ねころんで探せる小動物医療のジャーナルクラブ

小動物臨床の獣医師が、臨床に役立ちそうな論文情報をちょっとづつアップします。ねころんでいても論文検索ができればいいなと。

カテゴリ: 食事

Kennedy, Alexandra J., and Joanna D. White.
"Feline ureteral obstruction: a case-control study of risk factors (2016–2019)." 
Journal of Feline Medicine and Surgery (2021): 1098612X211017461.


PubMedリンク PMID:
34076537
本文:無料公開なし

タイトル:猫の尿管閉塞;リスク因子についての症例対照研究(2016-2019)

==アブストラクト===
目的:猫の尿管閉塞は急性腎障害の原因となり、典型的には外科介入が必要となる。予防戦略のためには、修正可能な潜在的なリスク因子についての情報が必要である。

方法:猫の尿管閉塞に関連するリスク因子を評価するために症例対照研究を行った。症例は、以下のいずれかの猫として定義された;(1)腎盂造影によって確定された尿管閉塞(尿管結石13/18、不明5/18)または(2)腹部超音波検査による両側の尿管閉塞(尿管結石6/10、血餅3/10、膿腎症1/10)と腎盂拡張≧5mmを伴うクレアチニン濃度の上昇>140μmol/l。対照群は、病歴、身体診察、腹部超音波検査において尿管閉塞の所見のない猫と定義した。年齢、性別、品種(短毛/長毛)、食事(主にドライフード、主にウェットフード、または混合)、生活環境(屋内または混合)、および血漿総カルシウム、について尿管閉塞との関連を多変量ロジスティック回帰を用いて評価した。受信者動作特性(ROC)曲線を作成し、最終的なモデルの予測能力を評価した。

結果:合計で168頭(症例28頭、対照140頭)が組み入れられた。年齢、性別、品種、生活環境、および総カルシウムについてはいずれも尿管閉塞と有意な関連はなかったが、食事は関連があった。主にウェットフードを食べている猫に比べて、主にドライフードを食べている猫では、尿管閉塞を15.9倍起こしやすかった(95%信頼区間 2.9-295;p=0.009)。混合食を食べている猫と、主にウェットフードを食べている猫の間には、食事と尿管閉塞の関連についての差はなかった(p=0.25)。ROC下面積は72%であった。

結論
:食事組成の変更は、尿管閉塞のリスクを減らすためのシンプルで経済的な方法である。

Tefft, Karen M., et al.
"Effect of a struvite dissolution diet in cats with naturally occurring struvite urolithiasis." 
Journal of Feline Medicine and Surgery (2020): 1098612X20942382.


PubMedリンク PMID:32705911
本文:無料公開あり(全文

タイトル:自然発生性のストラバイト尿石症の猫におけるストラバイト溶解食の効果

==アブストラクト===
目的:猫のストラバイト膀胱結石の溶解における低ストラバイト過飽和食の効果を調べることである。

方法:これは前向き非盲検2施設研究である。レントゲンで尿石があり、尿検査が行われている12頭の家庭飼育猫が組み入れられた。最大56日間、試験食だけを猫に与えた。猫は、レントゲンで溶解がみられるまで、または試験期間が終わるまで、2週間ごとにレントゲンを撮った。試験期間の終了時にレントゲンで尿石がみられる猫は、結石の摘出と分析のために膀胱切開をうけた。

結果:12頭中9頭が研究を完了した。8頭ではレントゲンで溶解がみられ、そのうち7頭は最初の1ヶ月で完全な溶解を得た。1頭は、56日目に部分的な溶解を得ており、飼い主が膀胱切開を拒否し、治療の70日目に完全な溶解を得た。2頭はレントゲンで部分的な溶解を得て、摘出によりシュウ酸カルシウム結石のコアが確認された。

結論と臨床的関連
:試験食はストラバイトが疑われる膀胱結石を溶解することに成功した。この食事は成猫の維持食に適合しているため、猫のストラバイト尿路結石症の長期予防に適しているかもしれない。



企業関与:ブルーバッファロー社

Jablonski Wennogle, S. A., J. Stockman, and C. B. Webb.
"Prospective evaluation of a change in dietary therapy in dogs with steroid‐resistant protein‐losing enteropathy."
 
Journal of Small Animal Practice (2021).


