ねころんで探せる小動物医療のジャーナルクラブ

小動物臨床の獣医師が、臨床に役立ちそうな論文情報をちょっとづつアップします。ねころんでいても論文検索ができればいいなと。

カテゴリ: 皮膚

Hoshino, Tomoya, et al.
"Long‐term follow‐up of a single dose of fluralaner in nine dogs with demodicosis."
 
Veterinary Dermatology (2021).


PubMedリンク PMID:33830579
本文:無料公開なし

タイトル:毛包虫症の犬9頭におけるフルララネルの単回投与の長期フォローアップ

==アブストラクト===
背景:犬の毛包虫症における経口フルララネルの長期フォローアップはこれまで行われていない。

目的:犬の毛包虫症の長期治療(>12ヶ月)としてのフルララネルの有効性に関する多施設前向きオープン試験。

動物:9つの獣医診療所で毛包虫症と診断された家庭飼育犬。

方法:フルララネルの単回の経口投与を行った。二次性の膿皮症の治療としてのシャンプーは許可したが、基礎疾患に対する薬をのぞいて、他の薬剤やシャンプーは禁止した。それぞれの犬は3ヶ月間、徹底的な寄生虫学的および皮膚科学的な評価をうけ、12ヶ月間フォローアップされた。

結果:26頭の犬が登録された。年齢は3ヶ月齢から16歳齢の範囲であった。9頭が若齢犬、17頭が成犬での発症であった。18頭が全身型、8頭が限局型であった。フルララネルの投与により、ダニが100%根絶され、3ヶ月ですべての皮膚病変が完全に消失した。17頭の犬はイソキサゾリンの2回目の投与が必要であったか、フルララネル治療とは関係のない原因で死亡したため、1年間の追跡評価からは除外された。残りの9頭では、どの犬にも再発はみられなかった(成犬発症6頭、若齢犬発症3頭;全身型6頭、限局型3頭)。4頭を1年以上、1頭を2年以上、4頭を3年以上モニターした。

結論と臨床的意義
:フルララネルの単回投与は、基礎疾患の治療と組み合わせることで、長期的な治癒を効果的にもたらすことが示された。

Esumi, Mariko, et al.
"Preliminary evaluation of two bathing methods for the management of Malassezia overgrowth in dogs with atopic dermatitis." 
Veterinary Dermatology (2021).


PubMedリンク PMID:33844368
本文:無料公開なし

タイトル:アトピー性皮膚炎にある犬にいけるマラセチアの過剰増殖の治療として2つの入浴方法に関する予備的評価

==アブストラクト===
背景
:抗真菌性シャンプーは、犬のマラセチア性皮膚炎に対して広く用いられている。マラセチアの過剰増殖を伴うアトピー犬の効果的な入浴方法を評価した研究はほとんどない。

目的
:アトピー犬におけるエモリエント入浴剤(AFLOAT VET)と2%ミコナゾール/2%クロルヘキシジンシャンプー(2% MIC/CHX)の有効性を評価し、健康な犬における両製剤の皮膚バリア機能への影響を評価すること。

動物
:二次性のマラセチア過剰増殖を伴うアトピー犬16頭と健康な犬11頭。

方法
:これはランダム化単一盲検試験である。犬はランダムに、エモリエントによる入浴、または2% MIC/CHのいずれかによる治療、週に2回、4週間うけた。臨床的な評価として、犬アトピー性皮膚炎の程度と重症度指数第4版(CADESI-04)、掻痒視覚アナログスケール(pVAS)、および酵母菌数の細胞学的な評価を、0日目、14日目、28日目に行なった。皮膚バリア機能は、健康な犬でそれぞれの製剤を用いた単一の入浴後に、経皮的水分喪失(TEWL)を測定することで評価した。

結果
:pVASスコアと酵母菌数は、両グループで0日目と比較して28日目で有意に減少した(p<0.05)。CADESI-04は、エモリエント入浴グループで28日目に有意に減少した(p=0.003)。グループ間で、それぞれのエンドポイントのに有意な差はなかった。健康な犬で、TEWLは両製剤の入浴後に有意に増加した(p<0.01)。

結論
:エモリエント入浴製剤は、アトピー性皮膚炎のある犬におけるマラセチアの過剰増殖に対して有効である可能性がある。シャンプー製剤による入浴は、エモリエント製剤を用いたとしても、皮膚バリア機能に影響を与える可能性がある。

Takahashi, Junko, et al.
"Efficacy and safety of 0.0584% hydrocortisone aceponate topical spray and systemic oclacitinib combination therapy in dogs with atopic dermatitis: a randomized, double‐blinded, placebo‐controlled trial."
 
Veterinary dermatology 32.2 (2021): 119-e25.

PubMedリンク PMID:33185330
本文:無料公開なし

タイトル
:アトピー性皮膚炎のある犬における0.0584%ヒドロコルチゾンアセポン酸局所スプレーとオクラシチニブの全身投与の組み合わせの有効性と安全性;ランダム化二重盲検プラセボ対照試験

==アブストラクト===
背景:オクラシチニブはアトピー性皮膚炎の犬における効果的な全身療法である。犬におけるオクラシチニブと局所療法の併用を評価した報告はほとんどない。

目的
:アトピー性皮膚炎の犬におけるオクラシチニブと0.0584%ヒドロコルチゾンアセポン酸(HCA)スプレーの併用療法の有効性と安全性を評価すること。

動物:アトピー性皮膚炎の犬18頭。

方法:この研究はランダム化二重盲検プラセボ対照試験である。すべての犬はオクラシチニブ(0.4-0.6mg/kg bid 14日間、その後 sid 14日間)で治療され、HCAスプレーまたはプラセボスプレーの1日1回7日間、その語28日目まで1日おきの投与に、ランダムに割り付けられた。臨床的な評価として、犬アトピー性皮膚炎の程度と重症度指数 第4販(CADESI-4)と掻痒視覚アナログスケール(PVAS)を7日毎に行い、14日毎に血液検査と尿検査を行った。

結果
CADESI-4とPVASのスコアの平均は、両グループで0日目と比較して7日目と14日目で有意に減少した。14日目から21日目では、CADESI-4とPVASのスコアがCADESI-4で有意に増加したが、HCA治療群では増加しなかった。CADESI-4とPVASのスコアのベースラインからの減少の平均は、プラセボ群に比べて、HCA治療群の方が21日目(27.6% vs 59.9%;p=0.0216)と28日目(30.5% vs 56.0%;p=0.0109)で有意に高かった。HCA治療群の犬の1頭が、下痢を発症して打ち切られた。

結論
0.0584%HCAスプレーの局所療法の適用は、アトピー性皮膚炎のある犬におけるオクラシチニブの漸減の際の痒みと病変の悪化を防ぐのに役立つ可能性がある。

名称未設定.001

Herrmann, Ina, et al.
"Higher prevalence of seizure activity in a small population of atopic dogs: a retrospective breed‐and age‐matched study." 
Veterinary dermatology (2020).


PubMedリンク PMID:33245178
本文:無料公開なし

タイトル:アトピーの犬の小集団における発作の有病率の高さ;回顧的品種年齢調整研究

==アブストラクト===
背景
:アトピー性皮膚炎はヒトでは全身性疾患とみなされており、てんかんとの関連が示されている。しかし、犬においてはてんかんとアトピーの関連についてはこれまでデータがない。

目的
:人と犬のアトピー性皮膚炎の相同性、およびアトピーのヒトにおけるてんかんの有病率の増加を考慮して、犬の小さな集団における発作関連活動とアトピー性皮膚炎の関連性を調査した。

動物
:アトピーの犬34頭と品種と年齢の範囲を調整したアトピーではない犬34頭。

方法
:犬のアトピー性皮膚炎と発作徴候との関連を、回顧的、品種-年齢調整、症例対照研究によって調査した。犬の飼い主には標準化されたアンケートによって質問した。発作徴候の有無と、併発疾患の可能性について質問した。

結果
:アトピー性皮膚炎の犬34頭中7頭が発作に罹患していた。一方、アトピーのない犬34頭中1頭だけで発作の徴候が同定された。年齢と品種を調整したアトピーではない犬の対照グループと比較して、アトピー性皮膚炎は発作の高い頻度と関連しており(McNemar test、p=0.035;片側)、アトピーの犬は発作を起こすオッズ比が高かった(7;95%信頼区間 0.9-56.9)。他の併発疾患は検出されなかった。

結論と臨床的意義
:この小規模な回顧的研究では、アトピーの犬の集団では発作徴候の有病率は高く観察された。これらの結果を確認するためには、大規模な前向き研究が必要である。

DeMarle, Karah Burns, et al.
"Approach to the Diagnosis of Hepatocutaneous Syndrome in Dogs: A Retrospective Study and Literature Review." 
Journal of the American Animal Hospital Association 57.1 (2021): 15-25.


