ねころんで探せる小動物医療のジャーナルクラブ

小動物臨床の獣医師が、臨床に役立ちそうな論文情報をちょっとづつアップします。ねころんでいても論文検索ができればいいなと。

カテゴリ: 行動

Mandese, W. W., et al.
"Stress in client‐owned dogs related to clinical exam location: a randomised crossover trial."
 
Journal of Small Animal Practice (2020).

PubMedリンク PMID:33107050
本文:無料公なし

タイトル:臨床検査の場所のに関連した家庭飼育犬のストレス;ランダム化クロスオーバー試験

==アブストラクト===
目的:家庭飼育犬において共通の治療エリアで行われた健康診断が恐怖、不安、およびストレスの指標に与える影響を定量化すること。

方法:この研究は前向き、非盲検、ランダム化、2期間2治療クロスオーバー試験である。単一の病院で、健康診断または歯科の評価で来院した家庭飼育の健康な成犬に、連続した3回の検査を迅速に行った。ベースラインの検査(飼い主がいる)を行い、続いて2つの同一な身体検査をランダムな順序で異なる場所(飼い主がいる隔離された検査室と飼い主がいない共通の治療エリア)で行った。主要な評価項目は、それぞれの検査における5つの規定された行動に対する累積の恐怖、不安、およびストレス、そして心拍数(bpm)の測定とした。

結果
:44頭の犬が登録された。ベースラインの恐怖、不安、ストレス様式のスコアは5のうち1であり、ストレスは無い〜軽度と示された。共通の治療エリアでは、検査室で行った場合と比較して、恐怖、不安、ストレスと心拍数の両方が臨床的に増加した。ベースラインに比べて、共通の治療エリアで検査された動物は、恐怖、不安、ストレス(+2.6単位、SE 0.5、p<0.0001)と心拍数 回/分(20bpm、95%信頼区間13-28、p<0.0001)が増加した。共通治療エリアでは28頭(64%)の犬が≧3/5の恐怖、不安、ストレススコア(中程度〜重度)を示し、それに比べて検査室の犬は19頭(43%)であった。

臨床的意義
:この研究におけるストレスの評価は、場所の評価を盲検化することができないことによるバイアスを受けている化膿性がある。しかし、ストレスの測定基準は、犬が共通治療エリアで検査された時の、臨床的に意味のある一貫性ののある対称的な増加を示している。身体検査の場所が刺激的である場合、犬はストレスと不安の増加を経験する可能性があり、臨床評価と健康診断に悪影響を及ぼす。可能な限り、身体検査は飼い主が立ち会うストレスの少ない環境で行う必要がある。

Stellato, Anastasia C., et al.
"Evaluation of associations between owner presence and indicators of fear in dogs during routine veterinary examinations."
 
Journal of the American Veterinary Medical Association 257.10 (2020): 1031-1040.


PubMedリンク
 PMID:33135972
本文:無料公開なし

タイトル:動物医療のルーチンな検査中の犬における飼い主の存在と恐怖の指標との関連の評価

==アブストラクト===
目的:ルーチンな身体検査中の犬において、飼い主の存在は犬の恐怖に関する行動的および身体的な指標に与える影響を評価すること。

動物:家庭飼育犬32頭。

方法:6段階(頭部の診察、リンパ節の触診、体の触診、腋窩体温の測定、心拍数の評価、呼吸数の評価)からなる標準化されたビデオ録画検査として、飼い主がいるまたはいない状況をランダム化比較試験として犬に実施した。観察さのよって、姿勢の低下、回避、逃亡、唇をなめる、体のふるえ、あくび、発声など、恐怖を示すと報告された行動を各段階で評価し、生理学的測定値を関連する各段階で評価した。飼い主がいることおよび犬の性別と年齢と、恐怖の行動的な徴候との関連について調査し、グループ間(飼い主がいる vs いない)で行動的測定と生理的な測定を比較した。

結果:飼い主がいる犬は、いない犬に比べて、発声の割合が低く、腋窩体温の平均が低く、あくびの割合が高かった。飼い主のいないグループのうちのメス犬は、飼い主のいないオス犬と飼い主のいるオス犬/メス犬よりも心拍数が多く、唇を舐める割合は飼い主のいるグループでは年齢が上がるごとに減少した。姿勢の低下存在、と唇を舐める割合、回避行動と逃避行動は検査段階と関連した。

結論と臨床的意義
:結果から、臨床ではルーチンな獣医検査の間は飼い主は犬のそばいにいることが推奨されるべきであることが示唆された。しかし、手順中の飼い主の存在が与える影響についてはさらに調査をする必要がある。

Overall, Karen L., and Arthur E. Dunham.
"Clinical features and outcome in dogs and cats with obsessive-compulsive disorder: 126 cases (1989–2000)."
 
Journal of the American Veterinary Medical Association 221.10 (2002): 1445-1452.