PubMedリンク PMID:33851420
本文:無料公開なし

タイトル:ステロイド抵抗性タンパク漏出性腸症の犬における食事療法の変化の前向き評価

==アブストラクト===
目的:ステロイド抵抗性タンパク漏出性腸症の犬における唯一の変化として食事の変更の臨床的効果を調べること。

方法:前向き研究。適合して組み入れられた犬は治療プランの唯一の変化として食事の変更をうけた。犬慢性腸症活動性指数と血清アルブミンを3ヶ月間モニターした。一部の研究参加者については、長期の追跡データも入手できた。

結果:研究期間中、15頭の犬が組み入れに適合した。12頭が組み入れられ、10頭が30日の研究に残り、9頭が3ヶ月の研究期間を完了した。食事の変更後、10頭中8頭が完全に寛解し、1頭が部分寛解、1頭が反応なしであった。完全寛解を達した犬8頭中7頭が、4年間の追跡期間中、寛解を維持した。完全寛解を達成した犬では、犬慢性腸症活動性指数スコアの中央値は、0日目と14-28日目でそれぞれ11.5と4であり、血清アルブミン濃度の中央値は15g/dlと26g/dlであった。

臨床的意義
:食事療法、グルココルチコイド、および免疫抑制剤の組み合わせによる過去の治療に反応が得られなかったタンパク漏出性腸症の犬では、食事の変更により寛解が得られる可能性がある。改善は14-30日以内にみられることが多い。食事アプローチの変更は、蛋白漏出性腸症の治療が困難な犬の一部において、さらなる免疫療法や抗炎症療法の代替となる可能性がある。

Adin, Darcy, et al.
"Effect of type of diet on blood and plasma taurine concentrations, cardiac biomarkers, and echocardiograms in 4 dog breeds."
 
Journal of Veterinary Internal Medicine (2021).


PubMedリンク PMID:33638176
本文:無料公開あり(全文

タイトル:4犬種における食事のタイプが血中/血漿タウリン濃度、心臓バイオマーカ、および心エコーに与える影響

==アブストラクト===
背景:食事と拡張型心筋症の関連は調査中である。

目的:グレインフリー(GF)の食事やFDAがリストアップした懸念原料(エンドウ豆、レンズ豆、ジャガイモ)を上位10の成分として使用している食事を食べている健康な犬では心臓の評価で以上を示し、しかしグレインを含む食事やFDAの懸念材料を含まない食事を食べている犬では異常を示さないだろう。

動物:188頭の健康な犬;ドーベルマン・ピンシャー、ゴールデン・レトリバー、ミニチュア・シュナウザー、ウィペット。

方法
:この研究は観察横断研究である。心エコー検査、心臓バイオマーカ、および血中/血漿タウリン濃度を、グレインフリー食(n=26)とグレイン含有食(n=162)を食べている犬の間で、およびFDA懸念材料を含む食事(n=39)と含まない食事(=149)を食べている犬の間で、年齢と犬種を調整して比較した。人口統計的な特徴、心雑音、遺伝的状態、検査中のVPCを、異なる食事を食べている犬の間で比較した。

結果
:異なるタイプの食事を食べている犬の間で、心エコー検査変数、NTproBNP、血中タウリン濃度に差はなかった。グレインフリー食を食べている犬は、グレインフリー含有食を食べている犬よりも、高感度心臓トロポニンIの中央値が高く(0.076ng/ml[四分位 範囲 0.028-0.156]vs 0.048ng/ml[四分位 範囲 0.0026-0.080];p<0.001)、血漿タウリン濃度の中央値が高かった(125nmol/ml[101-148]vs 104nmol/ml[86-123];p=0.02)。FDA懸念材料を含む食事を食べている犬は、FDA懸念材料を含まない食事を食べている犬よりも、高感度心臓トロポニンIの中央値が高かった(0.059ng/ml[0.028-0.122]vs 0.048ng/ml[0.025-0.085];p=0.06).FDA懸念材料を含む食事を食べている犬は、FDA懸念材料を含まない食事を食べている犬よりも、VPCの発生が多かった(10% vs 2%;P-0.04)。

結論と臨床的意義
:グレインフリー食およびFDA懸念材料を含む食事を食べている犬における高感度心臓トロポニンIの高さは、低水準での心筋障害を示している可能性がある。

Freid, Kimberly J., et al.
"Retrospective study of dilated cardiomyopathy in dogs." 
Journal of Veterinary Internal Medicine (2020).

