ねころんで探せる小動物医療のジャーナルクラブ

小動物臨床の獣医師が、臨床に役立ちそうな論文情報をちょっとづつアップします。ねころんでいても論文検索ができればいいなと。

カテゴリ: 病理

Erich, Suzanne A., et al.
"Morphological distinction of histiocytic sarcoma from other tumor types in Bernese Mountain Dogs and Flatcoated Retrievers."
 
in vivo 32.1 (2018): 7-17.

PubMedリンク PMID:
 
29275293
 
本文:無料公開あり(全文

タイトル
:バーニーズ・マウンテン・ドッグとフラットコーテッド・レトリバーにおける他の腫瘍タイプからの組織球性肉腫の形態学的鑑別

==アブストラクト===
背景/目的:組織球性肉腫(HS)は、バーニーズ・マウンテン・ドッグ(BMD)およびフラットコーテッド・レトリバー(FCR)が素因となる犬の悪性腫瘍のグループだ。組織球性肉腫
の鑑別診断は幅広く、円形細胞腫瘍、肉腫およびその他の組織球性疾患を含む。本研究の目的は、犬の組織球性肉腫とそのサブタイプの認識と鑑別のために、ホルマリン固定、パラフィン包埋標本および細胞診塗抹標本に日常的に使用できる形態学的および免疫組織化学的基準を確立することであった。

方法:組織球性肉腫の確定または疑い、他の組織球性状態、または組織球性肉腫の鑑別診断となる疾患を認めたバーニーズ・マウンテン・ドッグ449頭と とフラットコーテッド・レトリバー380頭の腫瘍切片をレビューした。

結果:大部分の症例、組織学では47.5%、細胞学では46.3%の症例で、
最初の診断が修正後に変更された。この研究では組織球性肉腫の形態学的特徴に大きなばらつきがみられ、犬にもいくつかのサブタイプが存在する可能性が高いと考えられた。さらに、バーニーズ・マウンテン・ドッグとフラットコーテッド・レトリバーの形態的特徴の割合が異なることは、これらの犬種ではHSの発症時に遺伝的または環境的な違いに起因する細胞型の起源が異なることを示していると考えられる。

結論:本研究は、腫瘍切片や塗抹標本の顕微鏡的評価、および病理診断のレビューと改訂のための厳密に適用された標準化されたスコアリングシステムの価値を強調している。

Isobe, Kaori, Hiroyuki Nakayama, and Koji Uetsuka.
"Relation between lipogranuloma formation and fibrosis, and the origin of brown pigments in lipogranuloma of the canine liver." 
Comparative hepatology 7.1 (2008): 5.

PubMedリンク PMID:18471325
本文:無料公開あり(全文

タイトル:犬の肝臓の脂肪肉芽腫における脂肪肉芽腫形成と線維症、および褐色色素の起源の関係性

==アブストラクト=== 
背景
:過去の報告で私たちは、細胞質に脂肪空砲と褐色色素を含む小円形細胞によって構成される病変して定義される犬の肝臓脂肪肉芽腫が、クッパー細胞および/またはマクロファージの集合体であること、および病変内の細胞質の褐色色素はヘモジデリンとセロイドであることを確認した。しかし、病変の病因については不明なままである。クッパー細胞(常在マクロファージ)は、TGF-βを含むサイトカインを産生することから、肝臓線維化において重要な役割を果たしている。この研究では、52の犬肝臓標本(年齢;新生児-14歳齢、雄25頭/雌27頭)を調べ、脂肪肉芽腫の形成と線維症との関連と、同様に褐色色素肉芽腫についても調べた。

結果
:脂肪肉芽腫は52の肝臓標本中23(44.2%)で病理組織学的に検出された。肝臓において脂肪肉芽腫の密度と、Ⅰ/Ⅲ型コラーゲンの分布に有意な相関はみられなかった。脂肪肉芽腫の色素沈着は、肝細胞と類洞細胞の両方で有意な相関を示し、脂肪肉芽腫の色素沈着(ヘモジデリンおよびセロイド)が肝細胞とクッパー細胞に由来している可能性があることを示している。

結論
:脂肪肉芽腫は肝線維症の要因ではないが、肝臓内の鉄と脂肪の蓄積に潜在的な指標となる可能性がある。 

Isobe, Kaori, et al.
"Histopathological characteristics of hepatic lipogranulomas with portosystemic shunt in dogs."
 
