ねころんで探せる小動物医療のジャーナルクラブ

小動物臨床の獣医師が、臨床に役立ちそうな論文情報をちょっとづつアップします。ねころんでいても論文検索ができればいいなと。

カテゴリ: 疫学

Schofield, I., et al.
"Hypoadrenocorticism in dogs under UK primary veterinary care: frequency, clinical approaches and risk factors." 
Journal of Small Animal Practice (2021).


PubMedリンク PMID:33555046
本文:googlescholarから入手可能(全文

タイトル:イギリスの一次獣医診療下の犬における副腎皮質機能低下症;頻度、臨床的アプローチ、およびリスク因子

==アブストラクト===
目的:イギリスの一次獣医診療下の犬における副腎皮質機能低下症の頻度、臨床的アプローチ、およびリスク因子について推定すること。

方法:副腎皮質機能低下症と診断された犬を、匿名の電子患者記録を検索することでイギリスのVetCompassから同定した。2016年に既存の、または新たに診断された疾患の症例が組み入れられた。症例は電子患者記録の情報をもとにして、検査で確定された副腎皮質機能低下症と、副腎皮質機能低下症の疑いにさらに分類された。記述データはマニュアルで抽出した。多変量ロジスティック回帰法を用いて人口的なリスク因子を同定した。

結果・2016年の905,543頭の犬から177頭の副腎皮質機能低下症の症例が同定された。72頭は検査で確定されており、105頭は疑いであった。すべての犬の1年間の副腎皮質機能低下症の有病率は0.06%(95%信頼区間 0.05-0.07)であった。検査で診断を確定した犬において最も多い臨床徴候は元気消失(51/66;77.3%)、食欲低下(48/66;66.7%)、および嘔吐(48.66;66.7%)であった。高カリウム血症は47/53頭(88.7%)、低ナトリウム血症は46/53頭(86.8%)でみられた。ナトリウム/カリウム比の中央値は19.00(四分位 範囲 16.20-20.60)であった。犬種、年齢、中性化の状態、および保険の状態は、副腎皮質機能低下症の検査による確定診断と関連した。性別と副腎皮質機能低下症との関連は、多変量解析においてみられなかった。スタンダード・プードルは、雑種犬に比べて副腎皮質機能低下症のオッズが51.38倍(95%信頼区間 14.49-182.18)であった。

臨床的意義
:これは、イギリスの一次獣医診療の犬における副腎皮質機能低下症について報告する最初の疫学的研究である。これらの結果は、一次診療における副腎皮質機能低下症に関連した現在の獣医活動における基準となるデータを提供する。

O'Neill, Dan Gerard, et al.
"Epidemiology of recurrent seizure disorders and epilepsy in cats under primary veterinary care in the United Kingdom." 
Journal of Veterinary Internal Medicine.


PubMedリンク PMID:32974979
本文:無料公開あり(全文

タイトル:イギリスの一次獣医診療の猫における再発性の発作障害およびてんかんの疫学

==アブストラクト===
背景:猫の再発性発作障害の疫学的評価は、現在の獣医学文献にはほとんど存在しない。

目的:イギリスの一次獣医診療に来院した猫における再発性発作障害とてんかんの有病率とリスク因子を報告すること。

動物:2013年にイギリスの282の一次診療に来院した合計で285,547頭の猫。

方法:リスク因子の解析に多変量ロジスティック回帰モデルを使用したコホート研究。

結果
:458頭が再発性発作障害の症例と確認され、1年間の有病率は0.16%(95%信頼区間 0.15-0.18)であった。そのうち114頭(24.89%)がてんかんと記録され、その1年間の有病率は0.04%(95%信頼区間 0.03-0.5)であった。年齢の上昇は、再発性発作障害のオッズと有意に関連した。品種、性別、中性化の状態、および体重は、再発性発作障害と関連しなかった。てんかんは、中年齢の猫で最も頻繁に診断された。3.0-6.0歳齢の猫は、3.0歳未満の猫と比較して、てんかんの診断のオッズが3.32倍高かった。保険にかかっている猫は、保険にかかっていない猫に比べて、てんかんと診断される可能性が高かった。

結論と臨床的意義
:犬よりはまれではあるが、イギリスの猫の集団における再発性発作障害とてんかんは依然として重要な疾患グループを後世している。年齢の増加は、猫におけるこれらの疾患の重要なリスク因子である。

Ferguson, Stephanie, et al.
"A retrospective study of more than 400 feline nasal biopsy samples in the UK (2006–2013)." 
Journal of feline medicine and surgery (2019): 1098612X19881847.

PubMedリンク PMID:31631737
本文:googlescholar経由で入手可能(全文

タイトル:イギリスにおける猫の400個以上の鼻腔生検サンプルの回顧的研究

==アブストラクト=== 
目的:この研究の主な目的は、英国基盤の商業獣医診断検査所のデータベースを活用して、猫集団内の様々な形態の鼻疾患の有病率を確認することであった。さらなる目的は、このデータベースを利用して品種、性別、または年齢の後発傾向を調べ、短頭種の程度と診断された様々な病態との関連についてを調べることであった。 

方法:2006/5/31から2013/10/31の間に受け取った猫の提出物について、研究所の記録を検索した。鼻腔から得られたすべてのサンプルを、診断とともに猫の品種、年齢、性別、中性化状態、臨床徴候が片側性か両側性か、鼻汁は存在したかどうか、について記録した。 血統の品種はさらに頭蓋骨の形状から、短頭種、中頭種、長頭種、に分類した。ロジスティック回帰モデルを構築し、それぞれの疾患の重要なリスク因子の調整された程度の関連について評価し、それぞれの疾患は他の疾患の独立した危険因子としても使用された。

結果:最も一般的な鼻の疾患は鼻炎であり、ついで腫瘍とポリープであった。最も多く診断された腫瘍はリンパ腫であり、ついで腺癌、未分化癌であり、良性腫瘍は非常にまれであった。頭蓋骨の形態と鼻疾患との間に有意な関連はなかった。統計学的に有意な関連は、若い雄猫で中頭種で鼻汁のない猫でポリープの発生が多いということだけだった。

結論と関連
:予想とは対照的に、頭蓋の形態と鼻の疾患との間には有意な関連はみられなかった。 潜在的なリスク因子と様々な鼻疾患の形態との間にみられた唯一の有意な関連は、若い猫でポリープの発生が多いというものであり、その他の同定された関連性は弱いものだけであった。
 

Urfer, Silvan R., et al.
"Risk Factors Associated with Lifespan in Pet Dogs Evaluated in Primary Care Veterinary Hospitals."
 
