ねころんで探せる小動物医療のジャーナルクラブ

小動物臨床の獣医師が、臨床に役立ちそうな論文情報をちょっとづつアップします。ねころんでいても論文検索ができればいいなと。

カテゴリ: 代謝

Xenoulis, Panagiotis G., et al.
"Effect of a low‐fat diet on serum triglyceride and cholesterol concentrations and lipoprotein profiles in Miniature Schnauzers with hypertriglyceridemia."
 
Journal of Veterinary Internal Medicine (2020).

PubMedリンク PMID:33022097
本文:無料公開あり(全文

タイトル:高脂血症のあるミニチュア・シュナウザー における低脂肪食が血清トリグリセリドおよびコレステロール濃度に与える影響

==アブストラクト===
背景:高脂血症はミニチュア・シュナウザー で一般的である。高脂血症の食事管理は重要であるが、それに関する研究は入手できない。

仮説/目的:高脂血症のあるミニチュア・シュナウザー において市販されている低脂肪食が血清トリグリセリドとコレステロール濃度、およびリポ蛋白プロファイルに与える影響を調べること。

動物:高脂血症のあるミニチュア・シュナウザー 16頭、高脂血症のないミニチュア・シュナウザー 28頭。

方法:前向き臨床研究。高脂血症のあるミニチュア・シュナウザー から4つの血液サンプルを収集した(食事変更の1-2ヶ月前、1日前、低脂肪食開始後の2ヶ月後、3ヶ月後)。

結果
:食事変更後の2つのサンプルの血清トリグリセリド濃度(サンプル3;中央値177mg/dl 範囲48-498、サンプル4;中央値168mg/dl、範囲77-745)は、食事変更前(サンプル1;中央値480mg/dl 範囲181-1320、サンプル2;中央値498mg/dl、範囲114-1395)よりも有意に低かった(p<0.001)。食事変更後の2つのサンプルの血清コレステロール濃度(サンプル3;平均257mg/dl 標準偏差(SD)82.2、サンプル4;平均178mg/dl、SD 87.4)も、食事変更前(サンプル1;平均381mg/dl 標準偏差(SD)146.1、サンプル4;平均380mg/dl、SD 134.7)よりも有意に低かった(p<0.001)。食事変更前には、高脂血症のミニチュア・シュナウザー の15/16(94%)がリポ蛋白プロファイルだけをもとに高脂血症に分類されていた。食事変更後には、リポ蛋白プロファイルをもとにした高脂血症の分類は、有意にに少なくなった(7/16[44%]、オッズ比19.3、95%信頼区間2.0-184.0、p=0.006)。

結論と臨床的意義:研究食は高脂血症のあるミニチュア・シュナウザー の血清トリグリセリドとコレステロール濃度を減少させ、リポ蛋白プロファイルを修正するのに有効であった。

[企業関与]ロイヤルカナンが試験食を提供

Tan, A. W. K., S. E. Epstein, and K. Hopper.
"Period prevalence and mortality rates associated with hypocholesterolaemia in dogs and cats: 1,375 cases." 
Journal of Small Animal Practice.

PubMedリンク PMID:32767372
本文:無料公開なし

タイトル:犬と猫の低コレステロール血症に関する期間有病率と死亡率

==アブストラクト=== 
目的:大学の教育病院における犬と猫の低コレステロール血症血症の期間有病率と関連した死亡率を調べること。 2番目の目的は低コレステロール血症の疾患プロセスを同定すること。

方法:5年間の医療記録を再調査し、低コレステロール血症の重症度と関連する死亡率を調べた。さらに中程度から重度の低コレステロール血症(犬 <2.59mmol/L、猫 <1.81mmol/L)の動物の医療記録の分析を行った。入院が必要とする低コレステロール血症の動物を同定した。

結果:コレステロールの測定を少なくとも1回行った犬16,977頭、猫3,788頭の中で、低コレステロール血症の期間有病率は犬で7.0%、猫で4.7%であった。低コレステロール血症のある犬と猫の死亡率はともに12%であり、血清コレステロールが正常な動物よりも明らかに高かった。低コレステロール血症の程度は死亡と有意に関連した。入院を必要とする低コレステロール血症の犬では、低コレステロール血症で来院した犬よりも死亡率が高かったが、猫ではそうではなかった。犬も猫も、肝臓疾患、消化器疾患、およびリンパ細網系疾患は低コレステロール血症と最も多く関連し、感染性および腫瘍性疾患が最も多く関連する病態生理学的プロセスであった。腫瘍んもある犬ではリンパ腫が多くみられた。

