ねころんで探せる小動物医療のジャーナルクラブ

小動物臨床の獣医師が、臨床に役立ちそうな論文情報をちょっとづつアップします。ねころんでいても論文検索ができればいいなと。

カテゴリ: 栄養

Economu, Lavinia, et al.
"The effect of assisted enteral feeding on treatment outcome in dogs with inflammatory protein‐losing enteropathy." 
Journal of Veterinary Internal Medicine (2021).


PubMedリンク PMID:33931908
本文:無料公開あり(全文

タイトル:炎症性のタンパク漏出性腸症の犬における経腸栄養補助の効果

==アブストラクト===
背景:タンパク漏出性腸症(PLE)の犬における経腸栄養の補助が治療転帰に与える影響については不明である。

目的:経腸フィーディングチューブを設置した炎症性PLEの犬のほうが、フィーディングチューブを設置していない犬よりも良い転帰となるかどうかを調べること。

動物:炎症性PLEの犬57頭。

方法:イギリスの紹介病院で標準的な診断基準で炎症性PLEと診断された犬の回顧的研究。良い転帰を6ヶ月以上の生存またはPLEとは無関係の死亡と定義し、悪い転帰を6ヶ月以内のPLEに関連した死亡とした。さまざまな項目を評価し、ロジスティック回帰を用いて良い転帰と関連する因子を同定した。

結果
:6ヶ月で、35頭(61%)の犬が良い転帰で、22頭(39%)が悪い転帰であった。消化管生検から5日以内にフィーディングチューブを設置した犬21頭中、16頭(76%)が良い転帰で、5頭(24%)が悪い転帰であった。食事療法単独で治療した犬(p=0.002)と経腸フィーディングチューブを設置した犬(p=0.006)は、良い転帰と有意に関連した。治療によって層別化した場合、経腸栄養の補助は、免疫抑制治療を併用した犬における良い転帰と有意に関連した(p=0.006)が、食事療法単独で治療された犬における評価は不十分なデータしかなかった。

結論と臨床的意義
:炎症性PLEの犬における経腸栄養の補助は、特に免疫抑制治療を受けている犬で、治療転帰の改善を助ける可能性があり、これらの犬の治療計画では考慮すべきだろう。

Berk, Benjamin A., et al.
"A multicenter randomized controlled trial of medium‐chain triglyceride dietary supplementation on epilepsy in dogs."
 
Journal of veterinary internal medicine 34.3 (2020): 1248-1259.


PubMedリンク PMID:32293065
本文:無料公開あり(全文

タイトル:犬のてんかんにおける中鎖脂肪酸栄養補助食品の多施設ランダム化比較試験

==アブストラクト===
背景:中鎖脂肪酸(中鎖トリグリセリド:MCT)が豊富な食事は、特発性てんかんのある犬で発作のコントロールと行動に良い影響を与えることがある。

目的:発作のコントロールと抗てんかん薬の副作用特性を評価するために、様々なベースの食事に追加する栄養補助食品として投与したMCTの短期的な有用性を評価すること。

動物:国際獣医てんかん特別委員会(IVETF)Ⅱレベルで特発性てんかんの診断をうけ治療されており、過去3ヶ月以内に3回以上の発作を起こしている犬28頭。

方法:6ヶ月間の多施設前向きランダム化二重盲検プラセボ比較クロスオーバー試験を行い、MCT栄養補助食品と対照栄養補助食品を比較した。9%の代謝エネルギーベースのMCTまたは対照オイルの量を、犬の食事に3ヶ月間添加し、続いて異なる3ヶ月間に対照オイルとMCTをそれぞれ投与した。この研究に登録された犬はIVETF Ⅱレベルによって述べられている特発性てんかんの診断の要求をほとんど満たした。オイル栄養補助食品、または調査対象の栄養補助食品もしくは慢性の抗てんかん薬の代謝に影響を与える可能性のある薬剤の投与を受けている場合、慢性の抗てんかん薬投与が調整された場合、てんかんの他の原因がみつかった場合には、研究から除外された。

結果
:MCT栄養補助食品を与えた犬は、対照の栄養補助食品を与えた犬に比べて、発作の頻度(中央値2.51回/月[0-6.67]vs 2.67回/月[0-10.45];p=0.02)と発作のある日の頻度(中央値1.68日/月[0-5.60]vs 1.99日/月[0-7.42];p=0.02)が有意に低かった。2頭で発作がなく、発作の頻度が3頭で50%以上、12頭で50%未満減少し、11頭では発作の頻度が変化なしまたは増加した。

結論と臨床的意義
:これらのデータは、対照オイルと比較したときのMCT栄養補助食品の抗てんかん特性を示しており、薬剤耐性を示すてんかんの犬の集団における栄養学的な治療オプションとしてのMCTの有用性に関する以前の根拠を指示している。

Elmenhorst, K., et al.
"Retrospective study of complications associated with surgically‐placed gastrostomy tubes in 43 dogs with septic peritonitis."
 
