ねころんで探せる小動物医療のジャーナルクラブ

小動物臨床の獣医師が、臨床に役立ちそうな論文情報をちょっとづつアップします。ねころんでいても論文検索ができればいいなと。

カテゴリ: 会陰部

Skorupski, Katherine A., et al.
"Outcome and clinical, pathological, and immunohistochemical factors associated with prognosis for dogs with early-stage anal sac adenocarcinoma treated with surgery alone: 34 cases (2002–2013)."
 
Journal of the American Veterinary Medical Association 253.1 (2018): 84-91.

PubMedリンク PMID:29911942
本文:無料公開なし

タイトル:手術単独で治療した早期ステージの肛門嚢腺癌の犬の転帰と、予後に関連する臨床的、病理学的 、および免疫組織化学的な因子;34症例(2002-2013年)

==アブストラクト===
目的:手術単独で治療した早期ステージの肛門嚢腺癌のある犬の生存期間と転移率を調べ、特定の臨床的、病理学的、または免疫組織化学的な因子がそれらの犬の転帰を予測するかどうかを調べること。

デザイン:回顧的症例シリーズ。

動物:手術単独で治療された早期ステージ、非転移性の肛門嚢腺癌の犬34頭。

方法:2つの紹介病院のデータベースの医療記録を検索し、2002年から2013年の間に検査を行い、最大径が<3.2cmで非転移性の肛門嚢腺癌と診断された犬を同定した。外科治療のみをうけた犬をこの研究に組み入れた。それぞれの犬で、シグナルメント、臨床所見、診断検査所見、腫瘍の特徴、および転帰についての情報を医療記録から抽出した。利用可能な場合には、保存された腫瘍標本を組織学的に再調査し、腫瘍の特徴について記述した;Ki-67とE-カドヘリンの発現を免疫組織化学的手法を用いて評価した。臨床的、病理学的、および免疫組織化学的な因子について、生存期間と腫瘍の再発率および転移率との関連を評価した。

結果:中央生存期間は1,237日であった。7頭の犬で再発がみられ、9頭の犬で転移病変が発生し、それぞれの原発巣の除去からの中央期間は354日と589日であった。 細胞多形性は転移病変の発生と正の相関があった。転帰と関連する因子は他にはなかった。

結論と臨床的意義
:この結果から、早期ステージの非転移性肛門嚢腺癌のある犬では、原発巣の外科的切除単独で、一般的には良好な転帰をとることが示された。 ルーチンな直腸検査は、早期ステージの肛門嚢腺癌のある犬の検出に、シンプルで有用な方法であるかもしれない。
 

==訳者コメント===
・たしかにかなり長期の予後が得られていますが、それなりに再発や転移もでているので、リードタイムバイアスも踏まえた評価が必要ではないかと思います。
 

Hall, Margaret I., Jeffrey H. Plochocki, and José R. Rodriguez‐Sosa.
"Male and female anatomical homologies in the perineum of the dog (Canis familiaris)." 
Veterinary medicine and science(2019).

PubMedリンク PMID:30663868
本文:無料公開あり(全文

タイトル
:犬の会陰部の雄と雌の解剖学的相同性

==アブストラクト===
雄のメスの会陰構造の相同性を理解することは、進化生物学者と臨床医の両方にとって犬の進化と解剖をより理解するのに役立つ。家庭犬はヒト社会の中で重要な役割を担っており、犬の会陰の解剖は繁殖の成功のための犬の生殖健康を維持と、多種多様な病理にとって重要である。 ここでは、われわれは雄と雌の会陰の構造の相同性について調べ、共通の機能、解剖学的関係、付着部を元に構造の同定を行った。この調査では21頭の雄と雌の大型犬の解剖を行った。雄と雌の間で、筋肉、筋膜、勃起組織を含めた、勃起、排尿、排便に関連する構造の広い相同性を見出した。これらの相同性の利用をすることで、解剖が難しいことで有名な部位である会陰の解剖学的構成について、解剖学者と臨床医の助けになるだろう。


※本文中に詳しい解剖が載っています。
 

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