ねころんで探せる小動物医療のジャーナルクラブ

小動物臨床の獣医師が、臨床に役立ちそうな論文情報をちょっとづつアップします。ねころんでいても論文検索ができればいいなと。

タグ:制酸剤

Gaier, Ann, et al.
"A prospective, randomized, masked, placebo‐controlled crossover study for the effect of 10 mg omeprazole capsules on gastric pH in healthy dogs."
 
Journal of Veterinary Internal Medicine (2021).


PubMedリンク PMID:33586200
本文:無料公開あり(全文

タイトル:健康な犬におけるオメプラゾール10mgカプセルが胃内pHに与える影響についての前向きランダム化盲検プラセボ対照クロスオーバー研究

==アブストラクト===
背景:腸溶性オメプラゾールカプセルは、犬の胃酸抑制としてよく用いられている。しかし、犬の臨床的使用としてのこの製剤の有効性については検証されていない。

仮説/目的:犬の胃のpHを上昇させるためにFDAで承認をうけているオメプラゾールカプセル10mgの傾向投与の有効性を評価すること。カプセル化されたオメプラゾールはプラセボと比較して胃pHを有意に上昇させ、ヒトから推定された食道炎と十二指腸潰瘍のための目標pHに到達すると仮定した。

動物:健康な研究犬6頭。

方法:ランダム化盲検双方向クロスオーバー試験。犬にはオメプラゾール0.5-1.0mg/kgまたはプラセボ(空のゼラチンカプセル)を、1日2回、5日間経口投与した。胃内pHは治療の2日目から5日目まで記録した。平均pHと胃内pHが≧3または≧4となる時間の割合の平均を、それぞれの治療群間および治療群内で比較した。

結果
:オメプラゾールで治療された犬は、プラセボで治療された犬に比べて、pH≧3となる時間割合の平均±標準偏差(91.1%±11.0 vs 19.7±15.5)およびpH≧4(86.9%±13.7 vs 28.7±20.7)、pHの平均±標準偏差(5.4±0.8 vs 2.4±1.0)が有意に高かった(すべてp<0.001)。

結論と臨床的意義
:この研究で評価された10mg腸溶性オメプラゾールカプセルの経口投与は、健康な犬の胃酸抑制に効果的であった。

Vangrinsven, Emilie, et al.
"Diagnosis and treatment of gastro‐oesophageal junction abnormalities in dogs with brachycephalic syndrome."
 
Journal of Small Animal Practice (2020).


PubMedリンク PMID:33263199 
本文:無料公開なし

タイトル:短頭種気道症候群の犬における胃食道結合部異常の診断と治療

==アブストラクト===
目的:短頭種気道症候群の外科治療を行った犬における術前および術後の制酸剤治療の利用に有益性があるかどうかを調べること。動的な胃食道結合部異常の検出としての内視鏡検査中の閉塞操作の利用について評価すること。

方法:36頭の家庭飼育の短頭種犬が、ランダム化試験に前向きに組み入れられた。制酸薬治療はランダムに18頭の犬に割り付けられて術前・術後に処方され、他の18頭は消化管の内科治療を受けなかった。来院時、手術時、および再診時に、消化器の臨床徴候と胃食道結合部異常を特定のスコアを用いて評価した。胃食道結合部異常は、通常の状態で内視鏡で評価し、気管内チューブによる閉塞の状態でも同様に評価した。この操作は無関係の対象犬でも行った。

結果:手術を行った短頭種気道症候群の犬において制酸剤の治療は消化器臨床徴候と病変の改善に有益な効果があることが示唆された。治療群では83%の犬で術後の消化器臨床スコアが1以下であり、無治療群では44%が1以下であった。治療群の胃食道結合部異常スコア(閉塞操作中)は39%で1以下であり、無治療群では16.7%であった。対照群における内視鏡検査中の閉塞操作により、健康な犬における胃食道結合部の運動は無視できるものであることが明らかとなった。

臨床的意義:手術を行った短頭種症候群の犬で術前および術後の制酸剤による治療を追加することは、より早く、より良い改善につながるかもしれない。閉塞操作は胃食道結合部異常の検出を改善するための興味深い手法である。

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