ねころんで探せる小動物医療のジャーナルクラブ

小動物臨床の獣医師が、臨床に役立ちそうな論文情報をちょっとづつアップします。ねころんでいても論文検索ができればいいなと。

カテゴリ:

Wegg, Michaela L., et al.
"A multicenter retrospective study into endogenous causes of uveitis in cats in the United Kingdom: Ninety two cases."
Veterinary Ophthalmology (2021).


PubMedリンク PMID:34037308
本文:無料公開なし

タイトル:イギリスの猫のぶどう膜炎の内因性原因に関する多施設回顧的研究;92症例

==アブストラクト===
目的:この研究の目的は、イギリスの紹介患者集団における猫のぶどう膜炎の最も一般的な原因を調べ、シグナルメントをもとにした関係性を調べることである。

方法:回顧的多施設間横断研究であり、2010年から2019年の間に動物健康トラストと王室獣医大学に来院したぶどう膜と一致する臨床徴候をもつ猫を含めた。眼科検査を含む完全な身体診察、CBC、血液化学、および最低2疾患の感染症の検査を行い、臨床検査で診断がつかない(腫瘍など)猫を含めた。

結果:合計で92頭の猫が研究に組み入れられた。ぶどう膜炎を示す猫の多くがオス(66.3%)であった。最も多い内因性のぶどう膜炎の原因は、特発性ぶどう膜炎(42/92;45.7%)、FIP(15/92;16.3%)、およびリンパ腫(10/92%;10.9%)であった。フィッシャーの正確検定では、診断グループ間の品種の差が示され(p=0.002)、リンパ腫とFIPのグループでは純血種の猫が多かった。クラスカル・ウォリス検定では、診断グループ間で年齢の中央値に差があり(p<0.001)、FIPグループの猫の年齢が最も若く(中央値1.4歳齢 四分位 範囲0.4-1.8歳齢)、腫瘍(原発性または腫瘍随伴症)の猫がの年齢が最も高かった(中央値 12.8歳齢 四分位 範囲10.8-13.8)。特発性ぶどう膜炎は症例の56.1%で片側性であり、感性性の原因は症例の47.8%で片側性であった。

結論:イギリスの猫の集団における内因性ぶどう膜炎の一般的な原因は特発性ぶどう膜炎であり、ついでFIPとリンパ腫が多かった。

Tsvetanova, Agata, et al.
"Melting corneal ulcers (keratomalacia) in dogs: A 5‐year clinical and microbiological study (2014–2018)." 
Veterinary Ophthalmology (2021).


PubMedリンク PMID:33794048
本文:無料公開なし

タイトル:犬の融解性角膜潰瘍(角膜軟化症);5年間の臨床および微生物学的研究(2014-2018)

==アブストラクト===
目的:犬の角膜軟化症に関連する細菌性病原体を同定し、それらの抗菌薬感受性をレビューし、微生物培養の結果と比較した臨床的な転帰を評価すること。

方法:2014-2018の間にイギリスのHertfordshireの紹介病院に来院し、融解性角膜潰瘍と診断された犬の臨床記録を回顧的に解析した。

結果:106頭の犬から110の融解性角膜潰瘍のサンプルが得られた。最も一般的な分離菌はPseudomonas aeruginosa(緑膿菌)(n=26)であり、ついでβ溶血性連鎖球菌(n=12)であった。コアグラーゼ陽性ブドウ球菌、大腸菌群、Pasteurella multocida、腸球菌、Streptococcus viridansが培養された融解性角膜潰瘍は少数であり、一緒に分析された(n=16)。複数の培養が9症例でみられた。47の培養では細菌の増殖が得られなかった。フルオロキノロンへの感受性は、β溶血性連鎖球菌以外では高いままであった。培養細菌による来院時の潰瘍の重症度に有意な差はなかった。全体で、63眼(57%)が、内科治療に加えて外科的な移植をうけた。14症例(13%)では、内科治療±外科治療を行ったにもかかわらず角膜の融解が進行し、眼球摘出を行う結果となった。摘出された眼球の57%(8/14)からは単一の緑膿菌が分離された。対照的に、β溶血性連鎖球菌に関連した潰瘍はすべて治癒した。

結論
:犬の角膜軟化症に関連す最も一般的な細菌腫は、緑膿菌とβ溶血性連鎖球菌であった。これらの2種間では抗菌薬感受性にばらつきがあるため、角膜軟化症を呈するすべての犬で細菌培養と感受性試験を実施する必要がある。緑膿菌単一の感染に関連する融解性角膜潰瘍は、他の細菌に関連する融解性角膜潰瘍よりも、眼球を喪失する可能性が有意に高かった。

Uhl, Lisa K., et al.
"Cataracts and phacoemulsification in the Siberian Husky: A retrospective and multicentric study (2008–2018)."
 
Veterinary Ophthalmology (2021).


PubMedリンク PMID:33730445
本文:無料公開なし

タイトル:シベリアン・ハスキーにおける白内障と水晶体超音波乳化吸引術;回顧的多施設間研究(2008-2018)

==アブストラクト===
目的:シベリアン・ハスキー(ハスキー)と他の犬種(非ハスキー)における白内障の特徴と白内障と水晶体超音波乳化吸引術関連する合併症を比較すること。

動物:ハスキー50頭(92眼)、非ハスキー96頭(182眼)を評価した。

方法:白内障と診断されたハスキー(4つの大学獣医病院 2008-2018年)と非ハスキー(コロラド州立大学 2017-2018年)の医療記録をレビューした。犬の年齢、来院時の白内障のステージ、術前・術後の合併症を記録して分析した。

結果
:来院時の平均年齢(±標準偏差)は、非ハスキー(9.5 ± 2.9歳齢)と比べて、ハスキー(3.5 ± 3.3歳齢)は有意に低かった(p<0.0001)。ハスキーは非ハスキーよりも遺伝性白内障で来院することがより多く(84% vs 52%)、非ハスキーはハスキーよりも糖尿病性白内障で来院する割合が有意に高かった(48% vs 16%;p=0.0001)。来院時の白内障のステージは、ハスキーと非ハスキーで差はなかった。水晶体超音波乳化吸引術は、ハスキーの40%(20/50頭、39/92眼)と非ハスキーの42%(40/96頭、74/182眼)で行われた。術前、術後の網膜剥離は、非ハスキーよりもハスキーでより多かった(術前13% vs 2%、術後 10% vs 1%)が、その差は有意ではなかった。その他の術後合併症の発生は、両群で同じくらいの頻度であった(p≧0.17)。

結論
:白内障を評価したハスキーは他の犬種と比較して、より若く、糖尿性白内障での来院が少なく、また統計的な差はなかったものの水晶体超音波乳化吸引術の術前・術後の網膜剥離のリスクの上昇が臨床的に重要なものであった。

Vlachomitrou, I. E., et al.
"X/Y shaped periorbital reconstructive surgery following enucleation or exenteration: 24 cases (2013 to 2020)."
 
Journal of Small Animal Practice (2021).

PubMedリンク PMID:
33587298
本文:無料公開なし

タイトル:眼球摘出後または眼窩内容部除去後のX/Y形眼窩周囲再建手術;24症例(2013-2020)

==アブストラクト===
目的:犬と猫の眼球摘出後または眼窩内容物除去後のX/Y形眼窩周囲再建手法について説明し、その美容的および機能的な結果について評価すること。

方法:2つの施設に眼球摘出または眼窩内容物除去が必要で来院し、美容的な理由で線維性の眼窩周囲組織を使用したX形またはY形の形成術を行った犬と猫の医療記録を、回顧的にレビューした。すべての患者は術後1-2週間、2ヶ月、および6ヶ月で臨床的に評価された。眼瞼の陥没は、なし、またはありとしてスコア化された。

結果
:犬19頭と猫5頭が研究に組み入れられた。犬12頭と猫3頭は眼球摘出、残りの犬7頭と猫2頭は眼窩内容物除去術を行った。短期のフォローアップで、3頭で眼窩周囲の浮腫がみられた。術後60日および6ヶ月で、猫2頭と犬2頭で眼瞼の陥没がみられた。これらの犬2頭は両方とも長頭種であった。残りの患者では眼瞼の沈没はみられず、犬2頭と猫1頭で短期的にみられた眼窩周囲の浮腫は、完全に解消した。眼の腫瘍の患者4頭は、致死的な転移または安楽死のために6ヶ月のフォローアップは得られなかった。

臨床的意義
:X/Y形眼窩周囲再建術は迅速で、手技が容易であり、満足のいく長期の美容的な結果が得られたが、4頭では眼瞼の沈降がみられた。

Cirla, Alessandro, et al.
"Ocular fundus abnormalities in cats affected by systemic hypertension: Prevalence, characterization, and outcome of treatment." 
Veterinary Ophthalmology (2021).