PubMedリンク PMID:33345431
本文:無料公開あり(全文

タイトル:犬の拡張型心筋症に関する回顧的研究

==アブストラクト===
背景:アメリカのFDAは犬と猫における食事関連性拡張型心筋症(DCM)の可能性について調査している。

目的:DCMの症例を回顧的にレビューし、シグナルメント、食事情報、心エコーの変化、および生存に関して調べること。

動物:家庭飼育犬(n=71)

方法:2014年1月1日から2018年11月30日の間にDCMと診断された犬の医療記録をレビューした。犬は「伝統的な食事」と「非デ伝統的な食事」()のグループに分けられ、それは診断後に食事を変更したかどうかに関わりなかった。

結果
:非伝統的な食事を食べている犬に場合、食事を変更した犬は、変更しなかった犬に比べて、正常化収縮期左心室内径(p=0.03)と左心房/大動脈比(p<0.001)の減少割合が大きかった。生存期間は、非伝統的な食事を食べていて食事を変更しなかった犬(中央生存期間 215日;範囲 1-852日)と比べて、非伝統的な食事を食べていて食事を変更した犬(中央生存期間 337日;範囲 9-1307日)のほうが有意に長かった(p=0.002)。

結論と臨床的意義:非伝統食を食べているDCMの犬では、食事の変更後に心機能の改善を経験する可能性があるが、食事とDCMの関係についてはさらなる調査が必要である。


)本文中で、伝統的な食事=穀物を含む食事、非伝統的な食事=穀物を含まない食事(グレインフリー)、と定義されています。

Kathrani, A., et al.
"The use of hydrolysed diets for vomiting and/or diarrhoea in cats in primary veterinary practice." 
Journal of Small Animal Practice (2020).


PubMedリンク PMID:32895973
本文:32895973

タイトル
一次獣医診療における猫の嘔吐および/または下痢に対する加水分解食の利用

==アブストラクト===
目的:病因不明の慢性嘔吐および/または下痢に対して、併用薬剤のある/ない状態で加水分解食が処方された猫の反応について記述すること。

方法:2016年からのVetCompassのデータベースにおけるイギリス獣医ケアをうけている512,213頭の匿名記録から、加水分解食に関連する用語を使用して検索した。加水分解食を与えられていた猫5569頭中5000頭(90%)の記録をランダムにレビューし、胃腸の適応症、以前のおよび併用の薬剤、および加水分解食介入後の反応について調べた。反応不良は、6ヶ月以上の追跡において、食事開始後の来院時における嘔吐/下痢に対する抗菌薬またはグルココルチコイドの使用、または消化器徴候による死亡、と定義した。

結果:慢性嘔吐/下痢に対して加水分解食を処方された977頭中、697頭(71%)は最初のの処方で抗菌薬またはグルココルチコイドの併用がなく、280頭(29%)は最初の処方でそれらの薬の併用があった。前者のグループの34%と後者のグループの61%が、反応不良であった。6歳以上の猫と、嘔吐/下痢に対して食事介入の前および併用で抗菌薬および/またはグルココルチコイドが処方されていた猫では、反応不良となるオッズが高かった。

臨床的意義
:私たちの観察におけるばらつきは、臨床徴候の重症度または一次診療獣医師の処方行動を反映している可能性はあるものの、私たちの研究は慢性嘔吐/下痢の診断調査で原因が明らかでない猫では、反応不良の症例に対して抗菌薬やグルココルチコイドの治療に頼る前に、単独両方として最初に加水分解食を試みることにはメリットがあることを示唆している。

Nagata, Noriyuki, et al.
"Clinical characteristics of dogs with food‐responsive protein‐losing enteropathy."
 
Journal of Veterinary Internal Medicine 34.2 (2020): 659-668.


PubMedリンク PMID:32060974
本文:無料公開あり(全文

タイトル:食事反応性タンパク漏出性腸症の犬の臨床的徴候

==アブストラクト===
背景:タンパク漏出性腸症(PLE)の犬において、食事反応性PLEの臨床的な特徴はあいまいなままである。

目的:超低脂肪食の治療に反応した食事反応性PLEの犬の臨床的特徴を調べること。

動物:標準的な診断基準によりPLEと診断された犬33頭。

方法
:医療記録の回顧的レビュー。食事反応性PLEと免疫抑制反応性PLEまたは非反応性PLEの犬で、臨床所見を比較した。受信者動作特性曲線のAUCを用いて、食事反応性PLEと免疫抑制反応性/非反応性PLEのグループを区別するための因子を評価した。食事反応性PLEと免疫抑制反応性/非反応性PLEのグループで生存期間を比較した。