臨床的意義
:低コレステロール血症は頻繁にみられる異常ではないが、この研究では死亡との関連が示されており、負の予後因子である可能性がある。低コレステロール血症が単に疾患の重症度のマーカーであるだけなのか、予後不良に寄与する生理学的効果をもっているのかどうかは不明である。
 

Brauer, Christina, Melanie Jambroszyk, and Andrea Tipold.
"Metabolic and toxic causes of canine seizure disorders: a retrospective study of 96 cases." 
The Veterinary Journal 187.2 (2011): 272-275.

PubMedリンク PMID:19939714
本文:無料公開なし

タイトル:代謝および中毒を原因とする
犬の発作障害;96症例の回顧的研究

==アブストラクト=== 
 多種多様な中毒と異常な代謝障害は、犬の反応性発作を引き起こす可能性がある。発作障害に罹患した犬(n=877)の患者記録を再調査し、
96症例代謝性または中毒性の病因の基礎と関連していた。これらには、様々な薬剤による中毒、低血糖、電解質異常、肝性脳症、甲状腺機能低下症、尿毒症性脳症、低酸素血症、および高血糖が含まれていた。基礎疾患の有病率を決定した。反応性発作の最も一般的な原因は、中毒(39%;37頭)と低血糖(32%;31頭)であった。低カルシウム血症は、反応性発作を起こす最も頻繁な電解質異常(5%)であり、この5頭全てでイオン化カルシウムが≦0.69mmol/Lであった。発作のある犬の11%で代謝性障害または中毒性障害をもっており、この高い頻度は、正しい診断にたどり着き適切な治療オプションを選択するために、発作で来院した患者における臨床精密検査の重要性を強調している。

Xenoulis, Panagiotis G., et al.
"Investigation of hypertriglyceridemia in healthy Miniature Schnauzers." 
Journal of veterinary internal medicine 21.6 (2007): 1224-1230.

PubMedリンク PMID:18196730
本文:無料公開あり(全文

タイトル:健康なミニチュア・シュナウザーにおける高トリグリセリド血症の調査

==アブストラクト=== 
背景:特発性高トリグリセリド血症はミニチュア・シュナウザーで報告されている。しかし、ミニチュア・シュナウザーの大きな集団におけるこの疾患の有病率を調査した研究はない。

仮説:高トリグリセリド血症は健康なミニチュア・シュナウザーで一般的である。

動物:健康なミニチュア・シュナウザー192頭と健康な他犬種の犬38頭(対照犬)。

方法:血清トリグリセリドとコレステロール濃度を測定し、ミニチュア・シュナウザーと対照犬のグループで統計的に比較をした。年齢に基づいて犬を分類し、血清トリグリセリド濃度の中央値を年齢のグループ毎に比較した。

結果:ミニチュア・シュナウザー192頭中63頭(32.8%)で血清トリグリセリド濃度が参照範囲を超えていた。対照的に、対照犬では38頭中2頭(5.3%)で血清トリグリセリド濃度が参照範囲を超えていた。ミニチュア・シュナウザーにおける血清トリグリセリド濃度の中央値は73.5mg/dlであり、これは対照グループ(中央値 55mg/dl)と比べて有意い高かった(p=0.0005)。血清コレステロール濃度は、ミニチュア・シュナウザー100頭中9頭(9.0%)と対照犬2頭(5.3%)で参照範囲を超えていた。ミニチュア・シュナウザーにおける血清トリグリセリド濃度の中央値は年齢とともに有意に上昇し(p<0.0001)、血清トリグリセリド濃度と年齢の間には有意な正の相関があった(スピアマン r=0.47;p<0.0001)。ミニチュア・シュナウザーの雄と雌の間には血清トリグリセリド濃度の差はなかった。

結論
:健康なミニチュア・シュナウザーは、健康な他の犬種に比べて、高トリグリセリド血症の有病率が高い。高トリグリセリド血症の有病率と重症度は年齢とともに上昇した。
 

Xenoulis, Panagiotis G., et al.
"Association between serum triglyceride and canine pancreatic lipase immunoreactivity concentrations in miniature schnauzers." 
Journal of the American animal hospital Association 46.4 (2010): 229-234.