PubMedリンク PMID:33260213
本文:無料公開なし

タイトル:犬の肝皮症候群の診断アプローチ;回顧的研究と文献レビュー

==アブストラクト===
表在性壊死性皮膚炎はまれであり、膵臓神経内分泌腫瘍および肝皮症候群と関連した犬のまれでしばしば致死的な疾患である。表在性壊死性皮膚炎のこれら2つの原因を鑑別するために診断にはさまざまな組み合わせが用いられてきたが、肝皮症候群を診断するために最もタイムリーで非侵襲的な方法を可能にする組み合わせに関するデータはない。

2004-2018年の医療記録を回顧的にレビューし、
表在性壊死性皮膚炎/肝皮症候群の犬(n=24)と表在性壊死性皮膚炎/神経内分泌腫瘍の犬(n=1)を調べた。これらのデータを文献上の表在性壊死性皮膚炎/肝皮症候群の犬(n=105)と表在性壊死性皮膚炎/膵臓神経内分泌腫瘍の犬(n=13)と比べた。表在性壊死性皮膚炎と最も一致した所見は、肉球または粘膜皮膚移行部の皮膚病変(143/143;100%)と顕著な血漿低アミノ酸血症(58/58;100%)であった。超音波検査では、蜂の巣状の肝臓が、表在性壊死性皮膚炎/肝皮症候群の犬の62/63頭(98%)でみられたが、表在性壊死性皮膚炎/膵臓神経内分泌腫瘍の犬ではみられなかった。回顧的研究における表在性壊死性皮膚炎の犬23頭中6頭で、糖尿病に関連する所見であるケラチノサイトアポトーシスがみられた。

この研究により、特徴的な皮膚病変をもつ犬において、アミノ酸プロファイルが表在性壊死性皮膚炎の非侵襲的診断を可能にすることを示唆された。腹部超音波検査は、
表在性壊死性皮膚炎/肝皮症候群と表在性壊死性皮膚炎/神経内分泌腫瘍の鑑別において役に立つ可能性がある。

Lancellotti, Brittany A., et al.
"Age-and breed-matched retrospective cohort study of malignancies and benign skin masses in 660 dogs with allergic dermatitis treated long-term with versus without oclacitinib."
 
Journal of the American Veterinary Medical Association 257.5 (2020): 507-516.


PubMedリンク PMID:3
2808904
本文:無料公開なし

タイトル:アレルギー性皮膚炎がありオクラシチニブの長期治療を行った犬と行っていない犬660頭における悪性腫瘍と良性皮膚腫瘤に関する年齢および品種調整した後ろ向きコホート研究

==アブストラクト===
目的
アレルギー性皮膚炎がありオクラシチニブの長期治療を行った犬と行っていない犬において、悪性腫瘍と良性皮膚腫瘤の累積発生率、死亡または安楽死の平均年齢を比較すること。

動物:家庭飼育犬660頭。

方法:医療記録を検索し、アレルギー性皮膚炎を6ヶ月以上オクラシチニブで治療(曝露群 n=339)およびオクラシチニブ導入前に他の利用可能な治療(非曝露群 n=321)を行い、24ヶ月以上の追跡情報が利用可能な犬を同定した。非曝露群の犬は、曝露群の犬321頭と年齢および品種を一致させた。残りの18頭の曝露群の犬も統計解析に含めた。両群間で、悪性腫瘍の累積発生と他の項目の結果を比較し、オクラシチニブの維持投与日量が、悪性腫瘍とその他の皮膚腫瘤の累積発生に与える影響を、曝露群内で評価した。

結果
:悪性腫瘍または全体の皮膚腫瘤の累積発生、および死亡または安楽死の平均年齢において曝露群(16.5%[56/339]、56.6%[192/339]、11.2歳齢[n=80])と非曝露群(12.8%[41/321]、58.3%[187/321]、11.8歳齢[n=71])の間に意味のある差は検出されなかった。暴露群の犬におけるオクラシチニブの維持投与日量と、悪性腫瘍または良性の皮膚腫瘤のオッズとの間に関連はみられなかった。

結論
:結果により、オクラシチニブによる長期治療は犬の悪性腫瘍のリスクを増加させないことがしめされた。しかし、獣医師は引き続きオクラシチニブに関するFDA承認のラベル警告および注意事項を遵守し、オクラシチニブの有無にかかわらず治療されたアレルギー性皮膚炎の犬における腫瘍を定期的にスクリーニングすべきである。


利益相反
:著者の中にゾエティス社からの利益享受している人が複数あり


==訳者コメント===
有意差がないとしても、オクラシチニブのほうが悪性腫瘍の発生はやや多いようにみえます。
またそもそも非オクラシチニブ群でもシクロスポリンをはじめとして様々は薬が使われており、こちらの群でも通常よりも悪性腫瘍の発生が多い可能も考えられます。

Diamond, Jacquelyn C., et al.
"A small scale study to evaluate the efficacy of microneedling in the presence or absence of platelet‐rich plasma in the treatment of post‐clipping alopecia in dogs." 
Veterinary Dermatology 31.3 (2020): 214-e45.

PubMedリンク PMID:31797483
本文:無料公開なし

タイトル:犬の毛刈り後脱毛症の治療における多血小板血漿がある場合とない場合とのマイクロニードリング

==アブストラクト===
背景
:毛刈り後脱毛症(post-clipping alopecia)はしばしば、治療に対する臨床的な反応が悪く、長引いた脱毛症は飼い主の不安のもとになることがある。ヒトと犬ではマイクロニードリング装置による表層の微小な傷が毛包の機械的な刺激を誘導し、毛髪の再生を促す結果となる。ヒトの研究では、マイクロニードリングと多血小板血漿(PRP)の併用が、マイクロニードリング単独よりも髪のより早い再生とより良いクオリティを導くことが示唆されている。

仮説
:PRPを併用したマイクロニードリングは、毛のより早い再生とより良い質をもたらすだろう。

動物
:毛刈り後脱毛症と診断された4頭の無関係な家庭飼育犬。

結果
:これは前向き研究である。罹患部位は半分に分割され、片方はマイクロニードリング単独で治療し、もう片方はマイクロニードリングとPRPの併用で治療した。毛の再生は、1、3、6、12ヶ月で発毛評価スケールをもちいて獣医師と飼い主によって評価された。

結果
:3ヶ月ですべての犬が改善し、3頭はマイクロニードリング+PRPの側でより強い発毛を示した。3頭では両側で類似した反応を示し、6ヶ月で76-100%改善して、12ヶ月後にも変わらなかった。1頭は6ヶ月後の改善が<26%であったが、12ヶ月後までに>50%の再生がみられた。サンプルサイズが小さいため統計解析はできなかった。

結論と臨床的意義
:毛刈り後脱毛症のある犬において、マイクロニードリング+PRP療法は、マイクロニードリング単独よりもより早い毛の再生を促すようである。しかし、全体的な結果としては、方法にかかわらず6ヶ月で目に見えて同等であった。マイクロニードリング単独と、マイクロニードリング+PRPの併用の両方が犬の毛刈り後脱毛の治療に成功したことが示された。

Hall-Fonte, Deborah L., et al.
"Hepatocutaneous syndrome in Shih Tzus: 31 cases (1996–2014)." 
Journal of the American Veterinary Medical Association 248.7 (2016): 802-813.