PubMedリンク PMID:12458615
本文:googlescholar経由で入手可能(全文

タイトル:強迫性障害のある犬と猫における臨床徴候と転帰;126症例(1989-2000年)

==アブストラクト=== 
目的
: 強迫性障害のある犬と猫における臨床徴候と転帰を調べること。

デザイン:回顧的研究。

動物:犬103頭と猫23頭。

方法:強迫性障害のある患者の記録を解析し、臨床的特徴、用いられた薬物、行動修正の程度、および転帰について調べた。

結果:強迫性障害に罹患したほとんどの犬はブリーダーから入手したものだった。雄犬は雌犬よりも明らかに多かった(2:1)。小さな集団ではあるが雌猫は雄猫よりも多かった(2:1)。罹患した犬のほとんどが、2人以上の人と他の犬または猫と一緒の家庭で暮らしており、なんらかの正式な訓練を受けていた。行動修正に対する飼い主のコンプライアンスは高かった。行動修正と薬物との組み合わせは、ほとんどの犬で強迫性障害の程度と頻度を大きく減少させた。クロミプラミンは、犬の治療でアミトリプチリンよりも効果的であった。1頭の犬と1頭の1猫だけが、研究中に強迫性障害のために安楽死された。

結論と臨床的意義
:犬の強迫性障害は、訓練の欠如、家庭での刺激の欠如、または社会的拘束とは関連していないようである。猫では、強迫性障害は環境的および社会的なストレスと関連している可能性がある。強迫性障害は社会的成熟時に現れ、散発性で遺伝的な形式をとることがある。適切な治療(一貫した行動修正とクロミプラミンによる治療)により、臨床徴候の強さと頻度はほとんどの犬と猫で50%以上減少する可能性がある。成功は飼い主の理解とコンプライアンス、および強迫性障害は治癒はできないがコントロールが可能であるという合理的な理解に依存している。

King, J. N., et al.
"Treatment of separation anxiety in dogs with clomipramine: results from a prospective, randomized, double-blind, placebo-controlled, parallel-group, multicenter clinical trial."
 
Applied Animal Behaviour Science 67.4 (2000): 255-275.

PubMedリンク PMID:10760607
本文:無料公開なし

タイトル
:クロミプラミンによる犬の分離不安の治療;前向きランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間多施設臨床試験

==アブストラクト=== 
犬の分離不安におけるクロミプラミンの効果と容認性について、 
前向きランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間国際多施設試験を行なった。分離不安の診断として、飼い主不在時に以下に挙げる徴候(破壊、排便、排尿、発声)、および飼い主への過剰な愛着のうちの少なくとも一つを示す犬とした。合計で95頭の犬がランダム化され、2-3ヶ月間、標準量のクロミプラミン(1-2mg/kg po 12時間毎)、低用量のクロミプラミン(0.5-1.0mg/kg po 12時間毎)、プラセボ(po 12時間毎)のいずれかが投与された。全ての犬は行動学療法をうけた。犬は治療開始後、4つの時点(0日、28日、56日、84日)で検査された。28日、56日、84日でのそれぞれの犬における改善は、0日の行動との比較によって評価した。結果は、プラセボ投与の犬と比較して、標準量のクロミプラミンの投与をうけた犬では、破壊、排便、排尿の徴候について3倍以上早く改善したことを示した。ほとんどの時点で、標準量のクロミプラミン投与犬では、破壊、排便、排尿の徴候、および飼い主による犬の全体的な行動の評価において、より多くの犬が改善した(p<0.05)。しかし、発声徴候については、どの時点においても標準量の犬とプラセボの犬との間に統計学的な有意差はなかった。低用量クロミプラミン群では、プラセボと比較して、統計的に有意な効果は生まれなかった。軽度で一時的な嘔吐が、クロミプラミンの副作用として少数んも犬で報告された。結論として、標準量のクロミプラミン(1-2mg/kg po 12時間毎)の2-3ヶ月の投与を古典的な行動療法に加えることで、犬の分離不安の徴候が改善された。

Yalcin, E.
"Comparison of clomipramine and fluoxetine treatment of dogs with tail chasing."
 
Tierärztliche Praxis Ausgabe K: Kleintiere/Heimtiere 38.05 (2010): 295-299.

PubMedリンク PMID:22215314
本文:googlescholar経由で入手可能(全文

タイトル:尾追い行動のある犬のクロミプラミンとフルオキセチンの治療の比較

==アブストラクト=== 
目的
:尾追い行動のある犬におけるクロミプラミンとフルオキセチンの治療への反応を調べること。

方法
:尾追い行動のある家庭飼育犬25頭をこの研究に含めた。 尾追いの診断は犬の行動学的病歴、臨床所見、および検査項目の結果に基づいて行なった。研究はランダム化プラセボ対照二重盲検デザインでおこなった。犬は3つのグループの割り付けられた。12週間、1つ目のグループの犬には塩酸クロミプラミン2mg/kgが経口投与され、2つ目のグループの犬にはフルオキセチン1mg/kgの投与をうけ、対照犬にはプラセボが投与された。尾追いの徴候の変化は、飼い主が週ごとに報告した。治療は1-3週、4-6週、7-9週、10-12週の4つ期間で評価された。

結果
:ジャーマンシャパードドッグとアナトリアンシープドッグで多くみられた。4つの期間すべてで、クロミプラミンとフルオキセチンの間で尾追い行動の改善に有意な差はなかった(p>0.05)。プラセボグループと比較してクロミプラミングループでは、1-3週間と4-6週間の間、および7-9週間と10-12週間の間で、行動が有意に改善した。さらに、プラセボグループと比較してフルオキセチングループでは、7-9週間と10-12週間の間で有意な改善がみられた。

結論と臨床的意義
:クロミプラミンとフルオキセチンは尾追い行動の治療に同じくらい有効であるようだ。治療された犬は薬剤によく反応し、それぞれの薬剤に優劣はなかった。
 

Frank, Diane, Audrey Gauthier, and Renée Bergeron.
"Placebo-controlled double-blind clomipramine trial for the treatment of anxiety or fear in beagles during ground transport." 
The Canadian Veterinary Journal 47.11 (2006): 1102.