Journal of Small Animal Practice 61.2 (2020): 116-120.


PubMedリンク PMID:
31763703
本文:無料公開なし

タイトル:細菌性腹膜炎の犬43頭における外科的に設置した胃瘻チューブに関連した合併症の回顧的研究

==アブストラクト===
目的:細菌性腹膜炎のある犬において外科的に設置された胃瘻チューブの安全性を調べること。

方法;細菌性腹膜炎があり試験開腹と外科手技の一部として胃瘻チューブ(PezzerまたはFoley)の設置を行なった犬43頭の回顧的解析を行なった。術後の回復時間、入院期間、合併症の割合、および全生存期間を記録した。

結果:最も多い細菌性腹膜炎の原因は、腸切開または腸切除部位の離開であった。15頭がFoley胃瘻チューブを設置し、28頭がPezzer胃瘻チューブを設置した。手術から経管栄養を開始するまでの時間の中央値は16時間(範囲 3-28)であった。胃瘻チューブに関連した重大な合併症はなく、軽度の合併症が11頭(26%)でみられた。退院まで生存した患者の入院期間の中央値は5日(範囲 3-29)であり、全体で22頭(51%)が生存退院した。

臨床的意義
:胃瘻チューブは、細菌性腹膜炎の犬に対して安全な経管栄養の方法を提供し、それらの患者での関連した合併症の割合は少ない。

Perondi, F., et al.
"Oesophagostomy tube complications in azotaemic dogs: 139 cases (2015 to 2019)." 
Journal of Small Animal Practice (2020).


PubMedリンク PMID:33260259
本文:無料公開なし

タイトル
高窒素血症の犬における食道瘻チューブの合併症;139例(2015-2019)

==アブストラクト===
目的:高窒素血症の犬における食道瘻チューブ関連合併症の割合、および食道瘻チューブの期間と治療アプローチ(内科的 vs 血液透析)が合併症の割合に与える影響を、回顧的に評価すること。

方法
:医療記録を回顧的にレビューし、食道瘻チューブの設置を行った高窒素血症の犬を同定した。食道瘻チューブの期間(短期 vs 長期)、食道瘻チューブ交換の時期、治療アプローチ(内科的 vs 血液透析)食道瘻チューブ関連の軽度な合併症(位置異常、縫合関連、閉塞、炎症、粘液化膿性滲出液、膿瘍)と重大な合併症(出血、位置異常、閉塞、脱落、チューブの嘔吐、瘻孔からの食物のもれ)についての情報を抽出した。単変量および多変量ロジスティック回帰分析を行い、食道チューブ関連合併症のリスク因子を同定した。

結果:チューブ関連合併症は139頭中74頭(53%)で報告された。軽度な合併症は74頭中64頭(89%)、重大な合併症が74頭中8頭(11%)であった。高窒素血症の犬では、食道瘻チューブの留置時間(オッズ比 1.03;95%信頼区間 1.01-1.05)と血液透析の使用(オッズ比 40.12;95%信頼区間 9.18-175.20)が、食道瘻チューブ関連合併症のリスク因子であった。

臨床的意義
:食道瘻チューブ関連合併症の多くは軽度なものであり、測定が用意で、入院、チューブの抜去、安楽死などを必要としない。高窒素血症の犬では、血液透析の使用は、おそらくは首の包帯があるために、食道チューブ関連合併症のリスクの高さと強く関連していた。

Santarossa, Amanda, et al.
"Body composition of medium to giant breed dogs with or without cranial cruciate ligament disease."
 
Veterinary Surgery (2020).


PubMedリンク PMID:32357267
本文:無料公開なし

タイトル:前十字靭帯疾患があるまたはない中型〜超大型犬の体組成

==アブストラクト===
目的:前十字靭帯疾患があるまたはない犬の体組成を記述すること。

研究デザイン:横断研究。

動物:前十字靭帯疾患と診断された成犬(n=30)と整形疾患の臨床徴候のない成犬(n=30)。

方法:体重、ボディコンディションスコア(BCS)、マッスルコンディションスコア(MCS)を記録した。体全体と後肢の体組成を二重エネルギーX線吸収測定法で評価した。BCS、体全体の体組成、および後肢の体組成の測定値を、一般化線形混合モデル解析を用いて比較した。グループ間のMCSをマンホイットニーU検定を用いて評価し、ペアデータはウィルコクソン符合順位検定を用いて評価した。

結果:体脂肪率(p<0.0001)は、対象犬(27.49%±1.24)よりも罹患犬(38.78%±1.40)で高かった。MCS(p<0.0001)は対象犬(2.77±0.08)よりも罹患犬(1.90±0.13)で低かった。罹患犬の罹患肢は対側肢と比較して、軟部組織量が少なく(p<0.0001)、脂肪が多かった(p=0.451)。

結論:前十字靭帯疾患の犬は、対照グループと比較して過体重であった。

臨床的意義
:過体重の犬は前十字靭帯疾患の発症素因があるかもしれない。後肢の体組成の変化は、これらの犬の管理において考慮すべきである。

Endenburg, Nienke, et al.
"Quality of life and owner attitude to dog overweight and obesity in Thailand and the Netherlands." 
BMC veterinary research 14.1 (2018): 221.