PubMedリンク PMID:27003022
本文:無料公開なし

タイトル:シーズーの肝皮膚症候群;31症例(1996-2014)

==アブストラクト=== 
目的:肝皮膚症候群に一致する進行性の表在性壊死性皮膚炎と変性性空胞性肝障害のあるシーズーにおける所見の特徴を調べること。

デザイン;回顧的症例シリーズ。

動物:シーズー31頭。

方法:医療記録を再調査し、シグナルメント、病歴、治療、転帰、および臨床病理検査、腹部超音波検査、および肝臓と皮膚標本の組織学的検査の結果についての情報を収集した。家系解析を行った。

結果:雄16頭、雌15頭だった。診断時の年齢の中央値は8歳齢(範囲 5-14歳齢)であった。一般的な臨床徴候として、元気消失、食欲低下、体重減少、跛行がみられた。 25頭で肝皮膚症候群に一致する皮膚病変があり、のこりの6頭は最初は肝臓の異常だけだったが、6頭中3頭でその後に皮膚病変が出現した。一般的な臨床病理学的異常には、小赤血球症(15/24頭 63%)と血清ALP活性の上昇(24/24頭 100%)がみられた。肝臓の超音波検査所見として、無数の低エコー結節を伴う高エコー性または混合エコー性の実質がみられた。組織学的な肝臓の病変は、最小限の線維性から非線維性、非炎症性、増殖性結節に関連した変性性空胞性(グリコーゲンおよび脂質)肝障害によって構成されていた。家系解析では、18頭12頭に共通の祖先が確認された。中央生存期間は3ヶ月(範囲 1-36ヶ月)であった。

結論と臨床的意義
:この結果は、肝皮膚症候群はシーズーで遺伝性の構成要素はある可能性を示唆しているが、シーズーでは罹患した血縁がなくても特定される可能性がある。シーズー臨床的、臨床病理学的、超音波検査、および組織学的な異常は、肝皮膚症候群の他の犬種で以前に報告されたものと同様であった。
 

Noli, Chiara, Irina Matricoti, and Carlo Schievano.
"A double‐blinded, randomized, methylprednisolone‐controlled study on the efficacy of oclacitinib in the management of pruritus in cats with nonflea nonfood‐induced hypersensitivity dermatitis." 
Veterinary dermatology 30.2 (2019): 110-e30.

PubMedリンク PMID:30656750
本文:無料公開なし

タイトル:非ノミ非食事誘発性過敏性皮膚炎の猫の痒みの管理におけるオクラシチニブの有効性についての二重盲検ランダム化メチルプレドニゾロン対照試験

==アブストラクト=== 
背景:オクラシチニブは、猫のインターロイキン31に誘発される痒みを減少させるヤヌスキナーゼ阻害薬である。0.4-0.6mg/kg 経口投与で、アレルギー猫の50%まで、痒みと皮膚病変を減少させる。

仮説/目的
: 猫の非ノミ非食事誘発性過敏性皮膚炎におけるオクラシチニブ有効性と安全性を評価すること。

動物
非ノミ非食事誘発性過敏性皮膚炎の猫40頭。

方法:猫はランダムにオクラシチニブ投与(グループA, 20頭, 0.7-1.2mg/kg)またはメチルプレドニゾロン(グループB, 20頭, 0.5-1mg/kg)に割り振られ、28日間1日2回の経口投与をおこなった。1日目と28日目に、スコアリングネコアレルギー性皮膚炎(SCORFAD)スケールを用いて病変を評価し、飼い主は視覚アナログスケールと生活の質(QoL)アンケートを用いて痒みを評価した。結果は一般線型混合モデルを用いて解析した(p<0.05)。1日目と28日目に血液化学分析を行った。

結果
:両方のグループで全てのパラメータが有意に改善し、いずれの時点でも差はなかった。グループAでは、SCORFADで平均61%、痒みの視覚アナログスケールで54%改善し、一方、グループBでは69%、67%の改善がみられた。グループAの70%、グループBの75%で、視覚アナログスケールで50%以上の痒みの減少を達成し、SCORFADでは60%、80%で達成された。グループAでは5頭、グループBでは3頭の、治療無反応の猫がみられた。QoLスコアは両グループで改善した(25%、21%)。グループAの14頭中4頭で、腎機能検査で軽度な上昇がみられ、グループBの12頭中3頭でALTの上昇がみられた。

結論と臨床的意義
:オクラシチニブは、非ノミ非食事誘発性過敏性皮膚炎の猫における痒みと病変の治療に有効なようであるが、メチルプレドニゾロンの方がより優れているようだ。
 
 ビジアブ)猫のオクラシチニブ.001

Bruet, Vincent, et al.
"Characterization of pruritus in canine atopic dermatitis, flea bite hypersensitivity and flea infestation and its role in diagnosis." 
Veterinary dermatology 23.6 (2012): 487-e93.

PubMedリンク PMID:23013416
本文:無料公開なし

タイトル:イヌアトピー性皮膚炎、ノミ咬傷過敏症、およびノミ寄生における掻痒の特徴と、診断におけるその役割

==アブストラクト===
背景:犬において、ノミ寄生、ノミ咬傷過敏症、およびイヌアトピー性皮膚炎は、その病変によって主に特徴付けられてきたが、その痒みによる特徴づけはいまだされていない。臨床では、これらの犬は主に掻痒のみを示す。

仮説/目的:この研究の目的は、これらの皮膚疾患における痒みの特徴と、診断における潜在的な有用性を明らかにすることである。

動物:オニリスの診療データから選出あsれた犬が組み入れられた。3つの皮膚疾患のうちの1つのみ診断された犬で症例を選出した。イヌアトピー性皮膚炎はPrelaud's基準とノミ以外の皮内検陽性にもとづいて診断し、ノミ咬傷過敏症は臨床徴候の一致とノミ抗原の皮内検査の反応に基づいて診断し、ノミ寄生はノミの存在によって診断した。さらに、各グループで他の主要な掻痒性皮膚疾患が除外された。

方法:部位、行動徴候、季節性、および定量化された掻痒、が評価された。統計学的解析にはカイ二乗検定(p<0.05)を用いた。

結果:349頭の犬が解析され、91頭がイヌアトピー性皮膚炎、110頭がノミ寄生、145頭がノミ咬傷過敏症であった。発症の時期(季節)は、それぞれの皮膚疾患においても、また疾患の間においても、いずれも統計学的な差はなかった。いくつかの部位がひとつの皮膚疾患に対して特異度が高かった;ノミ寄生では、腹部腹側/大腿の内側表面(噛む)および橈骨/手根/脛骨/足根(噛む);ノミ咬傷過敏症では背部/腰背部(噛む)および尾(噛む);イヌアトピー性皮膚炎では肢(噛む/舐める)および顔/首(こする)。

結論と臨床的重要性
:掻痒の特徴のいくつかは、原因疾患を示唆する可能性があり、痒みのある犬において診断的価値となる可能性がある。


Stetina, Kacie M., Stanley L. Marks, and Craig E. Griffin.
"Owner assessment of pruritus and gastrointestinal signs in apparently healthy dogs with no history of cutaneous or noncutaneous disease."
 
Veterinary dermatology 26.4 (2015): 246-e54.