PubMedリンク PMID:17147141
本文:無料公開あり(全文

タイトル
:地上輸送中のビーグルの不安や恐怖のためのクロミプラミンのプラセボ対照二重盲検試験

==アブストラクト=== 
この探索的研究の目的は、第一に地上輸送中のビーグル犬に観察される生理学パラメータと行動の変化を記録することであり、第二に民間動物病院で恐怖や不安またはその両方を軽減するためにすでに逸話的に処方されているクロミプラミンの短期間投与が上記の項目に与える影響を測定することである。24頭のビーグルを、クロミプラミン(2mg/kg q12hr 7日間)またはプラセボの投与にランダムに割り付け、その後にトラックでの1時間の輸送を3回行なった。生理学的パラメータ(コルチゾール、好中球/リンパ球比、心拍数)と行動について記録して分析した。クロミプラミンは、輸送後の血漿コルチゾールを有意に減少させ(p<0.05)、 好中球/リンパ球比を減少させる傾向にあった。クロミプラミンは動きとパンティング、および流涎、だけを減らす傾向にあった。クロミプラミンの短期投与は、輸送中の恐怖や不安またはその両方をわずかに減らすようだ。この治療の効果と適切な投与量を確認するためにはさらなる研究が必要だ。

Overall, Karen L., Arthur E. Dunham, and Diane Frank.
"Frequency of nonspecific clinical signs in dogs with separation anxiety, thunderstorm phobia, and noise phobia, alone or in combination." 
Journal of the American Veterinary Medical Association 219.4 (2001): 467-473.

PubMedリンク PMID:11518172
本文:googlescholar経由で入手可能(全文

タイトル:分離不安、雷雨恐怖症、および騒音恐怖症が単独または組み合わせである犬における非特異的臨床徴候の頻度

==アブストラクト=== 
目的
: 犬における分離不安、かみなり恐怖症、および騒音恐怖症またはそのいずれかの組み合わせのある犬における非特異的臨床徴候の頻度を調べ、これらの病態が関連しているかどうかを調べること。

デザイン:症例シリーズ。

動物:犬141頭。

方法:特異的な基準をもって診断を確立させた。飼い主が不在時に犬が示す破壊行動、排尿、排便、発声、流涎の程度と、雷雨、花火およびその他の騒音に対する反応の頻度についてのアンケートを、飼い主は完成させた。

結果:3つの病態と、診断内および診断間の様々な非特異的臨床徴候との関係性はランダムではなかった。騒音恐怖症がある犬で分離不安がある可能性は高く(0.88)、雷雨恐怖症がある犬で分離不安がある可能性もまた高かった。分離不安の犬で騒音恐怖症がある可能性(0.63)は、分離不安の犬で雷雨恐怖症がある可能性(0.52)よりも高かった。雷雨恐怖症のある犬で騒音恐怖症がある可能性(0.90)は、その逆(騒音恐怖症のある犬で雷雨恐怖症がある可能性 0.76)と同等ではなかった。

結論と臨床的意義
:この結果は、これらのいずれかの病態のある犬は、他の病態についても調べるべきであることを示唆している。2つ以上の病態をもつ犬の評価と治療において、これらの病態間の相互作用は重要である。騒音への反応は雷雨への反応とは異なり、それは雷雨の予測不能性と不確実性による可能性がある。
 

Branson, Nicholas Julian, and L. J. Rogers.
"Relationship between paw preference strength and noise phobia in Canis familiaris."
 
Journal of Comparative Psychology 120.3 (2006): 176.

PubMedリンク PMID:16893254
本文:googlescholar経由で入手可能(全文

タイトル
:犬における肢の好みの強さと騒音恐怖症の関連

==アブストラクト=== 
48頭の家庭飼育犬について側性化の程度とい騒音恐怖症との関連を調べるために、食物を保持するための肢の好みをスコア化し、かみなりおよび花火の音に対する反応についての再生とアンケートによって関連付けた。 有意な肢の好みのない犬では、左肢の好み、または右肢の好みのある犬と比較して、音に対する反応が有意に大きかった。そのため、反応の強度は脳の側性化の強度の弱さと関連した。これらの所見と、極端なレベルの不安を被る人における手の好みの弱さとの類似性に注目することで、神経メカニズムが関与している可能性についてが示唆される。


==訳者補足===
・肢の好み=利き肢、と考えていいと思います。 

Seksel, K., and M. J. Lindeman.
"Use of clomipramine in treatment of obsessive‐compulsive disorder, separation anxiety and noise phobia in dogs: a preliminary, clinical study."
 
Australian Veterinary Journal 79.4 (2001): 252-256.