Journal of the American Animal Hospital Association 55.3 (2019): 130-137.

PubMedリンク PMID:30870610
本文:googlescholar経由で入手可能(全文

タイトル:一次診療獣医病院で評価されたペット犬における寿命に関連するリスク因子

==アブストラクト=== 
この集団ベースの回顧的コホート研究の目的は、一次診療獣医病院で評価されたペット犬の寿命に関連する因子を特定することである。2010/1/1から2012/12/31の間に、787のアメリカの病院のいずれかに2回以上来院した3ヶ月齢以上の犬を組み入れた。性線状態、品種、体格、および純血種(vs混血種)の状態について犬の生存曲線を作成した。多変量コックス比例ハザード回帰を行い、寿命に関連する因子を同定した。2,370,078頭の犬が研究に組み入れられ、そのうち179,466(7.6%)が研究期間中に死亡した。雑種犬は純血種犬よりも有意に長く生存し、この差は体重が増加するにつれてより顕著であった。その他の因子を制御すると、どちらの性別でも性線摘出をした犬よりもそれをしていない場合に、研究の追跡期間中全体で死亡する危険性が大きかった。2歳以上生きた犬の場合、歯科スケーリングの頻度の増加とともに死亡の危険性が減少した。我々の研究は、体格と性線摘出が寿命に与える影響についての過去の報告を支持し、超音波歯科スケーリングと雑種犬を支持する新たな根拠を提供する。
 

Fox, Philip R., et al.
"Long‐term incidence and risk of noncardiovascular and all‐cause mortality in apparently healthy cats and cats with preclinical hypertrophic cardiomyopathy." 
Journal of veterinary internal medicine (2019).

PubMedリンク PMID:31605422
本文:無料公開あり(全文

タイトル:見かけ上健康な猫と無症候性の肥大型心筋症のある猫における非心血管性の死亡とすべての原因の死亡に関する長期的な発生率とリスク

==アブストラクト=== 
背景:見かけ上健康な猫(以下、健康猫)と無症候性の肥大型心筋症(HCM)のある猫における非心血管性とすべての原因による死亡に関する疫学的な情報は限られており、エビデンスに基づく医療ガイドラインの開発を妨げている。

目的: 健康猫と無症候性HCM猫における非心血管性およびすべての原因による死亡に関連した発生率、リスク、および生存の特徴を調べて比較すること。

動物:21カ国で、合計1730頭の家庭飼育猫(健康猫722頭、HCM猫1008頭) 。

方法:回顧的、他施設、縦断的、コホート研究。長期的な健康データは医療記録の再調査と飼い主/紹介元獣医師へのアンケートによって抽出した。

結果:非心血管性の死亡は、最大15.2年まで観察された猫の1730頭のうち534頭(30.9%)で起こった。非心血管性の死亡の割合は、研究登録時に健康であった猫と無症候性HCMであった猫との間で有意な差はなかった。腫瘍、慢性腎臓病、および慢性の体重減少-嘔吐-下痢-食欲低下の特徴をもつ病態が、非心血管性の原因による死亡として最も頻繁に記録された。非心血管性の死亡の発生率/リスクは、健康猫と無症候性HCM猫で年齢とともに上昇した。すべての原因の死亡の割合は、健康猫よりも無症候性HCM猫で高く(40% vs 65%;p<0.001)、それは無症候性HCM猫における心血管性の死亡率が高いからであった。健康猫と比べて無症候性HCM猫では、中央生存期間(研究への登録から非心血管性の死亡まで)に差はなく(健康猫 9.8歳齢、無症候性HCM猫8.6歳齢;p=0.10)、しかしすべての原因による生存は、無症候性HCM猫で有意に短かった(p=0.001)。

結論と臨床的重要性
:すべての原因の死亡は無症候性HCM猫で有意に多く、それは非心血管性の死亡に加えられた心血管性の死亡
の増加による疾患不可によるものであった。


==補足===
データはこの文献のものと同じもののようです。

Gizzarelli, M., et al.
"Prevalence of Proteinuria in Owned Dogs from Italy: A Multicentric Study." 
Veterinary medicine international 2019 (2019).

PubMedリンク PMID:31015953
本文:無料公開あり(全文

タイトル
:イタリアの家庭犬におけるタンパク尿の有病率;多施設間研究

==アブストラクト=== 
タンパク尿は様々な原因に関連しているが、それが持続性で尿沈渣の活性がないことと関連している場合、それは主に腎疾患によるものだ。タンパク尿の早期検出により、様々な病理学的な状況を特定できる。この研究の目的は尿タンパクがあるかわからない犬の集団を、尿ディップスティックでスクリーニングすることである。