PubMedリンク PMID:26178605
本文:無料公開なし

タイトル:皮膚疾患および非皮膚疾患の病歴のない健康にみえる犬における掻痒と胃腸徴候の飼い主評価

==アブストラクト===
背景:掻痒の原因を特定することは、異常な痒みのパターンを特定することにかかっている。胃腸疾患の存在もまた、掻痒の原因を特定するのに役立つ。明らかに健康な犬における典型的な胃腸徴候と痒み行動について体系的に評価した研究はない。

仮説/目的:明らかに健康な犬における掻痒と胃腸徴候の飼い主の認識について調べ、それらの徴候に年齢、品種、活動性、食事、またはサプリメント、が影響を与えているかどうかを決定すること。

動物:身体検査で特異所見がなく、掻痒、外耳炎、皮膚/被毛疾患、代謝性疾患、または消化器疾患の病歴がない12歳以上の見た目上健康な犬314頭を登録した。

方法:31人の獣医師が、掻痒性視覚アナログスケール(PVAS)と糞便硬さスコア(FCS)を確立したあとに犬を登録した;飼い主は胃腸徴候、潜在的な痒み行動、耳洗浄およびくしゃみに関する総合的なオンライン調査に答えた。

結果
: 掻痒性視覚アナログスケールスコアは87.6%の犬で1.9以下であり、糞便硬さスコアは94.9%の犬で2-3であった。掻痒性視覚アナログスケールは足舐め/足噛み、顔/マズルの擦り、頭部の振り、およびくしゃみと、正の相関を示した。scootingはくしゃみと正の相関を示した。犬の96%以上が、1日1-3回の腸管運動を示した。年齢は、顔/マズルの擦り、くしゃみ、食糞症、腹鳴と正の相関を示した。1日あたりの歩行回数は、足舐め/足噛み、頭の振り、くしゃみ、1日の腸管運動の回数、食糞症、げっぷ、鼓腸、および腹鳴、と正の相関を示した。

結論と臨床的意義
:関連する質問に関する標準的な方法が開発され、健康にみえる犬における胃腸徴候と掻痒を示唆し得る多くの行動の頻度が明らかとなった。
 

Hall-Fonte, Deborah L., et al.
"Hepatocutaneous syndrome in Shih Tzus: 31 cases (1996–2014)." 
Journal of the American Veterinary Medical Association 248.7 (2016): 802-813.

PubMedリンク PMID:27003022
本文:無料公開なし

タイトル:シーズーの肝皮症候群 31症例(1996-2014年)

==アブストラクト===
目的:肝皮症候群に一致する進行性の表在性壊死性皮膚炎と空胞性変性性肝障害のあるシーズーにおける所見の特徴を調べること。

研究デザイン:回顧的症例シリーズ。

動物
:シーズー31頭。

方法:医療記録を再調査し、シグナルメント、病歴、治療、転帰、および臨床病理検査、腹部超音波検査、皮膚と肝臓標本の組織学的検査の結果についての情報を収集した。家系分析を行った。

結果:雄16頭、雌15頭であった。診断時の年齢の中央値は8歳齢(範囲 5-14歳齢)であった。よくみられる臨床徴候は元気消失、体重減少、跛行であった。25頭の犬に肝皮症候群に一致する皮膚病変がみられた。6頭では最初は最初は肝臓の異常だけがみられたが、6頭中3頭でその後に皮膚病変が発症した。よくみられた臨床病理学的異常には、小赤血球症(15/24頭[63%])、アルカリフォスファターゼの高値(24/24頭[100%])があった。肝臓の超音波検査所見として、無数の低エコー結節を伴う肝臓実質の高エコーまたは混合エコー所見がみられた。組織学的な肝臓病変は、線維化がわすかから無く、非炎症性で、増殖性結節に関連した空胞変性(グリコーゲンと脂肪)肝障害に一致していた。家系解析では、18頭中12頭で共通の祖先が確認された。中央生存期間は3ヶ月(範囲 1-36ヶ月)であった。

結論と臨床的意義
:この結果から、肝皮症候群は罹患した血縁動物なしに同定されることはあるものの、シーズーにおいて遺伝的要素を持っている可能性があることを示唆した。罹患したシーズーにおける臨床病理的、超音波検査、および組織学的な異常は、過去の他の犬種における肝皮症候群のある犬での報告と類似していた。

Loftus, John P., et al.
"Characterization of aminoaciduria and hypoaminoacidemia in dogs with hepatocutaneous syndrome."
 
American journal of veterinary research 78.6 (2017): 735-744.

PubMedリンク PMID:28541155
本文:無料公開なし

タイトル:肝皮症候群の犬におけるアミノ酸尿と低アミノ酸尿の特徴

==アブストラクト===
目的
:肝皮症候群の犬におけるアミノ酸尿と血漿中アミノ酸濃度の特徴を調べること。

動物
:様々な年齢と犬種の家庭犬20頭。

方法
:肝皮症候群は、肝臓生検標本(n=12)、皮膚病変の肉眼的および組織学的所見(4)、皮膚と肝臓の生検標本 (2)に基づいて確定診断され、臨床病理学的に一致する皮膚病変と肝臓のエコー所見(蜂の巣状またはスイスチーズパターン)(n=2)に基づいてい推定診断された。ヘパリン化血漿と尿中(それぞれ8時間以内のサンプル)のアミノ酸濃度を、イオン交換クロマトグラフィーを用いて測定した。尿中クレアチニン濃度は、尿中アミノ酸濃度の正常化に用いられた。血漿アミノ酸値は、参照値の平均と比較し、尿中修正アミノ酸濃度は、参照値の上限と比較した。

結果
:すべての犬に全般的な低アミノ酸血症が あり、多くのアミノ酸濃度が参照値の平均の50%未満であった。最も一貫して重度な異常には、グルタミン、プロリン、システイン、およびヒドロキシプロリンが関わっており、全ての犬でリジン尿症が顕著であった。参照値の上限を超えていた尿中アミノ酸(>1.0)には、リジン、1-メチルヒスチジン、およびプロリンがあった。

結論と臨床的意義
:肝皮症候群の犬における低アミノ酸血症は、尿素回路とグルタチオンおよびコラーゲンの合成に関連するアミノ酸が顕著に関わっていた。顕著なリジン尿症 とプロリン尿症は、特定のアミノ酸トランスポーターの機能不全と、コラーゲン合成に必須のアミノ酸の消費を意味している。これらの知見は、栄養補助を調整し、肝皮症候群の診断を容易にするための方法を提供し得る。
 

==訳者補足==
肝皮症候群 
Hepatocutaneous syndrome
= 壊死性遊走性紅斑 
Necrolytic migratory erythema
=表在性壊死性皮膚炎 Superficial necrolytic dermatitis 
=代謝性表皮壊死症  Metabolic epidermal necrosis
いずれも同義語

Linek, Monika, et al.
"Nonthymoma‐associated exfoliative dermatitis in 18 cats."
 
Veterinary dermatology 26.1 (2015): 40-e13.

PubMedリンク PMID:25367344
本文:googlescholarからresearchgateで入手可能(全文

タイトル: 非胸腺腫関連の剥離性皮膚炎の猫18頭

==アブストラクト===
背景:剥離性皮膚炎は、猫における胸腺腫に関連した腫瘍随伴皮膚疾患として述べられている。胸腺腫なく様々な病因が疑われる症例報告が経験的に存在する。 

仮説と目的:非胸腺腫関連の剥離性皮膚炎の猫における一般的な特徴、基礎疾患、治療への反応、および転帰について調べること。

方法:皮膚病紹介病院に来院した症例、または病理組織学的検査に提出された症例について回顧的な解析を行った。組織学的および臨床的な詳細を入手し、統計学的に評価した。病理組織学的な再調査は、3人の皮膚病理学者によって盲検的に行われ、ヘルペスウイルスに対するPCRが行われた。

結果:18頭の猫は組み入れ基準を満たした。性別、年齢、品種のいずれも好発傾向はなかった。全ての猫は、重度の全身性(77%)または多巣性(23%)の剥離があり、12頭は重度な沈鬱状態だった。すべての猫で、放射線学的に胸腺腫は除外され、猫白血病ウイルスは陰性であった。14頭での追加の画像検査、2頭の死後検査では、腫瘍は検出されなかった。病理組織学的には、胸腺腫関連症例の所見と区別できない境界部皮膚炎、境界部毛包上皮炎、皮下腺炎が明らかとなった。ヘルペスDNアニ対するPCRは陰性であった。病因は特定されなかった。12頭で、免疫抑制量のコルチコステロイドおよび/またはシクロスポリンの治療が行われ、1頭は抗菌薬に反応し、1頭はシャンプー、2頭は自然に寛解し、2頭はいずれの治療も行わずに安楽死された。

結論と臨床的関連
:猫における非胸腺腫関連の剥離性皮膚炎は臨床的および病理組織学的に胸腺腫関連の症例と区別できない。多くの症例で免疫抑制療法による利益があり、それゆえ非特定のトリガーによる免疫病理学的な反応が疑われる。
 

Rottenberg, S., C. Von Tscharner, and P. J. Roosje.
"Thymoma-associated exfoliative dermatitis in cats." 
Veterinary pathology41.4 (2004): 429-433.