PubMedリンク PMID:33512084
本文:無料公開なし

タイトル
:全身性高血圧症に罹患した猫における眼底異常;有病率、特徴、転帰、治療

==アブストラクト===
目的:全身性高血圧症のある猫お眼底異常の有病率を決定し、観察された異常の特徴を調べ、アムロジピンで治療中の眼底検査の変化を評価すること。

動物:2年間に全身性高血圧症に罹患したと診断された猫。

方法
:全身性高血圧症はオシロメトリック血圧測定により評価され、その病因についても調べた。すべての猫が眼科検査をうけ、眼病変をスコア0(異常なし)からスコア4(重度の異常)に分けた。すべての猫はアムロジピンの経口投与をうけ、診断から7日から365日まで、定期的に眼底異常のチェックで来院した。データは統計的に解析され、すべての変数と収縮期血圧および拡張期血圧を比較し、また眼底スコアと収縮期血圧および拡張期血圧を比較した。

結果
:合計で225頭の猫が研究に登録され、眼底異常の有病率は58.6%(グレード1;21.2%、グレード2;18.2%、グレード3;36.4%、グレード4;24.2%)であった。全身性高血圧症は、慢性腎不全(60.4%)、甲状腺機能亢進症(28.9%)、慢性腎不全と甲状腺機能亢進症の両方(7.6%)、肥大型心筋症(3.1%)と同時に診断された。眼底スコアに対する収縮期血圧の有意な影響が検出された。アムロジピン療法は、21日のフォローアップで症例の50%で眼底異常を改善した。

結論
:この研究は、高血圧の猫で全身性の診断をした際に眼底異常がよくみられ、異常の多くが中程度から重度のものであることを示している。アムロジピンによる治療は時間とともに眼病変を改善するようである。

Moretto, Laura, et al.
"Reliability of detecting fundus abnormalities associated with systemic hypertension in cats assessed by veterinarians with and without ophthalmology specialty training." 
Journal of Feline Medicine and Surgery (2020): 1098612X20983265.


PubMedリンク PMID:33438504
本文:無料公開なし

タイトル:眼科専門トレーニングのある獣医師とない獣医師によって評価された猫の全身性高血圧症に関連した眼底異常の検出の信頼性

==アブストラクト===
目的:全身性高血圧症は様々な標的臓器障害を引き起こし、高リスク集団では血圧測定をルーチンで行うべきである。眼底検査は、高血圧による急性の臨床的関連性を裏付け、即時的な治療を決定するためのツールである。すべての高血圧の猫が眼科専門医による検査受けられるわけではない。この研究の目的は、眼科専門医のための専門トレーニングをうけていない獣医師が行なう、全身性高血圧症の猫のにおける眼底検査の信頼性を調べることである。

方法:高血圧性標的臓器障害が疑われる、または血圧>160mmHgを計測して全身性高血圧症のリスク集団に属する猫を組み入れた。獣医眼科専門医に続き、最近卒業した獣医師によって間接的な眼底検査が行われた。全身性高血圧症の確認は、ドップラー血圧計による>160mmHgの収縮期血圧の2回の測定セットに基づいて行われた。

結果
:33頭の猫が含まれた。全身性高血圧症は27頭で確認された。全身性高血圧症は、12/27頭でルーチンな検査で検出され、眼底の病変は、トレーニングを受けていない獣医師で9/12、眼科専門医で11/2で検出された。27頭中9頭は神経学的患者であり、眼底の病変はトレーニングを受けていない獣医師で4/9、眼科専門医で7/9で検出された。27頭中6頭は急性の失明で来院し、眼底の病変は6頭すべてでトレーニングを受けていない獣医師と眼科専門医により検出された。6/33頭では、全身性高血圧は確認されず、どちらの検査者も眼底の病変を検出しなかった。獣医眼科専門医にくらべて、トレーニングを受けていない獣医師による眼底病変の検出の信頼性は、視力のある猫において72%(13/18)、視力のない猫において100%(6/6)であった。

結論と臨床的意義
:特殊なトレーニングを受けていない獣医師による眼底検査は、標的臓器障害としての眼の病変の検出に比較的高い信頼性がある。民間診療の獣医師は、高血圧が疑われた猫では最初に眼底検査を行うことが推奨される。

Grozdanic, Sinisa D., et al.
"Presumed cancer‐associated retinopathy (CAR) mimicking Sudden Acquired Retinal Degeneration Syndrome (SARDS) in canines." 
Veterinary Ophthalmology (2020).


PubMedリンク PMID:33369040
本文:無料公開あり(全文

タイトル:犬における突発性後天性網膜変性症に似たがん関連網膜症の疑い

==アブストラクト===
目的:犬の突発性後天性網膜変性症(SARDS)に似たがん関連網膜症の疑いに関する機能的および構造的な特徴を記述し、治療結果についてを記述すること。

動物:アメリカの8つの州とカナダで、12人の眼科医にSARDSまたは免疫介在性網膜炎と診断された17頭を対象とした。死亡した7頭からの9つの眼を、マイクロアレイ、組織学、または免疫組織化学によって分析した。

方法:犬は、完全な全身検査に加えて、網膜写真、光干渉断層計(OCT)、有色光瞳孔反射検査(cPLR)、網膜電図(ERG)を含む完全な眼科検査をうけた。網膜組織の組織学的および分子学的な変化を評価するために、組織学、マイクロアレイ、免疫組織化学による分析をがん関連網膜症の網膜で行った。

結果:以前に確立されたSARDSの診断基準(平坦なERG + 赤色陰性/青色陽性のPLR)を満たした患者はいなかった。すべての患者で腫瘍が診断された;髄膜腫(24%)、肉腫(18%)、下垂体腫瘍(12%)、扁平上皮癌(12%)、ほか(34%)。診断からの中央生存期間は6ヶ月(範囲1-36)であった。最も多い全身性の異常には、タンパク尿(78%)、肝酵素の上昇(47%)、代謝性変化(PU/PD、多食)(24%)。免疫抑制療法は、治療をけた患者の44%で失明からの改善をもたらし、治療をうけた患者の61%で視覚の回復および/または維持がみられた。視覚維持期間の中央値は5ヶ月(範囲1-35)であった。

結論
:観察された変化は、免疫介在性網膜炎-がん関連網膜症の眼における免疫介在性の障害を強く示唆していた。比較的高い割合のがん関連網膜症の患者が、免疫抑制療法によく反応した。

Washington, Demitrius R., et al.
"Canine sudden acquired retinal degeneration syndrome: Owner perceptions on the time to vision loss, treatment outcomes, and prognosis for life." 
Veterinary Ophthalmology (2020).


PubMedリンク PMID:33377263
本文:無料公開なし

タイトル:犬の突発性後天性網膜変性症;視覚喪失までの時間、治療結果、および生命予後に関する飼い主の認識

==アブストラクト===
背景:犬の突発性後天性網膜変性症(SARDS)は失明を引き起こすが、有効な治療は明らかなになっていない。私たちはSARDSの犬における、視覚喪失までの時間、治療への反応と副作用、および生命予後についてを明らかにすることを目的とした。

方法:SARDSの診断の病歴がある犬の飼い主にオンラインでのアンケートを提出した。死亡データは、純血種の参照集団で公表されているものと比較した。選択したパラメーターを、最小二乗平均、2標本t検定、およびカイ二乗またはフィッシャーの直接確率検定を使用した一般化線形モデルを用いて統計的に分析した。

結果:犬が眼科医を受診して網膜電図検査を実施した飼い主からの回答(n=434)を分析した。飼い主の多く(65.4%)は視覚障害から完全な視覚喪失までの期間を2週間未満と報告し、19.4%は4週間以上と報告した。全身的な臨床徴候の発症から完全な視覚喪失までの期間は、44.5%で4週間以上だった。いくらかの視覚回復を報告した飼い主の割合は、単独治療(3.2%)よりも組み合わせ治療(14.4%)のほうが高かった(p=0.0004)。治療の副作用はよく報告された。SARDSのある犬は、参照集団の犬よりも寿命が短かったわけではないが、死亡時の腎疾患の有病率(p=0.0001)と呼吸器疾患の有病率(p=0.0004)が高かった。

結論
:SARDSの犬は急性発症の視覚消失を起こす。飼い主の見解によれば、治療は視覚をあまり回復させず、全身的な副作用と関連した。SRADS診断後に生じる全身性疾患の可能性についてはさらなる研究を要する。

Boutin, Marie‐Pier, Martin Coutellier, and Franck J. Ollivier.
"Cotton‐tip debridement, scalpel blade debridement, and superficial grid keratotomy for treatment of spontaneous chronic corneal epithelial defects (SCCED): A retrospective evaluation of 308 cases." 
Veterinary Ophthalmology (2020).