PubMedリンク PMID:11349411
本文:googlescholar経由で入手可能(全文

タイトル:犬の強迫性障害、分離不安、騒音恐怖症の治療におけるクロミプラミンの使用;予備臨床研究

==アブストラクト=== 
目的
: 犬の強迫性障害、分離不安、騒音恐怖症の治療プロトコルの効果と耐忍性を評価すること。

デザイン:上記の行動障害状態を1つ以上診断された犬24頭におけるクロミプラミンと行動修正を含む治療計画の臨床的反応を評価するために研究を行なった。

方法:詳細な行動および臨床の病歴を各犬で収集した。強迫性障害は9頭で診断された;主な来院の訴えは、尾追い、影追い、旋回、咀嚼(chewing)であり、うち1頭は分離不安も診断された。分離不安は14頭で診断された;来院の訴えは、飼い主不在時の破壊、発声、逃亡であった。4頭は騒音恐怖症を示した。騒音恐怖症のみと診断された1頭と、不適席な恐怖反応を示す他の犬もふくまれた。クロミプラミンは1日2回経口投与された。開始用量は1-2mg/kgであった。必要に応じて用量を最大4mg/kgまで漸増した。行動修正プログラムが設計され、飼い主はその実施について指導をうけた。犬は臨床徴候が消えてから、あるいは容認できる程度に減少してから、最低1ヶ月投薬を継続し、その後、行動修正を続けながら毎週間隔で薬物投与量を減らすことで投薬の中止を試みた。

結果:主な臨床徴候は、16頭で概ね改善または消失し、5頭でわずかから中程度の改善を示し、3頭で行動に変化がなかった。クロミプラミンからの離脱は9頭で試みられ、うち5頭でうまくいった。

結論
:クロミプラミンは行動修正と併用することで、24頭の評価された症例のうち16頭で、強迫性障害および/または分離不安および/または騒音恐怖症の臨床徴候の抑制に、有効でよく許容され、ほかの5頭では臨床徴候が改善した。
 

Cracknell, Nina R., and Daniel S. Mills.
"A double-blind placebo-controlled study into the efficacy of a homeopathic remedy for fear of firework noises in the dog (Canis familiaris)." 
The Veterinary Journal 177.1 (2008): 80-88.

PubMedリンク PMID:17572119
本文:googlescholar経由で入手可能(全文

タイトル
:犬の花火の音の恐怖に対するホメオパシーのレメディの有効性に関する二重盲検プラセボ対照研究

==アブストラクト=== 
花火に対して恐怖を示す犬75頭が二重盲検プラセボ対照臨床試験に参加し、行動的徴候の緩和に対するホメオパシーのレメディの有効性が評価された。犬はランダムに2つの治療のうちの1つに割り当てられた;ホメオパシー治療、またはプラセボ治療。ベースラインの評価で、飼い主は、犬が通常花火に反応して表す恐怖の行動徴候を特定し、それの頻度と強度を格付けし、犬の反応の全体的な重症度を評価した。これらの測定は最終評価時に繰り返され、飼い主は試験期間中、週ごとの日記を作成した。プラセボ治療群では飼い主が評価した15の行動徴候のうち14で有意な改善がみられ、ホメオパシー治療群では15すべてで改善がみられた。両治療群はともに、飼い主の評価する犬の反応の全体の重症度でも有意な改善がみられた。しかし、両治療群間で、反応における有意な差はみられなかった。

Korpivaara, M., et al.
"Dexmedetomidine oromucosal gel for noise-associated acute anxiety and fear in dogs—a randomised, double-blind, placebo-controlled clinical study." 
Veterinary Record (2017): vetrec-2016.

PubMedリンク PMID:28213531
本文:無料公開あり(全文

タイトル
:犬の騒音に関連した急性の不安と恐怖に対するデクスメデトミジン口腔粘膜ゲル;ランダム化、二重盲検、プラセボ対照臨床試験

==アブストラクト=== 
このランダム化、二重盲検、プラセボ対照、臨床現場試験の目的は、犬における騒音関連の不安や恐怖の緩和におけるデクスメデトミジン口腔粘膜ゲルの効果を評価することである。

大晦日に、花火による急性の不安や恐怖の病歴のある犬182頭に、以下の治療を必要に応じて最大5回まで受けさせた;89頭はデクスメデトミジン、93頭はプラセボ 。主な有効性項目として、不安と恐怖の徴候や程度と同様に、全体の治療効果について評価した。全体の治療効果は統計学的に有意(p<0.0001)であった。優良または良好な治療効果の報告の割合は、プラセボを投与された犬(34/93, 37%)よりも、デクスメデトミジンを投与された犬(64/89, 72%)で高かった。さらに、デクスメデトミジンを投与された犬では、花火の音にも関わらず、不安と恐怖の徴候の表現がより少なかった(p<0.0314)。局所耐性または臨床的な安全性の関心は、研究中に起こらなかった。

この研究により、準鎮静量のデクスメデトミジン口腔粘膜投与が犬の騒音関連の不安や恐怖を緩和することが示された。
 

Engel, Odilo, et al.
"Effectiveness of imepitoin for the control of anxiety and fear associated with noise phobia in dogs." 
Journal of Veterinary Internal Medicine (2019).