PubMedリンク PMID:
29986701
 
本文:無料公開あり(全文

タイトル:タイとオランダにおける犬の過体重と肥満に対する生活の質と飼い主の態度

==アブストラクト=== 
背景: この研究は、ボディコンディションスコア(BCS)および/または文化が、飼い主によって評価される犬の生活の質(QOL)に影響を与えるかどうか、およびBCSが食事と運動、飼い主の文化によって影響を受けるかどうかを調べた。この目的のために、355人の選ばれた犬の飼い主(タイとオランダ)にアンケートが実施された。それらの犬はBCS 3(正常体重)、4(過体重)、5(肥満)のいずれかであり、他の身体問題がなかった。リッカートスケールを使用するかわりに、連続スケールを使用した。さらに、アンケート項目のデータを、統合されたZスコア手法を用いて変換した。

結果:因子負荷の大きさは、過去の研究における報告と同様であり、アンケートは文化に固有ではないことを示している。 一般的な疾患に対するQOLスコアは、BCSが高い犬で有意に高かった(悪かった)。従って、犬が健康そうであっても、BCSは犬の認識されるQOLに影響を与える。不動性は、BCSが低い(良い)犬よりも、高い(悪い)犬でより頻繁にみられたが、不動性と全体の活動との間には明らかな関連はなかった。より高いBCSでは、食事と運動を意識する飼い主は少なかった。運動が好きではない飼い主の犬では、BCSがより高かった。オランダの犬よりも、タイの犬は飼い主が家を離れたときの分離に関する行動問題をより多く示した。

結論
:過体重と肥満の犬のQOLは、大に犬の身体状態によって影響される。高いBCSの犬の飼い主は、食事と運動のコントロールについての意識が低い。この結果は、飼い主の態度と信念が、知識とコントロールの意識の欠如の結果と同じく、肥満の主な原因となることを示している。
 

Endenburg, Nienke, et al.
"Quality of life and owner attitude to dog overweight and obesity in Thailand and the Netherlands." 
BMC veterinary research 14.1 (2018): 221.

PubMedリンク PMID:
29986701
 
本文:無料公開あり(全文

タイトル:タイとオランダにおける犬の過体重と肥満に対する生活の質と飼い主の態度

==アブストラクト=== 
背景: この研究は、ボディコンディションスコア(BCS)および/または文化が、飼い主によって評価される犬の生活の質(QOL)に影響を与えるかどうか、およびBCSが食事と運動、飼い主の文化によって影響を受けるかどうかを調べた。この目的のために、355人の選ばれた犬の飼い主(タイとオランダ)にアンケートが実施された。それらの犬はBCS 3(正常体重)、4(過体重)、5(肥満)のいずれかであり、他の身体問題がなかった。リッカートスケールを使用するかわりに、連続スケールを使用した。さらに、アンケート項目のデータを、統合されたZスコア手法を用いて変換した。

結果:因子負荷の大きさは、過去の研究における報告と同様であり、アンケートは文化に固有ではないことを示している。 一般的な疾患に対するQOLスコアは、BCSが高い犬で有意に高かった(悪かった)。従って、犬が健康そうであっても、BCSは犬の認識されるQOLに影響を与える。不動性は、BCSが低い(良い)犬よりも、高い(悪い)犬でより頻繁にみられたが、不動性と全体の活動との間には明らかな関連はなかった。より高いBCSでは、食事と運動を意識する飼い主は少なかった。運動が好きではない飼い主の犬では、BCSがより高かった。オランダの犬よりも、タイの犬は飼い主が家を離れたときの分離に関する行動問題をより多く示した。

結論
:過体重と肥満の犬のQOLは、大に犬の身体状態によって影響される。高いBCSの犬の飼い主は、食事と運動のコントロールについての意識が低い。この結果は、飼い主の態度と信念が、知識とコントロールの意識の欠如の結果と同じく、肥満の主な原因となることを示している。
 

Yam, P. S., et al.
"Impact of canine overweight and obesity on health-related quality of life."
 
Preventive veterinary medicine 127 (2016): 64-69.