PubMedリンク PMID:33085183
本文:無料公開なし

タイトル:特発性慢性角膜上皮欠損(SCCED)の治療としての綿棒デブライドメント、メス刃デブライドメント、および表層格子状角膜切開;308頭の回顧的評価

==アブストラクト===
目的
:綿棒デブライドメント、メス刃デブライドメント、および表層格子状角膜切開の組み合わせにより治療された犬のSCEEDsの臨床経過と転帰について調べること。

方法
:2011年から2019年の間にSCEEDと診断され、同じ専門医によって治療された犬の医療記録をレビューした。年齢、犬種、性別、罹患した眼、発症から治療までの時間、以前に行われた治療、治癒までの時間、2回目の治療の必要性、および合併症について報告した。

結果
:合計で308眼(291頭)が基準を満たし、この研究に組み入れられた。すべての犬は同じ治療(綿棒デブライド+メス刃デブライド+表層格子状角膜切開)をうけ、同じ局所治療(トブラシン0.3%溶液、塩化ナトリウム5%軟膏)を用いた。全ての眼が治癒した。来院時の平均年齢は9歳6ヶ月齢(114 ± SD 28.0)であり、ボクサーが最も多い犬種(93/308頭 30.2%)であった。角膜が治癒するまでの時間の平均は11.5日(SD ±6.6)であった。合併症は15/308眼(4.9%)でみられた。上皮性潰瘍の感染、間質性潰瘍の感染、角膜潰瘍の融解、の3つの主な合併症がみられ、合併症のうちの7/15(46.7%)はボストン・テリアで診断された。299/308眼(97.1%)は一回の治療後に治癒し、残りの患者は2回目の手術を必要とした。

結論
綿棒デブライド+メス刃デブライド+表層格子状角膜切開による治療は、犬のSCCEDの安価で有効な治療である。ボストン・テリアはこの治療後の合併症の発症リスクが高いのかもしれない。

Czepiel, Tara M., and Neal T. Wasserman.
"Hypokalemia associated with topical administration of dorzolamide 2% ophthalmic solution in cats." 
Veterinary Ophthalmology (2020).


PubMedリンク PMID:
33085174
本文:無料公開なし

タイトル:猫におけるドルゾラミド2%点眼液の局所投与に関連した低カリウム血症

==アブストラクト===
目的:猫においてドルゾラミド2%点眼液が血清カリウムとその他の血液学的パラメータに与える影響を調べること。

方法:パート1)単一施設の医療記録を回顧的にレビューした。組み入れ基準は適切な臨床病理学的データにより緑内障と診断された猫とし、ドルゾラミド2%点眼液による治療を開始する前と後とでデータを利用できることした。パート2)健康な成猫を前向き二重マスクランダム化クロスオーバー試験に組み入れた。ドルゾラミド2%点眼薬またはプラセボのいずれかを両眼、1日3回、6週間投与した。血清カリウム、ナトリウム、クロール、グルコース、ALP、ALTの値を2週間ごとに評価した。2週間のウォッシュアウト期間の後に、それぞれの猫に反対の局所製剤を与え、研究プロセスを繰り返した。

結果:パート1)適合した27頭の症例のうち、低カリウム血症は29.6%(8/27頭)で発生した。中性化済みの雌では低カリウム血症の発生しやすさが有意に高かったが、血清カリウムは年齢、体重、投与頻度、治療眼の数には影響されなかった。パート2)10頭が試験に参加した。カリウム値は6週間の試験期間のいずれの時点においても、プラセボを投与された猫と比べてドルゾラミド2%点眼液の投与をうけた猫で有意に低かった。さらに2週間目と4週間目のクロール値が、プラセボ群と比較して治療群で有意に高かった。

結論
:ドルゾラミド2%点眼液の投与は、猫の血清カリウム値に測定可能な影響を与え、臨床的な低カリウム血症を引き起こす可能性がある。そのため、この薬剤の投与をうけている猫の患者ではルーチンの電解質のモニタリングが勧められる。


==訳者メモ===
ドルゾラミド含有の点眼薬
・トルソプト(0.5%または1.0%製剤あり)
・コソプト(ドルゾラミド1.0%.、チモロール0.5%を配合)

Badanes, Zachary, Filipe Espinheira Gomes, and Eric C. Ledbetter.
"Choroidal melanocytic tumors in dogs: A retrospective study." 
Veterinary Ophthalmology.


PubMedリンク PMID:33085213
本文:無料公開なし

タイトル:犬の脈絡叢メラノサイト腫瘍;回顧的研究

==アブストラクト===
目的:獣医教育病院における脈絡膜メラノサイト腫瘍と診断された犬の臨床的特陵を記述すること。

動物:脈絡膜メラノサイト腫瘍のある犬13頭(14腫瘍)の回顧的症例シリーズ。

方法
コーネル大学眼科で2008年から2020年の間に脈絡膜メラノサイト腫瘍と臨床診断された犬の医療記録をレビューした。脈絡膜メラノサイト腫瘍は、網膜の下にある境界明瞭な隆起した色素性の脈絡膜病変と臨床的に定義された。利用可能な場合には、病理組織学的結果を参照した。シグナルメントと臨床的特徴を記録した。シグナルメントと、眼底検査での位置、病理組織学的所見、治療、および転帰を含む臨床的特徴を記録した。

結果
:脈絡膜メラノサイト腫瘍が犬13頭、14眼で同定された。犬の平均年齢(±標準偏差)は8.6歳齢(±3.5)であった。7つの異なる犬種があり、ラブラドール/ラブラドール系雑種がもっとも多かった。14のメラノサイト腫瘍のうち、10が偶発的に診断された。4頭は視覚喪失と眼の不快感を訴え、摘出後の病理組織検査で診断された。偶発的にみつかった脈絡膜メラノサイト腫瘍の犬1頭で肺転移が疑われた。眼底検査による位置は8個のメラノサイト腫瘍で利用でき、6個(75%)がタペタム領域に位置していた。病理組織学的心眼は3眼でメラノサイトーマ、1眼で悪性メラノーマであり、50%で視神経乳頭の浸潤がみられた。摘出後の局所再発はみられなかった。

結論
:犬の脈絡膜メラノサイト腫瘍はまれである。転移はまれであり、1頭で疑われたのみであったが、眼内の腫瘍の増殖は網膜剥離、緑内障を起こし、摘出が必要となる可能がある。

Cebrian, Prado, et al.
"Corneo‐limbo‐conjunctival transposition to treat deep and perforating corneal ulcers in dogs: A review of 418 eyes and corneal clarity scoring in 111 eyes." 
Veterinary Ophthalmology (2020).


PubMedリンク PMID:33034144
本文:無料公開なし

タイトル:犬の深部および穿孔性角膜潰瘍を治療するための角膜-辺縁-結膜転位術;418眼のレビューと111眼の角膜透明度スコア

==アブストラクト===
目的
:多数の犬の症例における角膜-辺縁-結膜転位術の外科と角膜透明度スコアを報告すること。

方法
:2002年から2008年の間に深部潰瘍または穿孔の治療のために角膜-辺縁-結膜転位を医療記録に関する回顧的なレビュー。シグナルメント、併発眼疾患、追加の手技、病因、内科治療、移植片の位置、フォローアップ、および角膜透明度について記録した。

結果:399頭の犬の418眼が組み入れられた。短頭種の罹患が最も多く、325/418眼を占めた。最も罹患が多かった犬種は、パグ116/418眼(27.75%)、シーズー64/418眼(15.31%)、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル34/418眼(8.13%)、フレンチ・ブルドッグ34/418眼(8.13%)であった。手術時の平均年齢は5.5歳齢(範囲 59日齢-17.7歳齢)であり、フォローアップ期間の中央値は100日(範囲 0-7.64年)であった。もっとも多い病因は、特発性潰瘍 205/418眼(49.04%)であり、そのうち191眼(93.17%)は短頭種でおこった。原発性乾性角結膜炎は122/418(29.19%)でみられ、外傷は39/418眼(9.33%)でみられた。潰瘍の幅の平均は3.5mm(0.5-10mm)であった。成功率は97.13%(406/418眼)であった。記録された失敗の結果には、威嚇反応なし、続発性緑内障、および眼内炎が挙げられた。事前の穿孔の存在は101/418眼(24.16%)でみられ、失敗率を有意に上昇させた(p<0.001)。角膜透明度スコアの中央値はG3(G0-G4)であり、パグでは低かった(G2)。移植片の位置は角膜透明度スコアに影響したが、統計的な差にはならなかった。

結論
:犬の角膜-辺縁-結膜転位は高い成功率と角膜透明度スコアとなり、深部潰瘍の治療として良い手技ではあるが、穿孔の治療とパグの場合にはあまり望ましい結果にならないことが予想される。

Saraiva, Inês Q., and Esmeralda Delgado.
"Congenital ocular malformations in dogs and cats: 123 cases." 
Veterinary Ophthalmology.

