:28599889
本文:無料公開あり(全文) 

タイトル:健康な犬における経口喉頭鏡検査中の喉頭の動きに対して、チオペンタール、プロポフォール、およびアルファキサロンが与える影響 

==アブストラクト===
目的:チオペンタール、プロポフォール、およびアルファキサロン が披裂軟骨の動きに与える影響を比較し、持続的な経口喉頭鏡検査を行うための投与速度を設定すること。

研究デザイン:ランダム化クロスオーバー研究。

動物:6頭の健康な成犬のビーグル。

方法:それぞれの犬はランダムに3つの導入薬を投与され、各治療間には1週間のウォッシュアウト期間を設けた。麻酔導入としてチオペンタール(7.5mg/kg)、プロポフォール(3mg/kg)、またはアルファキサロン (1.5mg/kg)を1分かけて投与した。犬の麻酔が不十分とみなされた場合には、追加の静脈投与をそれぞれ1.8mg/kg、0.75mg/kg、0.4mg/kgで行なった。喉頭鏡をもちいた喉頭の連続的な検査は、十分な麻酔深度に達したら開始し、検査の終了まで続けた。3回の期間中に披裂軟骨の運動の回数を数え、治療期間中に経時的に比較した。データはフリードマン検定とマン-ホイットニーU検定、チューキー補正の事後対比較によるスピアマンローと線形混合モデルを用いて、データの解析を行なった。

結果
:チオペンタール、プロポフォール、アルファキサロン の導入時間の中央値(範囲)は2.8分(2.0-3.0)、2.7分(2.0-3.3)、2.5分(1.7-3.3)であり(p=0.0727)、検査時間の中央値は14.1分(8.0-41.8)、5.4分(3.3-14.8)、8.5分(3.8-31.6)であった(p=0.016)。十分な麻酔深度を達成するための投与速度の中央値はそれぞれ6.3mg/kg/min(6.0-6.6)、2.4mg/kg/min(2.4-2.4)、1.2mg/kg/min(1.2-1.2)であった。合計での披裂軟骨の運動の数(p=0.662)と生体の呼吸数(p=0.789)は、導入薬の間で有意な差はなかった。

結論と臨床的関連性
:披裂軟骨の運動の数は、導入薬に関わらず類似していた。しかし、この研究での投与速度では、プロポフォールが喉頭の評価を行うための十分な麻酔状態を短時間で提供し、それは犬の喉頭鏡検査において有利となるかもしれいない。
 

Brown, Mikala B., et al.
"Comparison of methohexital and propofol as induction agents for evaluation of laryngeal function in healthy dogs." 
Veterinary Surgery (2018).

PubMedリンク PMID:30367699
本文:無料公開あり(全文) 

タイトル:健康な犬における喉頭機能の評価に対する麻酔導入としてのメトヘキシタールとプロポフォールの比較

==アブストラクト===
目的
:ドキサプラムを使うまたは使わない状況で、犬の喉頭機能の検査に対してプロポフォールとメトヘキシタールが与える影響を調べるここと。

研究デザイン:実験研究。

動物
:40頭の健康な犬がランダムに4つの群に割り振られた;プロポフォールと生食(n=10) 、プロポフォールとドキサプラム(n=10)、メトヘキシタールと生食(n=10)、メトヘキシタールとドキサプラム(n=10)。

方法
:プロポフォールとメトヘキシタールと効果が得られるまで投与した。調査者は喉頭の機能を評価し(初回)、同時に動画喉頭鏡を行った。ドキサプラムと生食を投与し、喉頭機能を再評価した(2回目)。喉頭の運動、喉頭露出の質、嚥下の程度、喉頭痙攣、顎の緊張、ついて各評価ごとにスコア化した。有害事象について記録した。初回および2回目の動画を、マスクされた観察者によって評価し、それぞれの評価から得られた画像から2人のマスクされた観察者が声帯裂の大きさの変化について評価した。