研究はイタリアの7つの獣医クリニックで、6週間行われた。性別や年齢の規制なく犬が組み入れられた。発情中の雌犬、泌尿生殖器疾患の徴候がある犬、または過去にタンパク尿性腎症が診断されている犬は除外した。ディップスティック検査陰性の犬を“非タンパク尿”、ディップスティック検査陽性の犬を“タンパク尿疑い”とみなした。可能な場合には、タンパク尿はUPC比によって確定した。合計で1156頭の犬が評価され、414頭は北イタリア、 742頭は南イタリアであった。ディップスティック検査をもとに、655頭(56.6%)の犬が非タンパク尿、501頭(43.4頭)がタンパク尿疑いであった。北イタリアの414頭中225頭(54.3%)、南イタリアの742頭中430頭(57.9%)が非タンパク尿であった。
北イタリアの189頭中225頭(45.7%)、南イタリアの742頭中312頭(42.1%)がタンパク尿疑いであった。北イタリアと南イタリアの間に統計的な差はなかった。タンパク尿疑いのサンプル501中412でUPCが利用可能であった。タンパク尿は263サンプル(63.86%)で確定された。この研究の結果から、タンパク尿疑いの犬の割合が高いことが示され、腎疾患には明らかに罹患しておらず、地理的な分布をもとにしても統計的な差はみられなかった。
 

Johnsen, Devin AJ, David J. Maggs, and Philip H. Kass.
"Evaluation of risk factors for development of secondary glaucoma in dogs: 156 cases (1999–2004)." 
Journal of the American Veterinary Medical Association 229.8 (2006): 1270-1274.

PubMedリンク PMID:17042730
本文:googlescholar経由で入手可能(全文

タイトル:続発性緑内障の発症に関するリスク因子の評価;156症例(1999-2004)

==アブストラクト=== 
目的:犬の続発性緑内障の直前に先行する原因および前部ぶどう膜炎と水晶体の変位を伴う続発性緑内障の有病率を調べること。

デザイン:回顧的症例シリーズ。

動物:続発性緑内障の犬156頭。

方法:緑内障の原因を記録をもとに決定した。品種、年齢、性別、および中性化の状態について続発性緑内障のすべての犬と病院の一般的集団と比較した。同時期に水晶体変位または前部ぶどう膜炎のある続発性緑内障の有病率を調べた。

結果:続発性緑内障は眼科疾患で検査をうけた犬2,257頭中156頭(6.9%)で診断され、そのうち33頭(21.2%)が両側性であった。両側性に罹患した犬のうち31頭(94%)で、先行する原因は両眼で同じだった。続発性緑内障の共通する原因には、非外科的前部ぶどう膜炎(44.9%)、水晶体超音波乳化吸引術に関連した前部ぶどう膜炎(15.8%)、および水晶体変位(15.2%)があった。パーソンラッセルテリア、プードル、ボストンテリア、コッカースパニエル、ローデシアンリッジバック、オーストラリアンキャトルドッグが、参照集団と比較して、予測されるよりもより頻繁に続発性の緑内障が診断された。年齢、性別、中性化状態、および片側性は、続発性緑内障と関連しなかった。水晶体の変位またはぶどう膜炎に関連した続発性緑内障の有病率は、ぞれぞれ15%と17%であった。

結論と臨床的意義
:緑内障は多くの眼内疾患に続発し、特にぶどう膜炎と水晶体の変位に続発した。これらの疾患の診断では、シグナルメントに関わらず、眼圧のモニターを頻繁に行うように試みるべきだろう。
 

Gelatt, Kirk N., and Edward O. MacKay.
"Secondary glaucomas in the dog in North America." 
Veterinary Ophthalmology 7.4 (2004): 245-259.

PubMedリンク PMID:15200621
本文:無料公開なし

タイトル:北アメリカの犬における続発性緑内障

==アブストラクト=== 
目的:白内障の形成、水晶体脱臼または変位、白内障手術、ぶどう膜炎、前房出血、および眼内腫瘍に関連した犬の続発性緑内障の有病率を調べること。

方法: 1964年3月から2003年3月の間に北アメリカのすべての獣医療教育病院における獣医療データベースから情報を収集した。続発性緑内障の診断は原発性疾患の診断と同時またはその後に行われ、白内障の形成、水晶体脱臼、白内障手術、原因不明のぶどう膜炎、原因不明の前房出血、および眼内腫瘍のいずれかに関連したものを含めた。データは10年ごとに、品種、性別、および来院時の年齢について評価した。

結果
:合計1,592,831頭の犬が来院し、9,695頭が続発性緑内障だった。白内障形成に関連する続発性緑内障がすべての続発性緑内障のうちの81%を占めた。続発性緑内障と白内障に対する素因のある犬種(n=7,890)の全体的な有病率は0.5%だったが、白内障の犬全体の20%近くが少なくとも1つの眼で緑内障を発症した。1994年から2003年の間、これらの品種にはアメリカンコッカースパニエル、ボストンテリア、トイ/ミニチュア/スタンダードプードル、イングリッシュコッカースパニエル、ビションフリーぜ、およびラブラドールレトリバーが含まれた。そのほかの様式の続発性緑内障はそれほど頻繁には起こらず、水晶体脱臼または変位(779頭 12.0%)、白内障術後(528頭 5.1%)、原因不明のぶどう膜炎(339頭 7.1%)、原因不明の前房出血(117頭 7.3%)、およbに眼内腫瘍(19頭 3.5%)に関連した緑内障が含まれた。1984年から2002年に間の続発性緑内障のリスクは、嚢内水晶体摘出術の術後に最も高く、嚢外法ではは低く、水晶体乳化/水晶体破砕法で最も低かった。

結論
:犬の続発性緑内障の有病率の範囲は、0.25%(1964-1973)から、0.46%(1974-1983)、0.79%(1984-1993)、0.80%(1994-2003)までであり、これら同時期の品種関連緑内障と同じような頻度であった。
 

Donzel, Elise, Léa Arti, and Sabine Chahory.
"Epidemiology and clinical presentation of canine cataracts in France: a retrospective study of 404 cases." 
Veterinary ophthalmology 20.2 (2017): 131-139.