PubMedリンク PMID:27094142
本文:googlescholar経由で入手可能(全文

タイトル
:犬の過体重と肥満が健康関連の生活の質に与える影響

==アブストラクト=== 
犬の肥満はイギリスで有病率が増加しており、犬の福祉についての懸念が起こっている。この研究では、様々なボディコンディションの犬の健康関連の生活の質(健康関連QOL)を比較し、過体重および肥満(BCS 4および5)と非過体重(BCS 2および3)の犬、肥満(BCS 5)と非過体重(BCS 2および3)、および4つのすべてのBCS(2,3,4,5)の間で、Webと携帯タブレット/電話のアプリをもとにした検証済みの健康QOLを用いて比較した。依頼した犬の飼い主271人中、174人が2013-2014年の間にWebベース(2013)または
携帯タブレット/電話(2014)のものに答えた。健康QOLの4つの分野(精力的/熱狂的、幸福/中身、活動/快適、落ち着き/リラックス)で自動的にスコアを生成し、それぞれのボディコンディションスコア(BCS 2-5)で比較した。4つすべてのBCSで、2つの分野の健康QOLスコアで統計的に有意な差がみられた;精力的/熱狂的(p=0.02)、活動/快適(p=0.004)。BCS 2および3と、BCS4および5を比べると、同じ2分野で統計的な差がみられた精力的/熱狂的(p=0.01)、活動/快適(p=0.001)。非過体重(BCS2および3)と肥満(BCS 5)を比較した場合も同様に、精力的/熱狂的(p=0.012)、活動/快適(p=0.004)で差がみられた。これらの結果は過体重と肥満の犬は、非過体重の犬と比較して、健康QOLの2つの分野が減少し、その差はBCS2,3,4,5の間でも検出可能であった。
 

Bjørnvad, C. R., et al.
"Neutering increases the risk of obesity in male dogs but not in bitches—A cross-sectional study of dog-and owner-related risk factors for obesity in Danish companion dogs."
 
Preventive veterinary medicine 170 (2019): 104730.

PubMedリンク PMID:31421500
本文:無料公開あり(全文

タイトル
:中性化は雄犬における肥満のリスクを上昇させるが、雌犬では上昇させない;デンマークの家庭犬の肥満に関する犬および飼い主に関連したリスク因子の横断的研究

==アブストラクト=== 
犬の肥満のリスク因子に関する知識は、効果的な予防戦略の前提条件である。この研究の目的は、デンマークのジーランド島全土の家庭犬における肥満のリスク因子を調べることである。

飼い主の犬(2歳以上、慢性疾患なし)が採用され、社会経済的特徴が異なる地域の8つの家庭動物獣医診療所で調べられた。犬のボディコンディションスコア(BCS)を2人の調査者が9ポイントスコアリングシェーマをもとに評価した。犬の飼い主は以下のことを促すアンケートに答えた;1)中性化の状態を含めた犬の特徴、2)飼い主の特徴、3)食事と運動の習慣、4)飼い主の犬への愛着。これらの因子がBCSと過体重/肥満(BCS 7-9)になるリスクに与える影響を、2つの別々の方法で解析した。

全部で268頭の犬が解析に含まれ、そのうち20.5%が過体重/肥満であった。BCSの平均は5.46であった。犬の特徴に関して、雄犬において中性化はBCSと過体重/肥満になるリスクの両方を劇的に増加させたが、雌犬では増加させなかった。BCSと過体重/肥満になるリスクは高齢の雌犬で増加し、高齢の雄犬では減少した。過体重/肥満になるリスクは、過体重および肥満の飼い主の犬で高かった。食事と運動の習慣に関しては、1日1回だけの食事がBCSと過体重/肥満になるリスクを増加させた。リラクゼーション中のおやつは、過体重/肥満になるリスクを増加させた。犬のBCSも増加させたが、それは飼い主が過体重または肥満の場合のみだった。毎日の歩行時間が長くなると、犬が過体重/肥満になるリスクが増加するが、それは
飼い主が過体重または肥満の場合のみだった。犬が庭や敷地内を自由に走れるようにしていると、過体重/肥満になるリスクが減少した。飼い主の犬への愛情は、犬のBCSや過体重/肥満になるリスクに関連しなかった。

重要かつ新たな知見は、中性化は雄犬では過体重または肥満になるリスクを増加させたが、一方で雌犬では中性化状態に関係なくリスクがあるということである。 さらに、飼い主の体重、食事習慣、犬が過体重/肥満になるリスクの間の複雑な相互作用が見つかり、それは家庭動物の肥満をワンヘルスの観点から将来の前向き研究で考慮する必要性を強調している。最後に、この研究では犬の肥満が飼い主の愛着が強すぎるためかどうかは確認できなかった。

Tesi, Matteo, et al.
"Role of body condition score and adiponectin expression in the progression of canine mammary carcinomas." 
Veterinary Medicine and Science (2020).