PubMedリンク PMID:33058381
本文:無料公開なし

タイトル:犬と猫の先天性眼奇形;123例

==アブストラクト===
目的:犬と猫の先天性眼奇形の有病率に関する疫学データを提供すること。

動物:獣医教育病院にコンサルテーションで来院した犬32,924頭と猫13,977頭の集団。

方法:2011年から2018年の医療記録をレビューした。先天性眼奇形に関する回顧的および前向きの疫学臨床研究を行った。シグナルメント、病歴、来院理由、臨床所見、視力障害、治療オプションについて分析した。

結果:すべての症例の分析から、犬103頭(0.3%)と猫20頭(0.1%)が組み入れ基準を満たした。犬の多くは雑種犬で、最も多い犬種はフレンチ・ブルドッグであり、猫の多くはヨーロッパ短毛家庭猫であった。診断年齢の中央値は、犬で12ヶ月齢、猫で6ヶ月齢であった。性差はなかった。もっとも頻繁にみられた異常は以下の通り;先天性白内障(犬31.1%、猫30.0%)、小眼球症(犬35.0%、猫25.0%)、および瞳孔膜遺残(犬27.2%、猫40.0%)。同時に観察された奇形のいくつかは、有意に関連していた。眼の類皮嚢胞とフレンチ・ブルドッグとの間には統計的に有意な相関がみられた(p<0.001)。

結論
:先天性の奇形はまれではあるが、視力障害や、または失明でさえ引き起こす可能性があるため、それらの有病率に関する知識は重要である。さらに、ヒトの眼疾患の表現型は犬と猫で現れるものと類似しているものもあるため、病態生理学および治療アプローチを調べるためのモデルとして利用できる可能性もある。

Bedos, L., et al.
"Presumed optic neuritis of non‐infectious origin in dogs treated with immunosuppressive medication: 28 dogs (2000‐2015)." 
Journal of Small Animal Practice.


PubMedリンク PMID:32989769
本文:無料公開なし

タイトル:免疫抑制剤で治療された非感染性病因の視神経炎疑いの犬;28頭(2000-2015年)

==アブストラクト===
目的:2000年1月から2015年12月の間にイギリスの紹介センターに来院した、非感染性の原因の視神経炎疑いの犬の症例の臨床所見、MRIの特徴、治療、および転帰について記述すること。

方法:臨床データベースを視神経炎について検索した。急性発症の視力障害、全身性の免疫抑制治療、および6ヶ月異常のフォローアップのある犬を組み入れた。年齢、性別、品種、臨床徴候とその期間、身体検査所見、眼科検査所見、神経学的所見、並存する全身疾患、網膜電図、MRI、脳脊髄液検査、トキソプラズマ原虫/ネオスポラ/犬ジステンパーウイルスのPCRおよび血清学的検査、血液学・血清生化学検査、腹部超音波検査、胸部レントゲン、治療、および転帰についての情報を収集した。

結果
:28頭の犬が組み入れられ、合計で48の罹患した視神経が含まれた。来院時の年齢は6ヶ月齢から10.5歳齢の範囲であった。眼底検査による視神経疾患の所見は、48の視神経中34(71%)でみられた。MRI検査により、32/48視神経(71%)で視神経の腫大、28/48視神経(58%)で造影増強が明らかとなった。脳脊髄液検査は28頭中25頭(89%)で行い、髄液細胞増多症(細胞4個以上/μl)が11/25頭(44%)でみられ、タンパク濃度の上昇(>0.35g/L)が11/25頭(44%)でみられた。免疫抑制量のプレドニゾロンがすべての犬に投与された。プレドニゾロンは9/28頭(32%)で単独使用され、のこりの19頭ではシトシンアラビノシド、シクロスポリン、および/またはアザチオプリンと併用された。18頭の24眼(50%)で視力が回復した。

臨床的意義
:視神経炎の疑いと診断され、免疫抑制剤で治療された犬の64%で、治療への良好な反応がみられた。

Bandinelli, Marcele Bettim, et al.
"Ophthalmopathologic characterization of multicentric or metastatic neoplasms with an extraocular origin in dogs and cats." 
Veterinary Ophthalmology (2020).


PubMedリンク PMID:32687655
本文:googlescholar経由で入手可能(全文

タイトル:犬と猫の眼外期限の多発性または転移性腫瘍の眼病理学的特徴

==アブストラクト===
目的:剖検中に同定された犬と猫の二次的な眼腫瘍の頻度と分布の特徴を調べること。

方法:犬と猫の剖検記録の回顧的な分析を行い、眼外を起源として眼に浸潤している転移性/多発性腫瘍の症例を選出した。

結果:2015年から2019年の間に、転移病変を伴う犬233頭、猫100頭が同定された。これらのうち、犬の11.6%(27/233)と猫の13%(13/100)に眼の転移がみられた。リンパ腫は犬と猫の両方で、最も多い眼に浸潤する多中心性の腫瘍であった。犬では、これらの腫瘍は両側性に起こり、主に前ぶどう膜にみられ、びまん性大細胞B細胞性、Tリンパ芽球性、他に特定されない末梢T細胞性、リンパ球性B細胞性のリンパ腫であった。猫では猫白血病ウイルス(FeLV)関連のT細胞性リンパ腫が最も多かった。雌犬では乳腺癌が2番目に多い眼の転移腫瘍であり、主に片側性にぶどう膜にみられた。猫ではリンパ腫に次いで、肺癌と扁平上皮癌が多発性/転移性の眼の腫瘍として多かった。犬では胆管癌、血管肉腫、ケモデクトーマ、猫では乳腺篩状癌、唾液腺癌、組織球性肉腫、が個々の症例で検出された。

結論
:犬の眼は多発性/転移性の腫瘍として、リンパ腫または乳腺眼によって浸潤をうけることが多く、猫ではリンパ腫、肺癌、扁平上皮癌によって浸潤をうけることが多かった。われわれの知る限りこの研究は、犬における胆管癌とケモデクトーマ、猫の唾液腺癌の眼内転移を同定したものである。

Iwashita, Hiroko, et al.
"Breed prevalence of canine ulcerative keratitis according to depth of corneal involvement." 
Veterinary Ophthalmology (2020).

PubMedリンク PMID:32716142
本文:無料公開なし

タイトル:犬の潰瘍性角膜炎の角膜病変の深さに応じた犬種有病率

==アブストラクト=== 
目的:角膜病変の深さに応じた犬の潰瘍性角膜炎の犬種有病率を調べること。

方法:2008年から2017年の間にトライアングル動物眼科クリニックで潰瘍性角膜炎と診断された犬をこの研究に含めた。20眼以上罹患した犬種だけを選出した。潰瘍性角膜炎の病変は、表在性(Grade1)、間質性(Grade2)、デスメ膜瘤と穿孔(Grade3)に分類し、短頭種と非短頭種の犬種で比較した。

結果
:2008年から2017年の間にトライアングル動物眼科クリニックで8877頭の犬が評価され、1018頭の1109眼が潰瘍性角膜炎と診断された。雄326眼、中性化雄253眼、雌211眼、中性化雌316眼、性別不明3眼であり、年齢は0.1-19.2歳齢(平均±標準偏差 8.33±4.24)であった。Grade1に359眼(非短頭種187、短頭種172)、Grade2に373眼(非短頭種60、短頭種313)、Grade3に377眼(非短頭種47、短頭種330)が分類された。すべてのGradeの潰瘍性角膜炎で、短頭種と非短頭種の間で有意な差が観測された。短頭種犬はGrade2と3の潰瘍性角膜炎により頻繁に罹患し、Grade1は少なかった(p<0.01)。フレンチブルドッグはGrade1の潰瘍性角膜炎に罹患しやすかった。

結論
:短頭種犬種は潰瘍性角膜炎でより深い角膜病変になりやすい。この研究は、表在性の潰瘍性角膜炎では短頭種犬種の有病率が低く、非短頭種犬種の有病率が高いという新たなデータを示している。
 

Isaza, Daniela, et al.
"Evaluation of cytology and histopathology for the diagnosis of feline orbital neoplasia: 81 cases (2004‐2019) and review of the literature."
 