PubMedリンク PMID:27061240
本文:無料公開なし

タイトル
:フランスにおける犬の白内障の疫学と臨床所見;404症例の回顧的研究

==アブストラクト=== 
目的
:フランスの犬の集団における白内障の疫学と臨床所見を調べること。

方法
:2009-2012年の間にアルフォート獣医学校眼科部門に来院した白内障に罹患した犬の記録を再調査した。それぞれの犬における疫学を調べた。罹患した犬のシグナルメント、病歴、発症年齢、進行ステージ、混濁の部位、および関連する眼科病変についてを、病因ごとに調べた。

結果
:2009-2012年の間に眼科部門に合計で2739頭の犬が来院した。404頭(14.7%)(716眼)が白内障と診断された。集団には218頭の雄(54%)と185頭の雌(46%)が含まれた。1頭では性別が記載されていなかった。白内障に罹患したすべての犬の平均年齢(±標準偏差)は9歳齢(±3.9)であった。54犬種が来院した。ヨークシャーテリアが唯一の有意な好発であった。観察された白内障の原因は、品種素因(28%)、加齢(22.8%)、進行性網膜萎縮(12.4%)、先天性白内障(5%)、糖尿病(4.7%)、外傷(3.7%)、ぶどう膜炎(3%)、および低カルシウム血症(0.2%)であった。これらの症例のうち20.3%で、病因を特定することができなかった。報告された白内障に関連する眼の病変は、水晶体脱臼または亜脱臼(11.1%)、緑内障(3.7%)、および網膜剥離(4.2%)であった。

結論
:フランスの紹介された犬において、14.7%が白内障に罹患していた。主な原因には品種素因、加齢、および進行性網膜萎縮が あった。ヨークシャーテリアに対する品種素因が記録された。

 

Guyonnet, Alexandre, et al.
"Epidemiology and clinical presentation of feline cataracts in france: A retrospective study of 268 cases." 
Veterinary ophthalmology 22.2 (2019): 116-124.

PubMedリンク PMID:29508528
本文:無料公開なし

タイトル:フランスにおける猫の白内障の疫学と臨床所見;268症例の回顧的研究

==アブストラクト=== 
目的:フランスの猫の集団における白内障の疫学と臨床所見を記述すること。

方法:2010年から2017年の間にアルフォート国立獣医学校の眼科に来院した猫の医療記録を再調査し、白内障に罹患した猫を同定した。罹患した猫のシグナルメント、病歴、白内障の病因、発症年齢、進行ステージ、混濁の部位、および併発している眼科疾患について評価した。

結果
:研究期間中に2054頭の猫がアルフォート国立獣医学校の眼科に来院しており、268頭(383眼)が白内障と診断された(13% 信頼区間[11.3-14.7])。白内障に罹患したすべての猫の年齢の中央値は、9.5歳齢(範囲 0.1-18.6)であった。18品種が後発傾向だった。記録された白内障の原因には、ぶどう膜炎(35.8%)、先天性(15.7%)、老化(10.8%)、遺伝性の疑い(8.2%)、外傷(7.8%)、水晶体の脱臼(3.3%)、緑内障(1.5%)、および糖尿病(0.4%)があった。16.4%の症例で、病因は特定できなかった。短毛の家庭猫は、ぶどう膜炎に関連した白内障において有意に多かった(p<0.001)。白内障に関連して最も多い眼の病変は水晶体の亜脱臼または脱臼(17.8%)、緑内障(14.9%)、および網膜剥離(4.4%)であった。水晶体の亜脱臼/脱臼と緑内障は、ぶどう膜炎関連の白内障に有意に関連していた(p<0.001)。

結論
:フランスの紹介で来院した猫の集団において、13%が白内障に罹患していた。主な原因は前部ぶどう膜炎、先天性、および加齢であった。水晶体の亜脱臼/脱臼と緑内障はぶどう膜炎関連性白内障と関連していた。 

Williams, David L., and M. Fred Heath.
"Prevalence of feline cataract: results of a cross‐sectional study of 2000 normal animals, 50 cats with diabetes and one hundred cats following dehydrational crises."
 
Veterinary ophthalmology 9.5 (2006): 341-349.

PubMedリンク PMID:16939463
本文:googlescholar経由で入手可能(全文

タイトル:猫の白内障の有病率;2000頭の健康な動物、50頭の糖尿病の猫、100頭の脱水危機後の猫の横断的研究の結果

==アブストラクト=== 
目的
:この研究では2000頭の健康な猫、50頭の糖尿病の猫、100頭の脱水危機の病歴の猫について、検眼鏡で検査して白内障の有無を確認した。

方法
:検査をうけた猫は主に動物病院の集団からのものだったが、リホーミング施設や繁殖施設からのものも含まれた。白内障の有病率は、異なる年齢ごと(年齢集団)で調べられた。白内障の有病率が50%であった年齢(C50)は、過去に記述された適合した有病曲線から間接的に決定された。C50は性別および品種の異なる動物、ならびに糖尿と脱水の病歴(慢性腎不全、慢性嘔吐、慢性下痢に関連した)のある動物において決定された。

結果
:すべての正常猫におけるC50の平均±標準偏差は12.7±3.4歳齢であった。17.5歳以上のすべての猫はあるていどのレンズの混濁に罹患していた。糖尿病の猫のC50は5.6±1.9歳齢であった(正常な猫と有意に異なる p<0.0001)。脱水危機の病歴をもつ猫のC50は9.9±2.5歳齢(正常猫とは統計的には有意に近い差 p=0.06)。

結論
:この研究では、正常な猫とともに糖尿病の猫と脱水の病歴のある猫における年齢に関連した白内障の有病率について新たな知見が得られた。

Hesse, Albrecht, et al.
"Canine cystine urolithiasis: A review of 1760 submissions over 35 years (1979–2013)." 
The Canadian Veterinary Journal 57.3 (2016): 277.