PubMedリンク PMID:32202386
本文:無料公開あり(全文

タイトル:犬の乳腺腫瘍の進行におけるボディコンディションスコアとアディポネクチン発現の役割

==アブストラクト=== 
ヒトにおいて肥満は閉経後の時期の乳癌発症のリスク因子として確認されており、雌犬でも予後不良との関連が疑われている。この研究の目的は、犬の乳腺腫瘍の予後とボディコンディションスコア(BCS)の間の関連と、腫瘍の挙動とアディポネクチンとの関係について調べることである。

本研究には、管状、管状乳頭状、固形性、または複雑性の癌腫のある雌犬73頭を組み入れた。それぞれの犬で、9ポイントBCSシステムを用いてBCSの評価を行い、研究集団を正常体重(BCS 4-5/9;n=42)、過体重(BCS 6-7/9;n=19)、 および肥満(BCS 8-9/9;n=12)に分けた。食事内容(市販品、手作り食、またはその混合)を記録した。外科的切除後に、組織学的タイプ、腫瘍サイズ、および結節状態を評価し、免疫組織化学と形態学的解析を用いて
アディポネクチンの発現を決定して定量化した。 犬乳腺腫瘍の組織タイプはBCSと相関せず、一方でBCSと組織学的グレードの正の相関(p<0.01)が観察された。手作り食を与えられた雌犬は、市販食を与えられた雌犬よりもBCSが高かったが、食事とがん特異的生存期間の間には関連はみられなかった。36の乳腺腫瘍(49%)がアディポネクチン発現に陽性を示したが、ホルモンの発現と乳腺腫瘍の特性または予後との間には相関はみられなかった。

結論として、BCSの高さはより侵襲性の高い犬乳腺腫瘍の有病率と関連し、それらの乳腺腫瘍をもつ雌犬における生存期間に負の影響を与えるようである。
 

Breheny, Craig R., et al.
"Esophageal feeding tube placement and the associated complications in 248 cats." 
Journal of veterinary internal medicine 33.3 (2019): 1306-1314.

PubMedリンク PMID:31001901
本文:無料公開あり(全文

タイトル:食道フィーディングチューブの設置とそれに関連した合併症 猫248頭

==アブストラクト=== 
背景:食道フィーディングチューブは猫の経腸栄養のために一般に用いられているが、その使用には有害事象が伴う。

目的:猫における食道チューブ設置に関連した合併症を評価し、これらの合併症の素因を同定すること。

動物:食道フィーディングチューブを設置した猫(n=248)。

方法:これは回顧的な症例レビューであり、2つの紹介病院の医療記録を詮索して食道チューブを設置した猫の記録を同定した。臨床データを収集し、シグナルメント、臨床適応、設置方法、除去までの時間、および合併症について記録した。ロジスティック回帰を使用し、感染や死亡を含む合併症の増加のオッズを評価した。

結果
:生存退院した猫において、チューブは中央値で11日間(範囲1-93日)設置していた。35.8%の猫で合併症が起こり、最も多かったのはチューブの脱落(14.5%)であり、次いで瘻孔部分の感染(12.1%)であった。 グルココルチコイドまたは抗がん剤の投与を受けていた猫(オッズ比3.91;95%信頼区間 1.14-13.44)と瘻孔からの分泌物がある猫(オッズ比159.8;95%信頼区間 18.9-1351)は、瘻孔感染の発症のオッズが増加し、一方、体重の低さ(オッズ比1.33;95%信頼区間 1.02-1.75)または膵臓疾患(オッズ比4.33;95%信頼区間 1.02-18.47)、腫瘍性疾患(オッズ比15.44;95%信頼区間 3.67-65.07)、呼吸器疾患(オッズ比19.66;95%信頼区間 2.81-137.48)、泌尿生殖器疾患(オッズ比5.78;95%信頼区間 1.15-28.99)、感染性疾患(オッズ比11.57;95%信頼区間 2.27-58.94)は死亡のオッズ比が増加した。チューブを設置していた期間とチューブを設置したままの退院は、感染または死亡のリスクの増加と関連しなかった。

結論と臨床的意義
:飼い主には、関連する潜在的リスクと素因について知らせるべきである。 
 

Nathanson, Olivia, et al.
"Esophagostomy tube complications in dogs and cats: Retrospective review of 225 cases." 
Journal of veterinary internal medicine 33.5 (2019): 2014-2019.

PubMedリンク PMID:31294877
本文:無料公開あり(全文

タイトル:犬と猫における食道瘻チューブの合併症;225症例の回顧的レビュー

==アブストラクト=== 
背景:食道瘻フィーディングチューブは食欲低下患者の急性および慢性の栄養要求の管理に不可欠なツールである。ルーチンで使用されているにも関わらず、食道瘻チューブの合併症に関して利用できる情報は、最近の獣医学文献では特に限られている。

目的:犬と猫における食道瘻チューブの合併症についての最新の記述的な報告を供し、特定の患者で合併症のリスクが増加するかどうかを決定する予後因子の可能性を評価すること。

動物:犬102頭と猫123頭。

結果:100頭(44.4%)の患者がチューブ設置に関連する合併症を経験し、犬(43.1%)と猫(45.5%)の合併症の割合は類似していた。 猫22頭(17.8%)と犬14頭(13.7%)で食道瘻チューブの感染徴候が発生し、そのうち猫5頭(22.7%)と犬5頭(35.7%)で外科的なデブリードが必要になった。食道瘻チューブの瘻孔からの食物の逆流が犬7頭と猫1頭でみられた。3頭の患者がチューブ関連の合併症の結果として安楽死された。

結論と臨床的重要性
:この研究では、三次紹介センターの犬と猫の多数の集団における、食道瘻チューブに関連した合併症について最新の記述的なレビューを提供した。食道瘻チューブは一般的には安全で許容される不可欠なツールではあるが、いくつかの合併症が起こり得る。これらの合併症の患者リスクを高める特定の因子は特定できておらず、それゆえすべての患者で綿密なモニタリングを行い、飼い主にはこれらの合併症が発生した際に獣医師の評価を求めるように伝えることが重要である。

ビジアブ)食道チューブの合併症.