Veterinary Ophthalmology(2020).

PubMedリンク PMID:32413196
本文:無料公開なし

タイトル:猫の眼窩腫瘍の診断における細胞学的および病理組織学的な評価;81症例(2004-2019)と文献のレビュー

==アブストラクト=== 
目的:猫の眼窩腫瘍の総説のアップデートを提供し、細胞診と病理組織診断の診断的有用性を比較し、最小侵襲な採材方法について評価すること。

方法:医療規則を検索し、眼窩の腫瘍のある猫を同定した。シグナルメント、診断、視覚状態、画像検査、および採材方法についての情報を収集した。最終診断の比較のため、眼窩腫瘍の参照集団を文献検査によって同定した。

結果:81頭の猫が選択基準を満たし、140症例が文献上で同定された。この研究集団/参照集団において、それぞれの診断は以下のように分類された;円形細胞腫瘍47%/24%、上皮系腫瘍38%/40%、間葉系腫瘍14%/34%、神経系由来腫瘍1%/2%。両群で最も多い診断はリンパ腫と扁平上皮癌であった。猫拘束型眼窩筋線維芽細胞肉腫(FROMS)は参照集団では一般的だったが、この研究の集団では診断されなかった。細胞診は41頭の猫で利用可能であり、病理組織学的結果は65頭の猫で利用できた。細胞診と病理組織診断の両方の結果は25頭の猫で利用でき、そのうち44%で細胞診の結果が覆された。いずれの採材方法でも、関連した重篤な合併症はなかった。病理組織学的検査に使用できる複数のサンプルのある猫が欠如しているため、組織採材法間の比較は制限された。

結論
:猫の眼窩腫瘍は一般的であり、この研究の患者集団では円形細胞腫瘍と上皮系腫瘍が 最も多く診断された。病理組織診断は、確定診断という点で細胞診よりも優れていた。最小限の侵襲による組織生検方法は安全で有用そうである。
 

Jinks, Maggie R., Francisco Olea‐Popelka, and Kate S. Freeman.
"Causes and outcomes of dogs presenting with hyphema to a referral hospital in Colorado: a retrospective analysis of 99 cases."
 
Veterinary ophthalmology 21.2 (2018): 160-166.

PubMedリンク PMID:28782234
本文:無料公開なし

タイトル:前房出血で紹介病院に来院した犬の原因と転帰@コロラド;99症例の回顧的分析

==アブストラクト=== 
目的:犬の前房出血の原因を調べ、視覚予後不良と関連する因子を調べること。

動物:前房出血があり来院した犬99頭(120眼)

方法:2004-2015年の間のコロラド州立大学獣医教育病院の医療記録を再調査した。

結果:全体で、36.4%の犬が全身性疾患からの前房出血と診断され、32.9%が局所の眼疾患、26.1%が外傷、4.5%が医原性の原因と診断された。原因に関わらず、55.4%の眼が最終診察時に失明していたが、視覚喪失した眼の割合は疾患によって11.1%から100%の範囲でさまざまだった。予後が悪い前房出血の原因は、眼の主要、慢性ぶどう膜炎、および外傷であった。眼球摘出は36眼(39.5%)で実施または推奨され、27眼(31.4%)が緑内障と診断された。失明のリスクの有為な増加と関連した初回検査の所見には、対光反射の消失(オッズ比[OR] 28.6)、眩目反射の消失(OR 19.4)、眼圧の上昇(OR 9.1)、網膜剥離の存在(OR 7.6)、片側の前房出血(OR 5.8)、完全な前房出血(OR 3.9)があった。緑内障リスクの有意な上昇と関連する因子には、8-30日存在する前房出血(OR >6)、対光反射の消失(OR 6.4)、眩目反射の消失(OR 5.3)、および最終評価時の網膜剥離の存在(OR 5.8)が含まれた。

結論
:視覚の予後はm前房出血の原因と初回検査時の所見に高く依存する。来院時の予後不良因子には眩目反射の消失、対光反射の消失、眼圧上昇、片側性前房出血、および完全な願望出血が含まれた。
 

Badanes, Zachary, and Eric C. Ledbetter.
"Ocular dermoids in dogs: A retrospective study." 
Veterinary ophthalmology (2019).

PubMedリンク PMID:30715783
本文:無料公開なし

タイトル:犬の眼の類皮;回顧的研究

==アブストラクト=== 
目的:2箇所の獣医教育病院で眼の類皮と診断された犬の臨床的特徴を述べること。

動物:眼の類皮のある44頭の犬(49類皮)の回顧的症例シリーズ。

方法:コーネル大学とペンシルバニア大学の眼科で評価された犬の医療記録を評価し、それぞれ2004-2018年、2011-2018年の間に眼の類皮と臨床診断された犬を同定した。シグナルメント、病歴、臨床の詳細を記録し、類皮の場所、併発疾患、治療、病理組織学的所見、および転帰を含めた。

結果
:44頭の犬47の眼に、合計49の類皮が診断された。診断時の研究集団の平均年齢(±標準偏差)は1.19歳齢(1.85歳齢)であった。この研究では22の異なる犬種がみられ、雑種、フレンチブルドッグ、およびシーズーがもっとも多かった。評価された44頭のうち、28頭(63.6%)が雄で、30頭(68.2%)が診断時に中性化されていなかった。22個の類皮が輪部(44.9%)、14個は眼瞼(28.6%)、8個は角膜(16.3%)、5個は結膜(10.2%9に分類された。併発する眼所見は、47眼中29眼(28.6%)でみられ、角膜の色素沈着、流涙症、結膜の充血がふくまれた。 9頭(20.5%)は併発する全身疾患を患っており、大部分が心臓起源のものであった。34個の類皮(69.4%)が外科的に切除され、再発はなかった。

結論
:眼の類皮は犬のまれな病態である。併発する先天性心疾患は、この研究内では比較的一般的であった。類皮の外科的切除は 治癒的であった。
 

==訳者補足===
 スクリーンショット 2019-11-10 16.25.19
1歳のペキニーズの類皮と分離芽腫

Violette, Nathaniel P., and Eric C. Ledbetter.
"Lipemic uveitis and its etiologies in dogs: 75 cases."
 
Veterinary ophthalmology(2019).

PubMedリンク PMID:30716194
本文:無料公開なし

タイトル
:脂質性ぶどう膜炎とその病因;犬75症例

==アブストラクト=== 
 目的
:脂質性ぶどう膜炎の犬の臨床的な特徴を記述すること。

動物
:脂質性ぶどう膜炎のある犬75頭(114眼)。

方法
:2008年から2017年の間にコーネル大学眼科部門で検査され脂質性ぶどう膜炎と臨床診断された犬の医療記録を解析した。併発眼疾患、全身疾患、過去の眼科手術を含むシグナルメントと診療症例の側面について記録した。

結果
:脂質性ぶどう膜炎は75頭114眼で診断された。平均年齢(±標準偏差)は9.0(±2.7)歳齢であった。 ミニチュアシュナウザーとヨークシャーテリアは、眼科へ紹介された犬の集団と比較して統計的に好発であった。脂質性のフレアの重症度は様々で、114眼中15眼(13%)で顕著な不透過性のフレアにより幻惑反応の消失がみられた。2頭は食事の不注意のあとに脂質性ぶどう膜炎が発症した。49眼(43%)で併発する眼疾患があり、乾燥性角結膜炎、潰瘍性角膜炎、および白内障が最も多かった。偽水晶体が75/114眼(66%)でみられ、63/114眼(55%)で眼内手術後30日以内に脂質性ぶどう膜炎が発生した。高トリグリセリド血症は検査をした犬55頭中52頭でみられた。全身性疾患は75頭中54頭(72%)でみられ、糖尿病、副腎皮質機能亢進症、および甲状腺機能低下症が、対照集団と比較して統計的に多かった。原発性高脂血症が12頭で診断された。脂質性ぶどう膜炎は、92/110眼(84%)で初回の再評価時に消失しており、完全消失後に6/114眼(5%)で再発した。

結論
:犬における脂質性ぶどう膜炎の発症には、高脂血症とぶどう膜炎の組み合わせが必要なようだ。犬では全身性疾患は一般的に脂質性ぶどう膜炎と関連している。


==訳者コメント===
 
Lipemic uveitis を脂質性ぶどう膜炎と訳しましたが、正確かどうかわかりません。
 

Matas, Màrian, David Donaldson, and Richard J. Newton.
"Intracorneal hemorrhage in 19 dogs (22 eyes) from 2000 to 2010: a retrospective study."
Veterinary ophthalmology 15.2 (2012): 86-91.
 