PubMedリンク PMID:15232147
本文:無料公開あり(全文

タイトル :猫の胸腺腫に関連する剥離性皮膚炎

==アブストラクト===
1996年から2002年の間に、死後または手術後に胸腺腫がみつかった剥離性皮膚炎の猫4症例が来院した。ケラチン鱗屑とケラチン層の多量の剥離に加え、皮膚の組織学的所見では、大部分がCD3+リンパ球と少数の肥満細胞および形質細胞を伴う接合部皮膚炎に類似したパターンが明らかとなった。表皮基底層では、ケラチノサイトの水腫性変性がみられた。すべての症例で、漏斗部リンパ球毛包上皮炎と、脂腺の欠如または著しい減少がみられた。これまでに述べられている細胞不良型に加え、われわれは細胞豊富な皮膚病変の例をみつけた。全身性の剥離性皮膚炎の臨床的な観察とともに、この皮膚炎の組織学的なパターンは、根底にある胸腺腫を示唆した。胸腺腫瘍に関連したこの皮膚病変の発生機序はいまだに不明であり、われわれの結果は表皮抗原と交差反応する自己抗体の賛成についての仮説と矛盾している。胸腺腫の表現型と胸腺細胞のCD3の発言については様々であり、皮膚病変には影響を与えていないようである。

Roccabianca, P., et al.
"Cutaneous lymphoma at injection sites: pathological, immunophenotypical, and molecular characterization in 17 cats." 
Veterinary pathology 53.4 (2016): 823-832.

PubMedリンク PMID:26933095
本文:無料公開あり(全文) 

タイトル
:注射部位における皮膚型リンパ腫;17頭の猫の病理学的、免疫表現型、および分子学的な特徴

==アブストラクト===
猫の原発性皮膚リンパ腫は、猫におけるすべてのリンパ腫の0.2%-3%を占め、真皮の非上皮向性小細胞T細胞性腫瘍であることがより多い。猫の原発性皮膚リンパ腫の出現は、猫白血病ウイルス(FeLV)の血清学的陽性または皮膚の炎症とは無関係のようだ。

腫瘍の発生部位にワクチン接種の履歴のある17の皮膚型リンパ腫を、47の猫原発性皮膚リンパ腫の中から選出した。臨床所見、病歴、免疫表現型、FeLV p27およびgp70の発言、クローナリティ、について評価した。雄(12/17)の短毛家庭猫(13/17)が多く、平均年齢は11.3歳であったと報告された。注射後から発症までの期間は、5頭の猫で15日から約9年であった。診断時、17頭中11頭で内臓疾患の証拠はなかった。リンパ腫は、肩甲骨間(8/17)、胸部(8/17)、体幹(1/17)の皮膚領域で発生し、上皮向性は無く、壊死(16/17)、血管中心性(13/17)、血管浸潤(9/17)、血管破壊(8/17)、およびリンパ球性の凝集物からなる末梢炎症(14/17)といった特徴があった。FeLVgp70とp27蛋白は17中10の腫瘍で発現していた。WHO分類、免疫表現型、およびクローナリティによって、病変はB細胞性リンパ腫(11/17)、未分化大型T細胞性リンパ腫(3/17)、ナチュラルキラー細胞様リンパ腫(1/17)、または抹消T細胞性リンパ腫(1/17)に分類された。1頭で系統が不確定なままであった。

注射部位における皮膚リンパ腫は、猫の注射部位肉腫および人において報告されている亜急性〜慢性の炎症の状況で発症するリンパ腫と、いくつかの臨床的および病理学的特徴を共有している。注射およびFeLV発現の再活性化によって誘発される持続的な炎症は、注射部位の皮膚リンパ腫の出現に寄与しているかもしれない。

Burr, Holly D., et al.
"Cutaneous lymphoma of the tarsus in cats: 23 cases (2000–2012)."
 
Journal of the American Veterinary Medical Association 244.12 (2014): 1429-1434.

PubMedリンク PMID:24871066
本文:無料公開なし

タイトル:猫の足根の皮膚リンパ腫;23症例(2000-2012年)

==アブストラクト===
目的:猫の足根のリンパ腫の特徴を明らかにすること。

デザイン:多施設回顧的研究。

動物:足根の皮膚リンパ腫のある猫23頭 。

方法: 獣医腫瘍学者に以下の基準に合致るする症例を提出してもらうように要求した;組織学的もしくは細胞学的にリンパ腫が確定しており、部位が足根の近くであり、皮下病変もしくは腫瘤状と表現されているもの。品種、性別、年齢、FeLVとFIVの状態、評価の理由、に関するデータを収集した。ステージング検査の結果、腫瘍の部位、免疫表現型のタイプ、および病理組織学的な記述が記録された。治療のタイプ、転帰、生存期間、進行性疾患の有無、および死因もしくは安楽死の原因についても同様に記録した。

結果: ほとんどの猫は高齢で、年齢の中央値は12歳(範囲 7-18歳)であった。レトロウイルス陽性の状態との関連は見出されなかった。診断時の膝窩リンパ節の浸潤は5頭であり、腹部超音波検査の結果に基づく異なる部位でのリンパ腫の疑いは4頭でみられた。治療は様々であり、コルチコステロイド単独(n=2)、化学療法(9)、放射線治療と化学療法(7)、もしくは手術±化学療法(5)が含まれた。13頭の猫で、追跡修了、死亡、または安楽死の時点で他の部位にリンパ腫がみられた。この研究のすべての猫の中央生存期間は190日(範囲 17-1,011)であった。

結論と臨床的関連
:この結果は、足根のリンパ腫は猫において珍しい徴候であり、この研究においては組織学的な評価で非上皮向性の高グレードと決定されたものが一般t的であった。全身の浸潤は同定されており、それゆえ治療を開始する前には徹底したステージングが推奨される。治療プロトコールの効果を調べるためにさらなる研究が望まれる。
 

Fontaine, Jacques, Marianne Heimann, and Michael J. Day.
"Cutaneous epitheliotropic T‐cell lymphoma in the cat: a review of the literature and five new cases." 
Veterinary dermatology22.5 (2011): 454-461.

PubMedリンク PMID:21535252
本文:無料公開なし

タイトル
:猫における皮膚上皮向性T細胞性リンパ腫;文献と新しい5症例のレビュー

==アブストラクト===
皮膚上皮向性T細胞性リンパ腫は、上皮および付属器上皮への特異的親和性を伴う腫瘍性Tリンパ球の皮膚浸潤によって特徴付けられる。猫におけるこの疾患の報告は非常にまれである。Vetdernlist(vetderm@lists.ncsu.edu)を通じて獣医皮膚科医と非公式の議論を行い、そこから臨床データを収集した。並行して、2つのヨーロッパ診断病理学研究所の症例アーカイブを再調査した。良好な臨床記録のある15症例が選択され、5組の皮膚生検がレビューのために利用可能であった。皮膚上皮向性T細胞性リンパ腫は、一般的に高齢猫で罹患し、性別または品種の好発性はなかった。孤立性もしくは多発性の病猿が報告され、特定の部位での後発はなかった。病変は、紅斑性のプラークもしくは斑、鱗屑嬢の脱毛斑、および治癒しない潰瘍または結節、として認められ、それらはしばしば好酸球性プラークと類似していた。痒みはほとんど報告されていなかった。口腔粘膜に浸潤する病変はみられなかった。皮膚上皮向性T細胞性リンパ腫の臨床診断、犬に比べて猫ではより困難だ。最終診断は、皮膚生検標本の病理組織学的検査をもとに行われなければならない。猫の皮膚上皮向性T細胞性リンパ腫の病変の特徴は、犬において報告されているものと類似しているが、この症例シリーズ(n=5)では付属器腺への浸潤は観察されなかった。腫瘍性のT細胞は一般的に小型から中型であった。皮膚上皮向性T細胞性リンパ腫の生存期間は、犬の場合よりもより様々であった。症例が少なすぎるため、治療に関して明確な推奨を可能にするような評価はできなかった。 

Risbon, Rebecca E., et al.
"Response of canine cutaneous epitheliotropic lymphoma to lomustine (CCNU): a retrospective study of 46 cases (1999–2004)."
 