 

Santiago, Sasha L., Lisa M. Freeman, and John E. Rush.
"Cardiac cachexia in cats with congestive heart failure: Prevalence and clinical, laboratory, and survival findings." 
Journal of Veterinary Internal Medicine 34.1 (2020): 35-44.

PubMedリンク PMID:31837182
本文:無料公開あり(全文

タイトル:うっ血性心不全のある猫における心臓性悪液質;有病率、臨床所見、検査所見、生存

==アブストラクト=== 
背景:心臓性悪液質は、うっ血性心不全のある人と犬で一般的である。しかし猫における心臓性悪液質は有病率と影響については不明である。

目的:うっ血性心不全のある猫における悪液質の有病率と、臨床的、検査的、および生存に関するデータとの関連についてを調べること。

動物:うっ血性心不全のある猫120頭。

方法:40ヶ月の間に評価された猫の医療記録を回顧的に再調査し、7つの異なる定義を使用して心臓性悪液質の猫を同定した。臨床的、検査的、および生存に関するデータを、悪液質がある猫とない猫との間で比較した。 

結果
:悪液質の有病率は、7つの定義によって0〜66.7%の範囲であり、マッスルコンディションスコア(MCS)を用いた場合の有病率は41.6%であった。MCSによって決定した悪液質がある猫は、高齢であり(p<0.001)、胸水があることが多く(p=0.003)、血中尿窒素(p<0.001)と好中球数(p=0.01)が有意に高く、 ボディコンディションスコア(p<0.001)、体重(p<0.001)、ヘマトクリット値(p=0.007)、ヘモグロビン濃度(p=0.009)が有意に低かった。MCSによって決定した悪液質がある猫の生存期間は、悪液質のない猫よりも有意に短かった(p=0.03)。体重不足の猫(p=0.002)と拡張型心筋症(DCM)のある猫もまた生存期間が短かった(p=0.04)。

結論と臨床的意義
:悪液質と生存期間の短縮との関係は、うっ血性心不全のある猫におけるこの一般的な問題について、特定して対処することの重要性を強調している。
 

Kather, Stefanie, et al.
"Review of cobalamin status and disorders of cobalamin metabolism in dogs."
 
Journal of veterinary internal medicine (2019).

PubMedリンク PMID:31758868
本文:無料公開あり(全文

タイトル:犬におけるコバラミン状態とコバラミン代謝の異常についてのレビュー

==アブストラクト=== 
コバラミン代謝(ビタミンB 12の障害は、小動物医療でますます認識されており、慢性胃腸疾患からコバラミン代謝の遺伝的欠陥までさまざまな原因がある。血清コバラミン濃度の測定は、多くの場合、血清葉酸濃度と組み合わせて、臨床診療の診断検査として日常的に行われている。低コバラミン血症の検出には治療上の意味があるが、犬のコバラミン状態の解釈は困難な場合がある。このレビューの目的は、犬の低コバラミン血症およびコバラミン欠乏症、ノルココバラミン血症、および高コバラミン血症を定義し、既知のコバラミン欠乏状態と犬の好発犬種について記述し、犬のコバラミン状態の評価に重要な異なるバイオマーカーを議論し、低コバラミン血症を伴う犬の治療について議論することだ。 

Ineson, Deanna L., Lisa M. Freeman, and John E. Rush.
"Clinical and laboratory findings and survival time associated with cardiac cachexia in dogs with congestive heart failure." 
Journal of veterinary internal medicine (2019).

PubMedリンク PMID:31317600
本文:無料公開あり(全文

タイトル:うっ血性心不全のある犬における心臓性悪液質と関連した臨床所見、検査所見、および生存期間

==アブストラクト=== 
背景:うっ血性心不全に関連する筋肉量の喪失である心臓性悪液質は、人では罹患率の増加と生存期間の短縮と関連しているが、犬における心臓性悪液質と生存との関連は報告されていない。

目的:うっ血性心不全のある犬における悪液質の罹患率と、臨床的、検査的、および生存のデータとの関連について調べること。

動物:うっ血性心不全のある犬269頭。

方法:回顧的なコホート研究。悪液質は以下の2つの定義のうちの1つによって定義した;(1)軽度、中程度、重度の筋肉量の喪失、または(2)12ヶ月以内の体重の5%以上の減少。