PubMedリンク PMID:26933264
本文:無料公開あり(全文

タイトル
:犬のシスチン尿石症;35年間(1979-2013年)の1760検体のレビュー

==アブストラクト===
この研究では、ドイツのBonnにある尿石分析センターに35年間にわたって提出された犬のシスチン結石の疫学的データについて回顧的に評価した。1979年から2013年に間に提出された20316個の尿石のうち、1760個がシスチン結石であった。全部で109の犬種が罹患し、16犬種ではオッズ比が>1.0であった。シスチン結石のほとんどは雄犬から回収され、雌犬は19頭(1.1%)のみであった。提出された全ての結石のうちに占めるシスチン結石の割合は、35年間で38.9%から4.4%へと顕著に減少した。

Gundler, Suzanne, Anna Tidholm, and Jens Häggström.
"Prevalence of myocardial hypertrophy in a population of asymptomatic Swedish Maine coon cats." 
Acta Veterinaria Scandinavica 50.1 (2008): 22.

PubMedリンク PMID:18564408
全文:無料公開あり(全文

タイトル:スウェーデンのメインクーンの集団における心筋肥大の有病率

==アブストラクト===
背景:メインクーンは、肥大性心筋症(HCM)を発症する家族性の傾向があり、常染色体優勢遺伝形式1の証拠がある。HCMを診断する現在の方法は、心エコーを用いている。しかし、明確な参照基準は設けられていない。この研究の目的は、スウェーデンのメインクーンにおいてHCNに一致する心臓エコーの変化の有病率を調べ、心臓エコーの測定値を過去の報告での参照値と比較することである。

方法:2001年2月までにスウェーデンでメインクーンのブリーダーとしてwebのリストに載っているストックホルム在住のブリーダーに飼われている8ヶ月齢以上のすべての猫を、研究に参加させるために招いた。すべての身体検査とM-mode 2D心臓エコー検査を行なった。

結果: 42頭(雄10頭、雌32頭)の無症候性のメインクーンの検査を行なった。猫の年齢の範囲は0.7歳から9.3歳であり、平均4.8±2.3歳であった。4頭(9.5% )の猫が、拡張期心室中隔(IVSd)または拡張期左心室自由壁(LVPWd)の厚みが6.0mmを超えていた。そのうち3頭で肥大は区域的であった。2頭(4.8%)で、肥大の付随のない僧帽弁の収縮期前方運動(SAM)がみられた。5頭(11.9%)ではIVSdまたはLVPWdが5.0mmを超えていたが、6.0mmm以下だった。

結論
:用いた参照値によれば、この研究におけるHCMの有病率は9.5%から26.2%であった。我々の研究は、以前から多くの心臓専門医が使用してる6.0mmよりもむしろ、正常な猫の左心室壁の厚みは5.0mm以下であるということを示唆した。メインクーンの適切な心臓エコーの参照値と、HCMに対する診断基準はさらに調査される必要がある。
 

Haines, Jillian M.
"Survey of owners on population characteristics, diagnosis, and environmental, health, and disease associations in dogs with megaesophagus."
 
Research in veterinary science 123 (2019): 1-6.

PubMedリンク PMID:30543946
本文:無料公開なし

タイトル
:巨大食道症のある犬における個体群の特徴、診断、、環境、健康、および疾患との関連に対する飼い主調査

==アブストラクト===
巨大食道症は世界的に犬が罹患しているが、一般的な犬の集団における特徴に関して得られる情報は限られている。この研究の目的は、巨大食道症と診断された犬の大きな集団における、個体群の特徴、医療歴、家族歴、診断、併発疾患、および素因といった情報を提供することである。

巨大食道症支援のウェブサイトで、ウェブベース調査へのリンクが提供され、838の適合した調査が評価された。先天性巨大食道症にもっとも頻繁に関連した犬種は、ジャーマン・シェパード、雑種”ゴールデン・ドゥードゥル”、ラブラドール・レトリバー、グレート・デン、およびダックスフンドであった。後天性巨大食道症に最も頻繁に関連した犬種は、ラブラドール・レトリバー、ゴールデン・レトリバー、チワワ、ボクサー、ジャーマン・シェパード、ダックスフンド、およびロットワイラーであった。ほとんどの場合で、診断は、単純レントゲン(63.3%)および/またはバリウム検査(45%)によって総合臨床医(63.6%)が行った。先天性巨大食道症は41.3%の犬で診断され、4.3%で右大動脈遺残が診断された。後天性巨大食道症と多く関連する疾患には、重症筋無力症(19.3%)、食道炎(10.8%)、甲状腺機能低下症(8.8%)があった。

調査の結果は、これまでの好発犬種を支持し、ダックスフンド、ボクサー、チワワ、ロットワイラー、および”ゴールデン・ドゥードゥル”を新たなリスク犬種として同定した。重症筋無力症は、過去の記述とは対照的に今回の研究では低い割合で見つかり、甲状腺機能低下症は比較的高い有病率であった。多くの犬は総合臨床医により診断されており、紹介施設での過去の報告では、重症な疾患とより悪い予後の犬であるようなバイアスがある可能性があることが示唆される。
 

NAKAMOTO, Yuya, et al.
"Feline neurological diseases in a veterinary neurology referral hospital population in Japan." 
Journal of Veterinary Medical Science (2019): 18-0447.