Journal of veterinary internal medicine 20.6 (2006): 1389-1397.

PubMedリンク PMID:17186855
本文:無料公開あり(全文) 

タイトル:犬の皮膚上皮向性リンパ腫のロムスチン(CCNU)への反応;46症例の回顧的研究(1999-2004)

==アブストラクト===
背景:上皮向性リンパ腫はまれな犬の皮膚のTリンパ球の悪性疾患である。上皮向性リンパ腫において、治療の標準に関するコンセンサスは欠如しており、犬のリンパ節のリンパ腫に伝統的に用いられている化学療法剤の評価が正当化されている。

仮説:この回顧的多施設研究の目的は、上皮向性リンパ腫の治療における1-(2-クロロエチル)-3-シクロへキシル-l-ニトロソウレア(CCNU) の有効性を評価することである。

動物:十分な追跡と治療への反応の情報のある56頭の犬。

方法:すべての症例は病理組織学的に診断された。免疫組織化学(CD3,CD79a)が、42/46標本で行われた。

結果:皮膚病変は、全身性の鱗屑(25/46)、プラークまたは結節(22/46)、粘膜皮膚病変(14/46)、および角膜の浸潤(1/46)を示していた。リンパ節への浸潤とセザリー症候群は、それぞれ7頭と2頭でみられた。CCNUの治療回数の中央値は4回(範囲 1-11)であり、開始投与量の中央値は60mg/m2(範囲 30-95)であった。46頭中、15頭が完全寛解、23頭が部分寛解、5頭が維持病変、3頭が進行病変、となり、全体の反応率は83%であった。反応を得るための治療回数の中央値は1回(範囲 1-6)であった。全体の反応期間の中央値は94日(範囲 22-282)であった。 16の投与量の減量が必要となり、理由は好中球減少症(10/46)、血小板減少症 (1/46)、貧血(1/46)、肝酵素活性の上昇(3/46)、または原因不明(1/46)であった。

結論と臨床的意義
:高い反応率と良く許容されるプロトコール を前提に、上皮向性リンパ腫の治療としてCCNU単独もしくは多剤プロトコールの有用性を評価するための前向き研究が必要である。

Fontaine, Jacques, Marianne Heimann, and Michael J. Day.
"Canine cutaneous epitheliotropic T‐cell lymphoma: a review of 30 cases." 
Veterinary dermatology 21.3 (2010): 267-275.

PubMedリンク PMID: 20141606
本文:無料公開なし

タイトル:犬の皮膚上皮向性T細胞性リンパ腫;30症例のレビュー

==アブストラクト===
この回顧的研究では、ヨーロッパでの犬の皮膚上皮向性T細胞性リンパ腫の30症例の臨床的、組織学的、および免疫組織化学的な特徴を再調査した。臨床的な徴候は非常に多様であり、疾患のサブタイプとは関連していなかった。びまん性の紅斑(88.6%)とそれに伴う落屑(60%)、局所的な低色素沈着(50%)、は最も一般的な病変であった。皮膚は均一に侵されていたが、粘膜ー皮膚接合部または粘膜は症例の50%で罹患していた。診断時の中央年齢は10歳(標準偏差2.79、範囲 4-15)であり、発症から最終診断までの期間の中央値は5ヶ月(標準偏差3.79、範囲0-12)であった。5頭がビションフリーゼであった。いずれの症例ではも、過去の慢性皮膚炎の病歴の証拠はなかった。組織学的に、毛包上皮が症例の86.7%で罹患していた。毛包性疾患が主な1症例は、毛包性の菌状息肉腫(MF)と考えられたが、毛包性のムチン沈着症はみられなかった。上皮のPautrier's microabscessesは一般的でなかった(23.3%)。汗腺には症例の70%で浸潤していた。すべての症例で、免疫組織化学的にT細胞性腫瘍と確定された。B細胞は個々の細胞として浸潤、もしくは腫瘍の基部に線状のバンドまたは異所性の濾胞を形成した。Ki67標識は増殖指数の範囲を明らかにしたが、重症度とは相関しなかった。
菌状息肉腫の最終診断は犬の40%でなされ、36,7%で菌状息肉腫d'emblé、20%で全身性のPagetoid reticulosis、1症例で局所性のPagetoid reticulosisであった。診断後の中央生存期間は6ヶ月であり、これは治療(ロムスチンまはたプレドニゾロン)によって明らかには変化しなかった。

Affolter, Verena K., Thelma Lee Gross, and Peter F. Moore.
"Indolent cutaneous T‐cell lymphoma presenting as cutaneous lymphocytosis in dogs." 
Veterinary dermatology 20.5‐6 (2009): 577-585.

PubMedリンク PMID:20178497
本文;無料公開なし

タイトル:犬における皮膚リンパ球増加症として現れるindolent 皮膚型T細胞性リンパ腫

 ==アブストラクト===
 皮膚リンパ球増殖性疾患は、自己限定性の反応性の浸潤から高グレードのリンパ腫までの範囲の病変の幅を含有する。ヒトでは、皮膚リンパ球増加症は、自己限定的もしくは緩徐に進行する単一のリンパ球浸潤を示し、多くは原因不明である。それは形態学的に皮膚型リンパ腫を模倣する。猫における皮膚リンパ球増加症もまた、緩徐に進行する疾患である。猫の皮膚リンパ球増加症の免疫表現型およびクローナリティ検査は、多くの症例研究でindolentリンパ腫を支持する。この研究は、犬における皮膚リンパ球増加症について報告する。

紅斑性、落屑性、および脱毛性の斑が、8頭の犬でみられた。犬種の好発は観察されず、8頭中6頭が雌で、年齢は5-14歳齢であった。びまん性の単一形態の非上皮行性のCD3陽性(8/8)、CD45陰性(4/8)またはCD45(±)(4/8)、CD45RA陰性(7/8)のT細胞性リンパ球の浸潤が、表在性および真皮中に存在した。さらに5症例での免疫表現型分類によりTCR-gammadelta陽性T細胞(1/4)もしくはTCR-alphabeta陽性(4/5)T細胞が明らかとなった。
TCR-alphabeta陽性集団はCD8陽性(2/4)またはCD4陰性CD8陰性(2/4)のいずれかであった。クローナリティ検査では、病変のT細胞のTCR-gamma遺伝子座のクローン(7/8)もしくは偽クローン(1/8)の再配列が明らかとなった。プレドニゾン、プレドニゾロン、および酢酸メチルプレドニゾロンが最も頻繁に投与された薬だった。病変は6年までの長期にわたり安定していた。5頭の犬が、皮膚病変の進行(3/5)、原因不明の末梢リンパ節腫脹(1/5)、高グレードリンパ腫(1/5)が理由となり安楽死された。一頭が追跡不能となり、2頭は生存していた(診断後17ヶ月、9ヶ月)。

犬の皮膚リンパ球増殖症は、ゆっくり進行し高グレードリンパ腫に進行する初期のindolentリンパ腫が最も考えられる。 

de Mello Souza, C. H., et al.
"Immunohistochemical detection of retinoid receptors in tumors from 30 dogs diagnosed with cutaneous lymphoma." 
Journal of veterinary internal medicine24.5 (2010): 1112-1117.

