ねころんで探せる小動物医療のジャーナルクラブ

小動物臨床の獣医師が、臨床に役立ちそうな論文情報をちょっとづつアップします。ねころんでいても論文検索ができればいいなと。

カテゴリ: リハビリ

Pouzot‐Nevoret, Céline, et al.
"Effectiveness of chest physiotherapy using passive slow expiratory techniques in dogs with airway fluid accumulation: A pilot randomized controlled trial." 
Journal of Veterinary Internal Medicine (2021).


PubMedリンク PMID:33704831
本文:無料公開あり(全文

タイトル:気道液が蓄積している犬における受動的スロウ呼気法を用いた胸部理学療法の有効性;予備的なランダム化対照試験

==アブストラクト===
背景:長くゆっくりな呼気とアシストされた咳は、犬で実行可能な気道クリアランスの方法であり、よく許容される。

目的:気道液の蓄積した犬における胸部理学療法の手法としての長くゆっくりな呼気とアシストされた咳の有効性についてを調べること。

動物:2014年10月から2028年3月の間にICUに入院した家庭医飼育犬31頭。

方法
:前向きランダム化対照試験。気道液の蓄積で来院、またはそれに関連した急性呼吸不全を入院中に発症した犬を、理学療法グループ(内科治療+理学療法、15頭)と対照グループ(内科治療のみ、16頭)に割り振った。酸素動脈分圧(PaO2)/吸気酸素濃度(FiO2)比(P/F比;PaO2/FiO2×100)を、入院して最初の48時間毎日算出し、退院もしくは死亡の前の最後の血液ガスを用いて算出した。酸素療法ありで入院した日数/入院日数合計の比(酸素フリー比)を計算した。

結果:最初の48時間、対照グループに比べて理学療法グループでは、P/F比が有意に上昇した(+35.1mmHg/day;95%信頼区間 0.4-57.6;p=0.03)。研究組み入れ時と退院時のP/F比の差(中央値;四分位範囲)は、対照グループ(54mmHg;-19 - 109)よりも理学療法グループ(178nnHg;123-241)の方が有意に高かった(p=0.001)。O2フリーの平均は、対照グループと比較して理学療法グループで46.4%増加(95%信頼区間 16-59;p=0.001)した。死亡率は、理学療法グループで13%(2/15)、対照グループで44%(7/16)であった(p=0.07)。

結論と臨床的意義
:長くゆっくりの呼気とアシストされた咳は、急性の気道液のある呼吸困難の犬において、48時間以内のP/F比を改善し、酸素療法の必要性を少なくした。

Taylor, J., and C. H. Tangner.
"Acquired muscle contractures in the dog and cat. A review of the literature and case report."
Veterinary and comparative orthopaedics and traumatology 2.02 (2007): 79-85.

PubMedリンク PMID:17546206
本文:googlescholar経由で入手可能(全文) 

タイトル:犬と猫の後天的な筋拘縮;文献と症例報告のレビュー

==アブストラクト===
犬と猫の筋拘縮は、いくつかの異なる筋肉が罹患することが報告されており、多くの素因が関連しており、どの筋肉が罹患するかに応じて様々な予後に関連する。ほとんどの患者では、筋拘縮があるよりも数週かから数ヶ月前にに、なんらかの外傷を負っている。臨床徴候には、跛行、痛み、虚弱、可動域の減少、筋肉全体にみられる硬さ、通常は特徴的な歩行、が含まれる。筋拘縮の素因には、コンパートメント症候群、感染、外傷、反復的な負荷、骨折、感染性疾患、免疫介在性疾患、腫瘍、および虚血が含まれる。ある品種や年齢での好発はあるようだが、動物の性別は大きな影響はない。一般的に、後肢の筋拘縮に比べて、前肢の筋拘縮は治療によく反応し良い予後をもたらす。

 

Gordon‐Evans, Wanda J., et al.
"The effect of body condition on postoperative recovery of dachshunds with intervertebral disc disease treated with postoperative physical rehabilitation." 
Veterinary Surgery (2018).