PubMedリンク PMID:31061248
本文:無料公開あり(全文

タイトル:日本の神経病紹介病院の集団における猫の神経疾患

==アブストラクト===
猫の神経学的疾患をまとめた報告の多くは、限られた疾患グループだけを検討したものである。病理組織学的な観点を元にした猫の神経疾患の大規模な調査は一つだけしかない。2009年-2016年の間に京都動物紹介センターへ紹介された猫の大規模な集団における神経疾患の局在と頻度について記述した。

それぞれの症例で、検査時点で病変の局在の決定を試み、神経学的障害のある276頭の猫の病因を分類した。脳の病変が174頭みられ、頚部脊髄の病変が14頭、胸腰部脊髄の病変が34頭、末梢の神経筋の病変が54頭でみられた。脳領域では特発性てんかんと脳腫瘍の罹患率が高く、頚部脊髄では脊髄梗塞、胸腰部脊髄では脊髄梗塞と脊髄腫瘍、末梢の神経筋領域では中内耳炎に起因する末梢性前提障害の罹患率が高かった。猫では脊髄疾患および末梢神経筋疾患よりも、脳疾患が多いことが示唆された。脳領域では特発性および腫瘍性の疾患が多く、脊髄領域では血管系疾患が、末梢の神経筋領域では感染性疾患が多かった。

Hall, J. L., et al.
"Urinary incontinence in male dogs under primary veterinary care in England: prevalence and risk factors." 
Journal of Small Animal Practice (2018).

PubMedリンク PMID:30387152
本文:無料公開なし

タイトル:イギリスの獣医一次診療における雄犬の尿失禁;有病率とリスク因子

==アブストラクト===
目的:雄犬の尿失禁の有病率を推定し、人口統計学的なリスク因子を特定すること。

方法:研究集団には、2009年9月1日から2013年7月7日の間のVetCompassデータベースにある全ての犬を含めた。患者の電子記録を検索し、尿失禁の患者を調べ、人口統計学的および臨床的な情報を抽出して分析した。

結果
:イギリスの119の診療所に通っている109,428頭の雄犬のうち、尿失禁を診断された犬は1027頭と推定され、有病率は0.94%(95%信頼区間 0.88-1.00)であった。
雄犬の尿失禁のオッズが最も高い犬種(雑種犬と比較して)は、
ブルマスチフ(オッズ比 17.21、95%CI 6.65-44.56、症例=5、非症例=314、p<0.001)、
アイリッシュレッドセッター
(オッズ比 12.79、95%CI  4.83-33.84、症例=5、非症例=142、p<0.001)、
フォックステリア
(オッズ比 9.60、95%CI 3.68-25.5、症例=5、非症例=176、p<0.001)、
ブルドッグ
(オッズ比 5.72、95%CI 2.24-14.59、症例=5、非症例=929、p<0.001)、
ボクサー
(オッズ比 3.65、95%CI 1.84-7.25、症例=5、非症例=1470、p<0.001)、
であった。 
尿失禁のオッズ比の上昇は、高い年齢(年齢9-12歳、オッズ比 10.46、95%CI 6.59-16.62、n=12,348、p<0.001)および保険に入っていること(オッズ比 1.96、95%CI 1.53-2.51、n=26,202、p<0.001)と相関していた。多変量解析によって、去勢手術または体重との関連はなかった。

臨床的意義
:雄犬における尿失禁の全体的な有病率はおよそ1%であり、これはこの問題にについての報告が希薄であることからの予測よりも高いものかもしれない。雌犬とは対照的に、中性化と体重は尿失禁のオッズの増加と関連はしておらず、それは中性化の助言をする際に重要なことである。

 

Bayton, W. A., et al.
"Histopathological frequency of feline hepatobiliary disease in the UK." 
Journal of Small Animal Practice (2018).

PubMedリンク PMID:29319199
本文:無料公開なし

タイトル:イギリスにおける猫の肝胆道系疾患の病理組織学的な頻度

==アブストラクト===
目的:イギリスにおける猫の肝胆道系疾患についての病理組織学的な頻度を調べ、個々の疾患発症に関わる品種、年齢、性別の好発傾向を同定すること。

方法:1452の猫の肝生検の病理組織学的結果を評価した。マイクロチップの入った猫の対照集団を用いて犬種の比較を行った。データは回顧的に、世界小動物獣医協会の基準にしたがって分類された。オッズ比と95%信頼区間を算出し、頻度の高い10の疾患についての後発品種を決定した。性別と年齢の寄与も評価した。

結果:病理組織学的をもとにして最も多かった疾患は、化膿性胆管炎(20.5%)、反応性肝炎(20.4%)、可逆性の肝細胞障害(8.4%)、リンパ球性胆管炎(6.8%)、胆管嚢胞(5.7%)、急性肝炎(5.6%)、造血系腫瘍(5.6%)、肝細胞腫瘍(4.9%)、先天性門脈体循環シャント(3.8%)、胆管細胞腫瘍(3.1%)であった。これまで報告されていないいくつかの品種と年齢の好発が同定された。

臨床的意義
:これはイギリスの大規模な猫の集団における病理組織学的な肝胆道系疾患の頻度について述べた初めての研究であり、新たな品種や年齢の後発が明らかとなった。これらのデータは、生検での確定診断が得られていない状況で特定の疾患を疑う指標を増やすのに役立つかもしれない。

 

Hirose, Naoki, et al.
"A retrospective histopathological survey on canine and feline liver diseases at the University of Tokyo between 2006 and 2012." 
Journal of Veterinary Medical Science76.7 (2014): 1015-1020.