PubMedリンク PMID:20707846
本文:無料公開あり(全文) 

タイトル:皮膚型リンパ腫と診断された犬30頭の腫瘍におけるレチノイド受容体の免疫組織化学的検出

==アブストラクト===
背景
:レチノイドはレチノイド受容体と結合することによってその効果を発揮する。2つのタイプのレチノイド受容体が記述されており、それはレチノイン酸受容体(RAR)とレチノイドX受容体(RXR)であり、これらのサブタイプとしてα、β、γがある。サブタイプの発現は疾患過程によって異なる。この研究は、犬の皮膚型リンパ腫におけるレチノイド受容体の発現パターンを検出することを意図している。

仮説
:犬の皮膚型リンパ腫はレチノイドおよびレチノイドX受容体の様々な発現がある。

動物
:皮膚型リンパ腫の犬30頭から得られた生検標本

方法
:皮膚型リンパ腫の犬の組織を、レチノイド受容体の発現に対する免疫組織化学によって評価した。 組織は、3つのレチノイン酸受容体とレチノイドX受容体のサブタイプ(α、β、γ)の存在について検査された。すべての症例で、リンパ腫の免疫表現系について、CD79(B細胞)とCD3(T細胞)の免疫組織化学的マーカーを用いて決定した。

結果:30頭中29頭がCD3陽性であった。レチノイド受容体の発現は高い割合であり、レチノイン酸受容体β(症例の87%)、レチノイドX受容体αとレチノイドX受容体γ(症例の77%)であった。レチノイン酸受容体γの発現はみられなかった。

結論と臨床的関連
: レチノイドとレキシノイド受容体結合薬剤は、皮膚型リンパ腫の犬の治療に影響を及ぼし得る。
 

Moore, Peter F., Verena K. Affolter, and Stefan M. Keller.
"Canine inflamed nonepitheliotropic cutaneous T‐cell lymphoma: a diagnostic conundrum."
 
Veterinary dermatology 24.1 (2013): 204.

PubMedリンク PMID:23331699
本文:googlescholar経由でAdvances in veterinary dermatologyにアクセスできてp.220〜に全文あり 

タイトル:犬の炎症のある非上皮向性皮膚型T細胞性リンパ腫:診断上の問題

==アブストラクト=== 
背景
:犬における皮膚型T細胞性リンパ腫は異種性の疾患の複合体であり、非上皮向性と上皮向性が含まれる。これらのリンパ腫は、細胞学的に非定型なリンパ球の優勢集団の存在によって、容易に認識される。

目的
:この研究の目的は、反応性、炎症性の組織急性疾患と混同されやすい炎症性の非上皮向性皮膚型T細胞性リンパ腫の重要な特徴を紹介しすることである。

動物
:炎症性非上皮向性皮膚型T細胞性リンパ腫をもつ24頭の犬(平均年齢 7.5歳)。病変は、結節、斑、または腫瘤を呈していた。皮膚反応性組織球症(11頭)または組織球系腫瘍(3頭)の初期診断が一次の病理学者によってなされた。

方法
:病変は、組織学的および犬リンパ球抗原の検出のための免疫組織学的によって評価された。病変のゲノムDNAを抽出し、T細胞レセプターのγ遺伝子座の遺伝子再編成の分析を評価した。 

結果
:皮膚病変は、様々な程度の皮下への浸潤を伴う真皮での多細胞の浸潤からなっていた。病変はしばしば血管と付属器を取り囲んだ。上皮向性は最小か欠如していた。小リンパ球、形質細胞、および中〜大型の非定型のリンパ球が、顕著な組織球の浸潤の間に散在していた。非定型のリンパ球はしばしばCD3発言の強さのバリエーションがあった。T細胞レセプターγ遺伝子座の分子クローナリティ解析により、検査をおこなった23頭中22頭でクローナルな増殖が明らかとなった。

結論
:炎症性非上皮向性皮膚型T細胞性リンパ腫の認識と、皮膚反応性組織球症との鑑別は、リンパ球の形態学的な注意深い評価と免疫染色のパターンに基づく。診断の確定は、T細胞抗原レセプターの遺伝子再配列分析によって最も達成される。 

Laprais, Aurore, and Thierry Olivry.
"Is CCNU (lomustine) valuable for treatment of cutaneous epitheliotropic lymphoma in dogs? A critically appraised topic." 
BMC veterinary research 13.1 (2016): 61.

PubMedリンク PMID:28222789
本文:無料公開あり(全文

タイトル:CCNU(ロムスチン)は犬の皮膚上皮向性リンパ腫の治療に有益か?批判的に評価されたトピック

==アブストラクト===
背景
:CCNUおよび他の治療プロトコールは、犬の皮膚(上皮向性)T細胞性リンパ腫と診断された犬の治療として、飼い主へ一般的に提供される。化学療法プロトコールは様々な利点をもたらすが、これらは様々な副作用があり、薬剤の毒性の検出のために飼い主にとって無視できない費用を伴うモニタリングが必要となる。現時点では、犬の皮膚上皮向性T細胞性リンパ腫の犬の治療にCCNUが最も頻繁に推奨されているが、この薬剤に関する明確なコンセンサスはない。どの化学療法プロトコールが最も高い完全寛解率と最も長い生存期間をもたらすかを知ることは、獣医師とペットの飼い主に最も良い利用できる根拠をもとにした治療オプションを選択することに役立つだろう。われわれの目的は、文献をレビューし、 CCNUベースのプロトコールと他の代替治療について完全寛解率と生存期間を比較することである。少なくとも5頭の皮膚上皮向性T細胞性リンパ腫の犬の治療転帰を報告した文献を含むデータを批判的に評価した。単一の症例報告と5頭未満の症例シリーズについては、低い質の逸話的な根拠となることを避けるために、レビューには含めなかった。

結果:2017年2月8日時点で入手できるベストな根拠を検索し、レビューし、解析したところ、CCNUとPEG化リポソームドキソルビシンが、皮膚
上皮向性T細胞性リンパ腫における完全寛解率が最も高く、およそ1/3で得られるようだ。他の治療プロトコールは、完全寛解に関して利用できる情報が報告されていなかった。いずれの治療も行わない場合、皮膚上皮向性T細胞性リンパ腫の犬の平均/中央生存期間は、3ヶ月と5ヶ月であった。CCNUプロトコールでは、中央生存期間は6ヶ月であり、レチノイド(イソトレチノインおよび/またはエトレチナート)のひとつ、PEG L-アスパラギナーゼ、プレドニゾロン単独、ではそれぞれ11ヶ月、9ヶ月、4ヶ月であった。しかしながら、これらの期間は少数の犬から得られた情報である。

結論
:CCNUは、皮膚上皮向性T細胞性リンパ腫の犬のおよそ1/3で完全寛解の徴候を導くが、その寛解は短期間である。CCNU後の中央生存期間は、治療がない場合よりも長いようであるが、他の薬はより長い予後を提供するようである。CCNUの効果について、単独もしくは組み合わせによる寛解率、生存期間、および生活の質に与える影響についてを調べるためにさらなる研究が必要である。 

Chan, Catherine M., Angela E. Frimberger, and Antony S. Moore.
"Clinical outcome and prognosis of dogs with histopathological features consistent with epitheliotropic lymphoma: a retrospective study of 148 cases (2003–2015)."
 
Veterinary dermatology 29.2 (2018): 154-e59.

PubMedリンク PMID:28983988
本文:無料公開なし(全文)

タイトル
上皮向性リンパ腫と一致する病理組織学的特徴を有する犬の臨床転帰;148頭の回顧的研究

==アブストラクト===
 背景
上皮向性リンパ腫の犬の治療と転帰に関して入手できる情報は限られている。この疾患は典型的には予後不良である。

目的
上皮向性リンパ腫の犬の臨床徴候を特徴付け、予後因子を特定し、治療の転帰を評価すること。

方法:2003年から2015年の間の医療記録の回顧的な再調査。治療の詳細、腫瘍の反応、および生存期間について148頭の犬で記録した。潜在的な予後因子は、中央生存期間に対する統計的な効果によって評価した。

結果:犬の全体の生存期間は264日であった(皮膚;130日、皮膚粘膜/粘膜;491日)。多変量解析では、短い中央生存期間は皮膚型(p<0.001)、および多発性病変の存在(p<0.001)と有意に相関した。皮膚病変の80頭の犬の中では、化学療法(p<0.001)と孤立性病変(p<0.001)が、長い中央生存期間と関連した。多発性皮膚病変をもつ72頭の犬においては、化学療法(p<0.001)、レチノイド治療(p=0.001)、および完全寛解(p=0.001)が、長い中央生存期間と関連した。皮膚粘膜/粘膜病変の68頭の犬においては、年齢の減少(p=0.020)と孤立性病変(p=0.015)が長い生存期間と関連した。

結論
:犬の上皮向性リンパ腫は皮膚型と皮膚粘膜/粘膜型とに分類され得る。孤立性病変はより良好な予後となる。多発性病変のある犬では化学療法とレチノイド療法による利益を受けるようであり、完全寛解を達成する犬では長い生存期間を有する。単剤の化学療法に反応しない皮膚病変の犬では、多剤併用化学療法を考慮され得る。

Mueller, RS1, S. V. Bettenay, and M. Shipstone.
"Value of the pinnal-pedal reflex in the diagnosis of canine scabies." 
Veterinary Record 148.20 (2001): 621-623.

