ねころんで探せる小動物医療のジャーナルクラブ

小動物臨床の獣医師が、臨床に役立ちそうな論文情報をちょっとづつアップします。ねころんでいても論文検索ができればいいなと。

カテゴリ: 放射線治療

Martin, Tiffany Wormhoudt, et al.
"Outcome and prognosis for canine appendicular osteosarcoma treated with stereotactic body radiation therapy in 123 dogs." 
Veterinary and comparative oncology.2021.


PubMedリンク
 PMID:33403752
本文:無料公開なし

タイトル:定位放射線治療で治療された四肢の骨肉腫の犬の転帰と予後;123頭

==アブストラクト===
 犬の四肢の骨肉腫は一般に断脚によって治療されるが、肢温存のオプションが望まれるあるいは必要となる患者もいる。私たちは定位放射線治療で治療された123頭、130部位についての評価を行った。98頭中82頭(84%)で、中央値3週間で跛行の最大の改善がみられ、中央値で6ヶ月間持続した。断脚および剖検によって得られた入手可能なサンプル病理組織学的評価では、局所的な病気の制御ができていた肢の50%で、>80%の腫瘍の壊死が明らかとなった。評価可能な患者のうち、治療後に41%で骨折がおこり、21%は断脚が必要になった。腫瘍のサンプリングなし(n=50)と比べて、FNA(n=52)と針コア生検(n=28)は骨折のリスクを増加させなかった。中央生存期間は233日であり、最初のイベントまでの期間は143日であった。肉眼的な腫瘍体積と計画されたターゲット体積は、生存と有意に逆相関し、腫瘍の位置は生存と有意に関連していた。サルベージの断脚を行った犬は、行わなかった犬に比べて中央生存期間が有意に長かった(346日 vs 202日;p=0.04)。15頭の犬における治療時の転移の存在は、生存期間に有意な影響を与えなかった(200日 vs 237日;P=0.58)。皮膚の副作用は線量と有意に相関し、急性のグレード3の影響のあった犬の33%の犬が、その結果として晩発生のグレード3の影響をうけた。定位放射線治療は多くの患者で跛行を改善する一方、早期骨折のリスクが低い患者を
治療開始前に特定するためにはさらなる調査が必要である。

Lee, Ber‐In, et al.
"Safety and Efficacy of Stereotactic Body Radiation Therapy (SBRT) for the Treatment of Canine Thyroid Carcinoma." 
Veterinary and Comparative Oncology (2020).

PubMedリンク PMID:32515526
本文:無料公開なし

タイトル
:犬の甲状腺癌の治療のための体幹部定位放射線治療の安全性と有効性

==アブストラクト=== 
犬の甲状腺癌は自然発生に発症し、診断時に手術に適しているのは25-50%だけである。切除不能腫瘍の局所制御は、外部ビーム放射線治療により供される。この回顧的研究の目的は、犬の甲状腺癌に対する体幹部定位放射線治療(SBRT)の安全性と有効性を記述することである。

23頭の犬が組み入れ基準を満たし、SBRT実施前の腫瘍体積の中央値は129.9m3(範囲 2.7 - 452.8)であった。16頭(70%)が切除不能腫瘍であった。SBRT実施前に10頭(44%)で肺転移の存在または疑いがあった。腫瘍体積を目標として、15-40Gyの1-5分割照射が行われた。評価をうけた20頭の患者で、全体の奏功率は70%(完全奏功 n=4、部分奏功 n=10)であった。症候性の患者16頭中13頭(81%)で臨床的な改善が得られ、その中央期間は16日(範囲 2-79日)であった。無進行期間(PFS)の中央値は315日であった。中央生存期間は362日であった。9頭(39%)でグレード1の急性放射線障害がみられた。3頭でグレード1の遅発性放射線障害(2頭で白毛症、1頭で間欠的な咳)がみられた。治療に反応した犬では無進行期間中央値が有意に長く(362日vs90日;ハザード比 4.3;95%信頼区間 1.4-13.5;p=0.013)、中央生存期間も有意に長かった
(455日vs90日;ハザード比 2.9;95%信頼区間 1-8.4;p=0.053)。転移の存在は有意な負の予後因子ではなかった(中央生存期間 転移あり347日vs転移なし 348日;p=0.053)。

SBRTは、切除不能な犬の甲状腺癌にとって安全で有効な治療法である。

Elliott, James, et al.
"Response and Outcome Following Radiation Therapy of Macroscopic Canine Plasma Cell Tumors."
 
Veterinary and Comparative Oncology (2020).