結果:269頭中130頭(48.3%)が筋肉量の減少をもとに心臓性悪液質ありとされ、事前に体重を測定していた犬159頭のうち67頭(42.1%) が体重減少をもとに悪液質ありとされた。筋肉量喪失に基づく悪液質のある犬は、有意に高齢(p=0.05)であり、不整脈があることが多く(p=0.02)、クロール濃度が高く(p=0.04)、ボディーコンディションスコアが低く(p<0.001)、ヘマトクリット値が低く(p=0.006)、アルブミン濃度が低かった(p=0.004)。多変量解析により、悪液質(p=0.05)、臨床的に重要な頻脈性不整脈(p<0.001)、高窒素血症(p<0.001)、体重不足/過体重(ともに p=0.003)、が生存期間の短縮に関連していた。

結論と臨床的意義
:うっ血性心不全のある犬において心臓性悪液質は一般的であり、有意な生存期間の短縮と関連する。これは、うっ血性心不全の犬における筋肉量喪失についての事前評価、診断、および治療の重要性を強調している。
 

Freeman, Lisa M., et al.
"Body size and metabolic differences in Maine Coon cats with and without hypertrophic cardiomyopathy." 
Journal of feline medicine and surgery 15.2 (2013): 74-80.

PubMedリンク PMID:23001953
本文:無料公開あり(全文

タイトル
:肥大型心筋症があるまたはないメインクーンにおける体の大きさと代謝の違い

==アブストラクト===
成長、グルコース調節、および肥大型心筋症(HCM)との間には相互作用が存在する可能性があるが、詳細には調べられていない。この研究の目的は、HCMのあるメインクーンにおける形態学的特徴、インスリン様成長因子(IGF-1)、およびグルコース代謝についての特徴を調べることである。

体重、ボディコンディションスコア(BCS)、頭の長さと幅、および腹囲について、2歳以上のメインクーンで測定した。心臓エコーと胸部レントゲン(上腕骨の長さと、第4と第12椎骨の長さを測定するため)も行なった。血液を採取し、生化学の特性、DNA検査、インスリンおよびIGF-1について調べた。63頭中16頭がHCM(ミオシン結合タンパクC[MYBPC]+、n=3;MYBPCー、n=13)、47/63頭は心臓エコーで正常(
MYBPC+、n=17;MYBPCー、n=30)であった。MYBPC+とMYBPCーの猫との間で、有意な差のあるパラメータはなかった。HCMのない猫と比較して、HCMの猫では、より高齢で(p<0.001)、体重が重く(p=0.006)、太っており(p=0.008)、上腕骨が長かった(p=0.01)。さらにHCMの猫は、血糖値が高く(p=0.01)、ホメオスタシスモデル評価が高く(p=0.01)、IGF-1濃度が高く(P-0.01)、同腹仔が少なく(p<0.001)、6ヶ月齢(p=0.02)と1歳齢(p=0.03)でより大きかった。多変量解析により、年齢(p<0.001)、BCS(p=0.03)、ホメオスタシシスモデル評価(p=0.047)がHCMと有意に関連していた。

この結果は、早期の成長と栄養、体格の大きさ、および肥満は、HCMの遺伝的素因の環境修飾因子である可能性についての仮説を支持している。HCMの表現型としての発現に早期の栄養が与える影響についてを評価するさらなる研究が必要とされる。

Salt, Carina, et al.
"Association between life span and body condition in neutered client‐owned dogs." 
Journal of veterinary internal medicine 33.1 (2019): 89-99.

PubMedリンク PMID:30548336
本文:無料公開あり(全文

タイトル
:中性化された家庭犬におけるボディコンディションと寿命との関係

==アブストラクト===
背景
:犬舎の犬では太り過ぎな状態と寿命との関連があるが、ペット犬における同様な関連についての報告はない。

目的
:中年齢での太り過ぎが、中性化された家庭飼育犬の寿命与える影響を調べること。

動物
:北米全域で約900の獣医病院のネットワークが主治医である、中年齢の中性化された家庭飼育犬5787頭。

方法
:回顧的症例対照研究。12犬種それぞれについて、6.5-8.5歳の間の犬のグループを“太り過ぎ”と“正常”のボディコンディションとに識別した。それぞれの犬種と性別の中で、2つのグループにおいて正常なボディコンディションと太り過ぎのボディコンディションの犬の間での寿命の差を、コックス比例ハザードモデルを用いて分析した。

結果
:太り過ぎのボディコンディションの犬に対する瞬間的な死亡リスクは、正常なボディコンディションの犬と比べて、この調査対象の年齢範囲を通じてすべての犬種で高く、ハザード比はジャーマンシェパードの1.35(99.79%信頼区間 1.05-1.73)からヨークシャーテリアの2.86(99.79%信頼区間 2.14-3.83)までの幅があった。すべての犬種で、太り過ぎのボディコンディションの犬に寿命の中央値は、正常なボディコンディションの犬と比べて短く、その差はヨークシャーテリアで最も大きく(太り過ぎ 13.7歳、99.79%信頼区間 13.3-14.2歳;正常 16.2歳、99.79%信頼区間 15.7-16.5歳)、ジャーマンシェパードで最も小さかった(太りすぎ 12.1歳、99.79%信頼区間 11.8-12.4歳;正常 12.5歳、99.79%信頼区間 12.2-12.9歳)。

結論と臨床的重要性
:獣医師は、特に中年齢以降から、犬の健康はボディコンディションを推進することを検討すべきである。


==本文から===
企業関与について:WALTHAM、Royal Cninが関与。

 

Klaus, Jennifer A., Elke Rudloff, and Rebecca Kirby.
"Nasogastric tube feeding in cats with suspected acute pancreatitis: 55 cases (2001–2006)." 
Journal of veterinary emergency and critical care 19.4 (2009): 337-346.