結果
:23頭が超低脂肪食による治療に反応し、食事反応性PLEと診断された。イヌ慢性腸症臨床活動性指数(CCECAI)は、免疫抑制反応性/非反応性PLEよりも食事反応性PLEのグループのほうが低かった(p<0.001)。食事反応性PLEグループを鑑別するためのCCECAIのAUCは0.935(95%信頼区間 0.845-1.000)であり、適切なカットオフ値は8(感度 0.826;特異度0.889)であった。生存期間は、免疫抑制反応性/非反応性PLEグループ(中央値 432日;p<0.001)よりも、食事反応性PLEグループ(中央値に達せず)の方が有意に長かった。

結論と臨床的意義
:超低脂肪食の治療に反応し、食事反応性PLEと診断された犬は、良好な予後が期待される。臨床スコア、特にCCECAIは、食事反応性PLEと免疫抑制反応性/非反応性PLEを鑑別するのに有用となりえる。

Xenoulis, Panagiotis G., et al.
"Effect of a low‐fat diet on serum triglyceride and cholesterol concentrations and lipoprotein profiles in Miniature Schnauzers with hypertriglyceridemia."
 
Journal of Veterinary Internal Medicine (2020).

PubMedリンク PMID:33022097
本文:無料公開あり(全文

タイトル:高脂血症のあるミニチュア・シュナウザー における低脂肪食が血清トリグリセリドおよびコレステロール濃度に与える影響

==アブストラクト===
背景:高脂血症はミニチュア・シュナウザー で一般的である。高脂血症の食事管理は重要であるが、それに関する研究は入手できない。

仮説/目的:高脂血症のあるミニチュア・シュナウザー において市販されている低脂肪食が血清トリグリセリドとコレステロール濃度、およびリポ蛋白プロファイルに与える影響を調べること。

動物:高脂血症のあるミニチュア・シュナウザー 16頭、高脂血症のないミニチュア・シュナウザー 28頭。

方法:前向き臨床研究。高脂血症のあるミニチュア・シュナウザー から4つの血液サンプルを収集した(食事変更の1-2ヶ月前、1日前、低脂肪食開始後の2ヶ月後、3ヶ月後)。

結果
:食事変更後の2つのサンプルの血清トリグリセリド濃度(サンプル3;中央値177mg/dl 範囲48-498、サンプル4;中央値168mg/dl、範囲77-745)は、食事変更前(サンプル1;中央値480mg/dl 範囲181-1320、サンプル2;中央値498mg/dl、範囲114-1395)よりも有意に低かった(p<0.001)。食事変更後の2つのサンプルの血清コレステロール濃度(サンプル3;平均257mg/dl 標準偏差(SD)82.2、サンプル4;平均178mg/dl、SD 87.4)も、食事変更前(サンプル1;平均381mg/dl 標準偏差(SD)146.1、サンプル4;平均380mg/dl、SD 134.7)よりも有意に低かった(p<0.001)。食事変更前には、高脂血症のミニチュア・シュナウザー の15/16(94%)がリポ蛋白プロファイルだけをもとに高脂血症に分類されていた。食事変更後には、リポ蛋白プロファイルをもとにした高脂血症の分類は、有意にに少なくなった(7/16[44%]、オッズ比19.3、95%信頼区間2.0-184.0、p=0.006)。

結論と臨床的意義:研究食は高脂血症のあるミニチュア・シュナウザー の血清トリグリセリドとコレステロール濃度を減少させ、リポ蛋白プロファイルを修正するのに有効であった。

[企業関与]ロイヤルカナンが試験食を提供

Kathrani, A., et al.
"The use of hydrolysed diets for vomiting and/or diarrhoea in cats in primary veterinary practice."
 
Journal of Small Animal Practice (2020).


PubMedリンク PMID:32895973
本文:無料公開あり(全文

タイトル:一次獣医診療における猫の嘔吐および/または下痢に対する加水分解食の使用

==アブストラクト===
目的:病因不明の慢性の嘔吐および/または下痢に対して併用薬ある/なしで加水分解食を処方された猫の反応を調べること。

方法:2016年にVetCompassデータベースから得られたイギリスの獣医診療所の512,213頭の猫の匿名の記録を、加水分解食に関連した単語で検査した。加水分解食を処方された記録のある5569頭の猫のうち、5000頭(90%)の記録を、胃腸の適応症、以前の投薬、併用薬、および加水分解食介入後の反応についてランダムにレビューした。反応不良は、食事開始後の来院時に嘔吐/下痢の治療として抗菌薬またはグルココルチコイドが処方された、または最低6ヵ月の追跡期間中に消化器徴候による死亡、と定義された。