Journal of Veterinary Medical Science 70.2 (2008): 133-138.

PubMedリンク PMID:18319572
本文:無料公開あり(全文

タイトル
犬の門脈体循環シャントを伴う肝臓脂肪肉芽腫の病理組織学的特徴

==アブストラクト=== 
門脈体循環シャント(PSS)のある犬の肝臓では、細胞質性褐色色素と脂肪空胞から成る限局性病変が、肝臓実質でしばしば観察される。脂肪肉芽腫と呼ばれ、病理組織学的な特徴はほとんど研究されていない。この研究では、144頭の犬(年齢;3ヶ月齢-16歳齢、PSS65頭と非PSS79頭)の肝生検のサンプルを検査し、脂肪肉芽腫病理組織学的特徴、発生率、 密度について調べた。脂肪肉芽腫はPSSの犬の55.4%で病理組織学的に検出された。病変は細胞質脂肪空胞と褐色色素の量によって3つのタイプに分類された。色素はベルリンブルー、PAS、ズダンブラックBに陽性で、ホール法で陰性だった。大部分の細胞は免疫組織化学的ににマクロファージスカベンジャー受容体クラスAに陽性であり、肝細胞抗体とアルブミンに陽性の細胞はなかった。細胞質色素は電子顕微鏡で電子密度の高い微粒子として確認された。脂肪肉芽腫の発生率は、1歳以下の犬を除外した際に、非PSSグループよりもPSSグループで有意に高かった。脂肪肉芽腫の肝臓での密度は、PSSグループで有意に高かった。結論として、脂肪肉芽腫は犬のPSSで、特に1歳以上の犬で、肝生検で頻繁に観察される。病変はカッパー細胞および/またはマクロファージで構成され、細胞質性褐色色素はセロイドおよびヘモジデリンであった。PSSにおける脂肪肉芽腫の病因について明らかにする必要がある。

Sobczak-Filipiak, M., et al.
"Lipogranulomas and pigment granulomas in livers of dogs with portosystemic shunt." 
Polish journal of veterinary sciences 21.2 (2018): 265-272.

PubMedリンク PMID:30450864
本文:googlescholar経由で入手可能(全文

タイトル
:門脈体循環シャントのある犬の肝臓における脂肪肉芽腫と色素肉芽腫

==アブストラクト=== 
脂肪肉芽腫はヒトと犬を含むその他様々な動物の肝臓の病理組織学的検査で見つかる病変であり、特に門脈体循環シャントがある場合に多い。 それらはマクロファージと炎症細胞によって構成され、鉄塩を含むこともある(色素肉芽腫)。この研究の目的は、先天性肝外門脈体循環シャントがある犬における脂肪肉芽腫の細胞構成と肉芽腫の数を調べることと、それの発生に関連する因子を特定することである。門脈体循環シャントのある犬の保管された44の肝臓サンプルを、HE、パール法、および(ランダムに選出した症例で)CD56、CD20、CD3に対する免疫組織化学を用いて染色した。すべての犬で開腹手術中に肝臓の大きさの減少がみられ、肝臓を迂回する血管の直径も測定された(24頭で)。脂肪肉芽腫は52.3%のサンプルで確認され、鉄塩はそのうちの47.8%でみられ、脂肪肉芽腫の中のの細胞のうち72%がマクロファージだった。脂肪肉芽腫の中にはT細胞とB細胞のリンパ細胞の両方がみられた。肝臓サンプル中の脂肪肉芽腫の存在は、肝細胞の脂肪変性と関連があり、動物の年齢および肝臓の異常な迂回血管の直径と相関していた。それらの形成は、重度の虚血と栄養素供給の不足により起こるようだ。

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