PubMedリンク PMID:25164632
本文:無料公開あり(全文) 

タイトル:急性膵炎の疑いのある猫における経鼻胃チューブ栄養;55例(2001-2006年)

==アブストラクト===
目的:急性膵炎の疑いのある猫において異なる鼻胃チューブ給餌技術に関連した合併症と結果を評価すること。

デザイン:記述的回顧的症例シリーズ。

施設:小動物救急紹介病院。

動物:患者データベース(2001-2006年)から、急性膵炎の疑いがあり、来院から72時間以内に鼻胃チューブ液体経管栄養をうけ、入院中12時間以上おこなった猫を検索した。

方法と主な結果:シグナルメント、病歴、臨床徴候、検査データ、および腹部超音波検査を、診断が疑われた場合に使用した。鼻胃チューブを介して液体食のボーラス投与もしくは連続注入(CRI)をうけたか、および鼻胃チューブ給餌のまえにアミノ酸と炭水化物溶液の静脈内投与が行われたかどうか、をもとに猫を分類した(アミノ酸溶液群と非アミノ酸溶液群)。55頭の猫が組み入れられた。全ての猫で、鼻胃チューブ給餌は来院から平均33.5±15.0時間で開始され、平均58.0±28.4時間で目標カロリー摂取(1.2×{(30×BW[kg])+70})に達した。入院から鼻胃チューブの開始までの時間は、非アミノ酸群の猫21/55頭よりも、アミノ酸群の猫34/55頭で有意に長かった(p=0.009)。ボーラス投与した8頭の猫では、CRI 投与をした47頭の猫よりも目標カロリーに達するまでかかった時間が長かった(p=0.002)。すべての猫での鼻胃チューブ給餌に関連する合併症には、機械的問題(13%)、下痢(25%)、鼻胃チューブ設置に続く嘔吐(20%)、鼻胃チューブ給餌に続く嘔吐(13%)が含まれた。全ての猫における退院までの平均時間は78.6±29.5時間であり、全体での体重増加は0.08±0.52kgであった。50頭の猫が退院後28日で生存していた。

結論
:急性膵炎が疑われる猫のこの集団での鼻胃チューブ給餌はよく許容され、下痢、嘔吐、および機械的な合併症の発生率は低かった。
 

Jensen, Kristine B., and Daniel L. Chan.
"Nutritional management of acute pancreatitis in dogs and cats." 
Journal of veterinary emergency and critical care 24.3 (2014): 240-250.

PubMedリンク PMID:24690138
本文:無料公開なし

タイトル
:犬と猫の急性膵炎の栄養管理

==アブストラクト===
目的
:ヒト、犬、猫の急性膵炎(AP)の管理における現行および新たな栄養学的アプローチについてレビューし、この分野のこれらかの調査に対する枠組みを提供すること。

情報源
:急性膵炎の栄養学的管理に焦点を当てた獣医学的な回顧的研究とレビュー、ヒトの前向き臨床試験とレビュー、および実験動物研究 。

概要
:栄養学的な管理は、急性膵炎の患者の治療計画の重要な部分である。ヒトの医療では、急性膵炎の患者への栄養補給の一般的なアプローチは近年変化し、早期経腸栄養に重点をおいて、非経口栄養よりも経腸栄養が好まれる。利用できる情報は限られているが、急性膵炎の経腸栄養に有益な役割を支持する獣医学の文献による根拠は増えてきており、この患者集団において経腸栄養の許容性が低いという以前の前提と矛盾する。非経口栄養は、十分な経腸栄養に耐えられない栄養不良の患者の一時的な方法として、単独もしくは経腸栄養との組み合わせで適応となり得る。しかし、ほとんどの場合で、経腸栄養を最初に試みるべきである。人の急性膵炎の場合に、膵臓の炎症と調整し、腸バリア機能の改善における良い役割について、免疫栄養が調査されている。

結論
:急性膵炎のある動物患者の栄養学的管理はいまだ困難である。ヒトにおける臨床的な根拠、実験的な動物の研究、および犬と猫の予備研究に基づき、犬と猫の急性膵炎において非経口栄養補助よりも腸管栄養を選ぶことは、有益であり許容されるようである。急性膵炎の犬と猫の最適な栄養療法は、免疫栄養の使用も含め、さらなる調査を必要とする。
 

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