結果
:ドキサプラムと生食の投与はプロポフォールで遅延した(p=0.001)。喉頭機能はプロポフォールとメトヘキシタールの犬で差はなく、ドキサプラムの投与にも関係なかった。ドキサプラムは両軍で呼吸スコアを改善させた(p<0.001)。顎の緊張はプロポフォールの2回目の評価で増加した(p=0.049)。嚥下は初回検査でより明らかだった(p=0.020)。メトヘキシタールは、プリポフォールよりも心拍数を増加させた(p<0.01)。メトヘキシタールを投与された犬の25%が発作用活動を発症した。

結論
:健康な犬における喉頭機能の評価は、プロポフォールまたはメトヘキシタールによる麻酔によって差はなかった。メトヘキシタールでは検査時間の短縮と顎の緊張の少なさが、有害事象と関連した。

 

Ambros, Barbara, et al.
"Effects of alfaxalone, thiopental, or propofol and diazepam on laryngeal motion in healthy dogs." 
The Canadian veterinary journal= La revue veterinaire canadienne 59.7 (2018): 791-795.

PubMedリンク PMID:30026629
本文: 無料公開なし

タイトル:健康な犬の喉頭の動きにアルファキサロン、チオペンタール、またはプロポフォールとジアゼパムが与える影響

==アブストラクト===
喉頭機能は、軽い麻酔下で喉頭を直接視ることで評価される。この研究では、健康な犬において3つの麻酔プロトコールが披裂軟骨の動きに与える影響を比較した。

8頭の犬は、アルファキサロン、プロポフォールとジアゼパム、またはチオペンタールの3つのプロトコールにランダムに割り振られた。ビデオ喉頭鏡検査を行い、最大吸気と最大呼気時の静止画像を用いて声門裂の面積と高さを測定した。標準化声門裂面積(=ピクセル/高さ二乗)を算出した。標準化声門裂面積の変化は、吸気と呼気の標準化声門裂面積の差と定義した。データはマン-ホイットニー検定とクラスカル-ワリス検定も用いて解析された。p値<0.005で統計学的に有意とみなした。

導入後と覚醒前の標準化声門裂面積の変化の比較において、導入プロトコールによる有意な差はみられなかった。アルファキサロンとプロフォプール/ジアゼパムは、効果が得られるまで投与して軽麻酔で維持する場合に、喉頭機能の評価に有用である。

Radkey, Denise I., Robert J. Hardie, and Lesley J. Smith.
"Comparison of the effects of alfaxalone and propofol with acepromazine, butorphanol and/or doxapram on laryngeal motion and quality of examination in dogs." 
Veterinary anaesthesia and analgesia 45.3 (2018): 241-249.

PubMedリンク PMID:29426677
本文 :無料公開あり(全文

タイトル:アセプロマジン、ブトルファノール、±ドキサプラムを併用したアルファキサロンおよびプロポフォールが犬の喉頭の動きに与える影響と検査も質についての比較

==アブストラクト===
目的:アセプロマジン、ブトルファノール、ドキサプラムがあるもしくはない状況でのアルファキサロンとプロポフォールが、犬の喉頭検査で喉頭の動きに与える影響と検査の質について比較すること。

研究デザイン:ランダム化、クロスオーバー、盲検試験。

動物:雌のビーグル犬10頭、年齢が11-13ヶ月齢、体重7.2-8.6kg。

方法
:犬には4つの血管内投与治療が行われた;アルファキサロン(ALF群)、アルファキサロン+アセプロマジン・ブトルファノール(ALF+AB群)、プロポフォール(PRO群)、プロポフォール+アセプロマジン・ブトルファノール(PRO+AB群)。アセプロマジンとブトルファノールは標準的な投与量とした。犬は5分後にアルファキサロンまたはプロポフォールを効果が現れるまで静脈投与して麻酔をかけられた。ドキサプラム(0.25mg/kg)投与前後での最大吸気および呼気時の披裂軟骨の動きを動画で捉えた。声門裂表面積の変化を披裂軟骨の動きを測定することで計算した。調査者は治療については盲検化され、喉頭検査の質をスコア化した。