PubMedリンク PMID:20610694
本文:無料公開なし

タイトル
:ミニチュア・シュナウザーにおける血清トリグリセリドと犬膵リパーゼ免疫活性濃度との関連

==アブストラクト=== 
この研究の目的は、ミニチュア・シュナウザーにおける血清トリグリセリドと犬
膵リパーゼ免疫活性(cPLI)濃度との潜在的な可能性を調べることである。

195頭のミニチュア・シュナウザーが登録され、正常(グループ1)か、血清トリグリセリド濃度の上昇がある(グループ2)かをもとに、2つのグループに分けられた。血清cPLI濃度を測定し、グループ間で比較した。有意な正の相関が血清トリグリセリド濃度とcPLI濃度の間にみられた(スピアマン r=0.321、p<0.0001)。高トリグリセリド血症のあるミニチュア・シュナウザーでは、正常なトリグリセリド濃度のミニチュア・シュナウザーよりも、血清cPLI濃度の中央値が有意に高かった(99.5μg/L vs 39.3μg/L;p=0.0001)。受信者操作特性解析に基づき、血清トリグリセリド濃度に対するカットオフ値として862mg/dlが選ばれた。重度の高トリグリセリド血症(≧862
μg/L)のあるミニチュア・シュナウザーは、血清トリグリセリド濃度が正常なミニチュア・シュナウザーに比べて、膵炎に一致する血清cPLI濃度(≧200μg/L)である可能性が4.5倍高かった。

この研究は、ミニチュア・シュナウザーにおける高トリグリセリド血症(特に
≧862μg/Lの重度)と高cPLI濃度が関連することを支持している。
 

Kather, Stefanie, et al.
"Review of cobalamin status and disorders of cobalamin metabolism in dogs."
 
Journal of veterinary internal medicine (2019).

PubMedリンク PMID:31758868
本文:無料公開あり(全文

タイトル:犬におけるコバラミン状態とコバラミン代謝の異常についてのレビュー

==アブストラクト=== 
コバラミン代謝(ビタミンB 12の障害は、小動物医療でますます認識されており、慢性胃腸疾患からコバラミン代謝の遺伝的欠陥までさまざまな原因がある。血清コバラミン濃度の測定は、多くの場合、血清葉酸濃度と組み合わせて、臨床診療の診断検査として日常的に行われている。低コバラミン血症の検出には治療上の意味があるが、犬のコバラミン状態の解釈は困難な場合がある。このレビューの目的は、犬の低コバラミン血症およびコバラミン欠乏症、ノルココバラミン血症、および高コバラミン血症を定義し、既知のコバラミン欠乏状態と犬の好発犬種について記述し、犬のコバラミン状態の評価に重要な異なるバイオマーカーを議論し、低コバラミン血症を伴う犬の治療について議論することだ。 

Violette, Nathaniel P., and Eric C. Ledbetter.
"Lipemic uveitis and its etiologies in dogs: 75 cases."
 
Veterinary ophthalmology(2019).

PubMedリンク PMID:30716194
本文:無料公開なし

タイトル
:脂質性ぶどう膜炎とその病因;犬75症例

==アブストラクト=== 
 目的
:脂質性ぶどう膜炎の犬の臨床的な特徴を記述すること。

動物
:脂質性ぶどう膜炎のある犬75頭(114眼)。

方法
:2008年から2017年の間にコーネル大学眼科部門で検査され脂質性ぶどう膜炎と臨床診断された犬の医療記録を解析した。併発眼疾患、全身疾患、過去の眼科手術を含むシグナルメントと診療症例の側面について記録した。

結果
:脂質性ぶどう膜炎は75頭114眼で診断された。平均年齢(±標準偏差)は9.0(±2.7)歳齢であった。 ミニチュアシュナウザーとヨークシャーテリアは、眼科へ紹介された犬の集団と比較して統計的に好発であった。脂質性のフレアの重症度は様々で、114眼中15眼(13%)で顕著な不透過性のフレアにより幻惑反応の消失がみられた。2頭は食事の不注意のあとに脂質性ぶどう膜炎が発症した。49眼(43%)で併発する眼疾患があり、乾燥性角結膜炎、潰瘍性角膜炎、および白内障が最も多かった。偽水晶体が75/114眼(66%)でみられ、63/114眼(55%)で眼内手術後30日以内に脂質性ぶどう膜炎が発生した。高トリグリセリド血症は検査をした犬55頭中52頭でみられた。全身性疾患は75頭中54頭(72%)でみられ、糖尿病、副腎皮質機能亢進症、および甲状腺機能低下症が、対照集団と比較して統計的に多かった。原発性高脂血症が12頭で診断された。脂質性ぶどう膜炎は、92/110眼(84%)で初回の再評価時に消失しており、完全消失後に6/114眼(5%)で再発した。