結果:慢性嘔吐/下痢に対して加水分解食が処方された猫977頭中、697頭(71%)は抗菌薬またはグルココルチコイドの併用なしで最初に食事が処方され、一方、280頭(29%)は最初からこれらの薬剤と食事が併用された。前者のグループの猫の34%、および後者のグループの猫の61%が、反応不良であった。6歳以上の猫と、食事と併用してまたはそれ以前に嘔吐/下痢に対して抗菌薬および/またはグルココルチコイドが処方された猫へ、反応不良となるオッズ比が高かった。

臨床的意義
:観察結果の変動は、徴候の重症度や一次診療獣医の処方習慣を反映している可能性があるが、この研究は、診断検査で原因が明らかとなっていない慢性の嘔吐/下痢のある猫において、反応が良くない症例に抗菌薬および/またはグルココルチコイドの治療を試す前に、単独療法として加水分解食を試すメリットがあることを示唆している。


==本文から===
利益相反:なし

Tørnqvist-Johnsen, Camilla, et al.
"Investigation of the efficacy of a dietetic food in the management of chronic enteropathies in dogs."
 
Veterinary Record 186.1 (2020): 26-26.

PubMedリンク PMID:30563436
本文:無料公開あり(全文

タイトル:犬の慢性腸症の管理における栄養食品の効果についての調査

==アブストラクト=== 
背景:慢性腸症は犬が一般的に罹患する疾患である。慢性の胃腸臨床徴候(3週間以上)があり、腸管の成犬で炎症性変化があり、標準化された徹底的な診断犬で他の根本原因がみつからない犬で、慢性腸症は診断される。治療への反応をもとに、慢性腸症は、食事反応性腸症、抗菌薬反応性腸症、またはステロイド反応性腸症へとさらに分類される。慢性腸症の犬では食事反応性が高い割合を占めるが、慢性腸症の治療における市販の食事の臨床的効果について記述した査読付きの出版物は限られている。

方法:この研究では、慢性腸症のある犬15頭における市販の栄養食品(Hill's Prescription Diet i/d Sensitive Canine Dry)への反応を評価した。犬は標準的な診断評価をうけ、駆虫薬、抗菌薬、グルココルチコイド、または胃保護薬の併用は行わなかった。食事療法の臨床的効果は、食事療法開始前と開始後13日で、犬炎症性腸疾患活動性指数(CIBDAI)を用いて比較した。

結果:食事療法開度後にCIBDAIは有意に減少した(CIBDAIスコアの中央値;治療前9、治療後2;p<0.0005)。

結論
:この研究により、この食事が犬の慢性腸症の有効な管理として使われ得ることが示された。


企業関与
:Hill's Pet Nutrition 

Mansfield, C., and T. Beths.
"Management of acute pancreatitis in dogs: a critical appraisal with focus on feeding and analgesia." 
Journal of small animal practice 56.1 (2015): 27-39.

PubMedリンク PMID:25586804
本文:googlescholarからreseachgateで入手可能(全文

タイトル
;犬の急性膵炎の管理;食事と鎮痛に焦点を当てた批判的評価

==アブストラクト===
急性膵炎に関する知識は、医療および獣医分野の両方で最近増えてきた。知識の拡張にも関わらず、犬の自然発生の疾患における治療介入に関する研究は非常に少ない。結果として、治療の推奨は実験的なげっ歯類モデルもしくは一般的なクリティカルケアの原則から、多く外挿されている。一般的な治療原則には、水分喪失の補充、静水圧の維持、悪心の抑制、痛みの解放が含まれる。最近ヒト医療で提唱されている具体的な介入には、鎮痛としてのニューロキニン1拮抗薬の使用、および早期の食事介入が挙げられている。不健康な腸管細胞は全身性炎症を長引かせると考えられているおり、
早期摂食に前提は腸管の健康の改善である。治療介入の根拠は、これまで強固な臨床試験によって支持されていないが、ヒトでは入院期間を短縮させるという根拠があり、犬でも許容されるだろう。この記事では、犬における急性膵炎の管理の主要な分野を要約し、各推奨のエビデンスのレベルを調べる。 

Hall, Jean A., et al.
"Cats with IRIS stage 1 and 2 chronic kidney disease maintain body weight and lean muscle mass when fed food having increased caloric density, and enhanced concentrations of carnitine and essential amino acids."
 
Veterinary Record 184.6 (2019): 190-190.