PubMedリンク PMID:31568622
本文:無料公開あり(全文

タイトル:犬の騒音恐怖症に関連した不安と恐怖の抑制のためのイメピトインの有効性

==アブストラクト=== 
背景:騒音恐怖症は犬の一般的な行動問題であり、治療のオプションは限られている。

目的:犬の騒音恐怖症に関連した不安と恐怖の抑制のためのイメピトインの効果と安全性について評価すること。

動物:獣医診療所においける騒音恐怖症のある家庭飼育犬238頭が集められた。

方法
:このプラセボ-対照、ランダム化、二重盲検試験では、誘発する背景として予測可能な騒音イベントに、ドイツとオランダの伝統的な大晦日の花火大会を用いた。飼い主は予想される騒音イベントの2日前から治療を開始し、イメピトイン30mg/kg 12時間毎、またはプラセボのいずれかを3日間連続で投与した。 大晦日に、飼い主は犬の恐怖と不安の行動について16:00、22:00、00:20、01:00の時刻に観察して記録し、翌日に全体の治療効果をスコア化した。

結果:飼い主の恐怖と不安の徴候の16項目中、恐怖と不安の行動はプラセボに比較してイメピトインの治療で有意に減少した(-6.1スコアポイント;p<0.0001)。治療全体を良いまたはとても良いと報告した飼い主の割合は、プラセボ群と比較してイメピトイン群で有意に高かった(オッズ比 4.689;95%信頼区間 2.79-7.89, p<0.0001)。

結論:イメピトインは犬の騒音恐怖症に関連した不安や恐怖を有効的に抑制する。 


==本文から===
企業関与:ベーリンガー・インゲルハイム・ベトメディカ社
 

Niyyat, Marzieh Rahimi, Mohammad Azizzadeh, and Javad Khoshnegah.
"Effect of Supplementation With Omega-3 Fatty Acids, Magnesium, and Zinc on Canine Behavioral Disorders: Results of a Pilot Study." 
Topics in companion animal medicine33.4 (2018): 150-155.

PubMedリンク PMID:30502867
本文:無料公開なし

タイトル:犬の行動障害におけるオメガ3脂肪酸、マグネシウム、および亜鉛のサプリメント効果;予備研究の結果

==アブストラクト=== 
近年の発見により、犬が行動障害を発症するきっかけは、栄養を含むいくつかの因子に依存している可能性が示された。 この予備研究は、イランの飼育犬集団におけるいくつかの行動障害に対して、
オメガ3脂肪酸、マグネシウム、および亜鉛を含む栄養補助食品が与える影響について評価できるようにデザインされた。

行動障害のない犬6頭(対照群)と、過剰行動、不適切な排泄、恐怖、破壊性、およびなじみのない人や犬への攻撃、といった一般的な行動異常を少なくとも1つもつ犬42頭(試験群)を含む
全部で48頭の犬に、エイコサペンタエン酸330mg、ドコサヘキサエン酸480mgを含むフィッシュオイルサプリメントのゼラチンカプセルを毎日経口投与で与えた。さらにすべての犬にクエン酸マグネシウム12-15mg/kg、硫酸亜鉛5mg/kgの投与も行なった。サプリメント投与開始前に2回(0日、42日)と開始後に2回(84日、126日)に飼い主を招きアンケートに答えてもらい、データを収集した。アンケートでは飼い主に、6つの行動障害について、0(全くない、または非常にまれ)から4(非常に頻繁)までの5ポイント制リッカート様尺度を示したかどうかを尋ねた。

対照群では評価した行動障害尺度のいずれも有意な変化は示さなかった。行動障害群では、恐怖(p=0.083)、破壊性(p=0.002)、および不適切排泄(p<0.001)の重症度のスコアの中央値が有意な減少を示した。さらに、過剰行動(p=0.162)、犬への攻撃性(p=0.281)、慣れない人への攻撃性(p=0.09)の重症度スコアについては有意な減少は示さなかった。

この研究の結果は、
オメガ3脂肪酸、マグネシウム、および亜鉛の組み合わせはいくつかの行動障害を改善させる可能性があるという仮説を支持する。 


==訳者コメント===
・対照となる犬を設定するのではなく、対照薬(プラセボ)を設定してもらわないと効果があるのかないのかよくわからないですね。
 

Bonner, Sarah E., Alexander M. Reiter, and John R. Lewis.
"Orofacial manifestations of high-rise syndrome in cats: a retrospective study of 84 cases." 
Journal of veterinary dentistry29.1 (2012): 10-18.

PubMedリンク PMID:22792856
本文:無料公開なし

タイトル;高層症候群の犬の口腔顔面兆候;84症例の回顧的研究 

 ==アブストラクト===
高層外傷の猫の医療記録を再調査し、口腔顔面の傷害の発生率と臨床兆候について調べた。猫は2000年1月から2009年12月の10年間に来院した。 シグナルメント、体重、落下した階数、および生存情報について84頭で記録してあり、身体検査所見については83頭で得られた。これらの猫のうち14頭が歯科および口腔外科専門の獣医師により調べらた。平均年齢は37ヶ月であった。落下高さの平均は2.65階であり、多くの症例で猫が落下した環境については記録されておらず、安楽死を含めた全体の生存率は94.0%であり、安楽死を除いた生存率は98.8%であった。口腔顔面の所見には、両側性の鼻出血、硬口蓋の骨折±口蓋の軟部組織の裂傷、口蓋軟部組織の傷、下顎骨折、下顎結合の分離、舌損傷、顔面軟部組織の損傷、歯外傷、およびその他の口腔軟部組織の損傷が含まれた。66%の猫がある程度の口腔顔面損傷をうけた。それぞれの損傷の対応の発生率のために集団を分析した。硬口蓋骨折の合併症として、口腔鼻腔瘻が1頭の猫でみられた。可能性のある損傷の病因と治療オプションについて議論した。

 

Vnuk, Dražen, et al.
"Feline high-rise syndrome: 119 cases (1998–2001)."
 
Journal of feline medicine and surgery 6.5 (2004): 305-312.