PubMedリンク PMID:32419347
本文:無料公開なし

タイトル
:犬の肉眼的な形質細胞腫瘍の放射線治療後の反応と転帰

==アブストラクト=== 
肉眼的な形質細胞腫瘍のある犬30頭に放射線治療を行なった。 12頭は緩和目的(範囲4-10Gy/照射[中央値 7Gy]で合計線量20-35Gy[中央値 30Gy])で治療された。18頭は根治目的
(範囲3.0-4.2Gy/照射[中央値 3Gy]で合計線量42-54Gy[中央値 48Gy])で治療された。罹患部位は、口腔、皮膚、多発性骨髄腫関連の溶骨病変、骨(孤立性骨形質細胞種)、鼻腔、口頭、眼球後方、リンパ節、および直腸であった。評価可能な犬の95%で、完全奏功(CR:16/22)または部分奏功(PR:5/22)が得られた。多発性骨髄腫の患者では有効な鎮痛が得られた。無進行生存期間(PFS)の中央値は611日(範囲 36-2001)であった。多発性骨髄腫以外の患者では、病変部での進行(5/26 19%)、播種性病変(5/26 19%)がみられた。中央生存期間は全体で697日(範囲 71-2075)であり、多発性骨髄腫以外の患者だけでいうと771日(範囲 71-2075)であった。14頭が病気の進行なしに生存、または関連のない原因で死亡した。部分奏功の達成は、完全奏功と比較して無進行生存期間と生存期間で劣っていた。緩和目的の放射線治療、根治目的の放射線治療と比較して生存期間で劣っていた。
放射線治療は形質細胞腫瘍の治療法として有用であり、腫瘍の反応はしばしば完全で長続きし、生存を長期化させる。最適な放射線線量とスケジュールはまだ決まっていない。

Meier, V., et al.
"Outcome in dogs with advanced (stage 3b) anal sac gland carcinoma treated with surgery or hypofractionated radiation therapy." 
Veterinary and comparative oncology 15.3 (2017): 1073-1086.

PubMedリンク PMID:27278807
本文:無料公開なし

タイトル
:進行した(ステージ3b)肛門嚢腺癌を手術もしくは低分割放射線治療で治療した犬の転帰

==アブストラクト===
ステージ3bの肛門嚢腺癌は命をおびやかす可能性がある。外科的アプローチが常に可能なわけではなく、拒否される可能性もある。ステージ3bの肛門嚢腺癌を手術または原体照射法の放射線治療(8×3.8Gy;総線量30.4Gy 2.5週間かけて)により治療した犬を回顧的に評価した。患者の特徴、無進行期間の中央値、中央生存期間について比較した。28頭の犬が組み入れられ、15頭で手術を行い、13頭で放射線治療を行なった。来院時点で、21%が生命を脅かす便秘となっており、25%が高カルシウム血症を示していた。手術を行なった症例の無進行期間と中央生存期間は159日(95%信頼区間[CI ];135-184日)と182日(95%CI;146-218日)であり、どちらも放射線治療の症例の347日
(95%CI;240-454日)と447日(95%CI;222-672日)に比べて有意に短かった(p=0.001、p=0.019)。放射線治療と同様に外科は、症候からの解放を迅速に導いた。手術患者の無進行期間と生存期間は、低分割放射線治療を行なった患者グループとの比較で有意に劣っていた。


==訳者コメント===
外科をするか放射線治療をするかの選択をどのようにしたのかという点で、交絡因子がとても多そうなので単純な比較はできないですね。
 

Hansen, Katherine S., et al.
"Long‐term survival with stereotactic radiotherapy for imaging‐diagnosed pituitary tumors in dogs." 
Veterinary Radiology & Ultrasound (2018).