PubMedリンク PMID:30549081
本文:無料公開なし

タイトル:椎間板ヘルニアの術後に理学療法をうけたダックスフントの術後回復に与える体格の影響

==アブストラクト===
目的:胸腰部の片側椎弓切除を行い、リハビリテーションを行ったダックスフントの術後回復に、肥満が与える影響について調べること。

研究デザイン: 前向き観察試験。

動物:胸腰部椎間板疾患があり痛覚のあるダックスフント32頭。 

方法
:片側の胸腰部椎弓切除術を行なったダックスフントを研究に組み入れた。研究の開始時と12週間後に、二重エネルギーX線吸収法(DEXA)により除脂肪筋肉と脂肪含有量を測定した。積極的なリハビリテーションを術後1、2、4、6週間で行った。ロジスティック回帰を用いて、潜在的なリスク因子(来院時の年齢、臨床徴候の期間、体重、ボディコンディションスコア(BCS)、体脂肪の割合、除脂肪筋肉量の割合、障害指数スコア)と回復基準までの改善との間のオッズ比を調べた。

結果: BCS、体脂肪の割合、除脂肪筋肉量の割合、体重、および年齢は回復に対するオッズ比に影響を与えなかった。術前の障害指数スコアの上昇は、術後の回復の遅れのリスクの増加と関連していた(p<0.05)。起立までに7日以上かかる、力強い歩行までに30日以上かかる、研究期間内に正常まで回復しない、ことに対するオッズ比はそれぞれ2.5、4.8、1.8だった。研究期間中にわたり、平均して体重2.2kgと体脂肪2.4%を減量し、筋肉量は3.0%増加した(p<0.05)。

結論
:体の組成ではなく術前の障害指数が、胸腰部片側椎弓切除を行いリハビリテーションを行うダックスフントの回復の遅さのリスク因子であった。

臨床的意義
:回復が遅いことは、術前の障害の強さによって起こりやすくなるが、体の組成はリハビリテーションにより治療するダックスフントの術後予後には影響を与えない様である。
 

Zidan, Natalia, et al.
"A randomized, blinded, prospective clinical trial of postoperative rehabilitation in dogs after surgical decompression of acute thoracolumbar intervertebral disc herniation." 
Journal of veterinary internal medicine 32.3 (2018): 1133-1144.

PubMedリンク PMID:29635872
本文:無料公開あり(全文) 

タイトル: 急性胸腰部椎間板ヘルニアの減圧手術後の犬における術後リハビリテーションについてのランダム化盲検前向き臨床試験

==アブストラクト===
背景
:脊髄損傷後のリハビリテーションの利益は経験的な根拠が示しているが、急性のオープンフィールド歩行スコアの手術後の回復におけるリハビリテーションの効果に関する客観的な情報は限られている。

目的
:ランダム化盲検前向き臨床試験により、急性胸腰部椎間板ヘルニアの犬において基本的および集中的なリハビリテーションプログラムが運動の改善に与える効果を比較すること。

動物
胸腰部椎間板ヘルニアの減圧手術後の歩行不可能な不全麻痺または対麻痺(痛覚あり)の犬30頭。

方法
:盲検化前向き臨床試験。犬は、基本的もしくは集中的な家庭でのリハビリテーションプロトコールに1:1にランダム化された。14日でのオープンフィールド歩行スコアと協調(調整指数)を主要アウトカムとした。二次評価として歩様、術後疼痛、体重について14日と42日で比較した。

結果
:評価した50頭のうち、32頭が組み入れ基準をみたし、30頭がプロトコールを完了した。リハビリテーションに関連する有害事象はなかった。歩行までの中央機関は7.5日(2-37日)であった。 オープンフィールド歩行スコアの変化の平均は基本プロトコール群で6.13(信頼区間;4.88,7.39)、集中プロトコール群で5.73(4.94,6.53)であり、表される治療効果はー0.4(ー1.82、1.02)で有意な差はなかった(p=0.57)。14日の調整指数は基本プロトコール群で55.13(36.88, 73.38)、集中プルトコール群で51.65(30.98, 72.33)であり、治療効果はー3.47(ー29.81, 22.87)で有意ではなかった(p=-.79)。両群で二次アウトカムについて差はなかった。

結論
胸腰部椎間板ヘルニアの手術後の早期の術後リハビリテーションは、安全ではあるが、不完全な脊髄損傷のある犬の回復の速さもしくはレベルを改善させない。
  

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