結論
:犬における脂質性ぶどう膜炎の発症には、高脂血症とぶどう膜炎の組み合わせが必要なようだ。犬では全身性疾患は一般的に脂質性ぶどう膜炎と関連している。


==訳者コメント===
 
Lipemic uveitis を脂質性ぶどう膜炎と訳しましたが、正確かどうかわかりません。
 

Strickland, Jaimie M., et al.
"Hepatic copper concentrations in 546 dogs (1982–2015)." 
Journal of veterinary internal medicine(2018).

PubMedリンク PMID:30294943
本文:無料公開あり(全文

タイトル:546頭頭の犬の肝臓の銅濃度(1982-2015年)

==アブストラクト===
背景:銅関連性肝炎は犬で認識されることが増えてきており、遺伝的な銅代謝の欠如が環境中の銅の暴露によって悪化させられているという推測が存在する。しかし、銅関連性肝炎のリスクがあると考えられる犬(好発犬種)とリスクがないと考えられる犬(非好発犬種)の両方において、継時的に定量的な肝臓の銅濃度を調べた広範な疫学調査は行われていない。

目的:犬の肝臓銅濃度について調べ、34年間にわたる継時的、頭数統計的、および組織学的な関連について探索すること。

動物:546の保管された肝臓標本。

方法:回顧的研究。ミシガン州大学獣医診断検査所もデータベースを検索し、肝臓の組織学的評価を行なった犬を特定した。組織が保管されていた症例を再調査し、犬種、期間、肝炎の有無、によって分類した。誘導結合プラズマ質量分析法を用いて肝臓銅濃度を決定した。

結果
2009-2015年の期間における非好発犬種と好発犬種の肝臓銅濃度の中央値は101μg/gと313μg/gであり、1982-1988年の間の中央値よりも高かった(それぞれp<0.001)。これらの期間で、肝臓銅濃度が>300μg/gであった犬の割合は、非好発犬種で28%から49%、好発犬種で48%から71%であった。肝炎のある犬における肝臓銅濃度の中央値は、非好発犬種(p=0.004)と好発犬種(p<0.001)の両方で、継時的に3倍増加した。

結論と臨床的重要性
:近年の銅関連性肝炎の頻繁な認識は、継時的な肝臓銅濃度の増加が観察されているためと思われる。重要なことに、その影響は好発犬種に限ったことではない。
 

Kook, Peter Hendrik, C. E. Reusch, and M. Hersberger.
"Prospective long‐term evaluation of parenteral hydroxocobalamin supplementation in juvenile beagles with selective intestinal cobalamin malabsorption (Imerslund‐Gräsbeck syndrome)."
 
Journal of veterinary internal medicine(2018).

PubMedリンク PMID:29572946
本文:無料公開あり(全文

タイトル
:選択的腸管コバラミン吸収不良(Imerslund‐Gräsbeck症候群) のある若いビーグルにおける非経口ヒドロキソコバラミン補充についての前向き長期評価。

==アブストラクト===
背景
:遺伝性の選択的コバラミン吸収不良Imerslund‐Gräsbeck症候群;IGS)のあるビーグルに対する維持治療の前向きな研究は欠如している。われわれの経験では、メチルマロン酸(コバラミン依存性の代謝産物)の測定は、血清コバラミンの測定に比較して、コバラミンの状態をモニターするのにより役立つようである。

目的
: IGSのあるビーグルにおける標準化されたコバラミン補充のスキームを評価すること。我々は、1mgのヒドロキソコバラミンの非経口単回投与は、臨床的および代謝的な寛解を2ヶ月まで維持するものと仮説を立てた。

