ねころんで探せる小動物医療のジャーナルクラブ

小動物臨床の獣医師が、臨床に役立ちそうな論文情報をちょっとづつアップします。ねころんでいても論文検索ができればいいなと。

カテゴリ: 鼻腔

Lafuma, Francois, et al.
"Computed tomography may be helpful in discriminating grass awn foreign body rhinitis from non‐foreign body rhinitis in dogs." 
Veterinary Radiology & Ultrasound (2021).


PubMedリンク PMID:33987917
本文:無料公開なし

タイトル
:犬の草芒異物性鼻炎を非異物性鼻炎から識別する際にCTは有用かもしれない

==アブストラクト===
草の芒の異物は犬の鼻炎の一般的な原因である。これらの異物の早期の検出と完全な除去が、長期の合併症のリスクを最小限にするために重要である。この回顧的記述的横断研究の目的は、草芒異物性鼻炎の犬と非異物性鼻炎の犬を識別可能なCT所見があるかどうかを調べることである。

非異物性鼻炎(25頭)と鼻腔内の草芒異物(22頭)と確定診断された犬(47頭)のCT検査をレビューした。異物グループでは、22頭中1頭(55)で草の種がCT画像で直接視覚化された。局所的な融解が草芒異物の尊大とより強く関連し(p=0.12、LR=3.0)、広範囲の融解(鼻腔の1/3以上および/または両側性を含む)は非異物性鼻炎と関連しているようだった(p=0.046、LR=2.0)。上顎陥凹の充填は広範囲の融解と同様に、非異物性鼻炎と関連しているようだった(p=0.046、LR=2.0)。

調査結果は、草の芒が直接視覚化できない場合でも、これらのCT特性をもつ犬の鑑別診断として草芒異物性鼻炎を優先することを支持する。

Gianella, Paola, et al.
"Upper digestive tract abnormalities in dogs with chronic idiopathic lymphoplasmacytic rhinitis." 
Journal of Veterinary Internal Medicine (2020).


PubMedリンク PMID:32618401
本文:無料公開あり(全文

タイトル:慢性特発性リンパ球形質細胞性鼻炎の犬における上部消化管の異常

==アブストラクト===
背景:慢性特発性リンパ球形質細胞性鼻炎は犬の鼻腔が罹患する、よくみられる病因不明の炎症性病態である。診断は鼻腔内疾患の他の原因を除外することであり、特異的な治療はない。ヒト医療では、慢性特発性リンパ球形質細胞性鼻炎と胃腸臨床徴候との関連が仮定されており、消化器障害に対する治療による臨床試験後の呼吸器徴候の消失が観察されている。

目的:病歴、臨床徴候、内視鏡的および組織学的な呼吸器と消化管の異常の併発を記述し、消化器徴候の治療後の呼吸器徴候の改善について評価すること。

動物:慢性特発性リンパ球形質細胞性鼻炎のある犬25頭。

方法:22頭で内視鏡による消化器病変があり、13頭で消化器徴候の併発がみられた。多くの食道と十二指腸の内視鏡的異常は、中程度から重度に分類された。呼吸器と消化管の病理学的評価により、多くの慢性炎症が同定された。消化器徴候に対する治療のみで治療された多くの犬で、内視鏡検査から12ヵ月までに呼吸器徴候の消失または顕著な改善がみられた。治療と追跡情報の間に有意な関連はみられなかった。

結論と臨床的意義
:慢性特発性リンパ球形質細胞性鼻炎のある犬では、鼻腔および上部消化器の異常が併存していることがある。標準化された治療プロトコルが欠如しており、鼻腔臨床徴候の改善の解釈には注意が示される。2つの病態の因果関係の可能性を探索するためにさらなる研究が必要である。

Veir, J. K., et al.
"Feline inflammatory polyps: historical, clinical, and PCR findings for feline calici virus and feline herpes virus-1 in 28 cases."
 
Journal of feline medicine and surgery 4.4 (2002): 195-199.

PubMedリンク PMID:12468312
本文:無料公開なし

タイトル
:猫の炎症性ポリープ;猫カリシウイルスと猫ヘルペスウイルス-1に対する組織学的、臨床的、およびPCRの所見;28症例

==アブストラクト=== 
炎症性ポリープは猫の耳または鼻咽頭の重要な疾患と関連している。慢性のウイルス感染が腫瘤を誘導する可能性が提案されている。腹側鼓室包骨切り術(VBO)が治療として通常は推奨されるが、鼻咽頭または外耳道から牽引や剥離によって腫瘤を除去する方法も用いられる。炎症性ポリープのある猫28頭の回顧的研究を行い、治療方法と再発の関係を調べた。41個のポリープから得られた組織で、RT-PCRとPCRを用いて猫カリシウイルスと猫ヘルペスウイルス-1の活性を調べた。最初に牽引/剥離によって治療された猫14頭のうち、レントゲンで鼓室包の疾患の所見がある9頭中5頭で再発が検出され、鼓室包が正常な猫では再発はみられなかった。牽引/剥離は、レントゲンで鼓室包が正常な場合には、炎症性ポリープのリーズナブルな治療法である。猫カリシウイルスと猫ヘルペスウイルス-1の検出には失敗し、これは炎症性ポリープの発症にこれらのウイルスが関与していないことを示唆している。

Liu, Nai‐Chieh, et al.
"Objective effectiveness of and indications for laser‐assisted turbinectomy in brachycephalic obstructive airway syndrome." 
Veterinary Surgery (2018).