PubMedリンク PMID: 15363762
本文:googlesholar経由で入手可能(全文) 

タイトル:猫の高層症候群(ハイライズシンドローム);119症例(1998-2001)

==アブストラクト===
4年間に119頭の猫で高層症候群(high-rise syndrome)が 診断された。猫の59.6%が1歳よりも若く、転落した高さの平均は4階であった。高層症候群は1年のうち暖かい時期により多くみられた。来院した猫の96.5%が落下後に生存した。46.2%の猫で肢の骨折があり、38.5%が前肢、61.5%が後肢であった。脛骨の骨折が最も多く(36.4%)、次に大腿骨が多かった(23.6%)。大腿骨の骨折の78.6%が遠位であった。大腿骨骨折の患者んも平均年齢は9.1ヶ月齢であり、脛骨骨折の患者の平均年齢は29.2ヶ月齢であった。胸部外傷が33.6%の猫で診断された。気胸が20%の猫でみられ、肺挫傷が13.4%でみられた。7階以上からの落下は、より重篤な外傷および胸部外傷の発生率の高さと関連した。

Amengual Batle, Pablo, et al.
"Feline hyperaesthesia syndrome with self-trauma to the tail: retrospective study of seven cases and proposal for an integrated multidisciplinary diagnostic approach." 
Journal of feline medicine and surgery 21.2 (2019): 178-185.

PubMedリンク PMID:29595359
本文:googlescholarからresearchgateで入手可能(全文

タイトル:尾部への自己外傷を伴う猫知覚過敏症候群;7症例の回顧的研究と総合集学的診断アプローチの提案

==アブストラクト===
症例シリーズ要約:これは猫知覚過敏症候群と尾の切断のある猫7頭における臨床的特徴と治療への反応に関する回顧的研究である。猫知覚過敏症候群は、腰背部の皮膚の波打ち、飛び上がったり走ったりするエピソード、過剰な鳴き声、および尾追いと自傷といった特徴をもつ、あまりよく解明されていない疾患である。多くの猫は若く、臨床徴候発症時の年齢の中央値は1歳齢であり、雄(n=6)が多く、屋外へ出る猫(n=5)が多かった。毎日複数回の尾追いと自傷が5頭の猫で報告され、4頭で尾の切断が報告された。エピソード中の発声(n=5)および腰部皮膚の波打ち(n=5)も同様に報告された。 血液学、血清生化学、トキソプラズマ・ゴンディおよび猫免疫不全ウイルス/猫白血病ウイルスの血清学、脳、脊髄および馬尾のMRI、脳脊髄液分析、および電気診断検査では、いずれの臨床的に意味のある異常は明らかにはならなかった。確定的な最終診断はいずれの猫でも達成されなかったが、過敏性皮膚炎は2例で疑われた。様々な内科治療が単独または組み合わせで用いられ、ガバペンチン(n=6)、メロキシカム(n=4)、抗菌薬(n=4)、フェノバルビタール(n=2)、プレドニゾロン(n=2)、トピラメート(n=2)、シクロスポリン(1)、クロミプラミン(1)、フルオキセチン(1)、アミトリプチリン(1)、トラマドール(1)が含まれた。臨床的な改善6頭で達成され、5頭ではガバペンチン単独(n=2)、ガバペンチン/シクロスポリン/アミトリプチリンの組み合わせ(n=1)、ガバペンチン/プレドニゾロン/フェノバルビタールの組み合わせ(n=1)、ガバペンチン/トピラメート/メロキシカム(n=1)によって臨床徴候の完全な消失が得られた。

関連性と新たな情報
:これは猫知覚過敏症候群の猫の症例シリーズにおける最初の回顧的研究である。診断検査では、中枢神経系または末梢神経系におけるいずれの重要な異常も明らかにはならなかった。皮膚科学的および行動学的な問題は除外されなかった。我々は、臨床症例の管理とさらなる前向き研究のために用いる統合された総合的な診断経路について提案する。
 

Hrovat, Alenka, et al.
"Behavior in dogs with spontaneous hypothyroidism during treatment with levothyroxine."
 
Journal of veterinary internal medicine (2018).

PubMedリンク PMID:30499213
本文:無料公開あり(全文

タイトル
:自然発生性の甲状腺機能低下症の犬におけるレボチロキシン治療中の行動

==アブストラクト===
背景
:甲状腺ホルモンの補充は、攻撃性に関連した問題を有する犬に対して、有効な治療オプションであると逸話的に述べられてきた。しかし、レボチロキシンで治療中の甲状腺機能低下症の犬における行動と神経内分泌状態について評価した前向き、対照化、盲検化試験は欠如している。 

目的
:自然発生性の甲状腺機能低下症に犬において、レボチロキシンの補充は行動と神経内分泌の状態に大きな影響を与えるだろう。

動物
:自然発生性甲状腺機能低下症と診断された家庭犬20頭。

方法
:この回顧的研究では、来院時と、レボチロキシン(開始用量 10μg/kg, po, q12hr)治療開始後6週間および6ヶ月で、標準化犬行動評価・調査質問票(standardized Canine Behavioral Assessment and Research Questionnaire:C-BARQ)を用いてスクリーニングし、犬の行動を評価した。各時点で、循環中のセロトニンとプロラクチンの濃度を、商業的に確認のとれているELISAキットと異種ラジオイムノアッセイを用いてそれぞれ評価した。

結果:甲状腺ホルモン補充開始後6週間後、甲状腺機能低下の犬の活動性において、C-BARGスコアは有意な増加を示した(p<0.01)。治療開始後6ヶ月では、行動的徴候の有意な変化はいずれも観察されなかった。ベースラインと比較して、6週間および6ヶ月の時点でのセロトニン(p>0.99、p=0.46)とプロラクチン(p=0.99、p=0.37)の循環濃度は有意な差はみられなかった。

結論と臨床的重要性
:この研究の結果は、甲状腺ホルモン補充後6ヶ月後に活動性の増加があることを示している。この研究の犬の集団では、甲状腺ホルモン補充後6ヶ月では行動的徴候と神経内分泌の状態で有意な変化はみられなかった。


 

Packer, Rowena MA, et al.
"Cognitive dysfunction in naturally occurring canine idiopathic epilepsy."
 