動物
:遺伝的にIGSと確定された家庭飼育の若いビーグル6頭と、健康な対照犬28頭。

方法
:前向き研究。 毎月のヒドロキソコバラミン(1mg)筋肉注射による補充を、6頭の犬で中央値として9ヶ月間(範囲 6-13)行い、次いで2ヶ月毎の注射を5頭の犬で中央値として6ヶ月間(範囲 3-10)行った。健康状態は、注射日ごとのルーチンの臨床検査と飼い主の観察によって評価した。ヒドロキソコバラミン投与直前に排尿による尿を採取し、ガストログラフィー-タンデム質量分析(GC-MS)法を用いてメチルマロン酸-クレアチニン濃度を測定した。

結果
:毎月および2ヶ月毎のヒドロキソコバラミン補充を受けている間、すべての犬は臨床的に健康であった。健康な犬における尿中メチルマロン酸の結果は、1.3-76.5 mmol/mol クレアチニンの範囲(中央値 2.9)であった。IGSで、毎月の注射を受けている犬 (n=49、5.3 mmol/mol クレアチニン 範囲;2.3-50.4)と、2ヶ月に1回の投与を受けている犬(n=31、5.3 mmol/mol クレアチニン 範囲;1.6-50)の間で、尿中メチルマロン酸の濃度に差はなかった。

結論と臨床的重要性
:毎月もしくは2ヶ月毎のヒドロキソコバラミン1mgの非経口投与の維持は、代謝検査でモニターしたIGSのビーグルにおいては適切であるようだ。
 

==本文から===
はじめにから抜粋
・ヒトではamniolessもしくはcubilin遺伝子のいずれかの変異が、 Imerslund‐Gräsbeck症候群(IGS)として知られる選択的コバラミン吸収不良を引き起こす。
・犬でもヒトのIGSと同等な選択的腸管コバラミン吸収不良が、オーストラリアンシェパード、ビーグル、ボーダーコリー、ジャイアントシュナウザーで述べられている。
・この疾患はまれであるが、罹患犬種における実質的なキャリアーが注目されていおり、地域によっては発生はより一般的である。
・IGSの臨床徴候は通常、胎児期のコバラミンの貯蔵が徐々に減少することで
若齢期に起こる。典型的な臨床徴候は、成長障害、食欲不振、元気消失である。乳児と同様に、犬でも間欠的な発熱、舌炎、アフタ性口内炎、知覚障害などの微妙な臨床徴候を示す可能性がある。

Furrow, E., et al.
"Glomerular lesions in proteinuric miniature Schnauzer dogs."
 
Veterinary pathology 54.3 (2017): 484-489.

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本文:無料公開(PDF

タイトル:尿タンパクのあるミニチュアシュナウザーの糸球体病変

==アブストラクト===
 ミニチュアシュナウザー犬は特発性の高トリグリセリド(TG)血症の素因があり、膵炎や胆嚢粘液嚢腫などの疾患のリスクが高くなる。最近、この犬種でTG濃度の上昇がタンパク尿と関連しているが、どちらの異常が主要なのかを判断するのは困難である。

タンパク尿のあるミニチュアシュナウザーから得られた腎組織の回顧的再調査により、20頭の犬が糸球体房の脂質と一致する浸透圧小胞の微細構造的な証拠を持っていることが明らかなになった。これらの犬のうち7頭は、糸球体の毛細血管ループに脂質血栓塞栓を有しており、それによって形状が歪み、循環する赤血球が圧縮された。TG濃度は7頭中6頭で報告されており、すべてで高TG血症であった。さらに、糸球体リピドーシス(末梢毛細血管ループ内の泡沫細胞の蓄積として定義される)が1頭の犬で同定された。残りの12頭は脂質の量がより少なく、微細構造でのみ同定することができた。シグナルメントのデータも臨床病理学的パラメーター(血清アルブミン、血清クレアチニン、尿タンパク-クレアチニン比、血圧)もいずれも、脂質病変の様々なタイプの間での違いはなかった。この研究の実施期間中に、糸球体脂質血栓塞栓と診断されたのはすべてミニチュアシュナウザーであり、毛細血管ループ内の明瞭なスペースを脂質として認識することの重要性を強調している。
 

Furrow, E., et al.
"Proteinuria and lipoprotein lipase activity in Miniature Schnauzer dogs with and without hypertriglyceridemia." 
The Veterinary Journal 212 (2016): 83-89.