PubMedリンク PMID:11394797
本文:googlescholarからresearchgate経由で入手可能(全文) 

タイトル
:犬の疥癬の診断における耳介ペダル反射の有用性

==アブストラクト=== 
犬の疥癬を診断するための補助として耳介ペダルひっかき反射の潜在的な価値を、皮膚疾患のある588頭の犬で評価した。反射は、耳介の先端を基部に向かって5秒間しっかりこすることで評価し、同側の後肢が引っかき運動をした場合に陽性とみなした。犬の病歴、身体検査、および皮膚掻爬検査陽性もしくはイベルメクチンまたはミルベマイシンの治療後に痒みと皮膚炎が完全に消失し、その後最低12ヶ月再発がないことのいずれか、をもとに疥癬の診断を行なった。 

疥癬は55頭の犬で診断され、463頭がアレルギー性皮膚疾患、70頭がその他の皮膚疾患と診断された。55頭の疥癬の犬のうち、45頭(82%)が耳介ペダルひっかき反射に陽性であった。疥癬の犬のうち40頭(73%)に耳介皮膚炎があり、それらのうち36頭(90%)が耳介ペダルひっかき反射に陽性であった。 その他の533頭のうち33頭(6.2%)が耳介ペダル引っかき反射に陽性であった。

この結果に基づけば、耳介ペダル引っかき反射による疥癬の検査の特異度は93.8%であり、感度は81.8%であった。検査の陽性的中率は0.57、陰性的中率は0.98であった。 

Marsella, Rosanna, et al.
"Randomized, double‐blinded, placebo‐controlled pilot study on the effects of topical blackcurrant emulsion enriched in essential fatty acids, ceramides and 18‐beta glycyrrhetinic acid on clinical signs and skin barrier function in dogs with atopic dermatitis."
 
Veterinary dermatology 28.6 (2017): 577.

PubMedリンク PMID 28736984
本文:無料公開なし

タイトル:アトピー性皮膚炎の犬における臨床的徴候と皮膚バリア機能における必須脂肪酸、セラミド、および18-ベータグリシルレチン酸が豊富な局所用カシス乳剤の効果に関する無作為化二重盲検プラセボ対照予備研究

==アブストラクト===
背景:脂質ベースの乳剤は犬アトピー性皮膚炎の管理に有効でありえる。18-βグリシルリチン酸(GRA)は、甘草の根の成分であり、抗炎症作用と抗掻痒作用を有する。

仮説・目的
: 無作為化二重盲検プラセボ対照試験により、セラミド、脂肪酸、GRAを含む局所脂肪乳剤が犬アトピー性皮膚炎の臨床徴候と皮膚バリアに与える効果を評価すること。

方法:非季節性で軽度から中程度のアトピー性皮膚炎を持つ家庭犬(n=45)が、治療とプラセボのいずれかを3ヶ月間受けた。皮膚病変、痒み、経皮的水分損失、全体評価について評価した。

結果
:治療を受けた14頭と、プラセボの投与を受けた14頭が調査を完了した。1ヶ月後には50%以上の痒みの減少が、治療群の7/14頭(50%)でみられ、対照群のは2/14頭(14.3%)でみられた(p=0.047)2ヶ月後、3ヶ月後には、有意な痒みの減少はみられなかった。犬アトピー性皮膚炎範囲重症度指数(CADESI)、経皮的水分損失、全体評価については、時間経過または群間で有意な所見はなかった。

結論と臨床的関連
:乳剤はいくらかの一時的な有益な臨床効果があった。しかし、単剤療法として痒みをコントロールするには効果的ではなかった。補助療法としての役割を評価するためのさらなる研究が望まれる。


利益相反:利益相反がないことを開示する(?)
資金調達源:この研究はイタリア、ミラノのNBFレーンが主催した。これには製品の提供と飼い主が診療所へ通うためのサポートが含まれていた。Luisa Cornegliani(著者の一人)はNBFでコンサルタントである。


==訳者コメント===
タイトルではカシスと書いてあり、アブストの背景では甘草と書いてあり、どういうことなのかよくわかりませんでした(英語力不足?知識不足?)。

プラセボに何が使われたのか気になります。結果の切り取り方がいくらか恣意的な感じに見えるのも気になります(50%の減少で切るのは最初から決まっていたのか?)。その辺りは本文を読まないとわかりませんね。

NBFレーンという団体が関与している(HPには非営利団体と書いてありますが、 製品も扱っているようでよくわかりません)のに、利益相反がないというのもよくわかりません。
 

McFadden, Rendina A., et al.
"A double‐blinded, randomized, controlled, crossover evaluation of a zinc methionine supplement as an adjunctive treatment for canine atopic dermatitis." 
Veterinary dermatology 28.6 (2017): 569.

PubMedリンク PMID:28736909
本文:無料公開なし

タイトル:犬アトピー性皮膚炎の補助療法としての亜鉛メチオニンサプリメントの二重盲検、無作為化、対照、クロスオーバー評価

==アブストラクト===
背景:亜鉛は皮膚の健康と適切な免疫システムの機能にとって重要である。

仮説・目的:犬アトピー性皮膚炎で、亜鉛メチオニン、必須脂肪酸、およびビオチン製品(亜鉛サプリメント)を、必須脂肪酸とビオチン製品 と比較した。

動物:慢性の犬アトピー性皮膚炎がありシクロスポリンまたはグルココルチコイドの投与を受けている家庭犬27頭。

方法:24週間の無作為化二重盲検対照研究であり、12週間のクロスオーバーを行い、8週目と20週目で4週間のアレルギー薬の減量を行なった。犬アトピー性皮膚炎病変指数、 掻痒視覚的アナログスケール、細胞診サンプルを評価した。

結果
:亜鉛サプリメントとシクロスポリンを8週間投与された犬では、44%(n=7)で犬アトピー性皮膚炎病変指数が11.9から6.0に有意に減少したが(p=0.0002)、掻痒視覚的アナログスケールは有意な変化はなかった(p=1.0)。亜鉛サプリメントとグルココルチコイドを8週間投与された犬では、55%(n=6)で犬アトピー性皮膚炎病変指数が10.9から5.0へ有意に減少し(p=0.0043)、掻痒視覚的アナログスケールでは7.4から3.2に有意に減少した(p=0.0166)。ステロイドかシクロスポリンのいずれかを投与されていた犬では、亜鉛サプリメントの投与を受けた犬の63%、対照薬の投与を受けた犬の37%で、少なくとも4週間それらの薬物の使用が減少した。この差は有意なものではなかった(p=0.1027)。78%の犬が調査期間中に皮膚表層の感染症と診断され、治療された。

結論と臨床的重要性
;この研究は犬アトピー性皮膚炎における亜鉛メチオニンサプリメントの補助的な使用の利益を支持している。グルチコルチコイドの投与を受けている犬ではより有益である可能性がある。これらの初期結果を実証するためにはさらなる研究が必要である。


==訳者コメント===
アブストラクトからは方法と結果がイマイチよくわからず、この研究の評価がよくわかりません。
”投与した犬のOO%で有意な減少があった”というのが特によくわかりませんでした。
本文を読まないとダメそうです。

 

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