PubMedリンク PMID:22129068
本文:無料公開なし

タイトル:角膜内出血の犬19頭(22眼)2000-2010年;回顧的研究

==アブストラクト===
目的:この回顧的研究の目的は、角膜内出血を起こした患者の臨床的なデータと、この病態に関して利用可能な獣医学とヒト医学の文献について再調査すること。

動物:Animal Health Trustの臨床データベース内で角膜出血の検索を行なった。19頭(22眼)が特定された。

方法:患者の年齢、品種、性別とともに、病因、部位、治療、およびフォローアップについて調べた。関連するデータを、 同時期にAnimal Health Trustの眼科に紹介された集団(n=5555)と比較した。

結果:22眼が罹患していた。品種と性別に好発は同定されなかった。対照集団と比較して、10歳齢以上の患者はがより頻繁に罹患していた。角膜内出血は角膜のすべての部位で記録され、中部周辺角膜がより頻繁に罹患した。角膜内出血に罹患した角膜のエリアは、長期的に透明性が失われた。血管新生のもととなる眼疾患は、眼の表面から眼内まで様々だった。全身性疾患が調べられた患者もおり、角膜内出血の発症に関連する可能性のある併発疾患はなかった。

結論:角膜内出血は、角膜血管新生を伴うまれな病態だ。ヒトの眼科文献にあるように、角膜内出血は特定の眼疾患や全身疾患と関連付けることはできなかった。ヒトのこの病態で述べられている瞳孔ブロックや角膜穿孔などの重度の合併症は、犬のどの患者でもみられなかった。犬の角膜内出血は、内科治療の有無に関わらず、時間とともに再吸収されるようだ。どの患者でも外科的治療は必要としなかった。
 

Violette, Nathaniel P., and Eric C. Ledbetter.
"Intracorneal stromal hemorrhage in dogs and its associations with ocular and systemic disease: 39 cases." 
Veterinary ophthalmology 20.1 (2017): 27-33.

PubMedリンク PMID:26748486
本文:googlescholar経由で入手可能(全文

タイトル:犬における角膜内間質出血と眼疾患および全身疾患との関連;39症例

==アブストラクト=== 
目的: 角膜内間質出血と診断された犬の臨床的特徴を記述すること。

動物:角膜内間質出血のある犬39頭(44眼)の回顧的症例シリーズ。

方法:コーネル大学眼科部門によって評価した内科記録を検索し、2005年から2014年の間に角膜内間質出血と臨床的に診断された動物を同定した。併発する眼疾患と全身疾患、行われた診断検査、出血の転帰、来院の主訴、および治療を含む、シグナルメントと臨床的な詳細を記録した。

結果:角膜内出血は39頭44眼で同定された。犬の平均年齢(±標準偏差)は11.5(±2.8)歳齢であった。ビションフリーゼと高齢犬は、同時期に眼科全体で紹介された犬と比較して、統計的に好発であった。併発する眼疾患は40眼(91%)であり、乾性各結膜炎、白内障、および角膜潰瘍が含まれた。23頭(59%)が併発する全身疾患を患っており、最も多かったのは糖尿病、副腎皮質機能亢進症、甲状腺機能低下症、および全身性高血圧症であった。まれに、角膜内間質出血のある犬で命を脅かす全身性の病態がみられ、免疫介在性溶血性貧血、免疫介在性血小板減少症、転移性腫瘍、および敗血症が含まれた。角膜内出血は、角膜のすべての部位でみられ、それぞれの罹患した眼で角膜の血管新生が存在した。 

結論
:角膜内出血は、角膜の血管新生に関連して起こる犬の稀な病態である。角膜内間質出血のリスクは、特定の眼疾患と全身性疾患によって増加する。まれではあるが、犬の角膜内間質出血は、重度な免疫介在性、感染性、および腫瘍性の全身性疾患の眼の兆候である可能性もある。
 

Violette, Nathaniel P., and Eric C. Ledbetter.
"Punctate retinal hemorrhage and its relation to ocular and systemic disease in dogs: 83 cases." 
Veterinary ophthalmology 21.3 (2018): 233-239.

PubMedリンク PMID:28799185
本文:googlescholar経由で入手可能(全文

タイトル
犬における点状網膜出血と眼疾患および全身疾患との関連;83症例

==アブストラクト=== 
目的:点状網膜出血のある犬の臨床的側面を記述すること。

動物:点状網膜出血のある犬83頭(119眼)。

方法:2006年から2015年の間に点状網膜出血の臨床診断をコーネル大学眼科で評価された犬の医療記録を再評価した。この研究では、点状網膜出血を視神経乳頭の直径の1倍以下と定義し、他の後眼部の眼疾患をもつ犬は除外した。犬のシグナルメントと臨床的特徴を記録し、併発する眼疾患と全身疾患を含めた。

結果:点状網膜出血が83頭の119眼で同定された。犬の平均年齢(±標準偏差)は10.0(±3.8)歳齢であった。雑種、ゴールデンレトリバー、ジャックラッセルテリア、イングリッシュスプリンガースパニエルが、同時期に眼科へ紹介された犬の集団と比較して、統計的に好発であった。出血は網膜のすべての部位でみられ、数は様々であった。併発する眼疾患は78眼(66%)でみられ、乾性角結膜炎、ぶどう膜炎、白内障がふくまれた。50頭(60%)が全身性疾患を患っており、糖尿病、多発性骨髄腫、全身性高血圧症が、点状網膜出血の犬の集団で統計的に多かった。まれに、他の重篤な全身性疾患が点状網膜出血の犬に存在し、免疫介在性血小板減少症、レプトスピラ症、転移性腫瘍、および血栓塞栓疾患がふくまれた。

結論
: 犬における点状網膜出血のリスクは、特定の眼疾患と全身疾患によって増加する。犬では点状網膜出血の存在が根底にある全身性疾患と関連している可能性があるため、さらなる臨床的な評価と診断が促される場合がある。
 

LeBlanc, Nicole L., Rebecca L. Stepien, and Ellison Bentley.
"Ocular lesions associated with systemic hypertension in dogs: 65 cases (2005–2007)."
 
Journal of the American Veterinary Medical Association 238.7 (2011): 915-921.

PubMedリンク PMID:21453181
本文:無料公開あり(全文

タイトル
犬における全身性高血圧症に関連した眼病変;65症例(2005-2007年)

==アブストラクト=== 
目的:高血圧の犬における眼の所見の特徴を調べ、高血圧を示唆する眼疾患のある犬における高血圧の有病率を決定し、高血圧の程度と眼疾患の間の関連の可能性について調べること。

デザイン:回顧的症例シリーズ。

動物:血圧の評価(n=22)、眼の検査(25)、またはその両方(18)で最初に紹介された犬65頭。

方法:医療記録を再調査し、2005年1月から2007年12月の間に、24時間以内に完全な眼科検査と血圧測定を行い、教育病院で検査をした犬と同定した。シグナルメント、病歴、血圧測定、眼科検査所見、および血管作動性薬の治療について記録した。全身性高血圧症に関連していそうと考えた眼病変には、網膜出血、網膜剥離、前房出血、血管の蛇行、および網膜下浮腫を含めた。

結果:65頭中、42頭が高血圧(収縮期血圧≧160mmHg)であり、23頭は正常血圧であった。高血圧の犬の62%(26/42)で、1つ以上の眼病変が同定された。網膜出血は高血圧の犬おける最も多い眼病変であった(17/42[40%])。1つ以上の眼病変の存在は、高血圧症を特定するのに中程度の感度(62%)と特異度(61%)であった。最初の眼科検査の紹介の後に血圧測定で紹介された25頭中15頭(60%)では高血圧であることがわかった。

結論と臨床的意義
:眼病変は全身性高血圧のある犬において一般的である。高血圧または高血圧に関連する疾患のある犬では、眼の標的臓器障害の所見を注意深くモニターすべきであり、特徴的な眼病変をもつ犬では高血圧を系統的に除外すべきだ。
 

Gallhoefer, Nicolin S., et al.
"Comparison of ultrasonography and histologic examination for identification of ocular diseases of animals: 113 cases (2000–2010)." 
Journal of the American Veterinary Medical Association 243.3 (2013): 376-388.