結果
声門裂表面積の20%の上昇が、検出できる最小限の披裂軟骨の動きであった。声門裂表面積はALF群におけるドキサプラム投与前が、 他のすべての治療に比べて有意に低かった。声門裂表面積の20%未満の上昇は、ドキサプラム投与前のPRO群の10頭中8頭およびALF群の全頭で測定された。ドキサプラム投与後は、声門裂表面積はPRO群とALF群で有意に上昇し、しかしPRO群の犬の20%とALF群の犬の50%では、なお声門裂表面積の上昇は20%未満であった。声門裂表面積の20%未満の上昇は、ドキサプラム投与前のPRO+AB群とALF+AB群のそれぞれ10頭中5頭で観察された。ドキサプラム投与前に声門裂表面積の上昇が20%未満だったPRO+AB群とALF+AB群のすべての犬は、ドキサプラム投与後にすべて20%以上の上昇となった。検査の質はPRO+AB群およびALF+AB群の方が有意に良かった。

結論と臨床的関連
:アセプロマジンとブトルファノールの使用は喉頭検査の質を向上させた。これらの全投与役によって起こる披裂軟骨に対する負の影響はいずれもドキサプラムによって打開される。プロポフォール単独またはアルファキサロン単独のいずれのプロトコールの使用も、披裂軟骨の動きの観察には推奨されない。
 

Norgate, Daisy, et al.
"A comparison of the effect of propofol and alfaxalone on laryngeal motion in nonbrachycephalic and brachycephalic dogs."
 
Veterinary anaesthesia and analgesia45.6 (2018): 729-736.

PubMedリンク PMID:30316695
本文:無料公開あり(全文

タイトル:非短頭種犬と短頭種犬においてプロポフォールとアルファキサロンが喉頭の動きに与える影響の比較

==アブストラクト===
目的:救急処置下でない状況で麻酔をあっけた非短頭種犬と短頭種犬において軽麻酔下での喉頭の動きに与えるプロポフォールとアルファキサロンの影響を比較すること。

研究デザイン:前向きランダム化臨床試験。

動物:48頭の家庭飼育犬(非短頭種24頭、短頭種24頭) 。

方法:メサドン(0.2mg/kg)とアセプロマジン(0.001mg/kg)による標準的な麻酔前投与を筋肉内投与した。犬は、プロポフォール(1-4mg/kg)またはアルファキサロン(0.5-2mg/kg)による導入に、ランダムに割付けられた。喉頭の評価は、軽麻酔下で導入プロトコールを知らされていない 外科医が行った。喉頭の動きは、吸気時に喉頭軟骨の外転が認められた場合に運動ありとし、外転がない場合に運動なしとした。同時に、60秒の動画撮影を行った。同じ外科医と追加の外科医が、1ヶ月後に動画を再評価した。分類による比較は、必要に応じてカイ二乗検定とフィッシャーの正確検定によって行われた。スコア間の一致についてのペアワイズ評価はカッパ統計を用いて行われた。

結果:プロポフォールもしくはアルファキサロンの投与された犬の間で、喉頭運動の有無について有意な差は検出されず(p>0.05)、非短頭種犬と短頭種犬とに分けた解析でも同様であった。犬の大部分(>75%)では、両方のプロトコールである程度の喉頭運動が維持されていた。評価者間の一致は非常に良好であった(κ=0.822)。

結論:非短頭種犬でも短頭種犬でも、アルファキサロンはプロポフォールと同等に喉頭の動きを維持した。

臨床的関連
:両薬剤は、非短頭種犬でも短頭種犬でも、喉頭の動きを適切に評価できるようだ。軽麻酔下での経口の喉頭鏡検査による喉頭運動の主観的な評価のための技術は、 使用された導入の薬剤に関わらず、評価者間での一致した結果を生み出す。
 

Downing, F., and S. Gibson.
"Anaesthesia of brachycephalic dogs." 
Journal of Small Animal Practice 59.12 (2018): 725-733.