PubMedリンク PMID:30514741
本文:無料公開あり(全文

タイトル
IRISステージ1・2の慢性腎臓病の猫は 、カロリー密度が高く、カルニチンと必須アミノ酸の濃度の高い食事を与えると、体重および除脂肪体重を維持する。

==アブストラクト===
前向き、ランダム化、6ヶ月の食事試験を、IRISスタージ1・2の慢性腎臓病のある猫28頭で行なった。すべての猫はいずれか食事に食事に割り付けられた;対照食としてロイヤルカナン腎臓サポート猫用ドライ、試験食としてヒルズ処方食k/dチキンドライ。食事の摂取は毎日記録;体重は毎週記録;血清、尿、二重エネルギーX線吸収測定法(DEXA)、およびボディーコンディションの評価は0,1,3,6ヶ月で行なった。20頭の猫(対照群9頭、試験群11頭)がプロトコールに従って試験を完了した。対照食を摂取した猫は、6ヶ月間にわたって体重(n=14;平均-13.0%、p<0.0001)と除脂肪体重(平均 -11.1%、p<0.0001)が有意に減少し、一方、試験食を摂取した猫は、
体重(n=14;平均5.8%、p<0.003)が有意に増加し、除脂肪体重には変化がなかった(p=0.42)。カロリーの消費は、対照食を食べた猫(平均 168.0kal/day)に比べて、試験食を食べた猫(平均 207.1kcal/day)でより多かった(p=0.05)。血清クレアチニンは、試験食を食べた猫と比べて、対照食を食べた猫での増加率が早かった(p=0.0004)。試験食を食べた猫では、対照食を食べた猫と比べて、カロリーと必須アミノ酸の取り込みが増加し、体重が増加し、腎機能のバイオマーカーが安定し、除脂肪体重を維持した。
 

==本文から===
企業関与:この研究はヒルズ社からの資金提供でおこなわれていて、著者にもヒルズ社の社員が含まれている。

 スクリーンショット 2019-04-08 23.08.56
カロリー摂取量のグラフ:黒が試験食、灰色が対照食


==訳者コメント===
グラフを見ると明らかに対照食群のほうがカロリー摂取量が少ないです。これは痩せて当然の結果のような気がします。食事の組成の違いではなく、単純に摂取カロリーの差ではないのでしょうか?

そもそもIRISステージ1の猫に腎臓量療法食が必要なのかどうか?(ふつうの食事ではだめなのか?)というところから考えたいところです。

Craig, J. M.
"Food intolerance in dogs and cats." 
Journal of Small Animal Practice (2018).

PubMedリンク PMID:30537117
本文:無料公開あり(全文)

タイトル
:犬と猫の食物不耐性

==アブストラクト===
食物不耐性は、食物または食品添加物に対するなんらかの異常な生理学的な反応を指し、本質的には免疫学的ではないと考えられている。機序には、食物毒性、薬理学的反応、代謝反応、運動障害、腸内毒素症、身体的影響、非特異的な食物過敏症が含まれる。食物不耐反応はさまざまで、通常は用量依存的で、いかなる年齢でも起こり得る。徴候はいつでも起こる可能性があり、時には問題となる食物の消費から数時間から数日で起こり、数時間から数日続く可能性もある。食物無分別や非免疫学的な食物不耐性は、犬においては真の食物過敏症よりもおそらくより一般的である。願わくば、関与する様々な病態生理学的なメカニズムについてのより多くの知識をもつことで、われわれは有害な食物反応の認識、予防および治療についてよりよくなることだろう。

Bresciani, Francesca, et al.
"Effect of an extruded animal protein‐free diet on fecal microbiota of dogs with food‐responsive enteropathy."
 
Journal of Veterinary Internal Medicine (2018).

PubMedリンク PMID:30353569
本文:無料公開あり(全文

タイトル:食事反応性腸症の犬の糞便微生物叢に与える動物性蛋白除去食の影響

==アブストラクト===
背景:食事の介入は健康な犬の腸管微生物叢を変化させると考えられている。慢性腸症の犬では治療により、臨床徴候の改善とともに、腸内毒素症の解消が期待される。

仮説/目的:食事反応性腸症の犬と健康な対照犬において、動物性蛋白除去食による除去食試験の前後で、糞便の細菌叢の変化を評価すること。

動物: 食事反応性慢性腸症の犬(n=10)と健康な対照犬(n=14)。

方法: 犬に60日間、動物性蛋白除去食を食べさせた。糞便の微生物叢を、イルミナ16s rRNAシーケンスと定量的ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により解析した。