PubMedリンク PMID:23865880
本文:googlescholar経由で入手可能(全文

タイトル:動物の眼疾患を同定するためのエコー検査と組織学的検査の比較;113症例(2000-2010年)

==アブストラクト=== 
目的:眼疾患のある動物の眼のエコー所見と組織学的所見を比較すること。

デザイン:回顧的症例シリーズ。

動物:2施設で検査された動物113頭の116眼。

方法:動物の病気のある眼をエコー検査で調べ、摘出によって除去して組織学的に調べた。エコー画像と病理組織学的スライドを評価し、それぞれの方法による眼疾患を特定して、様々なカテゴリに分類した。それぞれの疾患カテゴリで、エコー検査の結果と組織学的検査の結果の間の一致を、κ統計値の決定により評価した。

結果:虹彩または毛様体の腫瘍の特定に検査は良好な一致を示した。全体で、エコー検査では、組織学的に腫瘍が検出された31眼中2眼のみで眼内腫瘍が検出されなかった。出血性または炎症の変化が、37眼中8眼(22%)で誤認された。網膜剥離の同定については中程度から許容範囲の一致があった。網膜剥離は、一つの施設での組織学的検査によって診断が決定した38眼中14眼(37%)でエコー検査では検出されず(主に眼内出血の眼で)、しかし、別の施設でエコー検査で診断が確定した網膜剥離の38眼中6眼(16%)で組織学的検査では同定されなかった。

結論と臨床的意義
:この研究で評価された検査間の一致は、眼内腫瘍の同定に臨床的に満足できるものであった。典型的には、疾患は眼の画像コントラストが悪いためにエコー検査では誤診された。 網膜剥離と眼内腫瘍のエコー検査での診断の決定は予後にとって重要で可能性がある、さらなるエコー検査技術の性能がしめされることがある。
 

Carter, J. M., et al.
"The prevalence of ocular lesions associated with hypertension in a population of geriatric cats in Auckland, New Zealand." 
New Zealand veterinary journal 62.1 (2014): 21-29.

PubMedリンク PMID:24138677
本文:無料公開なし

タイトル:ニュージーランド、オークランドの高齢猫の集団における高血圧に関連した眼病変の有病率

==アブストラクト=== 
目的
: ニュージーランド、オークランドの高齢猫における高血圧に関連した眼病変の有病率を推定し、8歳を超えた猫の眼底検査の重要性について評価すること。

方法:8歳以上の猫105頭を検査し、臨床徴候を記録した。血液を採取して血清のBUN、グルコース、クレアチニン を測定し、尿を採取して尿比重を測定し、高解像度オシロメトリー装置を用いて血圧を測定した。収縮期血圧≧160mmHgおよび拡張期血圧≧100mmHgの猫を全身性高血圧症と決めた。それぞれの動物は網膜カメラを用いて眼底検査を行い、網膜症、脈絡膜症、視神経症などの高血圧に関連して眼病変を診断した。

結果
:血圧は73頭でうまく記録された。それらのうち、37頭(51%)は高血圧性の眼病変がなく、基礎疾患も診断されず、24頭(33%)は高血圧性眼病変は検出されなかったが、慢性腎臓病、甲状腺機能亢進症、糖尿病などの基礎疾患が診断され、12頭(16%)は高血圧性眼病変の所見があった。高血圧性眼病変のある猫のうち10頭は、初回来院時に高血圧であり、2頭は正常血圧であった。さらに1頭は高血圧性眼病変があったが、この猫ではコンスタントな血圧測定ができなかった。慢性腎臓病は、高血圧性眼病変のある猫で最も多く診断される併発疾患であった(n=6)。高血圧性眼病変のあるねこの収縮期血圧の平均(168mmHg[標準偏差 6.29])は、眼病変のない猫(144.7mmHg[標準偏差 3.11])、または眼病変がないが基礎疾患はある猫(146mmHg[標準偏差 4.97])よりも高かった。

結論:8歳以上の猫の眼底検査によって、しばしば飼い主または獣医師が猫が視覚の問題を抱えていることに気づく前に、高血圧性眼病変の猫と同定することができるだろう。これにより全身性高血圧を診断して早期の治療と病変の解消の結果を得ることができるかもしれない。

臨床的意義
:この研究では、高血圧の結果として起こる眼病変は、オークランドの8歳以上の猫で頻繁にみられことを示しおり、8歳以上の猫ではルーチンの身体検査の一部に眼底検査が 推奨されることを支持している。
 

Maggio, Federica, et al.
"Ocular lesions associated with systemic hypertension in cats: 69 cases (1985–1998)."
Journal of the American Veterinary Medical Association 217.5 (2000): 695-702.

PubMedリンク PMID:10976302
本文:googlescholar経由で入手可能(全文

タイトル:猫における全身性高血圧症に関連した網膜病変;69症例(1985-1998)

==アブストラクト=== 
目的:高血圧性網膜症のある猫における臨床所見、臨床検査所見、治療への反応、および全身性高血圧症の特徴を調べること。

デザイン:回顧的研究。

動物:高血圧性網膜症のある猫69頭。

方法:全身性高血圧症と高血圧性網膜症のある猫の医療記録を再調査した。

結果:多くの猫(68.1%)が視力喪失を理由に紹介され、網膜剥離、網膜出血、網膜浮腫、および網膜変性が一般的な所見であった。心臓の異常が37頭で検出され、神経学的徴候が20頭で検出された。高血圧は、慢性腎不全(n=22)、甲状腺機能亢進症(5)、糖尿病(2)、および高アルドステロン症(1)to
同時に検出された。38頭では明確に特定できる高血圧の原因は検出されず、それらのうち26頭で軽度な高窒素血症があり、 12頭では腎臓の異常はなかった。32頭中31頭でアムロジピンンにより血圧が下がり、26頭中18頭で眼の徴候が改善した。

結論と臨床的意義:主に脈絡膜傷害によって引き起こされる網膜病変は、高血圧のある猫で一般的だ。猫の原発性高血圧症は、現在認識されているよりももっと一般的であるかもしれない。急性発症の失明、網膜の浮腫・出血・剥離、心疾患、または神経異常のある高齢猫では高血圧を考慮すべきである。高血圧誘発性眼疾患のある猫では、腎不全、甲状腺機能亢進症、糖尿病、および心臓の異常について評価すべきだ。高血圧のリスクのある猫(腎疾患がすでに存在している、甲状腺機能亢進症、年齢が10歳以上)では。血圧の測定と眼底検査をルーチンに行うべきだろう。アムロジピンは猫の抗高血圧薬として効果的だ。
 

==本文から===
平均年齢:14.8±2.1歳(範囲7-20)、92.7%(64/69)が10歳以上
主訴:68%(47/69)が突発性または進行性の失明

眼の病変
・49頭(93眼)で片眼または両眼で完全または不完全な失明と瞳孔反射の障害
・61/69が両側性(だが両目で重症度が同じとは限らない)
・ 網膜剥離(部分or完全):86/138眼(62.3%)[36/69頭(52.2%)が両側の網膜剥離]
・出血(網膜下、網膜内、硝子体):78/138眼
・52眼は網膜剥離と出血(網膜または硝子体)の両方があった

神経学的徴候(14頭)
・見当識障害(n=3)
・前庭徴候(2)
・運動失調(1)
 ・発作と意識朦朧(3)
・ふるえ(2)
・頚部腹側屈曲(1) 
・不全麻痺(2) 

聴診
・54%で聴診の異常あり
・収縮期心雑音(37)
・心臓のギャロップ(5)
・洞性頻脈(4)

 

Johnsen, Devin AJ, David J. Maggs, and Philip H. Kass.
"Evaluation of risk factors for development of secondary glaucoma in dogs: 156 cases (1999–2004)." 
Journal of the American Veterinary Medical Association 229.8 (2006): 1270-1274.