PubMedリンク PMID:30374971
本文:無料公開あり(全文

タイトル
: 短頭種犬の麻酔

==アブストラクト===
犬の短頭犬種はイギリスで人気が高まっており、麻酔を必要とする症例の割合が増えている。 これらの犬種はいくつかの病態の好発であり、特に短頭種気道症候群と胃食道逆流があり、これらは麻酔管理に重要な意味を持ち、合併症の危険性を高める。このレビューでは、短頭種犬の周術期管理の議論として、査読付きの獣医学論文と臨床経験を合併させた。われわれは、一般的な併発病態の術前の同定と、麻酔リスクを減らし術後管理を改善させるための臨床戦略に焦点を当てた。必要に応じて、短頭種気道症候群の合併症とヒトの閉塞性睡眠時無呼吸の病態との比較を含めた。
 

Adrian, Derek, et al.
"The pharmacokinetics of gabapentin in cats." 
Journal of veterinary internal medicine (2018).

PubMedリンク PMID:30307652
本文:無料公開あり(全文

タイトル:猫におけるガバペンチンの薬物動態

==アブストラクト===
背景:ガバペンチンは猫の慢性の筋骨格系の疼痛の治療として最も一般的に処方されている薬物である。このように一般的で慢性的な使用にも関わらず、臨床的に関連のある薬物動態のデータは欠如している。

目的:猫のおける臨床的に関連のあるガバペンチンの投与計画の薬物動態について評価すること。

動物:研究目的の雑種猫8頭。

方法
:非ランダム化の薬物動態研究に、連続した順番で猫を登録した。ガバペンチンを静脈投与(5mg/kg)、経口投与(10mg/kg)で、1日1回もしくは2回の投与を2週間、または経皮ゲル(10mg/kg)の連続投与を行なった。連続した血液サンプルの収集を48時間まで行なった。血症濃度を超高速液体クロマトグラフィー質量分析によって決定した。区画分析を用いてガバペンチンの時間濃度モデルを作成した。

結果:静脈投与後の全身クリアランス(中央値(範囲))と終末相半減期は、160.7ml/kg*hr(119.63-199.11)および3.78時間(3.12-4.47)であった。経口の終末相半減期は、単回投与で3.63時間(2.96-4.77)、反復投与で3.72時間(3.12-4.51)であった。モデルにより予測されるT MAXとC MAXはそれぞれ、経口の単回投与で1.05時間(0.74-2.11)と12.42μg/ml(8.31-18.35)、反復の経口投与で0.77時間(0.58-1.64)と14.78μg/ml(9.70-18.41)であった。単回の経口投与後の生体利用率は94.77%(82.46-122.83)であった。

重要性
:ガバペンチンの反復の経口投与は、薬物動態を変化させず、長期治療による投与量の調整を行う必要はなかった。調剤されたままでの経皮投与は、薬物の投与として適切な選択ではない。これらのデータは、猫の慢性疼痛状態の治療に対する内科治療の潜在的な有効性を評価するための今後の研究にとって重要なものとなる。
 

Guedes, Alonso GP, and Elaine P. Rude.
"Effects of pre‐operative administration of medetomidine on plasma insulin and glucose concentrations in healthy dogs and dogs with insulinoma." 
Veterinary anaesthesia and analgesia 40.5 (2013): 472-481.

PubMedリンク PMID:23714015
本文: googlescholar経由で入手可能(全文

タイトル:インスリノーマのある犬と健康な犬において、術前のメデトミジン投与が血漿インスリンおよびグルコース濃度に与える影響 

==アブストラクト===
目的:麻酔と手術を行うインスリノーマのある犬と健康な犬において、メデトミジンが血漿グルコースとインスリン濃度に与える影響を調べること。

動物
:インスリノーマの犬25頭と健康な犬26頭

方法
:インスリノーマの犬では、メデトミジン(5μg/kg)を、典型的にオピオイドと抗コリン作動薬を含む麻酔前投与プロトコールに、無作為に含めるか(n=12)、もしくは含めなかった(n=13)。健康な犬では、メデトミジン(5μg/kg;n=13)もしくはアセプロマジン(0.04mg/kg;n=13)にオピオイド(モルヒネ 0.5mg/kg)と抗コリン作動薬(アトロピン 0.04mg/kg)を加えて麻酔前投与とした。麻酔前投与は筋肉内投与された。血漿グルコースとインスリン濃度は、麻酔前投与の前(サンプル1)と投与30分後(サンプル2)、およびインスリノーマの犬では手術終了時もしくは健康な犬では2時間の麻酔時点(サンプル3)で、測定された。インスリノーマの犬における術中の正常血糖を維持するためのグルコース要求量を定量化して比較した。データはanova およびBonferroniのpost-test、t-tests、カイ二乗検定を適切に用いて解析し、p<0.05を有意とみなした。データは平均±SDで示した。