結果
:食事反応性慢性腸症の犬では、健康な対照犬のベースラインおよび治療後の食事反応性慢性腸症の犬と比較して、微生物のα多様性が優位に低かった。食事反応性慢性腸症の犬ベースラインでは、健康な対照犬のベースラインおよび治療後の食事反応性慢性腸症の犬と比較して、明確な微生物叢の群衆が観察された。治療後の食事反応性慢性腸症の犬と健康な対照犬のベースラインとでは、以前として微生物叢の群衆は異なっていた。健康な対照犬では、動物性蛋白質除去食を与えた後に、糞便の微生物叢の顕著な変化はみられなかった。

結論と臨床的重要性
:これらの結果により、食事反応性慢性腸症のある犬における動物性蛋白質除去食による治療は、微生物叢の豊かさを有意に増加させることで、糞便微生物叢の部分的な改善と導くことが示唆された。対照的に、同様の動物性蛋白質除去食を与えても健康な犬では糞便微生物叢の変化は検出されなかった。
 

Fieten, H., et al.
"Dietary management of labrador retrievers with subclinical hepatic copper accumulation." 
Journal of veterinary internal medicine 29.3 (2015): 822-827.

PubMedリンク PMID:25776942
本文:無料公開あり(全文

タイトル:潜在的な肝臓銅蓄積のあるラブラドールレトリバーの食事管理

==アブストラクト===
背景:遺伝的要因と食事の銅摂取を含む環境的要因が、ラブラドールレトリバーの銅関連性肝炎の発症貴女に寄与している。臨床疾患は、肝臓の銅蓄積の前臨床相が先行する。

目的:肝臓銅濃度の上昇したラブラドールレトリバーにおいて、低銅・高亜鉛食が肝臓銅濃度に与える影響を調べること。

動物:過去に臨床的な銅関連性肝炎と診断された犬に関連する平均肝臓銅濃度919±477mg/kg乾燥重量肝臓をもつ、臨床的に健康な家庭飼育のラブラドールレトリバー28頭。

方法:銅13.3±0.3mg/Mcalと亜鉛64.3±5.9mg/Mcalを含む食事を犬に与える臨床試験。肝臓銅濃度はおおよそ6ヶ月ごとに肝生検の標本を用いて調べた。ロジスティック回帰を行い、性別、年齢、最初の肝臓銅濃度、および血統が、肝臓の銅濃度を正常化する能力におよぼす影響について調べた。

結果:反応者(15/28頭)においては、中央値7.1ヶ月(範囲 5.5-21.4ヶ月)後に、肝臓銅濃度が平均710±216mg/kg乾燥重量から、343±70mg/kg乾燥重量に減少した。深刻に影響されている家系の犬は、食事療法により肝臓銅濃度を正常化することができないリスクが上昇した。

結論と臨床的重要性
:すでに肝臓の銅蓄積のある臨床的に健康なラブラドールレトリバーの集団においては、低銅・高亜鉛の食事の給与は、肝臓銅濃度の減少をもたらした。食事への正の応答は、遺伝的背景の影響をうける可能性がある。臨床的な有用性について決定するためには、さらなる研究が必要である。


 

Fieten, H., et al.
"Association of dietary copper and zinc levels with hepatic copper and zinc concentration in labrador retrievers."
 
Journal of veterinary internal medicine 26.6 (2012): 1274-1280.

PubMedリンク PMID:22998127
本文:無料公開あり(全文

タイトル:ラブラドールレトリバーにおける食事中の銅および亜鉛レベルと肝臓の銅および亜鉛濃度の関係性

==アブストラクト===
背景:銅関連性肝炎はラブラドールレトリバーの遺伝疾患である。遺伝子的要因とは別に、食事による銅と亜鉛の摂取が、発症機序に関与することが疑われている。

目的:市販のドライフードの銅と亜鉛のレベルが、ラブラドールレトリバーの肝臓の銅および亜鉛濃度に関連しているかどうかを調べること。

動物:単一のブランドとタイプの市販のドライフードを最低1年以上与えられたラブラドールレトリバー55頭。これらのうち、44頭が銅関連性肝炎のラブラドールレトリバーの家族であった。

方法:肝生検、血液サンプル、および食事サンプルを得た。肝臓標本は組織学的にスコア化され、銅および亜鉛濃度を定量した。食事の銅および亜鉛濃度を測定した。食事による銅と亜鉛の取り込みと、肝臓の銅および亜鉛濃度との関連を、線形回帰分析によって調べた。

結果:食事中の高い銅レベルと、食事中の低い亜鉛レベルは、肝臓銅レベルと有意に相関した。食事による摂取と、肝臓の亜鉛とは関連がみられなかった。

結論と臨床的関連
:市販のドライドッグフードにおける食事中の銅および亜鉛の現在のレベルは、肝臓の銅に影響を与える可能性があり、遺伝的に銅の影響を受けやすいラブラドールレトリバーにおいて銅関連性肝炎を発症するリスク要因となる可能性がある。

 

Hoffmann, Gaby, et al.
"Dietary management of hepatic copper accumulation in Labrador Retrievers." 
Journal of veterinary internal medicine 23.5 (2009): 957-963.