PubMedリンク PMID:17042730
本文:googlescholar経由で入手可能(全文

タイトル:続発性緑内障の発症に関するリスク因子の評価;156症例(1999-2004)

==アブストラクト=== 
目的:犬の続発性緑内障の直前に先行する原因および前部ぶどう膜炎と水晶体の変位を伴う続発性緑内障の有病率を調べること。

デザイン:回顧的症例シリーズ。

動物:続発性緑内障の犬156頭。

方法:緑内障の原因を記録をもとに決定した。品種、年齢、性別、および中性化の状態について続発性緑内障のすべての犬と病院の一般的集団と比較した。同時期に水晶体変位または前部ぶどう膜炎のある続発性緑内障の有病率を調べた。

結果:続発性緑内障は眼科疾患で検査をうけた犬2,257頭中156頭(6.9%)で診断され、そのうち33頭(21.2%)が両側性であった。両側性に罹患した犬のうち31頭(94%)で、先行する原因は両眼で同じだった。続発性緑内障の共通する原因には、非外科的前部ぶどう膜炎(44.9%)、水晶体超音波乳化吸引術に関連した前部ぶどう膜炎(15.8%)、および水晶体変位(15.2%)があった。パーソンラッセルテリア、プードル、ボストンテリア、コッカースパニエル、ローデシアンリッジバック、オーストラリアンキャトルドッグが、参照集団と比較して、予測されるよりもより頻繁に続発性の緑内障が診断された。年齢、性別、中性化状態、および片側性は、続発性緑内障と関連しなかった。水晶体の変位またはぶどう膜炎に関連した続発性緑内障の有病率は、ぞれぞれ15%と17%であった。

結論と臨床的意義
:緑内障は多くの眼内疾患に続発し、特にぶどう膜炎と水晶体の変位に続発した。これらの疾患の診断では、シグナルメントに関わらず、眼圧のモニターを頻繁に行うように試みるべきだろう。
 

Gelatt, Kirk N., and Edward O. MacKay.
"Secondary glaucomas in the dog in North America." 
Veterinary Ophthalmology 7.4 (2004): 245-259.

PubMedリンク PMID:15200621
本文:無料公開なし

タイトル:北アメリカの犬における続発性緑内障

==アブストラクト=== 
目的:白内障の形成、水晶体脱臼または変位、白内障手術、ぶどう膜炎、前房出血、および眼内腫瘍に関連した犬の続発性緑内障の有病率を調べること。

方法: 1964年3月から2003年3月の間に北アメリカのすべての獣医療教育病院における獣医療データベースから情報を収集した。続発性緑内障の診断は原発性疾患の診断と同時またはその後に行われ、白内障の形成、水晶体脱臼、白内障手術、原因不明のぶどう膜炎、原因不明の前房出血、および眼内腫瘍のいずれかに関連したものを含めた。データは10年ごとに、品種、性別、および来院時の年齢について評価した。

結果
:合計1,592,831頭の犬が来院し、9,695頭が続発性緑内障だった。白内障形成に関連する続発性緑内障がすべての続発性緑内障のうちの81%を占めた。続発性緑内障と白内障に対する素因のある犬種(n=7,890)の全体的な有病率は0.5%だったが、白内障の犬全体の20%近くが少なくとも1つの眼で緑内障を発症した。1994年から2003年の間、これらの品種にはアメリカンコッカースパニエル、ボストンテリア、トイ/ミニチュア/スタンダードプードル、イングリッシュコッカースパニエル、ビションフリーぜ、およびラブラドールレトリバーが含まれた。そのほかの様式の続発性緑内障はそれほど頻繁には起こらず、水晶体脱臼または変位(779頭 12.0%)、白内障術後(528頭 5.1%)、原因不明のぶどう膜炎(339頭 7.1%)、原因不明の前房出血(117頭 7.3%)、およbに眼内腫瘍(19頭 3.5%)に関連した緑内障が含まれた。1984年から2002年に間の続発性緑内障のリスクは、嚢内水晶体摘出術の術後に最も高く、嚢外法ではは低く、水晶体乳化/水晶体破砕法で最も低かった。

結論
:犬の続発性緑内障の有病率の範囲は、0.25%(1964-1973)から、0.46%(1974-1983)、0.79%(1984-1993)、0.80%(1994-2003)までであり、これら同時期の品種関連緑内障と同じような頻度であった。
 

Gelatt, Kirk N., and Edward O. MacKay.
"Prevalence of the breed‐related glaucomas in pure‐bred dogs in North America." 
Veterinary ophthalmology 7.2 (2004): 97-111.

PubMedリンク PMID:14982589
本文:無料公開なし

タイトル:北アメリカの純血種における品種関連緑内障の有病率

==アブストラクト=== 
目的:獣医療データベースに参加している北アメリカの獣医療教育病因に来院した純血種における品種関連緑内障の有病率を調べること。

方法:この回顧的研究では、すべての犬種の初回診断時の年齢、品種、および性別のデータについて、1964-2002年の間の5-10年間隔で原発性緑内障と臨床的に診断された獣医療データベースから収集した。緑内障に対してのそれぞれの品種の有病率(罹患した全ての犬と比較して)、38年に渡る変化、および性差について調べた。

結果
:原発性品種関連緑内障の有病率は、徐々に増えてきており、0.29%(1964-1973年)から、0.46%(1974-1983年)、0.76%(1984-1993年)、 0.89%(1994-2002年)となった。4つの異なる期間(1964-2002年)で緑内障の有病率が最も高い10品種で常に特徴的だったのが、アメリカンコッカースパニエル、バセットハウンド、ワイヤーフォックステリア、およびボストンテリアであった。最後の観察期間(1994-2002年)の間では、異なる22の品種が緑内障の有病率1%を超えていた。1994-2002年の間に緑内障の有病率が高かった品種には、アメリカンコッカースパニエル(5.52%)、バセットハウンド(5.44%)、チャウチャウ(4.70%)、シャーペイ(4.40%)、ボストンテリア(2.88%)、ワイヤーフォックステリア(2.28%)、ノルウェジアンエルクハウンド(1.98%)、シベリアンハスキー(1.88%)、ケアンテリア(1.82%)、およびミニチュアプードル(1.68%)が含まれた。雌での緑内障の好発傾向は、アメリカンコッカースパニエル、バセットハウンド、ケアンテリア、チャウチャウ、イングリッシュコッカースパニエル、サモエド、およびもしかしたらシベリアンハスキー、でみられ、雄犬での好発傾向はオーストラリアンキャトルドッグ、およびセントバーナードでみられた。純血犬種において年齢は緑内障の初回来院に影響を与えた。品種の大多数で、4-10歳齢の間に緑内障の初回診断で来院した。

結論
:純血犬種における品種関連緑内障は北アメリカの獣医療教育病院に頻繁に来院する。犬における品種関連緑内障の有病率はヒトと類似しているようであり、品種によっては人よりも多い。多くの品種で緑内障の高い有病率は遺伝的な基礎を示唆している。

Park, Shin Ae, et al.
"Clinical manifestations of cataracts in small breed dogs." 
Veterinary ophthalmology 12.4 (2009): 205-210.

PubMedリンク PMID:19604334
本文:無料公開あり(全文

タイトル
:小型犬種における白内障の臨床症状

==アブストラクト=== 
目的
:白内障で来院した小型犬種における有病率、病因、および同時にみられた眼科所見について調べること。

動物
2002年7月から2007年12月の間にソウル大学獣医療教育病院に561頭の小型犬(942眼)が白内障で来院した。

方法
:白内障のある小型犬の医療記録を再調査した。来院の理由、白内障の期間、両側性、品種、性別、年齢、視覚、病因、白内障進行のステージ、併発する眼科所見、眼圧、眼の超音波検査所見、および暗所網膜電図について調べた。

結果
:最も多く来院した犬種はミニチュア/トイプードル(n=122、20%)、ヨークシャーテリア(n=110、19.6%)およびシーズー(n=95、16.9%)であった。ミニチュア/トイプードルは白内障形成のオッズが有意に高かった。集団全体で、雌の白内障患者の割合は、雄の患者に比べて有意に高かった(p<0.05)。ミニチュア/トイプードルは白内障の雌の数が有意に高かった(p<0.01)。白内障形成の平均年齢は8.3±3.9歳齢であった。ミニチュア/トイプードルとヨークシャーテリアにおける発症時の平均年齢は有意に高く、一方でミニチュアシュナウザーでは有意に低かった(p<0.0001)。水晶体誘発性ぶどう膜炎に関連する臨床徴候は、白内障の進行とともに増加する傾向があった(p<0.05)。ステージによるmixed rod cone responseに対するb波振幅に有意な差はなかった(p=0.137)。

結論:白内障の小型犬種では、犬種ごとに発症年齢と性別の分布に特徴があった。 

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