結果:メデトミジンは、健康な犬およびインスリノーマの犬で、血漿インスリン濃度を有意に減少させ、血漿グルコース濃度を有意に上昇させた。これらの変数はメデトミジンを投与されていない犬では有意な変化はなかった。インスリノーマの犬において、術中のグルコースの投与割合は、メデトミジンの投与を受けた犬で、受けていない犬に比べて有意に少なかった。

結論:麻酔前のメデトミジンの投与は、麻酔と手術を行うインスリノーマの犬および健康な犬において、インスリンの分泌を有意に抑制し、血漿グルコース濃度を上昇させた。

臨床的関連
:これらの所見は、インスリノーマの犬の麻酔管理の補助として、低用量のメデトミジンを使用することは賢明であることを支持する。
 

Song, JaeWoo, et al.
"Pre-emptive ice cube cryotherapy for reducing pain from local anaesthetic injections for simple lacerations: a randomised controlled trial." 
Emerg Med J (2017): emermed-2017.

PubMedリンク PMID:29025864
本文:無料公開なし

タイトル:単純裂傷に対する局所麻酔薬注入による痛みを軽減するための先制的な角氷による寒冷療法

==アブストラクト===
目的
:皮下の局所麻酔注入は、救急診療部の患者にとって痛いことがある。単純裂傷の患者に注射をする前に、注射部位に角氷を塗布することによる寒冷療法の効果を評価した。

方法
: 2016年4月から7月に単一の救急センターで、一次修復を必要とする単純裂傷の合意がとれた患者で、前向きの無作為化対照試験をおこなった。単純裂傷の修復を受ける患者を、寒冷療法群もしくは対照群(標準ケア;注射部位に対する寒冷療法またはその他の事前処置なし)のいずれかに、ランダムに割り付けた。寒冷療法群の被験者では、角氷(サイズ;1.5×1.5×1.5cm)を滅菌グローブの中に入れて、注射の2分前に傷の皮下リドカイン注射予定部位に置いた。一次アウトカムは、皮下の局所麻酔薬の注射によって感じた痛みの主観的数値評価(0-10スケール)とした。二次アウトカムは(a)寒冷療法自体で感じた数値スケール、すなわち角氷/手袋の皮膚への接触、(b)一次裂傷修復後の合併症の割合、とした。

結果
:50人の患者が、同意のもとにランダムに25人が寒冷療法群に、25人が対照群に登録された。 皮下の麻酔注射への数値評価スケールは、寒冷療法群で中央値;2.0、四分位範囲;1-3.5、95%信頼区間;1.81-3.47であり、対照群では中央値;5.0、四分位範囲;3-7、95%信頼区間;3.91-6.05であった(Mann-Whitney U=147.50, p=0.001)。どちらの群にも創傷の合併症は起こらなかった。寒冷療法自身の数値評価スケールは中央値;2.0、四分位範囲;1-3.5、95%信頼区間;1.90-3.70であった。

結論
:皮下局所麻酔注射の2分前から持続して行う注射部位の先制的な局所寒冷療法は、単純裂傷の修復で来院した患者における皮下局所麻酔注射によってうける痛みを有意に現象させることができる。 


==訳者コメント===
盲検化はされていない(できない)ようなので、プラセボ効果は十分に作用しているように思います。

 氷で冷やすのを嫌がらなければ、動物にも応用できそうな感じがします。皮膚の厚みの違いなどはありそうですが。

類似文献

Mahshidfar, Babak, et al.
"Ice Reduces Needle-Stick Pain Associated With Local Anesthetic Injection." 
Anesthesiology and pain medicine 6.5 (2016).