PubMedリンク PMID:30575174
本文:無料公開なし

タイトル
:犬の画像診断された下垂体腫瘍にたいする定位放射線療法による長期生存

==アブストラクト===
 下垂体腫瘍のある犬に対する定位放射線療法の使用に関する公表された研究は限られている。この回顧的観察研究では、画像診断された下垂体腫瘍をもつ犬45頭に対する定位放射線療法の結果を記述する。すべての犬は、2009-2015年の間に一度の入院期間で治療された。定位放射線治療は、15Gy単回分割または8Gy3回分割の照射で行われた。解析時点で、41頭が死亡していた。4頭は生存しており、生存分析から打ち切られた。1頭は8Gyを隔日照射していたため、プロトコール解析からは除外された。初回治療時からの中央全体生存期間は311日(95%信頼区間 226-410日、範囲1-2134日)であっった。32頭の犬が15Gyの照射をうけ(中央生存期間311日、95%CI 221-427日)、12頭の犬が連日で24Gyの照射をうけた(中央生存期間245日、95%CI 2-626日)。29頭は副腎皮質機能亢進症があり(中央生存期間 245日)、16頭は非機能性の腫瘤であった(中央生存期間 626日)。臨床的な改善は37/45頭で報告された。定位放射線治療の4ヶ月以内の急性の有害事象と推定されるものが10/45頭でみられ、ほとんどは自然に、もしくはステロイドにより改善した。腫瘍の進行に対する晩発障害の影響は区別がつかなかったが、治療後の失明(2)、高ナトリウム血症(2)、おゆおび進行性の神経学的徴候(31)が報告された。プロトコールの違いによる中央生存期間には統計学的な差がなかった。非機能性の腫瘍にある患者は、副腎皮質機能亢進症のある患者よりも中央生存期間が長かった(p=0.0003)。定位放射線療法による生存予後は、特に副腎皮質機能亢進症の犬で、過去に報告された根治的放射線療法よりも短かった。
 

Hansen, K. S., et al.
"Treatment of MRI‐diagnosed trigeminal peripheral nerve sheath tumors by stereotactic radiotherapy in dogs." 
Journal of veterinary internal medicine 30.4 (2016): 1112-1120.

PubMedリンク PMID:27279132
本文:無料公開あり(全文

タイトル:犬におけるMRIで診断した三叉神経末梢神経鞘腫瘍の定位放射線治療による治療

==アブストラクト=== 
 背景:定位放射線療法(SRT)は動物の腫瘍を治療するための新しい技術である。

目的:頭蓋内三叉神経末梢神経鞘腫瘍が疑われSRTで治療した犬の転帰について評価すること。

動物
三叉神経末梢神経鞘腫瘍と推定される犬8頭。

方法
:これはUC デイビス 獣医療教育病院の医療記録を三叉神経末梢神経鞘腫瘍と推定されSRTを行った犬 について検索し、同定された犬における回顧的な研究である。推定診断はMRIをもとに行われた。SRTは8Gyを連日もしくは隔日で3回分割照射し、合計で24Gy照射した。

結果:疾患特異的生存期間の中央値は745日(範囲 99-1375日, n=6)であった。放射線治療による急性有害事象の徴候は記録されなかった。腫瘍進行に対する遅発性放射線効果は、剖検をうけている動物がほとんどいなかったために、病理組織学的な確定ができなかった。

結論と臨床的重要性
:この研究は三叉神経末梢神経鞘腫瘍のある犬が長期生存に関してSRTの恩恵をうけるという予備的証拠を提供する。この治療は許容されるようであり、フルコースの放射線治療に比較して動物に必要な麻酔イベントが少なくなる。
 

Dolera, Mario, et al.
"High dose hypofractionated frameless volumetric modulated arc radiotherapy is a feasible method for treating canine trigeminal nerve sheath tumors."
 
Veterinary Radiology & Ultrasound (2018).

PubMedリンク PMID:29885013
本文:無料公開なし 

タイトル
:高線量低分割フレームレス強度変調回転放射線治療は犬の三叉神経鞘腫瘍の治療に実行可能な方法である

==アブストラクト===
 この前向き予備試験の目的は、犬の三叉神経の末梢神経鞘腫瘍の治療として根治目的の高線量低分割フレームレス強度変調回転放射線治療の実行可能性と有効性について評価することである。

2010年2月から2013年12月の間の期間に、
画像検査をもとに三叉神経の末梢神経鞘腫瘍と推定診断された家庭飼育犬をこの研究に採用した。7頭の犬が登録され、マイクロマルチコリメータを備えた6MVの線形加速器による高線量低分割フレームレス強度変調回転放射線治療をうけた。計画にはモンテカルロアルゴリズムを用い、37Gyの処方線量を5分割して隔日で照射した。

全体の生存期間はカプランメイヤー曲線分析を用いて推定した。MRIによる追跡検査により1頭で完全寛解(CR)、4頭で部分寛解(PR)、2頭が安定(SD)が明らかとなった。中央生存期間は952日であり、95%信頼区間は543-1361日であった。

この研究の犬の集団において、
強度変調回転放射線治療は三叉神経末梢神経鞘腫瘍も治療として実行可能で有効であることが示された。この技術は鎮静をほとんど必要とせず、臓器をリスクから回避した。より大きな研究を必要とするものの、これらの予備的結果は、他の治療法の代替としての高線量低分割強度変調回転放射線治療の使用を支持する。
 

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