PubMedリンク PMID:24717415
本文:無料公開あり(全文) 

タイトル
:2006年から2012年にかけての東京大学における犬と猫の肝臓疾患におけつ回顧的な病理組織学的調査

==アブストラクト===
日本の犬と猫における肝臓疾患の発生率を測定するために、東京大学動物医療センターにおける463頭の犬と71頭の猫の生検データを用いて回顧的研究を行った。

最も一般的な犬の肝疾患は微小血管異形成(MVD)であり、すべての診断のうち29.4%と占めた。この用語には、“真の”微小血管異形成と、原発性門脈低形成を含んでいる可能性がある、なぜならこれらの2つの病態は病理組織学的には明確に鑑別することが困難だからである。実質性および間質性の肝炎と、原発性肝臓腫瘍は、診断のなかでそれぞれ23.5%、21.0%となった。実質性および間質性肝炎は、非増殖性の犬の肝疾患のうち34.1%を締め、一方、肝細胞腺腫および腺癌は、増殖性感疾患のうちそれぞれ26.6%、24.5%であった。犬種特異性は、微小血管異形成では、ヨークシャーテリア、パピヨン、およびトイプードルでみられ、肝炎ではドーベルマンピンシャーとラブラドールレトリバー、胆管肝炎ではアメリカンコッカースパニエルとポメラニアン、肝細胞腺腫ではゴールデンレトリバーとシバ、肝細胞腺癌ではシーズーにみられた。

最も一般的な猫の肝疾患は実質性および間質性の肝炎(すべての診断の45.1%)であった。猫の肝炎の中では、好中球性胆管肝炎(23.9%)、リンパ球性胆管肝炎(14.1%)、および慢性肝炎(5.6%)が記録された。成猫の多嚢胞性肝疾患は5.6%であった。猫の肝臓における増殖性疾患(すべての11.3%)のなかでは、リンパ腫(4.2%)、および肝細胞腺癌、胆管細胞腺腫、胆管細胞腺癌を含む原発性上皮性腫瘍(4.2%)がみられた。肝変性は14.1%、微小血管異形成は12.7%であった。 

O'neill, D. G., et al.
"Chronic kidney disease in dogs in UK veterinary practices: prevalence, risk factors, and survival." 
Journal of Veterinary Internal Medicine 27.4 (2013): 814-821.

PubMedリンク PMID:23647231
本文:無料公開あり(全文

タイトル:英国の獣医開業における慢性腎臓病;有病率、危険因子、および生存

==アブストラクト===
背景:犬の慢性腎臓病(CKD)の有病率は幅広い(0.05-3.74%)。同定されている危険因子には年齢の増加、特定の犬種、小さい体格、歯周病が含まれる。

仮説/目的:犬におけるCKDの有病率を推定し、CKDの診断と生存に関連する危険因子を同定すること。純血種は交雑種よりもCKDのリスクが高く、不良な生存の特徴をもつであろうと仮説した。

動物:2年間(2010年1月ー2011年12月)に英国の89の獣医開業に来院した107,214頭の犬を統合した臨床データベース。

方法:縦断研究計画はみかけの有病率を推定し、真の有病率はベイズ分析を用いて推定した。入れ子にした症例対照研究により危険因子を評価した。生存解析にはカプランメイヤー生存曲線法と多変量Cox比例ハザード回帰モデルを用いた。

結果:CKDのみかけの有病率は0.21%(95%信頼区間:0.19-0.24%)であり、真の有病率は0.37%(95%事後信用区間:0.02-1.44%)であった。有意な危険因子には年齢の増加、被保険、特定の犬種(コッカースパニエル、キャバリアキングチャールズスパニエル)が含まれた。心疾患は有意な併存疾患であった。有意な臨床徴候は口臭、体重減少、多飲/多尿、尿失禁、嘔吐、食欲低下、不活発、下痢が含まれた。診断からの中央生存期間は226日(95%信頼区間 112-326日)であった。診断時の国際腎臓学会(IRIS)ステージと血中尿窒素濃度はCKDによる死亡の危険性と有意に相関した。

結論と臨床的重要性
:慢性腎臓病は犬の福祉を損なう。CKDの危険因子への意識の高まりと生存期間と血液化学検査との関連は、診断を容易にし、動物の生存期間と福祉を改善するために症例の管理を最適化すべきである。
 

Pelander, L., et al.
"Incidence of and mortality from kidney disease in over 600,000 insured Swedish dogs." 
Veterinary Record 176.25 (2015): 656.

PubMedリンク PMID:25940343
本文:google scholar経由で入手可能(全文

タイトル
:スウェーデンの被保険の犬60万頭以上における腎疾患の発生率とそれによる死亡率

==アブストラクト===
  腎疾患は犬の罹患率と死亡率の重要な原因である。犬の集団における腎疾患の疫学に関する知見は価値があり、大規模な疫学研究が必要である。この研究の目的は保険データを使用し、スウェーデンの犬の集団における腎臓関連の罹患率と死亡率を推定することである。
 
 1995年から2006年の間の非保険の犬に関する保険会社のデータを回顧的に調査した。発生率と死亡率は犬の集団全体で計算し、性別と品種によって分類もされた。獣医介護非保険の犬の総数は665,245頭であった。この集団における腎疾患の発生率は15.8(15.3016.2)頭/1000犬-年(訳者注:1年間に1000頭中15.8頭という意味)であった。生命保険の非保険犬の数は548,346頭であり、この集団では腎疾患に関連した死亡率は9.7(9.3-10.2)頭/1000犬-年 であった。腎疾患の発生率が最も高い3つの犬種は、バーニーズマウンテンドッグ、ミニチュアシュナウザー、ボクサーであった。腎疾患による死亡が最も多かった3つの犬種はバーニーズマウンテンドッグ、シェットランドシープドッグ、フラットコーテッドレトリバーであった。
 
 結論として、犬の腎疾患に焦点をあてたこの研究による疫学的情報は、将来の調査に重要な情報を提供するだろう。

Babyak, J. M., et al.
"Prevalence of Elevated Serum Creatinine Concentration in Dogs Presenting to a Veterinary Academic Medical Center (2010–2014)." 
Journal of veterinary internal medicine 31.6 (2017): 1757-1764.