PubMedリンク PMID:27847696
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タイトル: 氷は局所麻酔薬注射に伴う針刺し痛を軽減する。

==アブストラクト===
背景:局所麻酔注射は、救急部門で様々な目的で広く使用される。そうした注射のための疼痛管理は、患者と医療システムの両方にとって非常に重要である。

目的:我々の研究は、局所麻酔注射をうける患者における寒冷療法の有効性と安全性を決定することを目的とした。 

方法: 表層の裂傷で来院した被験者を無作為に2群に割り当て、第1群には注射前にアイスパックを行い、第2群には行わなかった。痛みを軽減する介入の前後で、痛みの重症度、裂傷の長さと深さ、および他の必要な情報を測定し、記録して、研究終了時に比較した。処置の前後で数値評価尺度を用いて疼痛スコアを測定し、その差をt検定を用いて評価した。

結果:研究には90人の被験者が登録され、各群に45人であった。術前のベースラインと手術時の特徴について、2群の間で統計的に有意な差はなかった(p>0.05)。寒冷療法群における疼痛スコアは、処置の前後で有意に低かった(p<0.001)。2群間で創傷感染について統計的に有意な差はなかった(p=0.783)。

結論
:局所麻酔の注射前に注射部位を冷却することは、注射によって生じる痛みと不快感を軽減するために、効果的で費用のかからない方法である。
 

==訳者コメント===
類似文献

 

Ovbey, Dianna H., et al.
"Prevalence and risk factors for canine post‐anesthetic aspiration pneumonia (1999–2009): a multicenter study." 
Veterinary anaesthesia and analgesia 41.2 (2014): 127-136.

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タイトル
:犬の麻酔後の吸引性肺炎の罹患率と危険因子:多施設研究(1999-2009)

==アブストラクト===
 目的
:犬の麻酔後の吸引性肺炎(AP)の発生率を決定し、吸引性肺炎の発症に関連する麻酔の薬剤、手順、管理に関する因子同定すること。

研究デザイン
:他施設、ランダム化、症例対照回顧的研究。

動物
:吸引性肺炎に罹患した240頭の犬と罹患していない488頭の犬。

方法
1999年1月から2009年12月までの6つの獣医大学の電子カルテデータベースを、麻酔もしくは鎮静と肺炎にコード化された犬について検索した。用手の検索によって、2158の記録が組み入れ基準の適合と判定した。吸引性肺炎の診断はレントゲンによって行なった。各罹患犬ごとに、同じ時期に鎮静または麻酔が行われ吸引性肺炎を起こしていない犬のリストから、2頭の罹患していない対照犬をランダムに選出した。次に、吸引性肺炎との関連について57の因子を評価した。単変量のカイ二乗検定またはスチューデントt検定、ついで多変量ロジスティック回帰を行いデータ分析を行なった。

結果
:10年間に鎮静もしくは麻酔をかけた140,711症例における術後の吸引性肺炎の発生率は0.17%であった。吸引性肺炎の発症と有意に関連した麻酔関連の事象が2つあり、導入時の逆流とモルヒネの投与であった。抗コリン作動薬の投与は吸引性肺炎に関連してなかった。吸引性肺炎のオッズの上昇に関連していた手技は、開腹手術、上気道手術、神経外科、開胸術、内視鏡検査が含まれた。整形外科手術、眼科手術、歯科処置、MRI、CT、気管支鏡検査、膀胱鏡検査、気管鏡検査、中性化手術は吸引性肺炎と関連していなかった。吸引性肺炎と関連していた患者要因は3つあり、巨大食道症と事前の呼吸器疾患または神経疾患の存在であった。上記の独立した予測変数を2つ以上もつ犬の69%が吸引性肺炎を発症した。 

結論と臨床的関連
:多くの麻酔薬や麻酔処置は吸引性はい年の発症と関連していなかった。我々はリスクのある患者を守るための方法を考案して評価する必要がある。 

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