PubMedリンク PMID:19627473
本文:無料公開あり(全文

タイトル:ラブラドールレトリバーにおける肝臓銅蓄積に食事管理

==アブストラクト=== 
背景:銅関連性慢性肝炎は最近、ラブラドールレトリバーにおいて臨床徴候の遅延した発症を伴う遺伝的障害として認識されてきている。臨床徴候のない症例において、食事管理によるこの疾患の長期的な治療もしくは臨床徴候の発症を遅らせる可能性について調査された研究はない。

目的:異常な肝臓銅濃度のラブラドールレトリバーにおける、低銅食とグルコン酸亜鉛の効果を調べること。

動物:銅関連性慢性肝炎に関連し、肝臓銅濃度の上昇を診断した、家庭飼育のラブラドールレトリバー24頭。

方法:治療前および治療後平均8ヶ月、16ヶ月に肝臓銅濃度を評価した。この期間中、すべての犬に低銅食のみを与えた。さらに犬と2つのグループのうちの1つに割付け、グルコン酸亜鉛のサプリメントもしくはプラセボを無作為化二重盲検の方法で与えた。

結果
:21頭の犬がこの研究を完了した。肝臓銅濃度は、両グループともに1回目の再検査(n=21;グループ1 p<0.001;グループ2 p=0.001)、2回目の再検査(n=16;グループ1 p=0.03;グループ2 p=0.04)で減少していた。両グループで、治療前、再検査1、再検査2のいずれでも、肝臓銅濃度に差はなかった。

結論と臨床的関連
:ラブラドールレトリバーに低銅食を与えることは、肝臓銅濃度の減少に効果的である。亜鉛による補助的治療は、食事管理における銅低下効果を増進することはなさそうである。
 

Fieten, Hille, et al. 
"Nutritional management of inherited copper-associated hepatitis in the Labrador retriever." 
The Veterinary Journal 199.3 (2014): 429-433.

PubMedリンク PMID:24439471
本文:無料公開なし

タイトル:ラブラドールレトリバーにおける遺伝性の銅関連性肝炎の栄養学的な管理 

==アブストラクト===
犬の遺伝性銅関連性肝炎は、最終的に肝硬変に至る段階的な
肝臓への銅の蓄積として特徴つけられる。治療は、金属キレート化材を用いて負の銅バランスを作り出すことを目的とし、そのうちD-ペニシラミンが最も一般的に使用される。Dペニシラミンはしばしば胃腸の副作用を引き起こし、生涯続く治療は銅と亜鉛の欠乏につながる可能性がある。

この研究の目的は、犬の銅関連肝炎の長期的な管理として持続的なDペニシラミン治療の代替として、低銅・高亜鉛の食事の影響を調べることである。

16頭の罹患したラブラドールレトリバーが、Dペニシラミンで効果的に治療を行ったのちに、中央期間として19.1ヶ月(範囲 5.9-39ヶ月)追跡された。銅1.3±0.3mg /1000kcal と亜鉛64.3±5.9mg /1000kcalを含む食事で犬を管理した。肝生検は6ヶ月ごとに組織学的評価と銅測定のために行われた。血漿ALTとALP、ならびに血清アルブミンが測定された。研究期間中12頭の犬で、肝臓銅濃度を800mg/kg乾燥重量肝臓に維持するのに、食事療法単独で十分であった。4頭の犬はDペニシラミンの治療の再開が必要だった。ALT活性とアルブミン濃度は、肝臓銅濃度と関連しなかったが、肝炎のステージとグレードとはそれぞれ有意に関連した。

結論として、低銅・高亜鉛の食事は、銅関連性肝炎の犬に長期的な管理において、持続的なDペニシラミンの投与の有効な代替となり得る。長期管理プロトコールの設計、および再生検の間隔の決定においては、個々の犬における銅の蓄積率を考慮すべきである。

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