PubMedリンク PMID:
30303538
本文:無料公開あり(全文

タイトル:短頭種閉塞性気道症候群のレーザー補助鼻甲介切除の客観的な有効性と適応

==アブストラクト===
目的:短頭種閉塞性気道症候群の治療におけるレーザー補助鼻甲介切除の有効性を評価し、潜在的な適応について調べること。

研究デザイン:前向き臨床研究。

サンプル集団:家庭飼育のパグ、フレンチブルドッグ、イングリッシュブルドッグ(n=57)。

方法
:従来の多段階手術を行う前と術後2-6ヶ月で、全身気圧式容積脈波記録法により短頭種閉塞性気道症候群指数を得た。 短頭種閉塞性気道症候群指数が>50%および短頭種閉塞性気道症候群の機能的グレードがⅡ-Ⅲの犬を、レーザー補助鼻甲介切除の候補と考えた。短頭種閉塞性気道症候群指数はレーザー補助鼻甲介切除の術後2-6ヶ月で再評価した。CT画像をもとに、鼻腔内の病変と後鼻孔の吻側入り口の軟部組織の割合の測定を記録した。ロジスティック回帰を用いて、レーザー補助鼻甲介切除の候補者であることに対しての鼻腔内予測因子を評価した。

結果
: 57頭中29頭がレーザー補助鼻甲介切除に候補となり、その全てがパグかフレンチブルドッグだった。手術をうけた犬(20/29)の短頭種閉塞性気道症候群指数の中央値は、従来式多段階手術の後の67%から、レーザー補助鼻甲介切除の42%まで減少した(p<0.001)。後鼻孔の吻側入り口の軟部組織の割合は、レーザー補助鼻甲介切除の候補となる唯一の予測因子であった。後鼻孔の吻側入り口の軟部組織の割合が高いパグ(p=0.021;カットオフ=64%)とフレンチブルドッグ(p=0.008;カットオフ=55%)は、レーザー補助鼻甲介切除の候補によりなりやすかった。レーザー補助鼻甲介切除の術後、20頭中12頭で一時的な逆くしゃみがみられ、20頭中8頭で匂いを嗅いだり興奮した時に鼻音だみられた。

結論
: レーザー補助鼻甲介切除は鼻腔内の異常があり、従来の多段階手術への反応がよくない犬に対して、効果的な治療である。後鼻孔の吻側入り口の軟部組織の割合は、パグとフレンチブルドッグにおいてレーザー補助鼻甲介切除の候補の予測因子となる。

臨床的意義
:CTベースの後鼻孔の吻側入り口の軟部組織の割合の測定は、短頭種閉塞性気道症候群のあるパグとフレンチブルドッグにおいて、従来の多段階手術に加えてレーザー補助鼻甲介切除が必要になるかどうかの予測として使用できる可能性がある。
 

Belda, Beatriz, Nicholas Petrovitch, and Kyle G. Mathews.
"Sinonasal aspergillosis: Outcome after topical treatment in dogs with cribriform plate lysis." 
Journal of veterinary internal medicine(2018).

PubMedリンク PMID:29957889
本文:無料公開あり(全文) 

タイトル:鼻腔内アスペルギルス症;篩板融解のある犬における局所療法後の転帰

==アブストラクト===
背景
:薬物の溢出による神経徴候の悪化や死亡についての懸念から、 篩板の融解は鼻腔アスペルギルス症の局所治療を行ううえで禁忌と考えられている。

目的/仮説:鼻腔アスペルギルス症と篩板融解があり、抗真菌剤による局所治療を行った犬について記述すること。われわれの仮説は、これらの症例で局所療法を避けるべきであるという伝統的な定説は間違っているというものである。

動物:鼻腔内アスペルギルス症があり、CT検査で検出された篩板融解、前頭洞床の融解、またはその両方のある家庭飼育犬9頭。

方法:医療記録の回顧的な再調査を行なった。組み入れ基準(すなわち、鼻腔内アスペルギルス症が1つ以上の臨床検査で確定していること、CTに影響を与える頭蓋、局所療法の適応)をみたす犬を組み入れた。病変の大きさ、補助的な診断検査、局所療法、および補助的な経口薬治療を記録した。転帰については電話で調査した。

結果: この原稿を提出する時点で4頭の犬が生存しており、追跡期間は188から684日であり、神経学的徴候は観察されることはなかった。すべての犬は施術後1-7日の間に主要な合併症を起こすことなく退院した。来院時に発作の病歴を持つ1頭の犬が、治療後2ヶ月に発作を経験した。

結論と臨床的重要性
:溶解性病変の16×22mm2が認めらたこれらの犬において、局所療法は合併症を引き起こさなかった。CTで検出される篩板の融解、前頭洞床の融解、もしくはその療法を伴う鼻腔内アスペルギルス症において、局所療法を禁忌とるす必要はない。 
 

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