PloS one 13.2 (2018): e0192182.

PubMedリンク PMID:29420639
本文:無料公開あり(全文) 

タイトル
:自然発生性の犬の特発性てんかんにおける認知機能障害

==アブストラクト=== 
世界的に、 てんかんは一般的な重篤な脳障害である。発作活動に加え、てんかんは、発作時に現れる静的な認知機能障害、
進行性の発作誘発性機能障害、および認知症の合併、を含めた認知機能障害と関連している。てんかんは家庭犬で自然発生性の起こるが、犬認知機能障害が自然発生性の認知症のモデルとして認識されているにも関わらず、の犬の認知機能に対するてんかんの影響はこれまで研究されていない。

ここでは、特発性てんかんと診断された認知機能障害の犬と、年齢を考慮した対照犬とを比較するために、精神測定に有効なツールである犬認知機能障害評価(CCDR)スケールのデータを使用する。オンラインの横断的研究により、4051頭の犬のサンプルが得られ、そのうち286頭が特発性てんかんと診断された。
4つの要因が犬認知機能障害の診断(CCDR≧50のカットオフ値よりも上)と有意に関連した。
(ⅰ)てんかんの診断;てんかんの犬はリスクが高く、
(ⅱ)年齢;高齢の犬はリスクが高く、
(ⅲ)体重;軽い犬はリスクが高く、
(ⅳ)訓練歴;訓練活動をより多くうけた犬はリスクが低かった。
記憶に関する機能障害は、特発性てんかんの犬で最も一般的であったが、対照群と比較した機能障害の進行は観察されなかった。てんかんと年齢との間の有意な相互作用が認められ、特発性てんかんの犬は若齢時に認知機能障害に対する高いリスクを示し、一方、対照犬では中年齢まで低いリスクが続き、高齢で指数関数的にリスクが増加した。特発性てんかんのサブグループでは、群発発作の病歴および発作頻度の高い犬は、CCDRのスコアがたかった。ここでの特発性てんかんの犬における、発症年齢、認知機能障害の性質と進行は、犬認知機能障害で古典的にみられたものとは異なるようにみえる。

Ogata, Niwako, et al.
"Brain structural abnormalities in Doberman pinschers with canine compulsive disorder." 
Progress in Neuro-Psychopharmacology and Biological Psychiatry 45 (2013): 1-6.

PubMedリンク PMID:23590875
本文:無料公開なし 

タイトル
:犬強迫性障害をもつドーベルマンピンシャーの脳構造の異常

==アブストラクト=== 
 強迫性障害は消耗性の病態であり、その病因はよく理解されておらず、一つの理由には10年以上にもわたって未診断/未治療のままであることが多いことがある。動物モデルにおける強迫性障害の病因を特徴付けることは、早期の診断と介入を容易にする可能性がある。ドーベルマンピンシャーは犬強迫性障害と呼ばれる類似の行動障害の罹患率が高く、多くの症例が(ヒトの)強迫性障害に用いられる治療に反応する。したがって犬強迫性障害の研究は、(ヒトの)強迫性障害の病因を解明するのに役立つ可能性がある。

 我々は、犬強迫性障害のあるドーベルマンピンシャー(n=8)と罹患していない対照犬(n=8)の脳構造を比較し、犬強迫性障害がヒトの強迫性障害で報告されているのと相当な構造異常と関連しているかどうかを調べた。我々は麻酔下のドーベルマンから得られた3テスラの磁気共鳴構造と拡散画像を、分割画像、ボクセルベースの形態計測、拡散テンソル解析に適応した。犬強迫性障害の犬は脳全体の体積と灰白質の体積が高く示され、背側前帯状皮質と右前頭灰白質の濃度が低く示された。犬強迫性障害の犬はまた、脳梁の膨大部において高い異方性比率を示し、その程度は行動の表現型の重症度と相関していた。
 
 これらの所見から犬強迫性障害は、ヒトの強迫性障害で同定されているものと並行した構造異常と関連していることが示唆される。したがって、犬強迫性障害のモデルは、他の動物の脅迫性障害モデルよりも多くの利点を有しており、脅迫性障害の神経解剖学の基礎と病因の確率に役立つ可能性があり、それはヒトと動物のこれらの疾患の早期診断と新しい治療につながる可能性がある。

Moon-Fanelli, Alice A., Nicholas H. Dodman, and Nicole Cottam.
"Blanket and flank sucking in Doberman Pinschers." 
Journal of the American Veterinary Medical Association 231.6 (2007): 907-912.