PubMedリンク
本文:無料公開(PDF)

タイトル
:高トリグリセリド血症を伴うおよび伴わないミニチュアシュナウザーにおけるタンパク尿とリポタンパク質リパーゼ活性

==アブストラクト===
ラットにおける自然発生性の高脂血症は糸球体疾患を引き起こす。ミニチュアシュナウザーでは、特発性高トリグリセド(TG)血症が一般的だが、タンパク尿との関連は不明である。 多くの脂質代謝酵素、リポタンパク質リパーゼ、肝臓リパーゼが高脂質血症と蛋白尿との周期的な関係における役割を果たしている可能性がある。これらの酵素はミニチュアシュナウザーにおいて今まで調べられたことがない。この研究の目的はミニチュアシュナウザーにおける高TG血症とタンパク尿の関連を調べ、リポタンパク質リパーゼと肝臓リパーゼの活性をサブグループで調べることである。

57頭のミニチュアシュナウザーが登録された(高TG血症あり34頭、なし23頭)。空腹時血清トリグリセリド濃度と尿タンパク-クレアチニン比(UPC)が全ての犬で測定され、リポタンパク質リパーゼと肝臓リパーゼ活性が17頭の犬(高TG血症あり8頭、なし9頭)で測定された。トリグリセド濃度とUPCの間には強い正の相関(r=0.77-0.83, P<0.001)があった。タンパク尿(UPC≧0.5)は高TG血症のある犬の60%で認められ、高TG血症の犬全てで認められなかった(p<0.001)。尿タンパクのある犬は高窒素血症もしくは低アルブミン血症でもなかった。高TG血症のある犬の65%で、高TG血症のない犬に比較してリポタンパク質リパーセ活性の減少があり(p<0.001);肝臓リパーゼ活性に違いはなかった。

ミニチュアシュナウザーにおける高TG血症と共に起こる尿タンパクは脂質起因性の糸球体障害に夜ものである可能性がある。リポタンパク質リパーゼ活性は高TG血症の重症度に寄与するが、さらなる活性の妥当性評価が必要である。 

Smith, R. E., et al.
"Clinical Consequences of Hypertriglyceridemia‐Associated Proteinuria in Miniature Schnauzers." 
Journal of veterinary internal medicine 31.6 (2017): 1740-1748.

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本文:無料公開(PDF

タイトル:ミニチュアシュナウザーにおける高トリグリセリド血症関連蛋白症の臨床結果

==アブストラクト===
背景:原発性高トリグリセリド(以下TG)血症は高齢のミニチュアシュナウザーで一般的な状態であり、最近では蛋白尿と根底にある糸球体疾患、特に糸球体資質血栓塞栓に関連づけられている。糸球体疾患の結果は、高血圧、血栓塞栓症、心臓疾患を含むことがある。高TG血症関連蛋白尿(HTGP)のあるミニチュアシュナウザーにおける後遺症の発生率は不明である。

目的
高TG血症関連蛋白尿のあるもしくはないミニチュアシュナウザーにおいて、高血圧、アンチトロンビンⅢ活性の減少、心疾患の有病率を調べること。

動物:7歳以上のミニチュアシュナウザー32頭

方法
:前向きの症例-対照研究。CBC、血液化学パネル、尿検査、尿蛋白クレアチニン比、尿コルチゾールクレアチニン比、血清総チロキシン濃度、空腹時血清トリグリセリド濃度、間接血圧、アンチトロンビンⅢ活性、血清心筋トロポニンⅠ濃度、のデータを犬から収集した。高トリグリセリド血症関連蛋白尿のある犬(血清TG濃度≧100mg/dlと尿蛋白クレアチニン比>0.5)の結果は、TG正常で尿蛋白のない犬と、統計的に比較された。

結果
:32頭中18頭(56%)に原発性の高TG血症があった。それらの犬のうち、18頭中8頭で蛋白尿があった。高TG血症関連蛋白尿の犬で高窒素血症もしくは低アルブミン血症のある犬はいなかった。血清アルブミン濃度、アルカリフォスファターゼ活性、コレステロール濃度は、高TG血症関連蛋白尿のない犬に比べて、ある犬で有意に上昇していた。高血圧のリスクの上昇、アンチトロンビンⅢ活性の低下、心疾患はなかった。高TG血症関連蛋白尿の犬8頭から得られた限定的なデータからは、追跡期間中央値18ヶ月の間で低アルブミン血症もしくは高窒素血症の発生は示されなかった。

結論と臨床的重要性高TG血症関連蛋白尿のある高齢のミニチュアシュナウザーは概ね良好な予後である可能性があり、高窒素血症や低アルブミン血症は典型ではない。

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