PubMedリンク PMID:2881088
本文:無料公開あり (PDF

タイトル:獣医大学医療センターに来院した犬における血清クレアチニン濃度の上昇の有病率(2010-2014)

==アブストラクト===
背景:犬の腎疾患の疫学は広く記述されていない。

仮説/目的:犬の血清クレアチニン上昇の有病率をよりよく理解すること。 

動物:家庭飼育の犬

方法:回顧的な観察横断研究のデザインを用いた。2010年10月から2014年10月までに来院した全ての犬について、115,631の来院のデータセットを作成した。血清クレアチニンの上昇を>1.6mg/dlと定義して、評価した犬の中での有病率とリスクを推定した。

結果
:115.631の来院のうち、98,693が外来であり、16,938が入院であった。外来患者のうち、9,983(10.1%)で血清クレアチニンの評価を行なっており(4,423(44.3%)が初診)、一方、入院患者では12,228(60.0%)が少なくとも1回の血清クレアチニンの評価を行なっていた(7,731(75.6%)が初回入院)。評価を行なったすべての犬における血清クレアチニン濃度上昇の有病率は11.5%(95%信頼区間(CI) 11.0-11.9%)であり、入院患者の10.2%(95%CI 9.6-10.8%)、外来患者の12.9%(95%CI 12.1-13.8%)であった。測定された集団リスクを比較すると、血清クレアチニン濃度上昇の相対リスク(RR)は、老齢犬で有意に高く(外来患者 RR 1.45[95%CI 1.23-1.70]、入院患者 RR 1.43[95%CI 1.16-1.76])、若い犬で低かった(外来患者 RR 0.39[95%CI 0.26-0.59]、入院患者 RR 0.44[95%CI 0.32-0.62])。

結論と臨床的重要性
:検査評価を選出すると、 腎障害があり大学病院に来院した犬の割合は、過去の報告と比較して高く、それは病気の犬の割合を反映しているかもしれない。


==訳者コメント===
母集団が二次診療の患者(そもそも病気のある患者が多い)ということと、この研究ではクレアチニンの上昇の有病率であってCKDやAKIなど様々な病因が混ざっていることに注意します。

O'neill, D. G., et al.
"Urinary incontinence in bitches under primary veterinary care in England: prevalence and risk factors." 
Journal of Small Animal Practice 58.12 (2017): 685-693.

PubMedリンク
本文:無料公開なし

タイトル: 英国の一次動物病院における雌犬の尿失禁:有病率と危険因子

==アブストラクト===
目的
:英国の一次動物病院における雌犬の尿失禁の有病率と人口統計的危険因子を推定すること。

方法
: 調査集団には、2009年9月1日から2013年7月7日まで、VetCompassデータベースのすべての雌犬を含めた。電子患者記録を尿失禁症例について検索し、さらに人口統計情報と臨床情報を抽出した。

結果
: 英国の119の診療所に通う100,397頭の雌犬のうち、3108頭が尿失禁と診断された。尿失禁の有病率は3.14%(95%信頼区間:2.97-3.33)であった。内科治療は45.6%の症例に処方された。好発犬種はアイリッシュセッター(オッズ比:8.09, 95%信頼区間3.15-20.80, P<0.001)とドーベルマン(オッズ比:7.98, 95%信頼区間4.38-14.54, P<0.001)であった。尿失禁の診断のオッズの増加は以下と関連していた
(1)体重が犬種の成犬平均体重以上であること(
オッズ比:1.31, 95%信頼区間1.12-1.54, P<0.001)
(2)年齢が9−12歳(オッズ比:3.86, 95%信頼区間2.86-5.20, P<0.001)
(3)中性化状態(オッズ比:2.23, 95%信頼区間1.52-3.25, P<0.001)
(4)被保険者であること(オッズ比:1.59, 95%信頼区間1.34-1.88, P<0.001)

臨床的なインパクト
:尿失禁は雌全体の3%以上が罹患するが、アイリッシュセッター、ドーベルマン、ベアデッドコリー、ラフコリー、ダルメシアンを含む高リスク犬種では15%以上が罹患する。これらの結果は、特に高リスクの犬種において臨床家が中性化や体重管理に関する臨床的な推奨を強化するための根拠を提供する。
 

De Decker, Steven, Anne-Sophie Warner, and Holger A. Volk.
"Prevalence and breed predisposition for thoracolumbar intervertebral disc disease in cats." 
Journal of feline medicine and surgery 19.4 (2017): 419-423.

PubMedリンク
本文:無料公開なし

タイトル
:猫の胸腰部椎間板疾患の有病率と好発品種

==アブストラクト===
目的
:猫の胸腰部椎間板疾患について有病率と可能性のある好発品種を調べること。

方法
:2008年1月から2014年8月の間に胸腰部椎間板疾患と診断した猫の医療記録と画像検査を回顧的に再調査し、一般の病院での集団と比較した。椎間板疾患のタイプ(例えば、椎間板脱出または椎間板突出)と品種、年齢、性別、臨床症状の期間と重症度との関連についても調査した。

結果
:研究期間に12,900頭の猫が来院し、そのうち31頭(0.24%)が椎間板疾患と診断され、純血種17頭と非純血種14頭が含まれた。来院した全ての純血種のうち、0.52%が胸腰部椎間板疾患と診断された。より具体的には、ブリティッシュショートヘアーの1.29%、  ペルシャの1.83%が椎間板疾患と診断された。一般病院での集団と比較すると、純血種(p=0.0001)、ブリティッシュショートヘアー(p<0.0001)、ペルシャ(p=0.0006)は胸腰部椎間板疾患の有意に好発であった。罹患した純血種の猫は、罹患した非純血種の猫よりも若かった(P-0.02)。椎間板疾患の猫31頭のうち、19頭は椎間板脱出、12頭は椎間板突出と診断された。椎間板脱出の猫は椎間板突出の猫に比べて、臨床徴候の期間が有意に短く(p=0.0002)、より重度の神経学的障害を示した(p=0.04)。

結論と関連性
:胸腰部脊髄障害は猫においては一般的な病態ではないが、ブリティッシュショートヘアーとペルシャでは好発を示した。 これが真の品種素因であるか、純血種の飼い主が高度な画像診断への紹介を求める傾向が高いのかは、現段階では不明である。 

↑このページのトップヘ