PubMedリンク PMID:17867975
本文:googlescholar経由で入手可能(全文) 

タイトル
:ドーベルマンピンシャーのブランケットサッキングとフランクサッキング

==アブストラクト===
目的
:ドーベルマンピンシャーにおけるブランケットサッキング(毛布を吸うこと)およびフランクサッキング(脇腹を吸うこと)と異食症との関連性を評価すること

デザイン
:調査と症例対照研究

動物
:153頭のドーベルマンピンシャー(ブランケットサッキングまたはフランクサッキングをする77頭と、それをしない76頭)

手順
:ブランケットサッキング、 フランクサッキング、またはその両方を行うドーベルマンピンシャーの飼い主に、発症年齢、トリガー、頻度、持続時間、中断可能か、関連する医学的および行動学的影響について調査した。ブランケットサッキングおよびフランクサッキングと異食症との関連の推測は、罹患犬と非罹患犬を比較することで調べた。

結果
:ブランケットサッキングとフランクサッキングの口の活動の目的物が異なるということの他には、発症年齢はそれらの間で異なる唯一の指標であった。ブランケットサッキングまたはフランクサッキングの犬では、非罹患犬よりも異食症の有病率が高かった。

結論と臨床的関連
:ブランケットサッキングとフランクサッキングは、十分な強度で医学的な後遺症を引き起こすことに明らかに関連した状態である。これらの非栄養的な哺乳行動は、他の犬における強迫性障害と共通した部分があり、異食症と関連している。獣医師は、フランクサッキンングとブランケットサッキングは異常であり、犬の有害行動の可能性があることを飼い主に助言すべきである。フランクサッキングとブランケットサッキングが重篤な犬や医療上の問題に関連している場合には、治療を考慮すべきである。 
 

Nijsse, R., et al.
"Coprophagy in dogs interferes in the diagnosis of parasitic infections by faecal examination." 
Veterinary parasitology 204.3-4 (2014): 304-309.

PubMedリンク PMID:24880647 
本文:無料公開なし

タイトル
:犬の食糞は糞便検査による寄生虫感染の診断に干渉する

==アブストラクト===
 多くの犬は食糞行動を示す。蠕虫卵は犬の消化管を受動的に通過することができ、これは消化管の蠕虫寄生虫の感染で偽陽性の診断をもたらす可能性がある。

 1年間、糖浮遊溶液(1.27-1.30g/cm3)による遠心沈降浮遊法を用いて毎月犬の便サンプルを検査した。サンプルの検査で犬の蠕虫卵が陽性であった場合、飼い主に3日間犬の食糞を防いだ後に便のサンプルをもう一度提出してもらった。2度目のサンプルの検査でも蠕虫卵が陽性であった場合に、その犬が明らかに感染を起こしているものと判断した。2度目のサンプルが陰性であった場合、1度目のサンプルは食糞のための偽陽性であったものと判断した。この研究は回虫卵の流出に焦点をあてている。

 最初の検査で、246のサンプル(犬に特異的な蠕虫乱に検査で陽性だった308のサンプルのうち)が回虫属に陽性だった。これらのうち、120(49%)が2度目の検査で陰性であった。付随するアンケートに答えた564人の飼い主のうち、261頭で食糞行動が認められた。これは391頭の犬が対象であった。糞便鏡検査では、糞便行動の報告をしていない飼い主の犬においてもまた、食糞の証拠(例えば、アイメリア族のオーシスト、犬以外で典型的な蠕虫卵)がみつかった。

 この結果から、犬の食糞は明らかなな蠕虫感染の有病率を過大評価する可能性があり、犬は蠕虫卵の輸送宿主として役立つ可能性を示してる。
 

Hart, Benjamin L., et al.
"The paradox of canine conspecific coprophagy." 
Veterinary Medicine and Science (2018).

PubMed ※2018/1/24時点で出てきません
本文:無料公開あり(PDF) 

タイトル
:犬の同種食糞のパラドックス

==アブストラクト===
 犬の同種食糞(一部の犬がもつ自分の糞便または他の犬の糞便を食べる傾向や性質 )は、犬は典型的には同種の糞便への嫌悪を示すことから、逆説的である。この矛盾を解決するために、我々はこの行動の発生に関連する要因を決定し、行動修正方法と同様に食糞を治療するための市販されている11種の製品の有効性を評価することに着手した。
 これらの問題に対処するために犬のサンプルが大量に必要であったため、2つのwebベースの調査を利用した。まずひとつ、食糞犬と非食糞犬を比較するために1552の選出が得られた。もうひとつでは1475の選出が得られ、特に食糞の特徴と治療の成功についての情報を集めるために食糞犬の飼い主が採用された。少なくとも6回以上糞便を食べたものを同種食糞と定義し、調査によるとサンプルの犬の16%で頻繁な食糞がみられた。年齢または食事と食糞を関連づける根拠は見出されなかった。食糞犬は非食糞犬と同様に家庭で訓練されており、糞便に対する正常な嫌悪をしめした。食糞犬は非食糞犬よりも食べることに貪欲であると報告される割合が高かった。商業製品と行動修正法の成功率はほとんどゼロと報告され、そうした行動が簡単には変更できないことを示している。
 食糞は圧倒的に新鮮な便(2日以上経過していないものと定義)に向けられた。食糞は、典型的には初期に感染性がないが2日後には感染性幼虫になる寄生虫卵を有しており、すみかに堆積する可能性のある糞便由来の消化管寄生虫をすみかから取り除いておくという、
祖先のオオカミから遺伝した傾向を反映しているという仮説が提示される。トイレにおける新鮮糞便の消費による進化した寄生虫戦略は適応性がある。

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